2011年3月11日に起きた東日本大震災は、それから数日の間に、福島第一原発の4つの原子炉をメルトダウンで破壊した。
ここから爆発的に噴出した核分裂中の放射能が、東日本全域を襲い、福島県の多くの人々が、緊急避難を余儀なくされた。
2012年5月段階での公式発表では、避難者の総数は約16万5千名にのぼるが、避難指示区域以外の自主的な避難者を含めれば、50万人を大きく超すといわれている。
2023年現在の避難者は、福島県の面積の2.4%を占める避難指示区域で、公式には31000名だが、自主避難者を含めれば10万人を超えているという観測もある。
https://www.asahi.com/articles/ASR3B4WDTR31UTIL01L.html#:~:text=%E9%81%BF%E9%9B%A3%E8%80%85%E3%81%AF%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%AF%E6%99%82,%E6%A1%88%E3%81%AF5523%E5%84%84%E5%86%86%E3%80%82
だが、現在もなお、故郷を追われて全国を彷徨っている数万人以上の原発事故避難者がいることは、ほとんど報道されない。
国も、福島県も、避難者の存在は、「触れられたくない恥部」の扱いなのだ。
福島県や政府は、自主的な避難者の存在を認めず、避難者として扱っていない。
国と福島県が行っている、自主避難者に対する「追い出し訴訟」も、ほとんど報道されなくなっている。
https://greens.gr.jp/sandou/34875/
菅直人政権を受け継いだ安倍晋三政権は、年間20ミリシーベルト以下の被曝地の住民の権利を一切保障しないことを決めた。
福島第一原発事故は、「すべてアンダーコントロール」、完全に解決している、だから東京オリンピックは問題ない」と安倍は述べた。
放射能汚染区域の子供たちは、避難するのではなく、被曝と共存するエートスという原子力産業による悪質な欺瞞によって問題を隠蔽するという方針がとられている。
https://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nuclear/Fukushima_ethos.html
安倍前首相の大嘘 福島原発“アンダーコントロール”の惨状 2021/01/05
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/283394
統一教会の日本政府代理人だった安倍晋三は、2022年7月に、統一教会詐欺の被害者だった山上徹也に射殺された。
安倍政権は自主避難についても援助を打ち切り、公的施設に避難した人々に、住居退去命令を出し、家賃や支援金などの返還を求めて裁判を起こした。
http://taminokoeshimbun.blog.fc2.com/blog-entry-741.html
だが、フクイチ事故に先立つチェルノブイリ事故という巨大放射能災害を引き起こしたソ連→ロシアは、避難者の人権を、日本よりも桁違いに重視した扱いを行っている。
事故後、放射能汚染を受けた、ウクライナ・ロシア・ベラルーシ三国では、「チェルノブイリ法」という被災地域への救援対策を実施している。
安倍晋三、自民党政権が定めた年間20ミリシーベルトの被曝許容量など、世界のどこにも存在しない人権無視の異常な高線量である。世界は、原発産業を守るためにICRPが設定した年間1ミリシーベルトを許容基準にした対策を行ってきた。
「チェルノブイリ法」とは何か?
日本政府は、公衆被曝限度、年間20ミリシーベルトを死守しようとしている 2021年08月24日
http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/5829361.html
チェルノブイリ法では、被曝地域で、土壌㎡あたり、148万ベクレル以上では、永久立入禁止ゾーン、55.5万ベクレル以上では、強制移住避難ゾーン。18.5万ベクレル以上では希望者は移住を支援される。
チェルノブイリ事故後のベラルーシ、ウクライナ、ロシアでは国家をあげて土壌汚染調査を行い、事故から5年後に法律=いわゆるチェルノブイリ法が制定されました。
チェルノブイリ法の特徴として、空間線量と土壌汚染の双方を基準に避難・補償・保養などの区域(ゾーン)が決められていることが挙げられます。
日本では空間線量のみの基準しかありません。 しかもその基準は年間実効線量でみると、チェルノブイリ法では「移住の権利」が発生するゾーンが1ミリシーベルト超であるのに対し、日本では20ミリシーベルト超であり、20倍もの高い基準です。
それを下回る区域については、年20ミリシーベルト以下となることが確実であると確認される「避難指示解除準備区域」と、線量による地域区分がない「避難指示区域外」の2つの区分しかありません。
チェルノブイリ法において特筆すべきことは、土壌放射能量と実効線量の双方が条件を満たす場合(and)と、どちらかがその基準を満たせば効力を持つ場合(or)があることです。これにより、「移住が義務となるゾーン」は、年5ミリシーベルト超または約23,000ベクレル/Kgのどちらかを満たせば効力があるという基準になっています。
日本の年20ミリシーベルトまでを許容としている考えの1/4の値で、移住が義務となっているチェルノブイリ法を、日本政府がなぜ踏襲しなかったのか疑問が残ります。 ちなみに、現在日本では「内部被曝」がまったく実効線量としてカウントされていません。
