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熊被害の問題

2023年10月19日 | インポート
 熊による人身被害が激増している。
 
クマの被害人数 全国で109人 過去最悪ペース 9月は過去最多 2023年10月11日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231011/k10014222461000.html

 上のNHKニュースでは、今年4~9月で、累計109名が襲われ、北海道と岩手で二名が死亡している。
 ところが、それから、わずか8日間の間に富山と長野で死亡事件が起きて、累計死者4名となった。

 10月18日富山県
 https://news.yahoo.co.jp/articles/8806bbcb9d2abd22a77cbed748245cc5e04a5752

10月14日長野県
  https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000319912.html

環境省のデータでは、2013~2022年の9年間で、累計977名が熊に襲われ、20名の死者が出ている。
https://www.agrinews.co.jp/opinion/index/156088

 実は、我が家の裏山に桃や栗の果樹園があるため、16年くらい前から裏山に熊が出現するようになり、あるときは、独特の獣臭が高床の床下に臭っていて、家にまで侵入したことが分かった。
 そこで、私は熊や鹿、カモシカが畑を荒らすことを防ぐ目的で、周囲に金網を施設した。

 私は、若い頃から登山が趣味で、ヒグマやツキノワグマとの遭遇回数も非常に多い。
  http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/5828612.html
 まあ、熊との遭遇は慣れている方だと思う。

 私の住む中津川市は栗や柿の名産地で、農家の老齢化によって、収穫や手入れを放置された果樹園が多数あり、そこに熊が入り込んでくるため、全国的にも熊の出没や頭数が多い地域である。
 中津川市の山という山、森という森には、ほとんど熊がいると思った方がいい。
 車を運転中に、高山大橋東の近くの住宅地で園児が園バスを待っているとき、数十メートル離れた場所で1mくらいの熊を目撃した。
 親に伝えるべきか迷ったが、結局、パニックになることを恐れて伝えなかった。まず子連れでないかぎり、襲うことはないだろと判断したからだ。

 私は、肺線維症の悪化を防ぐための呼吸トレーニングで、近所の保古山、高峰山、二ツ森、笠置山といった山を毎日1~2時間歩き回っているのだが、どこも熊出没注意の看板があって、数年に一度は熊を目撃している。
 熊との不測の遭遇を防ぐため、必ず大きな音の出るハンドベルをザックにつけて、チリンチリンと鳴らしながら歩いている。

 熊の多い山域は人が怖がって近づかないので、のびのびと山歩きを堪能できるのだ。
 熊の存在を感じるのは年に一度程度だが、カモシカは数日に一度程度、遭遇している。鹿やイノシシも数多い。
 カモシカと会うと「かもちゃーん」と優しく呼びかけてキョトンとしたカモシカに数メートルまで近づくことにしている。5mまで近づくと、ゆっくりと去って行く。最近は私を覚えてくれたカモシカも増えている。

 カモシカはほとんど山羊なので怖さはないが、熊は笹藪に姿を隠しながら音で存在を伝えてくる。今回、富山で老女を襲い殺したのも子連れ母熊だが、とにかく遠くから自分の存在をアピールして、ニアミスを避けなければ危険で仕方がない。
 あの鉄人、山野井靖君に重傷を負わせるくらい母熊は怖い存在だ。

 私が中津川市に移住した20年前には、これほどの野生動物の密度は存在しなかった。
 ところが、リーマンショックの起きた2008年を境に、劇的に野生動物が出没するようになった。
 それまで、ほとんど目にすることのなかった猪・熊・ハクビシン・アライグマなどの獣害が驚くほど深刻になった。
 イノシシが、それまで食べなかった収穫前の稲を食い荒らすようになった。

 それまで、農家が野生動物に困らされたことなど少なかったが、2008年頃から、ほぼすべての農地が、ワイヤーメッシュ柵など獣害対策をしなければ、まったく農産が不可能になった。
 なぜ、2008年だったのか?
 この年、特別な問題といえば、温暖化現象が顕著になったことだ。

 野生動物が急激に増えた理由は、餌になるブナ科のドングリの多寡が問題にされているが、私の見解では、厳冬期の寒さが緩んで、幼獣が死なずに越冬するようになったせいが大きい思う。
 イノシシの子は、マイナス7度くらいまでしか耐えられない。マイナス10度だと凍死してしまうのだ。親は凍死した子供を食べてしまう。
 犬山から放たれたアライグマは北米原産で、耐寒性が強いので寒い地方で激増している。

