自分で家を建てて、田舎に住むのは憧れのライフスタイルの一つだ。
ましてや、先日、川崎市、武蔵小杉の47階建て超高級マンションが浸水して、水もトイレも使えない状態が長く続いているニュースを見ると、誰でも、現代文明の想像もしていなかった脆弱性に恐怖し、安全な高台の一軒家に住みたいと願うのが当然だ。
https://dot.asahi.com/wa/2019102100111.html?page=1
そんな手作りの田舎の一軒家暮らしで、問題になることを挙げてみたい。
私が、中津川市の過疎山村に移住したのは、2003年秋で、ちょうど今年で16年になる。来年は17年目だ。
最初は、7畳仕立ての安価な(最低ランキング=37万円だった。これは販売会社に欺された高値で、実際には30万円以下で流通している)スーパーハウスを、4トン車で搬入し、ユニッククレーンで、ブロックを並べただけでポンと置いて使用した。
これは断熱能力がひどく低くて、窓が一カ所しかないので、夏場は蒸し風呂だし、冬は外で寝てるのと、まるで変わらなかった。
私は、当時、腎臓機能が悪化していて、まともに仕事ができず、貯金も使い潰してしまっていたので、実父が心配して資金援助してくれた。
今は存在しないが、「脇坂建築・プチハウス」という名で、加子母の業者が販売しているログキットだった。
完全な地元の杉間伐材で、価格は12畳で100万円程度、さすがに良質の国産材なので、未だに問題なく住んでいる。
建設組立は一人で行い、体調が悪かったので約一か月を要した。健康なら十日もあれば十分だと思う。完成後は、しばらく寝込んでしまった。
これは、間伐杉材をログ羽目板に加工してあり、溝に重ねながら、長いコースレッドで止めてゆくものだ。木材は狂うので、一人だと、相当に手こずることが多い。

(病人一人暮らしのゴミ屋敷なので、気分を悪くさせて申し訳ない。出っ張りは二つとも水洗トイレだ)
ログの厚さは4センチだが、杉の断熱性は頗る良好であり、スーパーハウスの鉄板家屋から移動すると、その有り難みが身にしみる。
何せ、厳冬期はマイナス10度以下にも冷えるから、布団から顔が出ていると痛くて寝られないほどなのだ。寝るときも羽毛服を着込んでいた。
建設後、15年以上も、目立った腐食も変形もなく住み続けられるのは、材料が良いのと、最大の理由は、高床式にしたことだと考えている。
高床式にしたのは、地盤が平坦ながら、地面が湿地模様だったので、腐食を防ぐためだった。建築工事用の足場パイプを、トラスに組んで高さ2mの空中床面を作り、その上にログキットを組み立てた。
湿気の多い地面から2m近い高さに床面があるので、湿気腐食は、ほぼパーフェクトに抑えされている。
当地は山の斜面なので心配ないが、水浸の心配のある凹地に家を建てる場合は、土盤を嵩上げするよりも、むしろ、通気性の良好な高床にするべきだと思う。
2mあれば、ほとんどの洪水浸水にも耐えることができるだろう。鉄パイプ足場は、非常に安価であり強度も耐久性も高い。
12畳の家、1軒分の高床でも、費用はクランプ金具コミで20万円前後で済んでしまう。また、強度も組み方次第で自由自在だ。
建築現場みたいで、みっともないと見栄を張りたい方には、化粧材で覆って、鉄パイプを隠すことも可能である。
ただし、問題がある。それは冬の寒気だ。北海道では、まず絶対に高床式は採用されない。それは、床下を吹き抜ける寒気が、家屋内をひどく冷やすからで、当地のように冬期マイナス10度以下になる地域では、必ず床面に厚さ5センチ以上の、スタイロフォームという断熱材を敷設しなければならない。
そうしても寒いことは寒いが、薪ストーブのおかげで耐えられている。
また、当地のようにガンマ線量の高い地域では、家の床面を高くするのは遮蔽のために重要である。
近所の蛭川一色という寒い場所に、10年ほど前、二軒の新築分譲家屋が建設された。
おそらく地元の業者ではあるまいと思ったのは、それが吹き抜けの高床式だったからだ。
地元の大工なら、湿地でない限り高床式は採用しない。たぶん名古屋あたりの寒さを知らない無責任な業者が設計したのだろうと思ったが、建設途中に中断してしまい、倒産したのだと思った。
