てつまろの気儘な日常

日常生活での出来事や趣味のことなど気儘に書いております。
09年に開設、22年6月にこちらへ引っ越しました。

世界文化遺産の道を歩く-7-

2019-06-15 21:45:00 | 山歩き
夜が更ける前に雨は止みました。テントの中は湿っぽいのですが、雨音がないおかげで爆睡です。
4時過ぎには自然に目が覚め、外を見れば樹間から星が見えました。どうやら晴れそうです。

今日の行程は短めなんで、朝食は無印のバナナバウムと珈琲で済ませます。
ゆっくりとテントを撤収します。昨日も三浦峠でお隣さんだった二人組、旦那さんが風邪を惹いたみたいで、咳をして苦しそう。手持ちの銀翹散を1包お渡ししました。

そんなことをしていたら出発は最後になっちゃいました。

お堂に一礼し、忘れ物がないか確認して出発です。

杉林の中、朝日が差し込む緩やかな登りを進んでいくと、右手に展望が広がるところがありました。

これまで歩いてきた?と思われる峰々と、雲海がきれいに見えました。
歩を進めていくと果無峠に到着。

新旧の標で賑やかです。

ここからは下り。
ところどころ、かつて茶屋があったと思われる平地と石垣が。

どんな建物が建っていたんでしょうね。

更に下って行くと、視界が広がりました。

熊野川と熊野荻の集落です。おお、あとちょっとだ。

ファインダは昨日までの雨で曇っているのですが、撮った画も見た目以上に曇ってる。
あれ?とレンズを見れば、前玉の内側が曇っています。
どうやら、昨日まで雨の中で撮影を続けたので、レンズ内部の湿度が上がってしまい、晴れと標高が低くなったせいで曇ったようです。
取れる対策はレンズ内の空気を入れ替えること。下りながらレンズのズームリングを回します。

自然のフォギーフィルタがかかった画になってしまいましたが、仕方ありません。

ズームリングを回し続けることおよそ30分、ようやく曇りがとれました。やれやれ。

国道を走るクルマの音が大きくなってきて、

国道に合流。ここからは舗装路歩きです。

熊野川に沿って歩いていくと、向こうからやってきたのは新宮→八木の急行バス。
以前乗ったときはトップドア車でしたが、新車に代わってしました。
さらに歩いて、道の駅奥熊野古道ほんぐうに到着。オープンしてから30分しか経っていないので、空いています。
ここで食料調達と腹ごしらえ。


惣菜コーナーで、明日のお昼分でさんま寿司、今日のお昼でめはり寿司、さらに行動食&明後日の朝食分のパンを購入。
食堂コーナーは連休中休業で飲食スペースになっていました。買えるのはソフトクリームくらいですが、美味しく頂きました。

食堂で一息ついていたら、途中で追い越した方が入ってきました。
関東から来たという彼はここで早めのお昼にするとのこと。

ちょっと早いのですが、一緒にお昼?にしました。

道の駅からもしばらくは舗装路歩き。国道から案内に別れて再び山道へ。

標石には”かうや”と彫られていました。

ここは中辺路。軽装の観光客がぐっと増えてきます。
テント泊装備だとちょっと浮いた感じ。

よく整備された道を進みます。晴れてちょっと暑い。

で、進んでいくと住宅地の外れのようなところに出てきました。

再び舗装路になりました。風情がないね。

ここから熊野本宮の境内に入ります。

九度山から90km超歩き、やっとここまでやってきました。


世界文化遺産の道を歩く-6-

2019-06-10 21:00:00 | 山歩き
お昼前ということもあって、浴室は空いています。
先客と入れ替わって、源泉垂れ流しかけ流しの湯船に浸かりました。

スッキリして、脱衣場から川面を見れば、また雨ですよ・・・。
受付で浴室の写真をネットに公開することについてOKをもらい、近くの食事処を教えてもらいます。

行ったのは、一番近かったドライブイン。
普段はいろんなメニューがあるそうですが、連休中は釜飯1種のみとのこと。
小上がりでくつろいで待っていると・・・

ボリューム十分な釜飯が来ました。卵のトッピングが面白い。
ちょうどお昼時、改元関係のニュースをやってました。お客さんの半分くらいはハイカーの格好。
軽装なので、バスツアーかなにかで熊野古道をチョイ歩きする方々でしょうか。

お勘定を済ませて店を出ようとしたら、雨は本降り。
レインウェアを着て出発です。
歩道のない国道を歩いて熊野古道へ戻ります。

この吊橋を渡って果無集落へ向かいます。ミラーに自分が写ってました。

舗装路を外れ、急な石畳を登って行きます。途中、三浦峠で隣にテントを張っていた二人に会いました。

この天気だと観光客がいないんで、いい雰囲気で撮れました。

やがて左手に伸びきったゼンマイ(勿体無い)がたくさん生えた棚田が見えてくると、木のゲートがありました。

動物避けのゲートです。これを通ると果無集落です。

天空の田圃?ではちょうど田植えが行われていました。


軒先を借りて休憩をとります。田植えをしていたおっちゃんとおばちゃんもやってきました。
この連休、長いこともあってテント泊装備で歩き通す方が多いとのこと。
昨日は日没直前に登っていく方を叱ったとか。

雨が止む気配は全く無いんで、今日の幕営地に向けて出発します。

ちょっと登ったら世界遺産の碑がありましたが、濡れていて文字がわかりません。

古からの道標に従って、再び山道へ。


稜線に出たあたりで開けたところが。

かつてここでは天水を活用して稲作が行われていたそうです。

雨に煙る山道を延々と登っていくと、左手から水音が聞こえてきました。

程なくして今宵の幕営地の観音堂に着きました。

設営に適した場所は水溜り。ちょっと斜面になったところにテントを設営。
今日の歩行距離と時間は・・・とSIM抜きのスマホを見れば、日時がデタラメ。
昨晩、バッテリを入れ替えたときに日時がリセットされていたようです。
2年半分の時刻修正をして、前日のログと繋げました。

