アメリカの原発で核燃料冷却水4・5トン流出、現場責任者は叱責恐れ虚偽報告 8/11(月)
https://news.yahoo.co.jp/articles/8a3eaa09e48ef007c375687a5c11480e250ad079
【ワシントン=中根圭一】米電力大手コンステレーション・エナジーのクアッドシティーズ原子力発電所(イリノイ州)で2023年、炉内にある核燃料の冷却水が流出したトラブルがあったにもかかわらず、米原子力規制委員会(NRC)に虚偽の報告がなされたとして、NRCが同社に行政処分を行ったことがわかった。
NRCは同社について、虚偽報告など計6件の違反を確認している。行政処分にあたる「確認命令」を今年7月16日付で出し、再発防止を求めた。
NRCによると、核燃料交換のため運転停止中だった23年3月、運転員が手順書を無視して1号機の原子炉の弁を開けたまま作業し、冷却水約4・5トンが炉外に流れ出た。現場責任者は上司からの叱責を恐れて運転日誌に記録せず、NRCには「ホースの損傷が原因」と偽って報告した。
冷却水の流出は6分後に止まったものの、その後9分続けば、冷却水の水位が核燃料の上端まで低下する恐れがあったという。米政策研究機関「憂慮する科学者同盟」のエドウィン・ライマン博士は声明で、「炉心損傷になる大事故の前兆だった」と指摘している。
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引用以上
この事故では、運転員が自分のミスを隠蔽するため、冷却水放出の理由を、バルブ閉め忘れではなく、ホース損傷とウソを報告していた。
原子炉一次冷却水は、BWRの場合、80気圧、約300度で運用されるので、小さなバルブの閉め忘れでも喪失が早い。上の例では、6分で5トン近くが失われ、気づかなければ十数分で核燃料冷却不能に陥り、メルトダウン事故が起きる寸前だった。
ひとたび、メルトダウンに至れば、高熱による金属水素の放出によって水素爆発が起きて炉心が損傷し、幸運でもスリーマイルクラスのレベル5事故、最悪では福島原発事故のレベル7をもたらす。
私は、世界の原発事故の9割以上が隠蔽されてきたと考えている。
中国や韓国の原発事故は、ほとんどまともに報告されたことがない。それは儒教思想によってメンツを死守する文化があるからだ。
正しく問題を解決するのではなく、企業や管理者のメンツを守ることが最優先されるのである。
日本でも、伝統的に序列やメンツを重んじる儒教思想があって、企業の体面を守ろうとし、株価を維持するという経営者の命題が最優先される文化が存在している。
巨大組織である原発、電力企業は、すべて同じだが、とりわけ東電や関電がひどい。我々は、それをフクイチ事故の、メンツのための嘘を連発する処理姿勢に、もはや絶望を感じるしかなく、東電に対する信頼感はゼロなのだ。
日本の原発でメルトダウンが起きたのは、2011年3月の福島第一原発事故だけだとの認識が共有されている。しかし事実は違う。
東京電力は、1978年に、核燃料集合体の臨界メルトダウン事故を起こしている。ただ炉心溶融、放射能環境汚染にまで至らずにすんだが、東電は、この事故を隠し続けた。
福島第一3号炉で臨界7時間半 —隠ぺい体質運転開始当初から 2007/03/23
https://cnic.jp/507
1978年11月2日 東京電力福島第一原子力発電所3号機事故
日本で最初の臨界事故とされる。 戻り弁の操作ミスで制御棒5本が抜け、午前3時から、出勤してきた副長が気付きゆっくり修正し終わる10時半までの7時間半、臨界が続いたとされる。
http://www.asyura2.com/07/genpatu4/msg/133.html
http://www.asyura2.com/07/genpatu4/msg/132.html
東京電力は22日、78年に、定期検査で停止していた福島第1原発3号機(福島県大熊町、沸騰水型、出力78万4000キロワット)で、臨界事故が生じていたとみられると発表した。臨界は最大7時間半続いたとみられ、判明している中では日本初の臨界事故だったことになる。
停止中の原子炉から、炉のブレーキである制御棒5本が抜けて臨界に達していたと考えられる証言やメモが、元発電所員や、原子炉メーカーの東芝などから得られた。
東電は事故を国に報告していなかったが、当時、法律上の報告義務があったかについては、経済産業省も文部科学省も分からないという。