この家は転売されてネット上でも安く販売されていたのだが、数年前に二軒とも買い手がついた。
しかし、どう見ても居住者は、ひどく寒い思いをしているはずだ。断熱材も、最低厚さ5センチ必要なのだが、入っているようには見えない。
こういう場合の対策は、吹き抜けの周囲を、冬場だけベニヤ板で覆ってしまうことである。風を遮断すれば、大幅に暖かくなる。
家屋本体は、高床のおかげで腐食も少なく、安定しているが、風呂用に20万円で入手したプチハウス3畳は、さすがに水分浸食を受けて、腐食し、今は困った状態になっている。

剥き出しの防蝕加工のない風呂場は、15年経ると必ず深刻な腐食ダメージが起きる。とりわけ水のかかるところは、目も当てられないほど腐食する。
(ボイラーは灯油燃料で、地震予知の青松さん=設備屋の新村氏が設置してくれた。15年経ても、まったく壊れたり性能が落ちたりがなくて素晴らしい)

こんな木材の腐食を抑制するには、何よりも防腐加工が必要で、防蝕材料として、もっとも性能が高いのがコールタールである。ところが、コールタールは何年経ても乾きにくいという致命的欠点があり、人が触れる場所には使いにくい。
そこで、湿気のある場所に使用するログ材を、組立前に、クレオトップという防腐剤に漬け込んで乾かしておけば、相当に長持ちする。
また、コールタールを塗って適当に乾いてから、さらに皮膜性の強い油性ペンキを塗っておく手がある。
そうした対策を知らなかったので、上の写真のように腐食した風呂場を修理するのは、とても大変である。
何せ、羽目板式のログを長さ9センチの木ビスで留めているので、丸鋸切断機がビスにあたって歯が欠けてしまう。だから切断用ハンドグラインダーを使って切らねばならない。
そこに寸法を合わせた木材をはめ込んでゆくのだが、羽目板の溝は使えないので、接着剤やビスを多用することになる。当然、元の強度も見栄えも回復しない。
まあ、とりあえず使えることでヨシとするしかないのだ。
自作家屋による田舎暮らしで、大切なことは、第一に防腐処理を確実に徹底的に行うことだ。
人が触れない場所にはコールタールを使う。人が触れるところは、クレオトップやその他防蝕塗料を使う。これらは、ムカデ対策としても使える。
ついでに書いておくと、山の中は、びっくりするほど大きなムカデが非常に多く、寝ている布団のなかにも入ってくる。気づかずに噛まれてしまったこともあり、毒性が強いので後が大変だ。(44度の温水に長時間浸す)
そこで、ムカデ避けの対策として、床下にオルトラン農薬粒剤を散布しておくと臭いを嫌がって来ない。室内には、部屋の隅や絨毯下に青森ヒバ油やハッカ油をアルコールと水で200倍に薄めてスプレー散布しておく。これをシーズンに数回やれば、ほぼ忌避できる。これは他の害虫にも非常に有効である。
マムシの場合は、石灰硫黄合剤を水で薄めて如雨露で建物に沿って散布しておく。
山のなかの住居は、第一に湿気腐食、第二に凍結、第三に虫や動物害との戦いの連続であると思った方がいい。
第二の凍結だが、これには本当に泣かされた。
最初は、移住先の寒さを知らなかったので、まさか、と思う水道管破裂被害の連続だった。
当地では、寒暖計でもっとも寒かったときはマイナス13度まで下がった。厳冬期はおおむねマイナス7度程度なのだが、一冬に数回は、マイナス10度以下の日がある。
一般的な水道管保温材対策は、マイナス4度程度までしか通用しない。それ以下の気温になるときは、テープヒーターを巻いたり、端末蛇口からチョロチョロ水を出し続けたりする必要がある。
ところが、テープヒーターの電気代は頗る高く、数本も使うと一か月1万円を超えるときもある。また、水のチョロ出しも、ついつい節約してしまって凍結させることがある。
ひとたび凍結させてしまうと、本当に大変なことになる。業者を呼べば、一回3万円以上は最低かかるので、水道管を安い塩ビ管にして、自分でその都度修理するしかない。
