-ダマスカス鋼について1-
今回は前回お約束した鋼材のお話をしたいと思います。
今回取り上げる鋼材は、ダマスカス鋼です。
近年、ダマスカスの包丁やナイフがたくさん販売されていますが、
SKなどの日本鋼やSUS表示のステンレス鋼などと、何が違うのかをお話ししたいと思います。
ダマスカス鋼・・・それは製造地?から名付けられた鋼材名なんです。
元々はインドのウーツで精錬された「ウーツ鋼」が、シリアのダマスカス地方に渡り、刀剣などに利用されたそうです。
そのダマスカス地方で製造された刀剣は、「折れず・曲がらず・良く切れ・錆びない」とヨーロッパ各地に評判を受け、「ダマスカス鋼」として広く世に知られることになったことから名付けられたと聞きます。
なぜ私が、「聞きます。」と書き記したかというと、
現在では本物のダマスカス鋼はほとんど現存しておらず、文献などの情報から得た知識だからです。
ダマスカス鋼の製造(精錬)方法はいつの間にか失われ、現在では製造できなくなり、現在では幻の鋼材となっています。
今までにも何人もの科学者が、製造方法の再現を試みました。
しかし、現代の科学技術を活かしても復興させることは出来ませんでした。
その幻の金属を試行錯誤し、製造する過程で生まれたのが「ステンレス鋼」だと言われています。
ステンレス鋼もその昔は、幻の夢のような金属だったのです。
だって、開発当時は錆びやすい炭素鋼しか無かったのですから。
本物のダマスカス鋼の特色・性質は、
①1.5%程の高い炭素含有率と鋭い切れ味
②クロム、マンガン、ヴァナジウム、コバルト、ニッケルなどの元素も含まれた鋼材であること
③ウーツ鋼のインゴットで作られたらしい
④独特の刃紋?(まだらにみえる異種金属が混ざり合ったような紋様)
⑤錆びない(現代のチタンのようにほとんど錆びなかったと言われている)
どれも、眉唾のような話で本当にそのような伝説の通りの鋼材だったのか?
はたまた、なぜ現代科学をもっても製造を復興できないのか?
本物に触れたり、テスト使用したこともない私には謎が謎を呼び混乱してしまいます。
本当に高硬度を誇り、錆びず、折れず、朽ちない刀剣が現代にほとんど残っていないと言うのもにわかには信じられない話です。
そんなこんなで、私もいろいろな文献や情報を調べましたが、製造方法について1つだけ、これなら納得できると言う仮説がありました。
それは、ウーツ鋼は「コズミック・スチール」(隕鉄:いんてつ)だという説です。
「コズミック・スチール」とは隕石から取れた鉄と言う説です。
それならば、地球上に存在しない物質や元素が含まれていた可能性もあり、可能かなと。
だって、インドのウーツに落ちた隕石が掘り尽くされているとしたら、作りたくとも材料がないので製造は無理ですからね。
で、肝心要の本物のダマスカス鋼は今どこにあるのか?
聞くところによると、超貴重品のためコレクターが所有していたり、イギリス大英博物館に保存されているそうですよ。
下記写真は「ダマスカス風の包丁」です。
見栄えは博物館等にあるダマスカス鋼と酷似していますが、性能も製造方法も伝説の物とは全く違います。
次回はこのダマスカス風包丁の製造方法などを記したいと思います。
あんまり、正直に記すと業界からクレームが来るかもしれませんが。
ダマスカス風包丁を間違った知識で認知している人があまりにも多いため、お伝えしたいと思います。
それではまた。
今回は前回お約束した鋼材のお話をしたいと思います。
今回取り上げる鋼材は、ダマスカス鋼です。
近年、ダマスカスの包丁やナイフがたくさん販売されていますが、
SKなどの日本鋼やSUS表示のステンレス鋼などと、何が違うのかをお話ししたいと思います。
ダマスカス鋼・・・それは製造地?から名付けられた鋼材名なんです。
元々はインドのウーツで精錬された「ウーツ鋼」が、シリアのダマスカス地方に渡り、刀剣などに利用されたそうです。
そのダマスカス地方で製造された刀剣は、「折れず・曲がらず・良く切れ・錆びない」とヨーロッパ各地に評判を受け、「ダマスカス鋼」として広く世に知られることになったことから名付けられたと聞きます。
なぜ私が、「聞きます。」と書き記したかというと、
現在では本物のダマスカス鋼はほとんど現存しておらず、文献などの情報から得た知識だからです。
ダマスカス鋼の製造(精錬)方法はいつの間にか失われ、現在では製造できなくなり、現在では幻の鋼材となっています。
今までにも何人もの科学者が、製造方法の再現を試みました。
しかし、現代の科学技術を活かしても復興させることは出来ませんでした。
その幻の金属を試行錯誤し、製造する過程で生まれたのが「ステンレス鋼」だと言われています。
ステンレス鋼もその昔は、幻の夢のような金属だったのです。
だって、開発当時は錆びやすい炭素鋼しか無かったのですから。
本物のダマスカス鋼の特色・性質は、
①1.5%程の高い炭素含有率と鋭い切れ味
②クロム、マンガン、ヴァナジウム、コバルト、ニッケルなどの元素も含まれた鋼材であること
③ウーツ鋼のインゴットで作られたらしい
④独特の刃紋?(まだらにみえる異種金属が混ざり合ったような紋様)
⑤錆びない(現代のチタンのようにほとんど錆びなかったと言われている)
どれも、眉唾のような話で本当にそのような伝説の通りの鋼材だったのか?
はたまた、なぜ現代科学をもっても製造を復興できないのか?
本物に触れたり、テスト使用したこともない私には謎が謎を呼び混乱してしまいます。
本当に高硬度を誇り、錆びず、折れず、朽ちない刀剣が現代にほとんど残っていないと言うのもにわかには信じられない話です。
そんなこんなで、私もいろいろな文献や情報を調べましたが、製造方法について1つだけ、これなら納得できると言う仮説がありました。
それは、ウーツ鋼は「コズミック・スチール」(隕鉄:いんてつ)だという説です。
「コズミック・スチール」とは隕石から取れた鉄と言う説です。
それならば、地球上に存在しない物質や元素が含まれていた可能性もあり、可能かなと。
だって、インドのウーツに落ちた隕石が掘り尽くされているとしたら、作りたくとも材料がないので製造は無理ですからね。
で、肝心要の本物のダマスカス鋼は今どこにあるのか?
聞くところによると、超貴重品のためコレクターが所有していたり、イギリス大英博物館に保存されているそうですよ。
下記写真は「ダマスカス風の包丁」です。
見栄えは博物館等にあるダマスカス鋼と酷似していますが、性能も製造方法も伝説の物とは全く違います。
次回はこのダマスカス風包丁の製造方法などを記したいと思います。
あんまり、正直に記すと業界からクレームが来るかもしれませんが。
ダマスカス風包丁を間違った知識で認知している人があまりにも多いため、お伝えしたいと思います。
それではまた。