包丁のトギノン ブログ

トギノン販売有限会社 包丁の製造販売店のブログです

和ペティナイフ

2017-04-26 | 道具のありかた
和ペティナイフ

桜も散り、皆さん新生活を送られていることと思います。
さて、今回は和ペティナイフのご紹介です。

和ペティナイフ?

と思われる方も多いのではないかと思います。
まぁ、ペティナイフの「和」スタイルとお考えください。
和スタイルの牛刀である「和牛刀」はご存知お方もおられるかもしれません。
和牛刀については次回にでもご紹介したいと思います。

とりあえず、和ペティナイフの画像をご覧ください。


どうです?なかなかカッコいいでしょ。



刃に使用する鋼材は芯材がZA18の65層ニッケルダマスカス鋼です。
ZA18はHRC硬度で62くらいあります。
すごく硬いです。でもニッケルダマスカスで包みこんでいるので割れにくい仕様になっています。

実はこの和スタイル包丁は最近欧米諸国からかなりの人気があるんですよ。
この包丁はお客様の御依頼で特注で製造しました。
どうです?なかなか雰囲気あるでしょ?

それではまた。

骨切りナタ(クレバーナイフ)について

2016-12-29 | 道具のありかた
骨切りナタ(クレバーナイフ)について

今年も残り僅かとなりました。
皆さんにとって今年はどんな年でしたか?
私は長男の野球が一区切りついてつかの間の休息です。
上でもやってゆきたいと本人が希望しており親としてはサポートに徹してゆかなければと考えています。
どこまでやれるかわかりませんが、本人が納得いくまで続けることができれば幸せかなと。

さて、今回は表題のように骨切りナタ(クレバーナイフ)についてお話したいと思います。

昔から業者には人気があったんですけど、特殊な刃物なのでWebでは売れ筋ではなかったこの骨切りナタ、最近なぜか弊社Web販売、弊社楽天店舗、アマゾンなどでじわじわと売り上げが上がってきています。
本年は御蔭さまで、例年よりも年間生産計画数量がうわまっており品切れ等でお客様にご迷惑をおかけすることが多々ありました。お待たせしているお客様、申し訳ございません。なるべく早く供給できるよう製造に努めておりますので今しばらくお待ちください。


弊社の骨切りナタは「片刃仕様」。
骨切りナタは両刃の物もありますが、片刃のほうが両刃のものより鋭く切断できますよ。
なぜなら片刃のほうが私どもの表現として「刃が立つから」といいます。
とくにこのようなチョッピングに使われる刃物は特に片刃のほうが鋭く切断できるんです。
出刃包丁でも同じ理屈なんですよ。

ただし、片刃の刃物は「手合い」を誤ると刃欠け、刃こぼれを起しやすい。
両刃の物より技量を求められます。
その代わり、鋭く切れる。
一長一短ですね。
みね厚は5㎜もあるので重さを活かし振り下ろすことで切断が容易となります。
骨付き鶏肉などの切断に最適です。
特殊な刃物ですが、他の刃物にはない使用用途限定で力を発揮します。
お肉屋さんでも使用されているこの商品、まさにプロフェッショナルな刃物なんです。
気になる方は一度チェックしてみてください。

それでは良いお年を。

草取りグッズ 「根切りっこ」

2016-05-27 | 道具のありかた
草取りグッズ 「根切りっこ」

皆さん如何お過ごしでしょうか?
巷ではアメリカ合衆国大統領オバマ氏が来日、サミットや広島訪問により各地で交通規制など厳戒体制が話題になっていますね。

さて、本題です。
間もなく6月。四季のある日本では梅雨の時期に差し掛かります。
雨が降り日が差すことで大量の雑草などが生えてきます。
そこで、弊社の製品のご紹介です。
商品名は「根切りっこ」。楽々草取りグッズです。

使い方としては、
剣先のV字部分を雑草の根本に差し込んで、草の根を切るように使用します。
このため、土を掘り起こしたりしないので、土壌が痛みません。
サイドの波刃は、ツル草などの切断に。ノコギリのように引き切りにてご使用下さい。
また、柄の材質は耐熱110℃のP.P材を使用しています。
視認性の高いピンク柄を使用していますので草木の中でも見つけやすく紛失を防ぎます。
あんなに面倒で大変だった草むしりがラクに行えます。一度使用すると、やみつきになりますよ。
というもの。

以下詳細画像。

弊社WEB 
楽天市場弊社WEB
にて販売中。

お庭や家庭菜園、プランター、公園、グランドで大活躍の商品です。
実は生協さんにもかなりの数を販売していただいた人気グッズです。
草取りグッズとしてはお手軽価格なので、お試しいただけたら幸いです。


刃物屋がこんなもの作るの?なんて思われるかと思いますが、うちの社長が考え事しながら庭の草取りしていてこんなのあったらいいなという発想のもとに様々な改良ののち製作したものです。
その後、試作品を近所や農家の人などにおすそわけしたら「これいくらですか?」となり、製品化した商品なんです。
こういう流れって製品づくりには大事ですよね。

それではまた。


包丁 鞘(サヤ)

2016-04-28 | 道具のありかた
包丁 鞘(サヤ)