夕方になって縦走者が到着。

お堂の周りにテント村ができました。
天気予報によれば明日は晴れるとのこと。いよいよ熊野本宮です。


世界文化遺産の道を歩く-5-

2019-06-02 20:00:00 | 山歩き
翌朝は6時過ぎに出発。

三浦峠はガスの中でした。
西中の集落へ向かって緩やかに下っていきます。

途中の古矢倉跡の説明ではちょっと怖い記載が。

ガスに煙る古道です。

このあたりはかつて棚田が広がっていたそうです。よく見れば左手に苔むした石垣がありました。

行き交った人を見守ってきた、かわいい五輪塔です。

下って行くと途中で分岐が。

熊野古道の”新道分岐”のようです。

樹間から民家の屋根が見えてくると、集落の外れに出ます。

ここで新道と再び合流。

車道をショートカットする古道を降りていくと、国道に合流。

ここから十津川温泉までは車道歩きです。

道端に水飲み場とベンチが。花も生けられています。

喉を潤し、顔を洗ってさっぱりしました。

更に進んでいきます。
村営バスがやってきました。

いかにも田舎のバスといった風情ですね。

十津川温泉に近づいてくると、巨大な広場?が。

2011年の水害からの復旧事業でしょうか。延々と続いているようです。

すれ違ったバスが終点で折り返してきて追い抜かれました。

今日のランチは十津川温泉で。
連休中ですが、果たして美味しいごはんにありつけるかな?

その前に・・・

温泉でさっぱりすることにします。

世界文化遺産の道を歩く-4-

2019-05-26 21:50:00 | 山歩き
ここから舗装路をちょっと歩きます。五百瀬を抜け舗装をそれると、橋の袂に水場がありました。
三浦の湧水と呼ばれる湧水です。ただ、コンコンと湧くというわけではなく、間歇泉のようでした。
このあとの行程に必要な水を汲み、橋を渡って三浦峠を目指します。


再び古道らしさが出てくる手前にこんな掲示が。

小辺路は山越えの道、こんなコトバに励まされます。

集落の一番外側にあたる民家の脇を抜けると、

再び杉林の中を登っていきます。

苔むした石垣の上には石碑が建てられていますが、彫ってある内容は読めません。


やがて、吉村家跡に着きました。

足元には陶磁器の破片があり、かつての賑わいが偲ばれます。
更に、ここには防風林として杉が植えられていたとのこと。

どうしてこうなったのか、凄い枝振りです。

ここからは単調な登りが続きます。

二十五丁石を過ぎ、登りに飽きてきた頃
三十丁の水場に到着。

ひと休みして喉を潤します。
ここまでしっかり水が有れば、三浦で汲む水を減らしておけばよかった。
逆に枯れていたらショックですから、これで良かったのかもしれません。

ここまで来ると樹間から稜線が見えてきます。雲が厚くなってきました。
今宵も雨になるんかなぁ。

峠の東屋の屋根が見えればもう少し、ですが・・・

こんな崩壊地の脇を通り抜ければ、今夜の幕営地である三浦峠に到着。


風を避けられるポジションにテントを設営しました。


三浦峠からの眺め

左下の小さな集落が五百瀬。
ここまではそこそこ順調です。

世界文化遺産の道を歩く-3-

2019-05-22 21:18:00 | 山歩き
泊まった小屋は隙間風が入り、突風で入口の開き戸が開くのでやむなく鍵をかけて就寝。
朝方になって風雨がちょっと収まってきました。スマホで気象レーダ画面を見れば、天気は回復しそうです。
雨がまだ降っていますが、6時過ぎに出発。


よく手入れされた杉林の中を進んでいきます。

ガスが掛かって幻想的な雰囲気になってきました。

伯母子峠を越えた先の古道が崩落しているとのことで、伯母子岳山頂を通る迂回路を通ります。

ここからは山道。

伯母子岳山頂到着、晴れれば最高の展望のはずですが、全くの展望はなし。

風雨が強いので、早々に出発します。

案内に従って迂回路を下っていきますが、濡れた道は滑りやすく、膝への負担が大きいです。



なんとか下って、本来の小辺路に合流

思ったよりも脚にきました。このあたりからペースがちょっと落ちてきます。
Nさんはさっさと行きたい様子。ウチは古道の写真をとりながらゆっくり行きたいところ。
どうしようか迷いましたが、Nさんのペースでは走破できなくなりそうなので、
上西旅籠跡で休憩し、そこからはNさん単独で行ってもらうことにしました。

上西旅籠跡は広く、かつての隆盛が偲ばれます。

森の中を進んでいくと、沢の源頭部にある水場がありました。
森の恵みで喉を潤すと、すぐ先に水ヶ元茶屋跡。

一体、どんな老婆だったんでしょうかねぇ。

標高を下げていくと、再び杉林の中を進んでいきます。
石畳が現れ、熊野古道らしい風景になってきました。


待平屋敷跡を通過して、



古から行き交う旅人を見守っていたお地蔵さんに見送られて、

再び麓の集落入口に下山。
案内板の一番下は、最寄りの自販機までの距離案内(笑)

レインウェアを脱ぎ、一息つきました。

ここからは三浦口まで舗装路歩きになります。
途中の集落に南朝史跡「腰抜田」がありました。

深~い歴史がある、小辺路です。