 もうひとつは、農家や猟師の老齢化問題だ。
 農家が老齢化し、後を継ぐ若者が育っておらず、みんな大都会に生活するようになった。だから、若者の絶対数が減ったことで、山と農地の境界の手入れが行き届かず、野生動物が姿を隠せる藪の縄張りが拡大してしまった。

 また猟師が高齢化し、後継者が育っていない。最大の理由は、警察による過剰な銃器取り締まりだ。法的な束縛が苛酷な上に税金まで取られ、銃器も高価になり、獣害駆逐猟師にとって猟をするメリットよりも管理、取り締まりのデメリットの方が大きくなってしまったのだ。
 みんなが困っているから有害獣駆逐をしたいのに、警察は、猟師を犯罪者扱いするのだ。「アホらしくてやってられない」が猟師の本音なのである。

  監督官庁、警察は、大至急、趣味猟師と駆除猟師を完全に分別し、有害獣駆除猟師に対する規制を緩和し、優遇する措置を執る必要がある。
 警察という組織は、民衆を権力によって威圧し、圧迫感を与えることで自らの権力、存在価値に自己満足するという性質を持っている。
 警察内部の理不尽な序列への不満を、弱い立場の民衆を高圧的に脅すことで転嫁しているフシがある。

 だから、現代において速度制限30キロという、およそ車列の安全に逆行する原付速度規制も、取り締まり側にとってカモネギの存在なので維持するわけだ。
 安全に原付バイクを運転しようとすれば必ず交通違反が成立するという世にも馬鹿げた仕組みだ。
 猟師に対する銃刀法規制も同じで、猟師が有害獣を駆除しようとする一挙一頭足にいちゃもんをつけて法的規制を振りかざす。
 今はザックに登山ナイフが入っているだけで銃刀法違反で検挙されるのである。
 こんな愚行をしていては、熊による人身被害は増える一方だ。

 私は、2007年段階で、このまま放置すれば、日本は有害獣天国になり、人々は安心して外を歩けなくなるとブログに書いた。(無断削除された)
 実際に、都市の住宅街の自家住宅の庭で熊に殺害された昨日のニュースは、富山市の人々を心底震え上がらせていて、もう、家を出て買い物に行くことさえ命がけであって、まるでガザに住んでいるようなものだ。
 こうなることは、2008年段階で予想がついていたのである。

 なお、今年と同じように、異常な熊出没被害があった年がある。2004年で、この年は、全国で熊被害が相次いだ。この年、100件を大きく超える熊被害が起きた。
 https://www.trafficj.org/kuma/kuma_mondai.htm#:~:text=2004%E5%B9%B4%E3%81%AE%EF%BC%96%E6%9C%88,%E3%81%8C%E6%AE%BA%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82

 そして、年の瀬の暮れ、12月26日にスマトラでM9.1の超巨大震災が発生し、全世界で50万人以上の人が津波などで死亡した。
 私は、今年が2004年に酷似していることを、早くから地震前兆などの類似性で気づいていた。
 熊による被害も、当時とほとんど同じ規模だ。
 
 熊は極めて敏感な感受性を持っていて、地殻の微妙な変動に本能が反応し、人間に対する警戒心のレベルが変化しているように思う。
 つまり、山での微妙な異変に気づき、恐怖にかられて人里に降りてくるのではないだろうか?

 とするなら、これから年末にかかて、スマトラ大震災に匹敵する超巨大災害が発生する可能性がある。
 インドのアビンギャ・アナンドは10月末が危ないと以前から繰り返していた。彼の予言は外れたことが少ない。
 https://belogorie.jp/news-anandyogenjisin-20231028-30/

 熊被害に関して、私の体験から、少しまとめておきたい。
 まず、熊が怖いのは、基本的に、互いに気づかない突然の遭遇である。
 人間も怖いが熊ももっと怖いのだ。パニックになって、相手を排除しようとする。
 だから、熊の出る場所では、原則、大きな音の出るものを身につける。
 私は、ハンドベルの柄にドリルで穴を開けてナイロン紐でザックにつけて、歩きながら音が出るようにしている。
 最大音量なら山中で100mくらいの遠達性があると思う。

 基本的に、人を襲うケースは、①不意の遭遇 ②子連れ母熊 ③餌場で鉢合わせした場合 の三種類で、不意の遭遇ではパニックによって、子連れ母熊の場合は、小熊を守ろうとして相手を排除する ③餌場遭遇の場合、柿や栗やブルーベリー畑で、自分の餌テリトリーを守ろうとして排除する。
 最近では、秋田県仙北市、八幡平などで、根曲がり笹のテリトリーを守るために山菜採りの人を襲い、食べてしまうケースが出てきた。これは上の三つ以外の分類になる。
 かつて、人食い月輪熊など日本にはいなかったからだ。