多くの場合は、水道管の端が凍結して、塩ビ接合部のエルボーなどが、凍結圧力ですっぽ抜けてしまうのだが、この場合は、保温材を剥いで、抜けた管に接着剤を塗り直して差し込み、保温材を元通りにすれば治る。
しかし、管が真夜中にボン! と音を立てて破裂した場合は、まず一カ所だけではすまない。最大で7カ所以上修理が必要になったことがある。管も部品も全部取り替えになり、保温材も取り替えることになる。
そこで、対策としては、マイナス7度以下になる地域では、保温材も通常のものでは役に立たないので、発泡スチロール製の径10センチ以上もあるもの(コメリにある)に変えるべきだ。
これに黒テープを巻いて冷気が管に触れないようにするのである。


発泡スチロールだけでは隙間から冷気が管に触れるので、必ず黒テープを巻いて外気を遮断する必要がある。発泡スチロールが手に入らなければ、代わりにスポンジなどを巻いておけばよい。径10センチは最低だろう。
これでもマイナス10度だと、チョロ出しと組み合わせないと凍結する。しかし、高額になる電気テープヒーターは使わずにすむと思う。
オンボロの我が家を見せてしまって不愉快になった方にはお詫びしておきたい。
間質性肺炎を患ってから、階段を上がったり、草刈りをしたりの、わずかな動作でも息切れが起きるようになり、何もできずに、我が家が、どんどんゴミ屋敷に変わってゆく。
体調が良ければ、もう少し、まともな我が家を見せられたのだが、お詫びするしかない。今は、毎朝の山歩きで、かなり回復傾向にあり、治れば家もきれいになるはずだ。
もう冬の跫音が近づいている。今年は、いきなり厳冬になるとの予報もあり、読者にあっては、凍結を十分に警戒されたい。
大切なことは、マイナス7度以下が予想される前夜に、必ず水道末端の蛇口をチョロ出しにすること。できるだけ発泡スチロールの保温材を使うことだ。
ひとたび凍結させてしまうと、本当に馬鹿にならない出費が待ち構えている。テープヒーターの巻き付けも、その意味では決して高いものではない。
なお、マイナス4度が朝の短時間程度ですめば、それほど深刻になる必要はない。
ましてや、先日、川崎市、武蔵小杉の47階建て超高級マンションが浸水して、水もトイレも使えない状態が長く続いているニュースを見ると、誰でも、現代文明の想像もしていなかった脆弱性に恐怖し、安全な高台の一軒家に住みたいと願うのが当然だ。
https://dot.asahi.com/wa/2019102100111.html?page=1
そんな手作りの田舎の一軒家暮らしで、問題になることを挙げてみたい。
私が、中津川市の過疎山村に移住したのは、2003年秋で、ちょうど今年で16年になる。来年は17年目だ。
最初は、7畳仕立ての安価な(最低ランキング=37万円だった。これは販売会社に欺された高値で、実際には30万円以下で流通している)スーパーハウスを、4トン車で搬入し、ユニッククレーンで、ブロックを並べただけでポンと置いて使用した。
これは断熱能力がひどく低くて、窓が一カ所しかないので、夏場は蒸し風呂だし、冬は外で寝てるのと、まるで変わらなかった。
私は、当時、腎臓機能が悪化していて、まともに仕事ができず、貯金も使い潰してしまっていたので、実父が心配して資金援助してくれた。
今は存在しないが、「脇坂建築・プチハウス」という名で、加子母の業者が販売しているログキットだった。
完全な地元の杉間伐材で、価格は12畳で100万円程度、さすがに良質の国産材なので、未だに問題なく住んでいる。
建設組立は一人で行い、体調が悪かったので約一か月を要した。健康なら十日もあれば十分だと思う。完成後は、しばらく寝込んでしまった。
これは、間伐杉材をログ羽目板に加工してあり、溝に重ねながら、長いコースレッドで止めてゆくものだ。木材は狂うので、一人だと、相当に手こずることが多い。

(病人一人暮らしのゴミ屋敷なので、気分を悪くさせて申し訳ない。出っ張りは二つとも水洗トイレだ)
ログの厚さは4センチだが、杉の断熱性は頗る良好であり、スーパーハウスの鉄板家屋から移動すると、その有り難みが身にしみる。
