福島から若い女性が逃げてゆく
これは「めげ猫タマの日記」がフクイチ事故以来、数十回にわたって公開し続けている告発データである。
若い女性が逃げて行く、2023年1-8月の福島
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-4513.html
8月中の福島県の人口動態が発表になったので(1)、各年1-8月の20代前半女性の社会減のを集計したら
事故前(2010年1-8月)3%減
今年(2023年1-8月) 5%減
で、事故前より増えています。福島は汚染されており当然の事です。
福島は原発事故によって汚染されました。
図に示す様にICRPが公衆の被ばく限度とする年1ミリシーベルト(5)を超えた地域が広がっています。事故から12年以上が経過しましたが、福島は汚染されたままです。

既に除染は終っており(6)、今後は自然に放射線量が下がるのを待つしかありません。福島で放射線源はセシウム137です(7)。セシウム137は半分になるのに30年かかります。4分の1になるには60年、一桁下がるには100年がかかります(8)。若い方も含め、福島で暮らすことは一生涯に渡り放射能と暮らすことを意味します。
(アマ註=セシウム137環境汚染の影響が、ほぼ消えるには300年を要する)
図に示す様に20代前半女性で顕著です。数値を記載すると、20代前半の社会減は
男性 1,583人減
女性 2,087人減
で(1)、男性に比べ多くの20代前半女性が福島から逃げ出しています。20歳前後は就職や大学進学といった新たな一歩を踏み出す時期です。福島の方は福島に残るか、去るかの選択を迫られる時でもあります。そして多くの若い女性が福島県外からのスタートを決断したようです。

図に示すように男性に比べ女性の社会減が大きくなっています。20代前半女性の1-8の社会減は今年と事故前(2010年)であまり変わりありません。ただし、1月1日時点の20代前半女性の人口は
事故前(2010年1月)47,011人
今年(2022年1月) 30,192人
で35%減っています。そこで割合を算出しました。以下に示します。
事故後に若い女性の脱出割合が増えた福島
図に示すように女性の脱出割合が増加しています。数値を記載すると男性では
事故前(2009年1-7月)2%減
今年(2023年1-7月) 3%減
で、1%の増加ですが、女性は
事故前(2009年1-7月)3%減
今年(2023年1-7月) 5%減
で、男性の倍の約2%増えています。事故後に福島からの若い女性の脱出が男性の倍のベースで加速しました。
今から5年前の2018年9月に福島には43,548人の10代後半女性がいました。5年が経ち彼女達は20代前半になっています。今(2023年8月)の福島の20代前半女性は30,222人で(1)、残ったのは69%です。2018年8月時点で10代後半だった福島の女性のうち約3割以上の方が、この5年間で福島から逃げ出しています。以下に福島の10代後半の方が5年後に残っている割合を示します。
事故前から若い方の福島脱出はありました。事故前の2001年から2006年3月までの平均を取ると男性76%、女性74%で、男女に大きな差はありませんでした。それが近々の2017年8月~18年8月(10代後半時点)の1年間の平均では、男性78%、女性69%で、男性は増えていますが、女性は落ち込みました。事故後に福島の若い女性の逃げ出しています。
福島の合計特殊出生率は1.27です(9)。一人の若い女性が福島を去ることをは、彼女が将来産むであろう1.27人の子どもも一緒に去って行くことを意味します。
以下に各年7月~翌年6月までの1年間の福島での赤ちゃん誕生数を示します。
減少が続く福島県の出生数

年々減り続けています。数値を記載すると
事故前(2009年9月~10年8月) 16,271人(男の子8,366人、女の子7,905人)
近々1年(2022年9月~23年10月)9,319人(男の子4,822人、女の子4,497人)
で、事故前に42.7%の減で、1万人を切りました。
福島からは若い女性が去ってき、子供が生まれなくなり、老人と男だけになります。
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引用以上
福島から若い女性が消えている理由は、決して過疎の田舎の特性だけではない。それはフクイチ事故による放射能汚染に女性たちが強い危機感を抱いているからだ。
女性というのは、男性のように本人だけを意味するのではない。これから生まれてくる、また孕んでいる子供も同時に意味している。
だから「妊娠可能女性」は、すべて胎児を含んでいると考えなければいけない。
日本人が未来を大切にしようと思うなら、何を守らなければならないのか?
