歴歩

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淡路市・舟木遺跡 弥生時代後期の鉄器工房の可能性がある建物跡1棟や絵画土器などが見つかる

2019年02月22日 | Weblog
 淡路市教育委員会は20日、同市舟木にある弥生時代後期(1世紀~3世紀初頭)の山間地集落遺跡「舟木遺跡」(標高約160m)の調査成果を発表した。
 鉄器工房の可能性がある直径5・6mの建物跡1棟を発見した。炉は見つかっていないが、床面から鉄器や砥石が見つかったことから鉄器工房の可能性があるとみている。
 17年度までの出土品を整理した結果、島内3例目となる絵画土器片が見つかった。約3~4cm四方で、高床の建物の一部が描かれているとみられる。
 また、他の遺跡には見られない形の器台形土器などが確認された。通常よりも短い脚部と大きく広がる台部が特徴で、舟木で作られた舟木特有の形状とみられる。いずれも祭祀に用いられたらしい。
 他の地域から舟木に持ち込まれたとみられる河内地方や北近畿の特徴を示す「搬入土器」も数種類を確認した。
 現地説明会が23日(土)午後1時半から開かれる。
[参考:神戸新聞、朝日新聞]

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 舟木遺跡
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淡路市・舟木遺跡 遺跡の範囲がさらに北に広がる可能性

2018年05月02日 | Weblog
 淡路市教委は同市舟木にある弥生時代後期(1世紀~3世紀初頭)の山間地集落遺跡「舟木遺跡」(標高約150m)において、航空レーザーを用いて測量を行い、遺跡周辺の立体地図を作製した結果、遺跡は従来考えられていた範囲よりもさらに北側に広がっていることや、建物の遺構の配置などがわかった。
 これまでは東西約500m、南北約800mが遺跡の範囲だと推定されていた。 地図データを詳細に分析したところ、遺跡中心部から周辺および遺跡北外側にかけて、人為的に整地されたとみられる平らな地形が多く存在していることが分かった。
 集落の範囲はこれまで考えていた遺跡の範囲より北に200~300m広かった可能性が高いとしている。
[参考:毎日新聞]

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 淡路市・舟木遺跡


<舟木遺跡>立体地図、航空レーザー測量で作製 定説より200〜300メートル広い可能性 淡路市教委 /兵庫
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淡路市・舟木遺跡 弥生期の鉄製ヤスが近畿で初出土

2018年03月23日 | Weblog
 淡路市教委が22日、同市舟木にある弥生時代後期(1世紀~3世紀初頭)の山間地集落遺跡「舟木遺跡」(標高約150m)の発掘調査で鉄製のヤスが見つかったと発表した。
 弥生期の鉄製ヤスの出土は山陰地方や九州北部で例があるが、近畿地方や瀬戸内海沿岸地域では初めてという。
 「海の民」のネットワークがあったことを示す貴重な資料としている。
 出土した鉄製ヤスは長さ16.5cm、幅は最大1.4cmで全体が錆で覆われていた。エックス線写真で分析した結果、先端部が鋭くとがっており、「かえし」が見られた。「かえし」をつくるには高度な技術が必要で、鉄器製造が盛んだった九州などから持ち込まれた可能性があるという。
 また、釣り針など鉄製品104点や鍛冶工房とみられる竪穴建物跡などが見つかった。
 2016年度調査の出土品から確認された鉄製の釣り針は、弥生期としては、県内では会下山遺跡(芦屋市)に次いで2例目という。釣り針も、他から流通してきた可能性があるという。
 今回の調査で、3次元レーザーを使って上空から同遺跡の測量も実施し、地表面の起伏を詳細に分析した結果、遺跡の範囲が従来より北に約300mほど広がる可能性があることも分かった。
 調査成果の報告や出土遺物の展示が、25日午後1時半から同市小倉の北淡震災記念公園セミナーハウスで行われる。
[参考:神戸新聞、産経新聞、毎日新聞、NHK]

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 舟木遺跡


弥生期の鉄製ヤス出土 近畿初、「海の民」が流通担う?