 襲われるとき、役立つものは、まずはストックやピッケル、鉈などだ。なかには空手家が目潰しで撃退したケースもあった。
 私は熊の出る山域では、ダブルストックを持参するようにしている。もしも襲われたなら突いて撃退するつもりだ。
 襲撃は不意打ちなので、手に持っているストックだけが有効なのだ。
 以前は、出そうな場所で爆竹を鳴らすこともあったが、最近は爆竹が入手困難になっている。ホムセンでも売られなくなってしまった。

 熊の爪攻撃では、手鉤で襲われたに近い深い傷ができるので、ザックには手当セットが入っている。最近は、清浄水で傷を洗ってから、サランラップを貼り付けて包帯で留めるのが正しいやり方とされる。
 ラッピング療法では、3日以上、そのままにして、消毒剤などは使用しない。

 子連れに30m以内の距離で遭遇した場合、確実に襲われることを覚悟した方がいい。
 執拗に襲うときは、ほとんど子連れ母熊である。
 https://www.youtube.com/watch?v=fxJ-zAgJzt4&ab_channel=Bearattacksclimber-%E7%99%BB%E5%B1%B1%E8%80%85%E3%81%A8%E7%86%8A

 このときは全身全霊で大声を出し、上にいるなら熊の頭を足蹴にするのがよい。イノシシでも同じだ。
 爪のフックパンチを見舞われたなら、まずタダではすまないと覚悟し、死を覚悟した究極の対峙を行う。ストックを持っていれば、繰り返し鼻を突く。
 
 餌場のテリトリー排除でも、深刻な攻撃を受ける可能性がある。果樹園の近く、また秋の栗の木の近くでは、事前に警戒して音を出すようにする。
 不意の遭遇が起きないように、絶えず音を出すことが一番有効だと思う。
 しかし、富山のケースのように、自宅の庭で殺されたのでは、もう対策のうちようがないと思う。

 熊が近くにいるときは、独特の獣臭が漂うことがある。違和感のある臭いが漂っていたなら、熊やイノシシを警戒した方がいい。
 あとは、身を隠す笹藪にいることが多く、見晴らしのよい場所にいることは少ない。
 笹藪で、こすれるような音がしているときは、熊が隠れていることを疑った方がいい。
 こんなときも、いろいろな音や話し声を出し続けるようにする。

 熊はストックが道路に当たる甲高い音とか、高い金属音に敏感に反応する。聞き慣れない音には強い警戒心を持つが、聞き慣れているときは、すぐ近くをダンプが通過しても平気でいる。
 なお、市販の鈴は効果が薄い。余韻を持った金属音の出るハンドベルがよい。

 私の経験では、キャンプ場の近くや人間のゴミ捨て場の近くにいることが多い。
 地元では保古山や笠置山のキャンプ場近くで、頻繁に熊の糞を目撃している。
 熊の糞は、ベリーなどが未消化で含まれている真っ黒なグチャ便が目印になる。元々肉食獣なので、腸が短く消化力が弱いせいだ。歩きながら出すので少量ずつ落ちていることがある。すぐに鳥が食べて消えてしまうので、見つけたら近くにいる可能性がある。
 イノシシなどは消化力が強いので、完全な固形便になっている。

 雪が降れば、明瞭な足跡が確認できる。
 また熊の寝場所の近くでは、木の幹を傷つけることが多い。また熊棚といって、上の方に枝が千切られて重なっていることがある。
 また熊の通路では、人間の侵入を防ぐかのように、大きな枝がへし折られて横たわっていることがあり、私はこれを「熊落とし」と名付けている。

 熊の問題は、熊を排除するための仕組みを行政が軽視し、一番大切な過疎地での居住者を減らす一方である以上、深刻化することはあっても解決することはない。
 過疎の地方に若者が住むことが一番大切な対策なのだ。
 そして、警察が権力をカサに着て、取り締まりの嫌がらせを通じて自分の権力に酔うような馬鹿げた序列コンプレックスのスタイルをやめて、住民が獣害を解決する意思に寄り添って協力する姿勢が必要である。

 法律を振りかざすことをやめて、住民が安全に生活するために必要なことを行う姿勢がなければならない。それには、警察が住民から信頼されることだ。
 維新後の薩摩下級藩士が会津に配置されて「オイコラ警官」になったのは有名な話だが、上から目線のオイコラ警官の姿勢では、熊害問題も含めてあらゆる犯罪解決が逃げて行くだけだ。
 今のままでは、熊害が幾何級数的に増えて、たくさんの死者が出るのは確実である。