(アマ註=メルトダウン事故の報告義務が不明だって? そんなはずないだろう! 中性子が外部で検出されてるんだぞ! レベル4~5事故じゃないか! 原子力規制庁の企業利益優先、腐敗ぶりを端的に示している)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E4%BA%8B%E8%B1%A1%E8%A9%95%E4%BE%A1%E5%B0%BA%E5%BA%A6
同原発ではさらに、79年2月12日に5号機、80年9月10日に2号機で、いずれも定期検査で停止中に制御棒1本が抜け落ちていた。原因は3件とも、北陸電力志賀原発1号機の臨界事故などと同様で、開けるべき弁をしめたまま作業していたためとみられるという。
東電の調査結果を総合すると、78年11月2日午前3時ごろ、137本あってすべて完全に炉に挿入されていた制御棒(長さ3・6メートル)のうち5本が、全長の12分の1から4分の1にわたって抜け落ちた。発電所は当時、各制御棒の駆動装置の弁を閉める作業をしていた。この際に、事前に開くべき別の弁(逃し弁)を閉じたまま作業したため、駆動装置が異常作動したと推測されている。
炉内で核分裂反応が始まり、発生する中性子の量が上昇。東電の車内メモによると、少量の中性子を測るための中性子測定器が測定限界値を記録する状態が、約7時間半にわたって続いていた。午前10時半ごろ、運転員が各制御棒の緊急挿入装置を作動させ5本を元の位置に戻したらしい。
当時、原子炉の本体(圧力容器)のふたは閉まっていたがその周囲にある格納容器のふたは開いていた。被ばくの有無は調査中だという。
沸騰水型の原子炉で、弁操作の誤りで炉内圧力が高まり、制御棒が抜けるという本質的な弱点の事故。
この情報は発電所内でも共有されず、同発電所でもその後繰り返され、他の原発でも(合計少なくとも6件)繰り返される。1999年志賀原発事故も防げたかも知れず、本質的な弱点なので、世界中の原子炉で起こっている可能性がある。
特に重要なのが、1991年5月31日の中部電力浜岡3号機の制御棒が同様に3本抜けた事故である。中部電力は1992年にマニュアルを改訂した。「国への報告はしなかったが、他電力へ報告した。」と主張した。
事故発生から29年後の2007年3月22日に発覚、公表された。東京電力は「当時は報告義務がなかった」と主張している。
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引用以上
この大事故こそ、今考えれば、まさにフクイチ巨大メルトダウンの前兆だったのだ。
東電は、この事故を隠し通すことに成功したことで、原発運転の危険性を甘く考えるようになり、メルトダウンでもたいしたことにならないと思い込むようになり、それが津波対策の軽視、拒否から311フクイチ巨大震災を招いたのである。
そのフクイチ事故で、当初、東電は、事故から二ヶ月も経た5月に、やっとメルトダウンしていた事実を認めたが、それまでは、清水社長の指示により、「メルトダウンを認めるな」と指令が出され「炉心損傷」という言葉にすり替えられ、事実を絶対に認めず、後々、人々の記憶が薄れだしたころに、少しずつ小出しに事実を垂れ流して行くという、まさに東電の十八番の手法を使っていたのである。
https://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/d1617bf7e1c14a8b7bed534984a7de5b
原発企業が、営利と体面を優先する思想は世界共通のものだが、これによって、たくさんの事故が隠蔽された結果、事故の経験を安全思想にフィードバックする機会が失われていった。
とりわけ体面を重んじる儒教思想国家である、韓国と中国の場合は深刻で、どんな重大事故であっても、決してまともに公表されることはなく、世界を放射能汚染の危機に晒し続けているといえるだろう。
中国の香港に近い大亜湾原発では、2010年6月ころ、メルトダウン事故の可能性が強い、大規模な放射能汚染を伴う事故が発生していたが、中国当局は隠蔽したまま詳細を発表していない。
https://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1501Z_V10C10A6000000/