それは子供たちの存在であり、胎児であり、これから子供を生み出す若い女性たちなのだ。
だが、日本政府も原子力産業も、そして医学界ですら、子供たちや生まれてくる胎児の命よりも、原子力産業や医学界の目先の利益、利権を優先して、これから生まれてくる命を守ろうとしていないのである。
とりわけ悪質なのが、事故によって環境放射能汚染を起こした原子力産業よりも、胎児を殺すレベルの危険な被曝線量を「安全」と決めつけて、女性たち、子供たちに被曝を強いてきた医学界(日本産科学会)である。
もしも、被曝容認基準値(許容量)を設けるとするなら、それは必ず妊娠8~15週の胎児の感受性を基準にしなければならない。胎児が安全なら、他に被曝によって不利益を受ける人はいないだろう。
だが、現在の基準値は、安倍晋三政権が設定した年間20ミリシーベルトであり、これは胎児を殺害するレベルの猛毒=高線量といっていい。だから、私は安倍晋三をジェノサイド犯罪者と指摘した。
もしも日本人全員が20ミリシーベルトを被曝したなら、年間30万人近い被曝死者が出るのだ。
http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/5870665.html
20ミリも1ミリも、この「被曝許容量」は成人の放射線感受性を前提にしたもので、胎児の感受性は、一切考慮されていない。だが、胎児の被曝感受性は、大人の数万倍とされているのだ。
ICRPでさえ、年間被曝許容量は1ミリシーベルトと定めてきた。これは、これ以下だと原発など核産業が成立しないからである。
だが、以下に述べるように、日本産科学会は、胎児にさえ100ミリシーベルトという殺戮級被曝量を許容量であると信じがたい強弁している。
放射線被曝の閾値問題 2022年06月04日
http://hirukawamura.livedoor.blog/archives/5933428.html
男女が性交し、母体内で受精卵が胚として妊娠が成立、8~15週を「器官形成期」と呼んで、人間の一生のなかで、もっとも激しく細胞分裂を行い、外部からの刺激に対しても過敏であることが知られている。
https://medical.jiji.com/medical/031-0005-99
この器官形成期に放射線被曝や化学物質暴露などがあると、胎児は、大人の数万倍の感受性で激しく作用を受け、奇形や胎児死亡が起きることが知られている。
だからこそ、大人での被曝障害の認識は、胎児にはまったく当てはまらない。大人よりも何桁も細胞損傷の危険性が大きいのだ。
放射線被曝に関しては、「ベルゴニー・トリボンドーの法則」が知られていて、激しく細胞分裂を起こしている細胞ほど、被曝作用が著しいことを法則として示している。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%B4%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%9C%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BC%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87
二人は、雄のラットの精巣にエックス線を照射し、組織標本を顕微鏡で観察した結果、精原細胞→精母細胞→精細胞→精子の順で障碍が軽減することを見出した。
これが一般化され、「放射線の細胞への影響(細胞の放射線感受性)は、①細胞分裂頻度が高いほど②将来、分裂回数が多いほど③形態的、機能的に未分化なほど、大きくなる」と定式化された。
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放射線が細胞を破壊する機序は、以下のように説明されているが、この発信元である放射線影響研究所は、米軍ABCCが広島長崎の被曝影響を調査するための後継機関で、米軍は、被曝被害を、核兵器使用を正当化する政治的意図で半分に矮小化したと指摘されている。
https://www.rerf.or.jp/about_radiation/how_radiation_harms_cells/
放射線(電離放射線)は、細胞内でラジカルを生成し、それが直接細胞組織を傷つけるのと、染色体DNAにヒットすると、二重螺旋の相互修復機能が働いて、たちまち健全遺伝子をコピーして修復するホメオステーシスの機能がある。