何せ、厳冬期はマイナス10度以下にも冷えるから、布団から顔が出ていると痛くて寝られないほどなのだ。寝るときも羽毛服を着込んでいた。
建設後、15年以上も、目立った腐食も変形もなく住み続けられるのは、材料が良いのと、最大の理由は、高床式にしたことだと考えている。
高床式にしたのは、地盤が平坦ながら、地面が湿地模様だったので、腐食を防ぐためだった。建築工事用の足場パイプを、トラスに組んで高さ2mの空中床面を作り、その上にログキットを組み立てた。
湿気の多い地面から2m近い高さに床面があるので、湿気腐食は、ほぼパーフェクトに抑えされている。
当地は山の斜面なので心配ないが、水浸の心配のある凹地に家を建てる場合は、土盤を嵩上げするよりも、むしろ、通気性の良好な高床にするべきだと思う。
2mあれば、ほとんどの洪水浸水にも耐えることができるだろう。鉄パイプ足場は、非常に安価であり強度も耐久性も高い。
12畳の家、1軒分の高床でも、費用はクランプ金具コミで20万円前後で済んでしまう。また、強度も組み方次第で自由自在だ。
建築現場みたいで、みっともないと見栄を張りたい方には、化粧材で覆って、鉄パイプを隠すことも可能である。
ただし、問題がある。それは冬の寒気だ。北海道では、まず絶対に高床式は採用されない。それは、床下を吹き抜ける寒気が、家屋内をひどく冷やすからで、当地のように冬期マイナス10度以下になる地域では、必ず床面に厚さ5センチ以上の、スタイロフォームという断熱材を敷設しなければならない。
そうしても寒いことは寒いが、薪ストーブのおかげで耐えられている。
また、当地のようにガンマ線量の高い地域では、家の床面を高くするのは遮蔽のために重要である。
近所の蛭川一色という寒い場所に、10年ほど前、二軒の新築分譲家屋が建設された。
おそらく地元の業者ではあるまいと思ったのは、それが吹き抜けの高床式だったからだ。
地元の大工なら、湿地でない限り高床式は採用しない。たぶん名古屋あたりの寒さを知らない無責任な業者が設計したのだろうと思ったが、建設途中に中断してしまい、倒産したのだと思った。
この家は転売されてネット上でも安く販売されていたのだが、数年前に二軒とも買い手がついた。
しかし、どう見ても居住者は、ひどく寒い思いをしているはずだ。断熱材も、最低厚さ5センチ必要なのだが、入っているようには見えない。
こういう場合の対策は、吹き抜けの周囲を、冬場だけベニヤ板で覆ってしまうことである。風を遮断すれば、大幅に暖かくなる。
家屋本体は、高床のおかげで腐食も少なく、安定しているが、風呂用に20万円で入手したプチハウス3畳は、さすがに水分浸食を受けて、腐食し、今は困った状態になっている。

剥き出しの防蝕加工のない風呂場は、15年経ると必ず深刻な腐食ダメージが起きる。とりわけ水のかかるところは、目も当てられないほど腐食する。
(ボイラーは灯油燃料で、地震予知の青松さん=設備屋の新村氏が設置してくれた。15年経ても、まったく壊れたり性能が落ちたりがなくて素晴らしい)

こんな木材の腐食を抑制するには、何よりも防腐加工が必要で、防蝕材料として、もっとも性能が高いのがコールタールである。ところが、コールタールは何年経ても乾きにくいという致命的欠点があり、人が触れる場所には使いにくい。
そこで、湿気のある場所に使用するログ材を、組立前に、クレオトップという防腐剤に漬け込んで乾かしておけば、相当に長持ちする。
また、コールタールを塗って適当に乾いてから、さらに皮膜性の強い油性ペンキを塗っておく手がある。
そうした対策を知らなかったので、上の写真のように腐食した風呂場を修理するのは、とても大変である。
何せ、羽目板式のログを長さ9センチの木ビスで留めているので、丸鋸切断機がビスにあたって歯が欠けてしまう。だから切断用ハンドグラインダーを使って切らねばならない。
そこに寸法を合わせた木材をはめ込んでゆくのだが、羽目板の溝は使えないので、接着剤やビスを多用することになる。当然、元の強度も見栄えも回復しない。
まあ、とりあえず使えることでヨシとするしかないのだ。