日に日に暖かくなり桜も散って紫外線の強い季節になりました。
私は子供の少年野球の指導や審判で日焼けが凄いことになっています。

日差しはさほどでもなかったのですが、1日の審判でこの通り!
凄い紫外線の威力です。
皆さんもお気を付けください。

さて、本題です。
弊社では業販や料理学校、特注品のお客さまなどに鞘を製作し納めていましたが、
それ以外の各方面のお客様より「包丁の鞘はないの?」とお問い合わせが増えてきました。

そこで今回、一部のアイテム・サイズの物に関して、鞘を通常生産ラインに組み込みました。
WEBでも販売する予定です。販売開始まで今しばらくお待ちください。

それでは商品のご紹介です。
今回、一般販売を予定している鞘は「木鞘(キサヤ)」です。
天然の「朴の木」で製作しました。
鞘には大きく分けて
「白鞘」シラサヤ
「塗鞘」ヌリサヤ
があります。

「白鞘」は別名「休め鞘」ともいわれるもので、天然木そのものの風合いを生かすことで木目や木苞が柔らかく包丁を包み、気温差などによる結露なども吸いこんでくれ、木が呼吸することにより包丁の湿度が安定し錆びにくいのが特徴です。

「塗鞘」は天然木に漆などの塗装や染色を行い、時にはきらびやかな装飾を施したものです。つまり防水加工になっているので、雨などを気にせず持ち歩くには良い。しかし鞘が呼吸できないので長らく鞘にはめたままでいると当然、錆びのリスクが伴うこととなります。
日本刀などもそうで、長期間保存するのならば、白鞘。戦に出たり雨風に晒されることがある場合は塗鞘。
もっとも、何年も保存する場合は鞘だけでなく柄(つか)などもはずし刀身のみにして保存する場合もあります。

話は逸れましたが、木鞘の画像です。

特徴としては先述した天然の「朴の木」で製作した木鞘です。
鞘と刀身を固定する「止ピン」付き。

「止ピン」付きの鞘は他にもありますが、弊社の物は「止ピン」紛失防止のための紐付き。
結構、この「止ピン」を紛失して困っているお客様を見てきたので、ここは外せませんでした。
ご興味のある方は近いうちにWEBに載せますのでチェックのほどよろしくお願いします。

それではまた。

中華包丁について3

2016-01-20 | 道具のありかた
中華包丁について3

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます!

さて、前回の続きです。
刃の造りについての続きを記したいと思います。

刃先の造りにはもうひとつ重要な要素があります。
それは研削というか刃肉取りというか研磨方法の違いです。
様々な方法がありますが、幾つかの例を挙げてお伝えしたいと思います。

中華包丁について1にてお伝えしましたが、一般的な中華包丁はこれ1丁でほとんどの作業をこなします。
(例外的に薄切やブツ切りに特化したプロ用のものもありますが...)
そのため、小回りの効く形状というか、例えは、硬いものを切る時、細工や薄切をするなどの特性が求められます。
よって、本当にオールマイティー的なものは以下のような研磨方法等が取られています。
この加工方法が取られている中華包丁の一例としてあげますが、弊社の製品で
「極 黒合板貫通 中華包丁 950」
があります。

①柄の部分から剣先に向かってテーパー形状

②ミネから刃先へ向かってテーパー形状

など。

①の理由は
中華包丁は重い包丁の部類に入ります。
そのため、柄部から剣先に向かって等圧みの刀身では先重り感が強くなります。
つまり、バランス的に先が重い。
それらを解消し小回りの効くバランスに仕上げるために①の加工をします。
またこの加工はもう一つの利点を生みます。
当然、アゴ部の方が剣先より分厚い。
硬いものを切っても丈夫で刃欠けのしにくい構造となります。
たいして、剣先は薄いので細かな切り込みや隠し包丁、引き切り薄切りなどに適した形状となります。

②の理由は
①で特化した部位の特性をさらに高める効果があり、なおかつ切れ味がさらに高まります。

①の加工だけの中華包丁もあるし、②の加工だけの中華包丁もあります。
ここではあえて、どれが偉い・優れているとかはのべませんが、この様に技術や手間のかかっている中華包丁もあるということです。
しかし、この包丁はこの造りや使い易さが認められ多くの中華料理の先生方にもお使いいただいております。

対して以下のような上記と比べ簡易な製造方法の包丁もあります。

Aは刃先数センチのみ研磨されているもの。
Bは片面だけ研磨されているもの。

簡易だから言ってこの加工方法が手間が少ないからといって悪いというわけではありません。
この加工方法で、作り手や使用者の狙った性能が発揮できればよいことなのです。

しかし、この方法は一般的にはさほど加工手順や技術が高くない方なので安価なものに多い。
また、意外なことに非常に高価な包丁のなかにもこの程度の加工しかしていないものが市場には出回っています。
上記で述べた「作り手や使用者の狙った性能が発揮される」のであれば良いのですが...。
良くわからずにとりあえず形だけ、過度なコスト調整をしている製造業者もいくつか見受けますけど。

まあ、私が伝えたかった事は、
ご使用になるお客様がこれらの情報等を把握していれば、より豊かな包丁選びに役立つのではないか?
いや、むしろ知らなくとも良い。ご近所の刃物屋さんでよいから専門知識のある方にご相談すればいい。
知識ある、お客様思いの刃物屋さんなら、きっと貴方にあう(性能・コストなど)ものをオススメしてくれるのではないでしょうか。
昔はそういうカタチが自然とどこにでもありました...ね。

それでは、また。