<舟木遺跡>鉄製ヤスなど104点出土 弥生後期、海民集団との関係示す 淡路 /兵庫
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南あわじ市・入田稲荷前遺跡 後漢初頭に造られた貨幣「貨泉」が3枚出土

2017年05月19日 | Weblog

 南淡路市教育委員会が18日、同市八木入田の入田稲荷前遺跡で紀元14~40年にかけて中国古代国家の「新~後漢」で鋳造されたとされる貨幣「貨泉」3枚が見つかったと発表した。
 貨泉は九州や近畿、瀬戸内海沿岸などの遺跡で計179枚が見つかっている。兵庫県内でも7遺跡10枚に上る。
 入田稲荷前遺跡の3枚出土は、岡山県の高塚遺跡の25枚、福岡県の元岡・桑原遺跡群の8枚に次ぐ規模という。
 貨泉は中国・新時代(8~23年)の貨幣で、後漢時代の40年まで鋳造されていた。3枚は、直径2.27~2.32cm、重さは1.45~2.53g。重量約1・5~2・5g。中央に四角い孔(7~8mm)が開いており、片側の面に「貨」と「泉」の文字がある。大きさや重さから、後漢初頭に造られた可能性が高いと判断した。
讃岐・阿波地方から搬入された土器も出土した。
周辺に弥生時代の拠点集落跡もあり、吉備地方や四国を経由した交易などで流入したと推測される。
 南あわじ市では15年4月に祭祀道具「松帆銅鐸」7点が見つかるなど、弥生時代の青銅器が集中出土している。弥生時代最大級の鉄器工房である五斗長垣内遺跡や、中国鏡片が発見された舟木遺跡(いずれも淡路市)とは同時代に当たるため、瀬戸内海を通り畿内への玄関口となる淡路島の重要性を示す遺物としている。
 出土品は20日~7月2日に滝川記念美術館「玉青館」(南あわじ市松帆西路)で有料公開される。
[参考:神戸新聞、共同通信、産経新聞]

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 松帆銅鐸
 舟木遺跡
 五斗長垣内遺跡


古代中国の貨幣、淡路島で出土 交通の要衝示す
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淡路市・舟木遺跡 弥生時代の鉄器工房跡が4棟出土

2017年01月25日 | 竹姫(浄岸院)
 兵庫県と淡路市の教育委員会が25日、淡路市舟木にある弥生時代後期の山間地集落遺跡「舟木遺跡」の発掘調査で、新たに鉄器生産工房跡と、手工業品を生産した可能性のある工房跡、鉄器などが見つかったと発表した。
 見つかった4棟の大型の竪穴建物跡のうち3棟は敷地が円形で直径が10mを超える大型で、うち1棟から4基の炉の跡が確認された。柱が外側に寄り中央部が広いことから、作業をする空間だったと想定される。また4棟全てから鉄器製作に使ったとみられる石器を多数発見。鉄器は計57点見つかり、鍛冶関連のほかに針状鉄器など小型工具が出土した。針状鉄器は小さいものでは長さ4mm、幅1mmで、何らかの手工業品を生産する大規模な工房群が存在した可能性があると指摘している。鉄の加工に使った台石や砥石など石製工具42点や、祭事用と考えられる弥生時代終末期(3世紀初頭)の土器も出土した。
 過去に同市で見つかった近畿最大の鉄器生産遺跡「五斗長垣内(ごっさかいと)遺跡」(同市黒谷)を上回る規模とみられる。工房があった時期は同時に出土した土器の年代から、2世紀後半とみられる。 
 五斗長垣内遺跡では、鉄鏃などの武器類が多く出土した一方、舟木では明確に武器と認められるものはなかった。二つの集落はわずか約6kmの距離でほぼ同時期に存在していたが、生産物に違いがあることが判明。五斗長垣内が消滅した後も舟木で鉄器生産が続けられていたことも分かった。
 2月5日午後1時半から、北淡震災記念公園セミナーハウス(同市小倉)で発掘調査成果報告会が開かれる。
[参考:神戸新聞、毎日新聞]

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 淡路市・垣内遺跡(五斗長垣内遺跡)


近畿最大?淡路に鉄器工房跡 弥生時代の舟木遺跡
淡路・舟木遺跡、弥生鉄器の大産地か 工房が集中
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