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一部引用以上
上のように、チェルノブイリ法は、キロ当たり23000ベクレル、年間被曝量5ミリシーベルト以上の土地に住む人々を強制的に退避し、安全な代替土地に住まわせている。
ただ、強制退避基準である55.5万ベクレル平方の土地は、65分の1換算するとキログラムあたり、約8500ベクレルとなる。
つまり、キロあたり8500ベクレルを超える土地の住民は強制退避させられ、キロ当たり2800ベクレル以下の土地に国からの支援を受けて移住させられるわけだ。
ところが、日本では、年間20ミリシーベルト以下の土地では安全と決めつけられ、一切の退避措置は講じられず、子供も、妊婦、胎児も被曝させられ続けている。
避難した人々は、年20ミリ以下という理由で、避難指示を取り消され帰還を強要されるようになった。
それでも危険を感じて帰還しない人々から、被害者としての権利を奪い、住宅の追い出し訴訟まで行っている。
それまでキロあたり100ベクレルが放射能汚染物質として厳重に管理されてきたものが、事故後は、80倍であるキロあたり8000ベクレル以下の汚染物質も安全と決めつけられ、そこで農作をすることを推奨され、福島県の8000ベクレル汚染土は、東京や全国に運ばれて都市公園の花壇などに利用されている。
チェルノブイリ法の強制退去基準がキロあたり8500ベクレルであり、2800ベクレル以上の土地には移住権利を保障しているというのにだ。
http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/6066312.html
これも、もしも従来通りキロ当たり100ベクレル以上の土壌が放射能汚染物質とされるなら、実は、東日本の大半の土地が「放射能汚染危険物質」になってしまうからだ。
だが、これは本当に安全だからではない。もしもキロ100ベクレル汚染以上が危険ということにすれば、原子力発電など核開発のすべてが許されなくなることで、人の命より核開発を優先させる自民党の方針だったのだ。
自由民主党は、人命と人権を破壊する政党である。維新も公明も国民も同じであり、フクイチ原発事故後も、ベトナムに原発を輸出しようとした菅直人、枝野幸男の立民党も同じ思想なのである。
もしも、人命と人権を尊重する政党ならば、国民への被曝許容量は、器官形成期胎児への許容量を基準にしなければならない。
ECRR(欧州放射線リスク委員会)では、食物の基準値を子供の場合、キロ当たり6ベクレルに定めている。ICRP基準値の10分の1なのである。
日本は、キロ100ベクレル以下なら安全と決めつけ、妊婦にまで汚染食品の摂取を強制している。実際には、福島県の検査はキロ数百ベクレル以下は完全なザル検査といわれ、100ベクレル以上であっても市場に出回り、「給食米」として子供たちに平気で食べさせている。
https://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-14739
国と、福島県の姿勢は、あたかも「原発事故は存在しなかった」と、人々を洗脳するような隠蔽工作ばかりなのだ。
福島県では、たった今も毎時5マイクロシーベルトを超える汚染地がたくさん存在している。
事故後、もっとも高い値を示したのが、大熊町東平で、ここでは、事故後一ヶ月を経過した2011年4月に、千名近い遺体が散乱していると共同通信が報じた。
実は、フクイチ事故は「震災関連死」が、岩手や宮城の10倍以上、実に2100名を超えている。これが、上に紹介した大熊町の汚染遺体の本当の意味なのである。
つまりフクイチ事故の放射能によって殺された人々の実態である。

だが、その後、大熊町東平にかかわる、すべての情報が遮断された。現在は、大熊町の地図を検索しても出てこない。
あたかも大熊町東平という土地が存在しなかったかのようだ。
二番目に空間線量が大きかったのは大熊町夫沢三区で、以下は、たった今取得した原子力規制委員会のモニタリングデータだ。

毎時5マイクロシーベルト近くあることが表示されている。ここは、2011年には、毎時100マイクロ近くあったと記憶している。
毎時5マイクロは、日当たり、120マイクロ、年間にすると約44ミリシーベルトになる。
こんなところに住民を住まわせるとすれば、それは殺人鬼というほかはない。
現在、セシウムは事故直後から76%まで減っているといわれ、地表から20センチ程度沈降しているとされている。セシウム137がほとんど無害化されるには300年間を要するので、まだまだ放射能が土中に存在し、ちょうど20センチ地下に根を張った農作物がそれを吸収している。
政府も福島県も、決して農産を規制しようとはしない。放射能を吸収された作物は全国に出荷されているのだ。
とりわけ福島県産を応援しているのが、ドンキホーテやサイゼリヤだ。
「除染」と口にすれば対策が全部終わっているかのように説明されているが、実は除染はごく一部の表土を剥ぎ取ってフレコンバックに詰めただけのもので、森林地帯の大半は除染もされず、どんどん近隣田畑に移動してゆくのだ。
http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/6020797.html
だが、現在も、そして100年後の未来も、福島から放射能汚染が消えることはない。
