TICOブログ

TICO最新情報をお届けします。

ワークショップ終了時調査を終えて

2010年11月12日 | TICO カンボジア
これまで、地域ボランティアさんの育成や地域住民のみなさんを
対象にファーストエイドに関するワークショップを実施してきました。

今年の12月をもってJICA草の根パートナーシップ事業が終了するため、
住民のみなさんの間にファーストエイドに関する知識がどれくらい普及
しているのかを測り、これまでの活動を検証することを目的として
終了時調査を実施しました

各世帯を回って聞き取りをしていると、住民の方の意見を直接聞くことが
できたため、これまで知りえなかった情報も聞くことができて大変参考に
なりました。

私たちが対象としている地域は、本当に地区毎にそれぞれ全く異なる背景を
もっています。
スラム地区や古くから存在しており、現在も住民同士のつながりが強い地域、
最近できた地域等さまざまです。
スラム地区はさまざまなNGOの支援が入り、病院・診療所の費用が無料に
なる等の支援を受けていますが、スラム地区ではなくとも、本当に貧しくて
病院に行けないという方々もいらっしゃいます。
しかし、支援はどうしてもスラム地区に集中しがちなのです。

先日、調査で村を訪れた際に、貧しくて病院に行けなかったために、手が
壊死していくのを寝て我慢されていた方に出会いました。自分の身体が
腐っていくのに為すすべもなく、さぞや不安で怖かったことだと思います・・・。
近所の方は心配して、その家庭の子どもの世話等のサポートをしていましたが、
費用がかかるため病院に連れていくことができなかったそうです。
本当に貧しい場合は村長からの証明があれば、公立の病院・診療所の
診療費が無料になります。

しかし、中々機能していないのが現状なのです。

たとえ治療費が無料になったとしても、カンボジアでは、入院した際に
患者さんの世話をするのは、看護師ではなく患者さんの家族であるため、
「誰が患者さんの世話をするのか」、「食事代はどうするのか」等の問題が
でてきます。

また、とあるNGOの支援により、病院・診療所の費用が無料になる支援を
受けているにもかかわらず、使い方が分からなかったために病院に行くのを
数年間も我慢していた方もいました。
「開発援助がどうあるべきか」ということについて本当に考えさせられました。

今後、調査時での聞き取りで得た情報やアンケート調査の結果を分析し、
事業終了までのフォローアップをどうするか、事業終了後にどのような
サポートが必要なのか検討したいと思います。



▲村での調査の様子(右側:ナショナルスタッフ ライ)

文責:TICOカンボジア事務所(大坪)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。