みやしたの気まぐれblog

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11月3連休 北東北巡礼 その6「リゾートうみねこで久慈への道のり」

2012-12-08 20:32:17 | 乗り鉄
すっかり間隔があいてしまいましたが、北東北旅行シリーズの6回目です。

八戸駅から「リゾートうみねこ」に乗車して鮫駅まで至ったのが前回。今回はそこから久慈駅までの話です。
八戸線は鮫駅の辺りから、太平洋岸に沿って走るところが多くなります。昨年の東日本大震災において、八戸線もまた被災した路線の一つであり、その傷跡は今も残っています。震災の2ヶ月前、私は同じこの路線を同じ行程で通りました。また、それ以前にも八戸線を訪れています。今回は、その当時の写真も交えながら、記事を書いて行きます。

鮫駅を出ると、進行方向左手に岩礁の上にある島が見えます。上に神社の建つこの島は「蕪島(かぶしま)」。国の天然記念物となっている島です。この島自体が天然記念物なのですが、その理由はウミネコの産卵地であるためです。2月下旬に飛来したウミネコは、4月から産卵し、7月まで滞在すると飛び立って行きます(住み着くウミネコもいるそうですが)。東日本大震災の津波はこの島も当然襲いました。

2011年1月に訪れた蕪島の写真です。1枚は列車車内から撮っています。





ここからは、今回の旅行で車内から撮影したものです。津波によって島の周辺にあった建物が破壊されました。現在は新しい建物も建っています。先頭の写真を、上の写真と見比べてみてください。ほぼ同じ場所です。



車内から見た、現在の蕪島。近くの高校の野球部と思われる高校生が浜辺でトレーニングしていました。

蕪島の津波の様子は、YouTubeの動画と、こちらの方のblogだとわかると思います。
八戸蕪島を襲った津波(11/3/2011東日本大震災)
八戸市蕪島大津波2011.3.11
∞doors 八戸探検隊/津波の爪痕3 ~蕪島~

蕪島のウミネコは時期的に島に集まっていましたが、さすがに野生動物だけあって津波を察知して逃れていたようです。
前回の記事で紹介した、「八戸魅力発信 うみねこ おんで隊」の女性から伺った話ですが、震災の日に蕪島神社の宮司さんが境内に入ると、ウミネコの声がしないことに気がついたそうです。繁殖時期が近い蕪島で、そんな状態から何かあると思っていたら、震災が起きて津波が襲ってきたとのことです。ウミネコは地震が落ち着くと、自然と戻ってきたそうです。

蕪島の横を通り過ぎ、列車は久慈を目指して走ります(ちなみに、普通列車です。快速ではありません)。ここから先は沿岸部を走る部分が多く、風光明媚なところでもあります。


海岸線

八戸線の復旧時に正式廃止となった、プレイピア白浜駅(臨時駅)。もう何年も使用されていなかった

所々、重機が作業している姿を見る

ちょっと車内の様子もご紹介しましょう。

1号車、3号車の1列席(C席)は、座席を回転して斜めにして固定できます

2列席(A、B席)は大きなテーブルが付いています

自由席車1号車の車内

1号車の展望スペースは3号車よりやや狭いです

2号車は前回紹介したボックスシート以外にもこんな簡易座席もありました

元々砂浜だった沿岸部は、津波を受けてもあまり変わることは無いと思ったのですが、やはり多少の差はありました。
一応同じような場所で撮った2枚を比べてみます。

2011年1月。浜辺に雪が積もっている

今回。がれきが打ち上げられていたのを撤去したのか、妙に整備された感がある

列車は遅れることも無く、定刻で緩やかに沿岸を走ります。やがて、八戸線では最も海に近く、最も津波被害を受けたという陸中八木駅へ到着しました。かつて、陸中八木は東北地方のJR線で最後まで残った腕木式信号の駅でして、タブレットも交換されていました。当時は有人駅でしたが、その後無人の駅舎に立て直され、その駅舎も津波で消失し、現在は3代目の駅舎(待合室)になっています。

海岸線

海際を走る

ここまで来て、ついに未処理のがれきに遭遇した

震災から1年8ヶ月を経ても、まだがれきの処理は終わっていない。日本人はこの現実を直視すべきなのだ

陸中八木の近く、きれいに整備された道路

海岸線はきれいに整備されているが、人工感が漂う。何か自然じゃない

やがて陸中八木駅が見えてきた

陸中八木駅へ入線する

ホームには八戸線の復旧を祝福する横断幕

海側の下りホームの向こうは何も無いが、整備された感がある

港付近は新しい建物と古い建物が入り交じっている

ここで2005年7月に撮影した、陸中八木駅の写真を紹介しましょう。

初代駅舎。当時は有人駅だった。腕木式信号機廃止すぐの頃

駅には手動で切り替えるポイントがあった

山側のホームから海側を見る。先ほどの写真と撮影位置は違うが、海側の印象が異なるのはおわかりになるだろうか?

海側のホームから、八戸からやってくる「うみねこ」を撮影したところ

列車は陸中八木を発車し、一路久慈へ向けて走ります。陸中中野を出ると、急に山側に入り、これまでの風景とがらっと変わってしまいます。山側は、震災の前とあまり変わらないように思えました。

海側を走る。やはり妙に整備された感がある

陸中中野までは海岸沿いを走る

砂浜。きれいすぎるというか、整備された後という感じ

確か陸中中野駅だったと思うが、避難場所を示す案内には「贈 宝くじ」の文字が

山へ入るとまるで風景が変わる

列車交換設備が撤去された侍浜駅

侍浜駅で時間調整のための停車

侍浜駅の駅舎。浜とは付くが、これまでと一転して、実際の海岸まで数キロはある

侍浜を過ぎて、陸中夏井を過ぎると、まもなく終点の久慈です。
快適な車内だった「リゾートうみねこ」ともここでお別れです。

久慈が近づく

久慈駅ホームが見えてきた。三陸鉄道と八戸線の気動車が見える

久慈駅へ到着。キハ48形の赤鬼塗装と並ぶ

八戸からの行程を終えた「リゾートうみねこ」

JRの久慈駅舎

久慈に到着した後は、いよい今回の被災地訪問のメイン、三陸鉄道に乗り換えます。以下次回。
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2 コメント

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リゾートうみねこ (univ)
2012-12-08 22:25:57
これで普通列車とは凄いですね。
乗ってみたい車両です。
まだまだ震災の爪痕が残りますね。
復興は来週の選挙にかかっているはずなのですが、
どこの政党も全く信頼感がないですな。
返信する
Re:リゾートうみねこ (みやした)
2012-12-08 22:49:36
八戸線は、以前もリクライニングシート車の「うみねこ」が普通列車で運転されていました。
「リゾートうみねこ」はそれに倣ったのだと思いますが、「きらきらみちのく」時代も指定席券だけの快速列車でした。
JR東日本の東北地方向け「リゾート」系車両はグレードが高いです。

震災の爪痕は、北リアス線の回でもさらにお見せすることになります。
どこの党も、所詮この風景を目の当たりにして考えているわけではないので、机上の空論、抽象論しか言えないんですよ。
各党の党首および主要人物は全員、茨城から福島、宮城、岩手、青森の津波被災地に沿って、見て、復興を手伝ってほしいですね。
金をばらまいて(かつそれを実際には関係ない予算で使って)いるだけの政治は、もう終わりにしてほしい。
政党助成金の全廃、企業献金の全廃、それから逃げるのは所詮、金の亡者でしかないという気がしてます。
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