カゲロウの、ショクジ風景。

この店、で、料理、ガ、食べてみたいナ!
と、その程度、に、思っていただければ・・・。

ますむら

2012年03月02日 | 京都
「ふと、思い出す。」

此処のビフカツ、ちょっと変わってます、
超薄切りにした牛肉を、具の周りにクルクルと巻いてあるんです。

そこに結構甘めのデミ・ソースが、ワリとタップリ、
ちょっと煮詰まった感じで、この御店、そして、

こちらのご夫婦の歴史を、深く感じさせます。

個人的には、確か20年くらい前から、
年に一回くらいの割合で伺っているのではないかと思われますが、

デミも、味噌汁も、そして夫婦関係も、変わらず煮詰まっている、そんな印象です。

そういえば此処、コースの最初にポタージュ・スープが出てきまして、
後半には、さらにお味噌汁が出てきます、初めてだと驚きますよね、ちょっと。

そして、コースとはいうものの、本当に家庭料理的な雰囲気なので、
構える必要はまったくありません、お値段も千円前後ですしね。

10人適度のカウンターに囲まれた厨房は、逃げも隠れも出来ない、
良くも悪くも何もかもが丸見えの状態で、そこに座った客は、
見るともなくマスターの調理の手順を追う以外、外に見るものもありません。

素晴らしい手捌きを拝見できる、という訳でもありませんが、
その生真面目で堅実な調理には、何故か毎回見入ってしまいます。

小さな底の浅いフライパンで、おおよそ全ての料理に火が通され、
赤ワインたっぷり、白ワインもたっぷり、

さらには謎の液体も、たぷたぷと、たっぷり投入されます。
その、毎度入れ過ぎのようにも感じる液体が何なのか、それは本当に謎なんですが、

そんなシェフの調理に見入っていると、不思議と普段以上にお腹が空いてくるような、
そんな気がしてきて、その料理は、先ず美味しいに違いない、そう思えてきます。

人が自分の為に真面目に調理している姿、そんな風景を見るだけで、
その料理に思い入れというものが、むくむくと湧いてくる、

人間、それが不思議なところであり、しかしそれは、紛れもない真実でもあります。

そして、此処までそう思わせてくれる御店というのは、実際そうはありません。
だから、ふと思い出して行ってみようと思うのかもしれませんね、また此処に。

ますむら洋食 / 一乗寺駅修学院駅茶山駅
夜総合点★★★☆☆ 3.5