自作家屋による田舎暮らしで、大切なことは、第一に防腐処理を確実に徹底的に行うことだ。
人が触れない場所にはコールタールを使う。人が触れるところは、クレオトップやその他防蝕塗料を使う。これらは、ムカデ対策としても使える。
ついでに書いておくと、山の中は、びっくりするほど大きなムカデが非常に多く、寝ている布団のなかにも入ってくる。気づかずに噛まれてしまったこともあり、毒性が強いので後が大変だ。(44度の温水に長時間浸す)
そこで、ムカデ避けの対策として、床下にオルトラン農薬粒剤を散布しておくと臭いを嫌がって来ない。室内には、部屋の隅や絨毯下に青森ヒバ油やハッカ油をアルコールと水で200倍に薄めてスプレー散布しておく。これをシーズンに数回やれば、ほぼ忌避できる。これは他の害虫にも非常に有効である。
マムシの場合は、石灰硫黄合剤を水で薄めて如雨露で建物に沿って散布しておく。
山のなかの住居は、第一に湿気腐食、第二に凍結、第三に虫や動物害との戦いの連続であると思った方がいい。
第二の凍結だが、これには本当に泣かされた。
最初は、移住先の寒さを知らなかったので、まさか、と思う水道管破裂被害の連続だった。
当地では、寒暖計でもっとも寒かったときはマイナス13度まで下がった。厳冬期はおおむねマイナス7度程度なのだが、一冬に数回は、マイナス10度以下の日がある。
一般的な水道管保温材対策は、マイナス4度程度までしか通用しない。それ以下の気温になるときは、テープヒーターを巻いたり、端末蛇口からチョロチョロ水を出し続けたりする必要がある。
ところが、テープヒーターの電気代は頗る高く、数本も使うと一か月1万円を超えるときもある。また、水のチョロ出しも、ついつい節約してしまって凍結させることがある。
ひとたび凍結させてしまうと、本当に大変なことになる。業者を呼べば、一回3万円以上は最低かかるので、水道管を安い塩ビ管にして、自分でその都度修理するしかない。
多くの場合は、水道管の端が凍結して、塩ビ接合部のエルボーなどが、凍結圧力ですっぽ抜けてしまうのだが、この場合は、保温材を剥いで、抜けた管に接着剤を塗り直して差し込み、保温材を元通りにすれば治る。
しかし、管が真夜中にボン! と音を立てて破裂した場合は、まず一カ所だけではすまない。最大で7カ所以上修理が必要になったことがある。管も部品も全部取り替えになり、保温材も取り替えることになる。
そこで、対策としては、マイナス7度以下になる地域では、保温材も通常のものでは役に立たないので、発泡スチロール製の径10センチ以上もあるもの(コメリにある)に変えるべきだ。
これに黒テープを巻いて冷気が管に触れないようにするのである。


発泡スチロールだけでは隙間から冷気が管に触れるので、必ず黒テープを巻いて外気を遮断する必要がある。発泡スチロールが手に入らなければ、代わりにスポンジなどを巻いておけばよい。径10センチは最低だろう。
これでもマイナス10度だと、チョロ出しと組み合わせないと凍結する。しかし、高額になる電気テープヒーターは使わずにすむと思う。
オンボロの我が家を見せてしまって不愉快になった方にはお詫びしておきたい。
間質性肺炎を患ってから、階段を上がったり、草刈りをしたりの、わずかな動作でも息切れが起きるようになり、何もできずに、我が家が、どんどんゴミ屋敷に変わってゆく。
体調が良ければ、もう少し、まともな我が家を見せられたのだが、お詫びするしかない。今は、毎朝の山歩きで、かなり回復傾向にあり、治れば家もきれいになるはずだ。
もう冬の跫音が近づいている。今年は、いきなり厳冬になるとの予報もあり、読者にあっては、凍結を十分に警戒されたい。
大切なことは、マイナス7度以下が予想される前夜に、必ず水道末端の蛇口をチョロ出しにすること。できるだけ発泡スチロールの保温材を使うことだ。
ひとたび凍結させてしまうと、本当に馬鹿にならない出費が待ち構えている。テープヒーターの巻き付けも、その意味では決して高いものではない。
なお、マイナス4度が朝の短時間程度ですめば、それほど深刻になる必要はない。