歴歩

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茨木市・中河原遺跡 5棟の建物群を描いた弥生絵画を発見

2018年03月23日 | Weblog
 茨木市教育委員会が23日、同市の弥生時代の集落遺跡・中河原(なかがわら)遺跡で、弥生時代中期(約2千年前)とみられる切り妻屋根の高床建物5棟が描かれた土器片が見つかったと発表した。
 2016年⒒月から約1年間にわたる調査で、円形の穴から壺といっしょに建物が表現された土器片9点が出土した。破片を接合すると縦21.5cm、横25.5cm。この土器片も壺とみられる。
 大小5棟の高床建物はいずれも切り妻屋根で、神社の屋根の上に突き出た「千木(ちぎ)」のような棟飾りを持ち、数本の長い柱が屋根を支える構造だ。中央の建物は一回り小さく、その周りに両端が張り出した屋根を支える棟持(むなもち)柱を持つ建物や、はしごの架かった建物が並んでいる。
 切り妻屋根の建物だけが描かれており、豊作を祈る祭りが行われた稲倉だった可能性があるという。
 同じ構造と明瞭にわかる建物群が表現されている弥生絵画の発見は全国で初めて。
 5棟以上の建物が描かれた弥生絵画の土器は、奈良県橿原市の中曽司(なかぞし)遺跡と福岡県筑前町の大木(おおき)遺跡からの出土例があるが、建物の構造がはっきりとはわからない。一方、今回のように切り妻屋根の高床建物と鮮明にわかる弥生絵画は他にないという。
 絵画土器は、市立文化財資料館で28日から6月25日まで公開される。
[参考: 共同通信、:朝日新聞]


弥生土器に建物5棟の絵、大阪 豊作願う稲倉か

同構造の建物群描いた弥生絵画 初の発見、土器片に鮮明
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淡路市・舟木遺跡 弥生期の鉄製ヤスが近畿で初出土

2018年03月23日 | Weblog
 淡路市教委が22日、同市舟木にある弥生時代後期(1世紀~3世紀初頭)の山間地集落遺跡「舟木遺跡」(標高約150m)の発掘調査で鉄製のヤスが見つかったと発表した。
 弥生期の鉄製ヤスの出土は山陰地方や九州北部で例があるが、近畿地方や瀬戸内海沿岸地域では初めてという。
 「海の民」のネットワークがあったことを示す貴重な資料としている。
 出土した鉄製ヤスは長さ16.5cm、幅は最大1.4cmで全体が錆で覆われていた。エックス線写真で分析した結果、先端部が鋭くとがっており、「かえし」が見られた。「かえし」をつくるには高度な技術が必要で、鉄器製造が盛んだった九州などから持ち込まれた可能性があるという。
 また、釣り針など鉄製品104点や鍛冶工房とみられる竪穴建物跡などが見つかった。
 2016年度調査の出土品から確認された鉄製の釣り針は、弥生期としては、県内では会下山遺跡(芦屋市)に次いで2例目という。釣り針も、他から流通してきた可能性があるという。
 今回の調査で、3次元レーザーを使って上空から同遺跡の測量も実施し、地表面の起伏を詳細に分析した結果、遺跡の範囲が従来より北に約300mほど広がる可能性があることも分かった。
 調査成果の報告や出土遺物の展示が、25日午後1時半から同市小倉の北淡震災記念公園セミナーハウスで行われる。
[参考:神戸新聞、産経新聞、毎日新聞、NHK]

過去の関連ニュース・情報
 舟木遺跡


弥生期の鉄製ヤス出土 近畿初、「海の民」が流通担う?

<舟木遺跡>鉄製ヤスなど104点出土 弥生後期、海民集団との関係示す 淡路 /兵庫
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