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羽曳野市・庭鳥塚古墳 南河内初ののこぎり(鉄片)が出土

2009年09月18日 | Weblog
羽曳野市・庭鳥塚古墳 南河内初ののこぎり(鉄片)が出土
 同市教委が17日、平成17年に「庭鳥塚古墳」(同市東阪田)で見つかった板状の鉄片6枚はのこぎりであることが分かったと発表した。
 のこぎりの出土例は全国でも21例しか報告されておらず、南河内地方では初めて。市教委は「被葬者は新しい工具をいち早く入手できる立場だった」と分析している。
 鉄片は、17年の発掘調査で、木棺の周りに埋められていた副葬品とともに見つかった。鉄片は腐食が進んでおり、発見時は鉄剣の一部と考えられていた。その後の調査で、復元したところ全長約25cm、幅約3cmとなり、剣の一部とされていた鉄片の刃部分に厚みがなく、両端に柄が付いていたことをうかがわせる木の破片が残っており、ノコギリと判断した。
 鉄片は10月10日~12月13日、近つ飛鳥博物館(河南町)の企画展「河内平野の集落と古墳」で展示される。
[参考:産経新聞、読売新聞]

過去のニュース・情報
 2005.9.1 羽曳野市・庭鳥塚古墳 4世紀後半の古墳発見、三角縁神獣鏡・筒型銅器など出土
 羽曳野市教委が31日、庭鳥塚古墳(4世紀後半、全長約50mの前方後方墳)で、未盗掘の埋葬施設から中国製とみられる三角縁四神四獣鏡が見つかったと発表した。邪馬台国の女王・卑弥呼が死んだ直後の3世紀半ばに作られた古いタイプの三角縁神獣鏡という。静岡県磐田市の新豊院山D2号墳で見つかった鏡と同型だった。
 三角縁神獣鏡は、邪馬台国やヤマト政権が権威付けのため有力首長に配布したとの説があり、被葬者は早くからヤマト政権と結び付きを持ち、政権の軍事の一端を担った首長だった可能性が高いとする。
 後方部にある埋葬施設は箱型木棺(コウヤマキ製)を粘土で覆った粘土槨で、木棺は腐ってなくなっていたが、棺内とみられる場所から直径21・5cmの三角縁四神四獣鏡1枚と鉄剣1本と鉄器が発掘された。 
 棺外からは、東側でヤリ先1本、銅鏃13本、鉄鏃35本、筒形銅器1点、西側で鉄刀1振、銅鏃6本、鉄鏃14本、筒型銅器1点、鉄斧2点が出土した。多数の武器類が出土していることから、被葬者は武人的性格の強い首長とみられる。
 周辺には4世紀末以降の天皇陵級の古墳が集まる「古市古墳群」があり、同古墳群の形成を解明する上で重要な資料となりそうだ。
 9月3日に現地説明会が開催される。
[参考:共同通信、毎日新聞、朝日新聞、羽曳野市教育委員会HP]

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