「ふと、思い出す。」
此処のビフカツ、ちょっと変わってます、
超薄切りにした牛肉を、具の周りにクルクルと巻いてあるんです。
そこに結構甘めのデミ・ソースが、ワリとタップリ、
ちょっと煮詰まった感じで、この御店、そして、
こちらのご夫婦の歴史を、深く感じさせます。
個人的には、確か20年くらい前から、
年に一回くらいの割合で伺っているのではないかと思われますが、
デミも、味噌汁も、そして夫婦関係も、変わらず煮詰まっている、そんな印象です。
そういえば此処、コースの最初にポタージュ・スープが出てきまして、
後半には、さらにお味噌汁が出てきます、初めてだと驚きますよね、ちょっと。
そして、コースとはいうものの、本当に家庭料理的な雰囲気なので、
構える必要はまったくありません、お値段も千円前後ですしね。
10人適度のカウンターに囲まれた厨房は、逃げも隠れも出来ない、
良くも悪くも何もかもが丸見えの状態で、そこに座った客は、
見るともなくマスターの調理の手順を追う以外、外に見るものもありません。
素晴らしい手捌きを拝見できる、という訳でもありませんが、
その生真面目で堅実な調理には、何故か毎回見入ってしまいます。
小さな底の浅いフライパンで、おおよそ全ての料理に火が通され、
赤ワインたっぷり、白ワインもたっぷり、
さらには謎の液体も、たぷたぷと、たっぷり投入されます。
その、毎度入れ過ぎのようにも感じる液体が何なのか、それは本当に謎なんですが、
そんなシェフの調理に見入っていると、不思議と普段以上にお腹が空いてくるような、
そんな気がしてきて、その料理は、先ず美味しいに違いない、そう思えてきます。
人が自分の為に真面目に調理している姿、そんな風景を見るだけで、
その料理に思い入れというものが、むくむくと湧いてくる、
人間、それが不思議なところであり、しかしそれは、紛れもない真実でもあります。
そして、此処までそう思わせてくれる御店というのは、実際そうはありません。
だから、ふと思い出して行ってみようと思うのかもしれませんね、また此処に。
此処のビフカツ、ちょっと変わってます、
超薄切りにした牛肉を、具の周りにクルクルと巻いてあるんです。
そこに結構甘めのデミ・ソースが、ワリとタップリ、
ちょっと煮詰まった感じで、この御店、そして、
こちらのご夫婦の歴史を、深く感じさせます。
個人的には、確か20年くらい前から、
年に一回くらいの割合で伺っているのではないかと思われますが、
デミも、味噌汁も、そして夫婦関係も、変わらず煮詰まっている、そんな印象です。
そういえば此処、コースの最初にポタージュ・スープが出てきまして、
後半には、さらにお味噌汁が出てきます、初めてだと驚きますよね、ちょっと。
そして、コースとはいうものの、本当に家庭料理的な雰囲気なので、
構える必要はまったくありません、お値段も千円前後ですしね。
10人適度のカウンターに囲まれた厨房は、逃げも隠れも出来ない、
良くも悪くも何もかもが丸見えの状態で、そこに座った客は、
見るともなくマスターの調理の手順を追う以外、外に見るものもありません。
素晴らしい手捌きを拝見できる、という訳でもありませんが、
その生真面目で堅実な調理には、何故か毎回見入ってしまいます。
小さな底の浅いフライパンで、おおよそ全ての料理に火が通され、
赤ワインたっぷり、白ワインもたっぷり、
さらには謎の液体も、たぷたぷと、たっぷり投入されます。
その、毎度入れ過ぎのようにも感じる液体が何なのか、それは本当に謎なんですが、
そんなシェフの調理に見入っていると、不思議と普段以上にお腹が空いてくるような、
そんな気がしてきて、その料理は、先ず美味しいに違いない、そう思えてきます。
人が自分の為に真面目に調理している姿、そんな風景を見るだけで、
その料理に思い入れというものが、むくむくと湧いてくる、
人間、それが不思議なところであり、しかしそれは、紛れもない真実でもあります。
そして、此処までそう思わせてくれる御店というのは、実際そうはありません。
だから、ふと思い出して行ってみようと思うのかもしれませんね、また此処に。