だが、同じ遺伝子が二つ同時にヒットされると、もう修復機能が働かず、その細胞は、自分を修復できず、そのまま死滅したり、修復情報をミスコピーして、異常な細胞を作り出したりする。線量が増えるほど同時ヒットの確立が幾何級数的に増してゆく。
これが発癌イニシエーション・細胞奇形の基本メカニズムである。
ちなみに、人体にガンマ線が当たると、4シーベルトが半数致死量、7シーベルトが全員致死量である。
IAEAや原子力産業は、0.1シーベルト以下の被曝では、修復機能が働くため人体に影響が起きないとの見解を示しているが、これに対しては、厳しい批判が多い。
世界の主流は、被曝量に応じて細胞が破壊され「閾値」は存在しないとするものだ。(LD仮説)
ダブルヒットによる細胞破壊のメカニズムを考えれば、「閾値」という概念が存在しないことは誰にでも容易に理解できることだが、ICRPに原子力産業から送り込まれた委員たちによって、もし、「小線量被曝では細胞は影響を受けない」という閾値論が存在しなければ……つまり、どんな弱い放射線であっても、相応の被曝破壊が起きる……ことが確認されたなら、世界の原子力産業には致命的なダメージが生じることから、意図的に「閾値」という虚構の概念を定着させてきた。
だが、現在では、「閾値仮説」を根拠とした、「ホルミシス効果」は、完全否定されている。
https://criepi.denken.or.jp/jp/rsc/study/topics/hormesis.html
http://www.bewithgods.com/hope/jiji/311-8.html
ところが、医学界、わけても閾値論で巨大なダメージを受けるであろう胎児を取り扱う、日本産科学会は、未だに、根拠の存在しない「閾値論」に固執し、大人の数万倍の被曝感受性のある胎児に対し、大人と同じ100ミリシーベルトという恐ろしい線量でもダメージは受けないという無茶苦茶な暴論を公然と表明している。
放射線被爆と先天異常 日本産婦人科医会・先天異常委員会委員 東北大学医療技術短期大学部教授 高林俊文
https://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/jigyo/SENTEN/kouhou/hibaku.htm
胎芽・胎児の発育期は、着床前期(受精0~8日)、主要器官形成期(受精9日~60日)、胎児期(受精60~270日)に分けられ、時期により発生する異常が異なる。
流産(胎芽・胎児死亡)は着床前期に最も多く、器官形成期の被曝でも起こる。そのしきい値は100mGy以上である。
内臓奇形は器官形成期にのみ起こり、各器官でその細胞増殖が最も盛んな時期の照射に特徴的に発生する。100~200mGyがそのしきい値である。発育遅延は2週~出生までの時期で認められるが、そのしきい値は動物実験で1000mGy以上照射すると起こることより推測される。
精神遅滞は8~15週に最も発生し、16~25週にも起こる。しきい値は120mGyと考えられている。100mGy以下ではIQの低下は臨床的に認められていない。ICRP(国際放射線防護委員会、1991)では8~15週に1000mGyを照射するとIQは30ポイント下がり、重篤な精神遅滞は40%発生するとしている。
悪性新生物(癌)は15週~出生までに起こり、しきい値はICRPでは50mGy以上としている。
白血病、甲状線癌、乳癌、肺癌、骨腫瘍、皮膚癌が主なものである。遺伝的影響は高線量照射による動物実験では認められるが、ヒトの疫学調査では統計的有意差が見られていない。しきい値はUNSCEAR(原子力放射線影響に関する国際科学委員会、2000)では1000~1500mGyと推測している。
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一部引用以上
放射線生物学に一度でも触れたことのある者なら、胎児に100ミリシーベルトの放射線を浴びせることが、どれほど危険で犯罪的なことか瞬時に理解できるはずだが、日本産科学会では、100ミリシーベルト以下では、何の問題も起きないと決めつけ、我々を驚愕させた。
この線量を器官形成期胎児に浴びせても何も起きないという日本産科学会の見解は、私には凄まじい狂気としか思えない。
「日本産科学会」は悪魔の組織である。それは人間社会に有害無益であり、存在価値も理由もない。ただちに解体され、100ミリ安全論を述べた医師たちは、医学界を追放されなければならない。
