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Are we together?

2016年08月23日 | TICO ザンビア

 

今回は、今ザンビアで活躍中の二人の専門家についてご紹介します。ザンビアで実施中の事業概要はこちら→http://www.jica.go.jp/shikoku/enterprise/kusanone/partner_02.html


「Are we together?」

この言葉、ザンビアで研修や会議等の場面でよく耳にします。説明をしていて相手が理解しているかどうか確認する時に「ここまで分かった?」という意味で使われます。「理解する」「分かる」を指す言葉として“get”とか“understand ”ではなく、“together=一緒に”という言葉を使うこの表現が、とても心地良く感じられます

 

すっかり現地慣れしている杉本専門家(写真、中央)からもこの言葉が。それに対し、うんうんと頷く住民保健ボランティアのメンバーたち。

 

杉本専門家は住民保健ボランティアの方たちと話す時、どんなに時間がおしている時でも、直ぐに答えを与えることはしません。まずは相手に考えさせ、そして導くというステップを踏みます。このステップが、それぞれが考える習慣をつけ、創意工夫を促すことに繋がっているのだと思います。何かうまくいかないことがあった時、人はつい他人のせいや環境のせいにしてしまいがちですが、それで終わらずに「自分たちはどうするのか?」と問いかけることで、当事者意識と問題解決能力を刺激します。住民保健ボランティアの問題解決能力をつけることは、今ザンビアで行っている事業の目指す成果の一つですが、特別な研修や訓練だけがその方法ではありません。こうした日々の些細なやり取りを通じても、働きかけられるものだと分かります。

 

もう一人、ザンビア事務所長でもある瀬戸口専門家(写真、右端。住民保健ボランティアの皆さんと一緒に)。

相手の一挙手一投足に気を配り、実によく観察しよく聞いています。それを丁寧に記録に残し、伝えるときはなるべく具体的なアドバイスを伝えるように心がけているとのこと。英語と現地語が入り混じる住民保健ボランティアのミーティングでも、すかさず質問したり、促すような言葉を投げかけたりと、相手からすると、自分のことをよく聞いてよく見てくれている、ということが伝わります。このことは、無償で献身的に働くボランティアにとって、実に大切な意味を持つと言えます。給与や報酬という形でもなく、お礼やねぎらいの言葉があるとも限らない中で、自分の活動が誰にも認知されていないように感じ、無力感を感じることも多々あると聞きます。そのようなボランティアの人々にとって、自分の声をしっかり聞いてくれている誰かがいること、それを実感できることは、救いとなり、励みになるのではないでしょうか。

杉本専門家も瀬戸口専門家も、二人の緻密な観察によるフィードバックは、ボランティアの彼や彼女たちの存在をしっかりと認めているということに他なりません。

 


「Are we together?」

寄り添って、歩幅を合わせながら前に進む。二人の専門家の姿勢にも重なる、ステキな響きです。

 

文責:事務局(国金)


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