https://hirukawamura.livedoor.blog/archives/5827978.html
また、韓国の古里原発や月城原発も深刻な事故を繰り返しているといわれる。
古里原発近隣住民は、30Km以上離れた住民の2.5倍、甲状腺癌が発生していると報告があり、裁判所も原発運営企業に賠償命令を下した。
https://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-18326
https://hirukawamura.livedoor.blog/archives/6073999.html
韓国の原発は、すべて加圧式PWRであり、160気圧で運用され、膨大なトリチウムを放出する特性を持っている。
カナダのピッカリング原発では、住民のダウン症発症率が、稼働により85%増加したとグリーンピースが報告している。韓国の原発はピッカリングと同じCANDU炉を採用しているものが多い。
https://www.cnic.jp/files/20140121_Kagaku_201305_Kamisawa.pdf
韓国の加圧式原子炉は、もしも耐圧容器の損傷が起きると、巨大な爆発を起こす宿命をもっていて、莫大な放射能を数千キロの遠方にまで散布してしまい、日本列島全域も全土が汚染される可能性がある。
初期の古里原発や月城、ハヌル原発が日本海側に設置された理由は、大事故が起きた時、放射能が季節風に乗って日本列島を汚染するように仕組んだという話がある。
韓国人は、日本人を見下しているので、日本に被害を与えることが戦前の復讐になると信じている人たちが多いのだ。
中国の場合は、大亜湾だけでなく、台山原発が、メルトダウン事故を起こしたとの噂がある。もちろん、当局がまともに発表することはありえない。
https://hirukawamura.livedoor.blog/archives/5867408.html
さらに、はるかに深刻な問題として、長江沿岸原発が放射能汚染事故を起こしたことで、長江が汚染され、漁業30年間が禁止されたとの情報がある。
中国、長江下流原発群が放射能事故を起こしていた疑い 2023年08月30日
https://hirukawamura.livedoor.blog/archives/6064992.html
利権に無条件に迎合する中国共産党が、民衆の健康を考えて漁撈禁止など言うわけがない。それは、長江が取り返しのつかないほどの放射能汚染を受けていることを意味するものだ。
おそらく、メルトダウンを起こした原子炉に長江の冷却水を入れて、排水を長江に垂れ流したのだろう。爆発を起こさなかったので、日本列島で放射能が検出されることはなかった。
関西電力の若狭周辺原発でも、堀江邦夫さんが「原発ジプシー」のなかで、恐ろしい事例を報告している。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E7%99%BA%E3%82%B8%E3%83%97%E3%82%B7%E3%83%BC
美浜原発の排水溝がセシウム汚染で発光していたとか、一次冷却水プールに転落した作業員が、そのままドラム缶に入れられて埋められたとかの事例で、これを見て、私も作業員として関電原発に応募したのだが、かつてのベ平連デモでの逮捕歴がばれて追い返された。関電は、警察庁のブラックリストにアクセスできたのだ。
ちなみに、私は放射線取扱主任者や各種非破壊検査ライセンスなど十数種類の免許を保有していた。
関西電力という会社は、ダム建設時代から山口組と深い関係があり、幹部は刺青をしている者が多かった。なかには、関電大飯所長が、ヤクザに依頼して大飯町長に殺害指令を出したことが暴露されたが、福井県警が関電に買収されていて黙殺した。
反原発町長を、はよ殺さんかい! 2019年10月01日
https://hirukawamura.livedoor.blog/archives/6081394.html
こうした営利第一主義、メンツ主義が企業を支配しているうちは、原発事故は決して耐えることはなく、人類を滅亡させることしかできない。
もう我々の未来は、原発放射能汚染と、温排水による温暖化で風前の灯なのだ。
地球温暖化の虚偽 温暖化の本当の原因は原発温排水 2021年07月14日
https://hirukawamura.livedoor.blog/archives/5827206.html