実際に、放射線影響研究所のデータでは、100ミリどころか、わずか5ミリシーベルトを胎児に浴びせただけで4%以上に重度知的障害が起きると報告しているのだ。
https://www.rerf.or.jp/programs/roadmap/health_effects/uteroexp/physment/
被爆に関連した小頭症および知的障害の発生増加は、1950年代後半に既に明らかにされていた。
線量が0.005Gy未満と推定された胎内被爆者においては、1,068人中9人(0.8%)に重度の知的障害が見いだされたのに対し、線量が0.005Gy以上と推定された胎内被爆者においては、476人中21人(4.4%)が重度の知的障害と診断された。
この重度知的障害が発生する確率は、被曝線量および被爆時の胎齢(特に発達の著しい段階)と強い関係がある。
知的障害の過剰発生は、受胎後8-15週で被爆した人に特に顕著であり、受胎後16-25週で被爆した人ではそれよりも少なかった。一方、受胎後0-7週、または26-40週で被爆した人では全く見られなかった。また、重度の知的障害に至らない場合でも、受胎後8-25週で被爆した人に、線量の増加に伴う学業成績とIQ指数の低下が認められ、発作性疾患の発生増加も明らかになった。
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引用以上
0.05Gyというのはガンマ線なのでシーベルト換算にすると、0.05Sv=5ミリシーベルトである。日本産科学会は100ミリ以下被曝では何の影響もないと断言しているのに、実際には5ミリ被曝でも、4%以上に重度知的障害が生じ、知能指数も著しく劣ると報告しているのだ。
また、米軍海兵隊が大気圏核実験最多汚染年である1963年生まれの海兵隊員全員を検査したところ、無被曝年に比べてIQが10低いと報告している。
こんな日本産科学会に、胎児に対する放射線管理を行わせたなら、たちまち日本中が知的障害児童だらけになってしまうだろう。
福島で胎児被曝させられた人々には、水俣病のような残酷な未来が待ち構えている。
だが、福島エートスを支持している、市民団体のなかにさえ、この100ミリシーベルト以下安全説(閾値論)を支持するグループがいる。
「大地を守る会」や日本共産党もエートスを支持している。ここで民衆の味方を装いながら、実は原子力産業の利権に寄り添っている市民グループの正体を知っておく必要がある。彼らは民衆の味方ではない。原子力産業の味方である。
http://www.yumenoko.biz/2011/07/post-2.html
こんな市民の味方を装った原発推進グループを信用してはいけない。おおむね、エートスを容認している自称市民グループは、原子力産業から、原発正当化のための、なんらかの支援を受けていると思って間違いなさそうだ。
胎児被曝の安全性を定める閾値は、この世に存在しない。染色体のダブルヒットが起きる可能性のある被曝すべてが、線量に応じた有害性を持っている。
また、経口の呼吸飲食による内部被曝は、ガンマ線・X線による外部被曝の600~1000倍、有害な危険性があると確認されている。
https://www.youtube.com/watch?v=F1_BO1e-Jm8
https://www.youtube.com/watch?v=ND4NWq82004
https://ameblo.jp/pb-onwa/entry-11081049025.html
つまり、母親が東京都のようにセシウムやストロンチウム放射能の含まれた水道水を飲んで、福島茨城沿岸の魚を食べていたりしたなら、胎児には、とんでもない恐ろしい影響が生じることを意味しているのであって、だから、私はフクイチ事故直後から、妊婦や乳幼児は、福島放射能汚染圏に絶対に住んではならないと繰り返してきた。
被曝地福島では、日本政府と原子力産業、そして医学界が一致して、福島の女性と子供、胎児を「100ミリ以下の被曝は安全」と決めつけたデマによって虐殺していると断言してもいい。
こんな原子力産業の利権を最優先させ、福島県民の人権を抹殺する殺人鬼というしかない連中によって支配されている福島県から、自らの将来の胎児を守るため脱出する女性たちがいるのは、まったく当然の自然な流れである。
彼女たちは、日本の将来を守るために、否応なしに福島を脱出するしかないのだ。それは「愛国的行動」であり、賞賛されるべきである。
女性たちよ、「逃げよ、逃げよ、被曝地=福島から!」