佐藤匠(tek310)の贅沢音楽貧乏生活

新潟在住の合唱指揮者・佐藤匠のブログです。

合唱指揮者考~その適性を中心に~

2006年06月05日 00時01分19秒 | 合唱

 

 土日と、珍しく何もなかった(入れなかった)ので、

今日のユートライの練習までほぼ部屋でAYC、NYCの事務をしてました。

 

 

 で、練習。

次週、朱鷺メッセである、本番の練習でした。

 

 

 そこで、ちょっと思ったことがあります。

 

 

合唱指揮者の適性とは?

 

 

 来週本番で、僕が15分くらい指揮するのですが、

改めて気づいたことがあります。

 大学を卒業してから8年。

この間、本番の指揮を振ったのが、

2年前の朝日の新潟県コンクールのみ。

それに気づいたとき、

 

「ああ、俺は何をやっていたのだろう」

 

と思ったわけです。

 

 僕が、学生の頃県内で活動していた指揮者は、

もっと場数を踏んでいたと思います。

僕の合唱指揮の先輩方は、僕の100倍以上踏んでますね。

 

 無駄な時間を過ごしていたわけではなく、

主に合唱団の歌い手として、

あとは純粋に聴き手として、

耳は育ててきたと思います。

 

 でも、指揮者として必要なこと、

全然身についていない、

そんなことを、振りながら思ってました。

上京してからの8年もの間、

指揮を振り始めたのは2年前からLalariで月1回。

ようやく、新潟ユースとユートライで少しずつ下振りをしています。

 

 いやー、遅かったな。。。そんな思いです。

何故そう思ったか。

 

本番を振ったことがほとんどないからです。

 

 全て任されるという経験がほとんどなく、

簡単に言うと、不安なわけです。

下振りというのは、ある意味言い訳がききます。

仕上げたり、約束事を確認する必要はありますが、

本番振るのは正指揮者です。

 

 でも、本番を振るということは、

それだけで練習の仕方が違ってきます。

 

正指揮者である先生方に渡すのか、

僕が仕上げて本番を振るのか、

 

で、練習の内容が変わります。

 

 

 僕は、本番にもっていく練習をほとんどしたことがなく、

これがまた、今まで上手くいったためしがありません。

初めて定期を振った大学3年がかえって一番良い記憶で、

4年の時は僕にとってとても大きな失敗をした記憶、

2年前のコンクールも、直前練習で問題が出てきて、

本番に良い状態でもっていくことが出来ませんでした。

 

 指揮者は、ある程度の仕上がり感を歌い手に感じさせることが、

本番に向けて大事になります。

歌い手の不安を限りなく取り除くことが求められます。

 

 でも、何が不安だって、僕が不安です(苦笑)。

「自分がしっかり振らないといけない」

当たり前なんですけど、

これまで指揮者として、責任ある舞台を

全然経験してないんだな。。。と悲しくなりました。

 

 限られた時間で曲を仕上げるという作業。

これが今の僕には上手く出来ません。

今日の練習でもそう思いながら振ってました。

 

 そこで出てきたのが、合唱指揮者の適性です。

僕に適性があるのかどうかということを

ここで問うというわけではなく、

僕に足りないものを、これから磨いていこう、

そういう意味合いのブログのこのテーマです。

 

 僕は、指揮者として、絶対的な力を持って引っ張っていというやり方、

オケや吹奏楽に多いですが、

そういうやり方をすると、振りながら不安を感じてしまいます。

 

「皆がついてきているかどうか」

「今の指示で良かったのだろうか」

 

 振りながらそんなことを考えてしまうのだから、

明らかに、指揮者(僕)の背中に「不安」という文字を

歌い手が感じるのでは、そう思ってしまいます。

 

 この時点で、指揮者の適性が無いと言われればそれまでですが(爆)。

 

 僕が指揮をするときの理想は、

小アンサンブルの延長なのです。

歌で会話し、言葉で会話しながら、曲を「共に」創っていく。

こういう理想があるから、

自分が前に立って引っ張っていき、

自分の指示を黙って歌い手が聞いていると、

歌い手はどう思っているのだろう、

そう考えてしまうのです。

 

「今のところはこうしたいんだけど、どう?」

「じゃあここはそれがいいな」

「今のとこ良かった、それ採用」

 

 こんなやりとりをしながら創っていきたい理想と、

そうならない現実が、僕から、より自信を奪う、そんな感じです。

そう、歌い手が、そういう指揮者を望むのか、

そういう点もあります。

対等の立場でコミュニケーションを取るより、

いわゆる指揮者として引っ張ることを、

多くの歌い手は望んでいる様に思うんですよね。

 

 まあ、こんなことを繰り返しながら

成長するのかもしれませんが、

基本的に、全部成功したいという思いがあるので。。。

(僕の成長のための犠牲にしたくないというか)。

 

 甘い指揮者ですね(笑)。

もっと自分に厳しさが必要かなとも思いますし、

何より、足りないものをもっと磨かないといけないですね。

勉強します。

 

・今、指揮者の皆さんに聞く。もっとも指揮者に必要だと思うもの

・合唱団の歌い手が指揮者に望むこと(オケやブラスもOK)

 

 コメントいただけたら嬉しいです。

 


最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
僕は「草」だからねぇ。説得力ゼロですが、音楽性... (こっち)
2006-06-05 20:01:40
僕は「草」だからねぇ。説得力ゼロですが、音楽性以外に必要なことについて述べよう。

一番必要なのは「熱意」かな。
逆に「熱意」のない指揮者とは出合ったことがないような気がする。音楽性がなくても、よくわからんけど人を動かすような熱さ。僕もこれがなくなったらやめます。

そして「愛」。
もちろん合唱に対する愛。
自分のやりたいことに他人を巻き込むわけだから「団への愛」「メンバーへの愛」。
最近僕、これが足りないことを痛感しています。

やるからには「志」。
これもない指揮者をあまりお見かけしませんね。
僕はできるだけこれを明確にするよう意識しています。

う~ん、抽象的で恣意的。

たった今思ったことです。
明日は変わるかも。
返信する
まいど~。 (やぐち)
2006-06-06 15:55:19
まいど~。
今年、大阪合唱祭で本番振ることになりました。初めてのYK指揮者デビューです。
近年、5月6月は指揮者が練習に来ないので、私の練習が続くというのはよくあることだったのですが。。本番前の、曲のブラッシュアップってどうやってやるんだろうか…と、指揮者の練習を日々研究しています。
返信する
 こっちさん、ありがとうございます。 (tek310)
2006-06-06 23:58:04
 こっちさん、ありがとうございます。
 熱意については、昔よりは表に出ているのではと自己分析ですが。。。昔はスマートにしたかったというか、カッコつけたがっていたので。志もそこそこあると思います。愛についてはどうでしょう。ノーコメントで(笑)。
 それにしても何かやるせないのは、こっちさんにとってのtek310の指揮者像が、僕の大学4年で止まっていることですね。その記憶で僕の指揮像を思い浮かべられるのが正直悔しい(笑)。お互いもう少し寄り添った方がいいかもしれませんね(笑)。
 やぐちさん、お久しぶりです。
本番前の練習って難しいですね。というか、その時点で既に決着が着いているのかなとも思ったりします。結局、本番からより遠い練習の内容をより良くするのが大事なのかなと思います。それが出来れば直前であがかなくて済むのでしょうね。
返信する

コメントを投稿