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桜井市・大福遺跡 2~3世紀の筒状銅器が出土、奈良県初

2013年04月23日 | Weblog
 桜井市文化財協会が22日、弥生時代の集落遺跡として知られる同市大福の大福遺跡で、弥生時代後期から古墳時代前期初頭(2世紀中頃~3世紀後半)の整地層から「筒状銅器」と呼ばれる青銅製品が出土したと発表した。 筒状銅器の発見は全国11例目で、県内では初めて。 大福遺跡は、纒向遺跡と隣接している。 銅鐸を使用した祭祀が終わる時期にあたるため銅鐸を壊してリサイクルした副葬品の可能性もあるとしている。
 筒状銅器は、長さ9・1cm、直径2・2cm、厚さ最大4mm、重さ74g。縦長の透かし、先端付近に固定するための目くぎ穴がそれぞれ4か所あった。杖(つえ)の先端に取り付ける飾りか、槍の柄に付けた石突きだったとみられる。
 筒状銅器は、これまで川原遺跡(豊田市、1世紀前半)など東海地方を中心に約10例が出土している。 筒状銅器は古墳時代前期中頃から中期の古墳副葬品「筒形銅器」と形が似ており、関係を肯定する説と否定する説があったが、「筒形銅器」の原形だった可能性が高まったとしている。
 また、筒形銅器は韓国で多数見つかっており、朝鮮半島起源とも考えられていたが、筒状銅器が大和王権中枢部で見つかったことで、筒形銅器も日本列島で作られた可能性が高まったともみられている。
 4月24日~9月29日、桜井市立埋蔵文化財センターの速報展で展示される。
[参考: 共同通信、奈良新聞、朝日新聞、産経新聞、読売新聞、毎日新聞]

過去の関連ニュース・情報
■国内
2009.7.8大福遺跡 銅鐸片が再び出土 青銅器のリサイクル跡
2009.3.5大福遺跡 弥生時代の木製よろいが出土
  <関連記事・2008年04月29日>奈良県桜井市・大福遺跡 銅鐸リサイクル工房跡
2009.9.18 羽曳野市・庭鳥塚古墳 南河内初ののこぎり(鉄片)が出土
 2005.9.14世紀後半の古墳発見、筒形銅器出土

■韓国
2012.8.9 金海市・大成洞古墳群 4世紀の木槨墓2基を発見 うち1基は鮮卑族との交流を示す遺物が出土
 91号墳から、鮮卑系遺物とともに筒形銅器が出土、88号墳からは巴形銅器が多数出土
2012.2.24 金海市・良洞里遺跡 4世紀の円筒形鉄器(儀器)が出土
 円筒形金属遺物は、金海大成洞遺跡、良洞里古墳、望徳里古墳、釜山福泉洞遺跡などの地で、これまで全部で45点が出土したが、材料は全て青銅である。 この他、国立慶州博物館に寄贈された伝・良洞里出土品もまた青銅製品だ。
2011.3.15 金海・良洞里遺跡で弁韓時代の漆弓と三国時代の短甲などが出土
 三国時代に作られた石槨墓で筒形銅器が出土した。
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