佐藤匠(tek310)の贅沢音楽貧乏生活

新潟在住の合唱指揮者・佐藤匠のブログです。

イチロー考~プロセスと思考を重視するその考え方こそ~

2009年02月24日 22時25分59秒 | 日記・エッセイ・コラム
 
 メジャーリーグというところでもそんなものなのか、
そう感じる出来事がいくつかあります。
 
 
 薬物汚染が問題になっています。
最近A・ロッドが告白しました。
ボンズのHR記録もそれをもって
もはや疑惑の眼差しで見られています。
 
 
 プロの世界というのは、結果が全てだと言われます。
結果を出すということにおいて、
薬物は手っ取り早い効果が望めるのでしょう。
ちょっと前に、オリンピッククラスの選手に、
薬物についての認識の調査があったのですが、
バレさえしなければ使用するかもしれない、
と答えた選手の割合がかなり多かった気がします。
 
 
 でも、本当のプロというのは、
結果だけでなく、プロセスも重視するのではないか、
最近そう思います。
 
 
 バレなければ良いという発想は、
別に上記の一流選手だけではありません。
麻薬などの薬物の汚染は日本に広がっていますが、
バレなければ良いことの典型で、
能力があろうが無かろうが、
まさに全ての人間が弱い生き物であることの象徴です。
  
 
 で、単純に思うことというのは、
「考える」という行為を行わない人間が増えているのではないか
と感じます。
もし、考えに考え抜いた結果、
上記のようなところに行き着くのか、
もし人間全てに考える力があれば、
僕はほとんどの人はそこにはいかないはずだと思います。
 
 
 考えることというのはどういうことか、
それは正にプロセスだと思います。過程です。
それは、自分と向き合うということであり、
説明出来るということです。
イチローは大リーグで8年連続200本安打を打っていますが、
「同じ200本でも前年とはその中身や意味が全く違う」
と語っていたことがあります。
彼にとっては、結果は限りなく大事で、数字も大事なのですが、
それだけが全てなのではなく、
そのプロセスも大事だと考えている、
彼の発言を聞くと、そう思わずにはいられません。
それは、自分というものを徹底的に考え抜いている、
そしてそれは、自分はどうあるべきかという哲学にまで
昇華している気がします。
 
 
 ネットのトピックスで何度か目にしたのですが、
イチローという存在が、マリナーズの選手の中で
あまり好ましく思われていないという記事がありました。
自分本位でチームのことを考えていない、
チームの和を乱している、
そういう考えの選手がチーム内に多い、ということです。
これを読んだ時、
メジャーリーグという野球最高峰と思われる場ですら
こんなものなのかと正直感じました。
そこにいる選手の思考の質の低さです。
チームのため、とは、
どの程度チームのことを考えているのでしょうか。
チームを構成しているのは一人一人の個人であって、
本当は、チームの中で自分個人がどうあるべきかということを
考えることこそが本当のプロだと思うのです。
大リーグの選手でありながらこの低級な考え方、
それをしているということに気づかないのです。
イチロー一人を悪者にして、
自分がどうあるべきか、何をすべきかを考えていない、
そう思います。
 
 
 自分に徹底的に向き合う姿勢があれば、
こんなことは起こりえないはずです。
野球ということにおいて、体力的な能力の高い選手は多いけれど、
思考においてプロフェッショナルな選手はほとんどいないのです。
イチローは、そういう選手の考え方にきっと絶望したと思います。
自分が本来すべきことを行わず、人のせいにする、
負けているチームにはびこり易い考え方です。
悪者探し、ですね。
本当の悪者が、その一人が自分であることに気づいていないのです。
もし選手一人一人がイチローのような思考を行うことが出来れば、
そのチームが負け続けるはずはありません。
組織というのはそういうものだと思います。
 
 
 アメリカという、野球最高峰の場でありながら、
それを構成する選手の思考や意識の低さが
イチローには我慢ならない、そんな気がします。
負けているチームの中で、
一人の悪しき考え方が多くの選手に安易に浸透する現状、
これは自分たちの身の回りでもよくあることです。
集団の中に所属することによって、
考え方がアンプのように増幅されるのです。
そこに寄り添うことを人間は好むのです。
 
 
 個がどうあるべきかを考えること、
これは集団を形成することにおいて、
本来最も重要なことだと思います。
でもそれが出来ないこと、
プロの選手ですら出来ないのです。
 
 
 飛躍するかもしれませんが、
合唱という場でも同じだと思います。
悪いことを指揮者や団員のせいにしたりすることは
残念ながらよくあることです。
皆イチローたれば、こんな愚かなことは無くなります。
人を批判するには、まず自分がどうなのかということを考える、
皆が自分が何をすべきか考えることが出来ること、
これこそ、真のプロフェッショナルであり、
言ってみれば、生きていくことにおいて、
最も重要なことではないかと思います。
 
 
 そう考えると、
今の世の中、考えるということが非常に軽視されています。
分かり易いことということも誤解されています。
一つの物事の中には、結果だけがある訳ではなく、
そこにはいろいろな物事が絡んでいて、
考えることを忘れると、人間は情報に操作される、
これは近年の政治などでも明らかです。
 
 
 もっと考えろ、
考えに考え抜いてみろ、
そう感じることは多いです、考える生き物tek310としては。
このように書いてきていますが、
まだ考えています。
考えに考え抜いて出した結果と、
考えないで出した結果が、表向き同じだとしても、
その中身は全く違う、
少なくとも僕は、その中身を重視します。
前にこの日記で列挙したキーワードは、
それらを見るたびに僕が常に同じことを感じていたということです。
でもそれが為されない現状というのはそこら中に存在している、
そういうわけです。
 




最近の気候と諸々。

2009年02月24日 00時01分06秒 | 日記・エッセイ・コラム
 
 暗くなるのが遅くなりましたね。
積もったと思った雪は
雨で消えるパターンを繰り返しています。
 
 
 昔はこれほど冬に雨が降らなかったですよね。
雪の降らない日はあっても、ここまで暖かかったり、
雨が降ったりはしなかった気がします。
簡単に温暖化に結びつけるのは非科学で良くないですが、
何かが変わってきているのかもしれませんね。
 
 
 まあ、何が書きたいという訳じゃないんですが(苦笑)。