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新活動地!ムワプラ

2014年07月03日 | TICO ザンビア
ザンビア事務所でインターン中の出浦です。

日本では少しずつ日差しが強くなっている頃だと思いますが
ザンビアでは日に日に気温が下がり、1年のうちで最も寒い時期になってきました。
特に朝晩の冷え込みは厳しく、厚手の服を着こまなくては耐えられません
ザンビア人も寒さに弱い方が多いらしく、朝晩はダウンを着込んでいる姿をよく見かけます。


さて、今回はTICOの新たな活動地ムワプラについて紹介したいと思います。
先月から事前調査のためこの地区に泊まり込んで住民のみなさんと生活を共にしています。


ムワプラは首都から東へ約70Km、モンボシと同じチサンバ郡にある人口約12000人の農村地区。
四方を山に囲まれた盆地で、2本の川が流れているのどかな田舎です。

この地区には電気が来ていないので、日が暮れるとあたりは真っ暗闇に。
夜は満点の星空に包まれ、プラネタリウムのような空を眺めながら過ごしています


2011年にこの地区に診療所ができ、看護師兼助産師1名でこの地区の健康を守っています。




患者さんは1日20人前後。マラリアに罹ってしまう患者さんがとても多いのが特徴です。
通常の外来に加えて妊産婦検診やファミリープランニング(家族計画)、HIV検査なども行っています。



診察室の様子



このようにカルテも綺麗に並べられていて、整理整頓された環境です



妊婦健診の道具。右の青い道具(トラウベ)を使って胎児心音を確認します。
試しに何人かのお母さんのおなかを聴診させてもらったのですが、本当に音が小さくほとんど聞き取れませんでした
診療所の助産師さんには聞こえるらしく、何度も位置を調整してもらったのですが、わかりませんでした…。


また診療所のスタッフだけでは人手不足なので、地域のボランティアさんが手伝いに来てくれます。


彼女たちは無給で診療所のお手伝いをしてくれる、心強いお母さんたちです。
マラリアの検査や体温測定、お産の介助など診療のお手伝いをしています
また診療所のみではなく自分たちの住む地域の住民の健康を守るという役割も持っていて
住民に蚊帳を配ったり、妊婦さんたちに診療所で出産するように啓発するなど、幅広い活動をしてます

診療所スタッフと地域の住民を繋ぐ役割を担っているんですね
無償で日々このような活動をしているみなさんには本当に頭が下がります

ザンビアでは医療人材の不足は大きな問題ですが、このように住民の主体的な活動によって、健康が守られているんだと感じました



診療所にも電気がないのでワクチンの保存ができず妊婦さんや子どもへの予防接種ができないことや
夜間のお産を受け入れることが難しく、半数以上が自宅出産となっていることなど
課題はたくさんあります。


電気もなく、多くの村人が車や自転車などを持っておらず交通手段が限られた環境の中で、いかにこの地区の健康を守っていくのか。
そのためには何が必要なのでしょうか。
ムワプラでの生活を通して考えていきたいと思います



文責:ザンビア事務所(出浦)

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