福島に住み続ける限り、妊婦も胎児も、子供たちも被曝させられ続けるのである。
こんな人権侵害、大量殺人犯罪を自民党政権に許しているのが、わが日本国民である。
【151カ月目の浪江町はいま】帰還困難区域町民が吐露した想い「除染など本当にできるの?」「土地は国が買い上げて欲しい」~都内で町政懇談会 2023/10/15
http://taminokoeshimbun.blog.fc2.com/blog-entry-751.html
【「毎時5マイクロシーベルト超」】
「小丸地区は現在でも毎時5マイクロシーベルト以上あります。放射線量が非常に高い地域です。『一般社団法人原発事故被災動物と環境研究会』(代表理事・伊藤伸彦元北里大学副学長)が牛の放牧を続けています。
今年1月に帰還困難区域の帰還意思に関する意向調査がありました。小丸地区の土地は国が借り上げるか買い上げるかをするよう、意向調査の自由意見欄に書きました。
いまだ帰還困難区域である小丸地区の土地について、町はどのように考えていますか」
女性は静かな口調で質問をした。12年前に起きた未曾有の原発事故で住み慣れた土地を奪われた。自己都合で神奈川県内に転居したのではない。原発事故がなければ、いまも小丸地区のわが家で生活をしている。
しかし、12年が経っても奪われた日常生活は戻らない。いったいいつになったら元の浪江町になるのかも見通せない。「もう、いい加減に国が買い上げてくれ」。女性の言葉には、そんな想いが凝縮されていた。
しかし、町の回答は改めて女性を失望させるものだった。昨年4月1日付で就任したばかりの成井祥(なるい・あきら)副町長(福島県からの出向)が次のように答えた。
「確かに、ご指摘の通りモニタリングポストの線量も高いということで、われわれも受け止めています。
いま国の方では、2020年代をかけて帰還困難区域の方々で戻りたいという方々が戻れるような形で新たな枠組みをつくりました。それが『特定帰還居住区域』という制度です。それに基づいて今後、町の方でどういったエリアの避難指示を解除していくかの計画をつくって国に申請し、国に認定を頂くという流れ。年内に国に申請し、年度内には国の認定をいただくということで考えています」
「町と致しましては、まずは1日も早く戻れるように取り組んでいくというのが最大限やるべきことと考えています。国の方に生活環境の改善、まずはしっかりと除染をして帰れる環境にしていくということをしっかりとやっていきたい。9月27日にも復興大臣に要望しましたが、町と致しましては、すべてのエリアの除染・すべてのエリアの避難指示解除を引き続き目指していくことに変わりはございません。国による買い上げについてご意見をいただいておりますが、現実的には、町と致しましては、すべて除染をし、すべての皆さんが戻れる環境を整えていただくよう国に申し上げています」
【「あれだけの高線量地域」】
まるで国の役人が話しているような回答だった。これで女性が納得するはずもない。再びマイクを握った。
「国に全面的な除染を要望していくという話だが、小丸地区のようなあれだけの高線量地域を完全に全部除染できるのか。現実的に可能なのか、みなさん感じていると思います。放射線量があれだけ高い地域なので…」
成井副町長が答えた。
「一般社団法人が一時的に土地を借り上げて牛のデータ収集などをしていると思うが、それと国の買い上げ(借り上げ)は切り離して考える方が良いと思う」
そのうえで、先ほどの答えをくり返した。
「戻りたい方がいらっしゃいますから、まずは環境をしっかりと整えていく。ご指摘のように非常に放射線量も高いし広範囲に及ぶということもありますので、われわれも厳しい環境であると思っています。まずはしっかり除染をして、帰りたいという想いに応えていくというのがまずはやるべき対応だと考えています。除染を進めるなかでは当然、放射線防護に関する専門的な知見を有する方々にしっかりと助言をいただきながら、『除染検証委員会』にしっかりとかけながら、『これであれば生活環境は整っているよ』というご意見をいただかないと解除に至らないという厳しい道のりが待っていると思う。それに向かって国ともしっかり協議・連携しながら取り組んでいきたい」
女性は「小丸地区の住民のうち、果たして何人が帰りたいと考えているのか」とも質問したが、町側は「行政区単位での公表はしていない」と回答を拒んだ。
「行政区ごとに公表してしまうと個人情報などの問題もある。全体での数を公表しているので、ご理解いただきたい。全体で言いますと対象となっている757世帯のうち、帰還を希望しているのが231世帯。約30・5%となっております」
閉会後、女性は言った。
「除染なんかできないと思いますよ。津島だってそうじゃないですか」
(上)町は居住人口が2106人に増えたと強調するが、このうち震災発生時の町民は1386人。帰還率は6・4%にとどまっているのが現実だ
(中)吉田栄光町長は「ふるさと浪江町 #大きく前に進み始めた」、「今年3月に『再生拠点』が3地域で解除され、年内には『特定帰還居住区域』の計画を国に提出したいと語ったが………
(下)小丸地区の扱いについて、福島県から出向中の成井副町長は「すべて除染をし、すべての皆さんが戻れる環境を整えていただくよう国に申し上げている」とくり返した
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一部引用以上
国と福島県は、なんとしてもフクイチ事故が存在しなかったかのように事故の被害をもみ消そうとし続けているのである。