70年代のアメリカを代表するROCKバンドのひとつであるイーグルス。
暑い夏には爽快なカリフォルニア・サウンドがピッタリ!ということで、今月はイーグルス特集です。
このバンドの魅力は、メンバー全員リードヴォーカルがとれて、それぞれ曲が作れるということ。
こんなバンドは他にはないのでは?
ちなみに、カリフォルニア・サウンドの代名詞のように言われてるけど、その中心人物の二人、その歌いっぷりから
「陽のグレン・フライ」、「陰のドン・ヘンリー」の二人は、実はカリフォルニア出身じゃないのです。
メンバーチェンジを重ねる毎に、出入りしたメンバーの音楽性を上手く融合させ、初期の爽快カントリーROCKバンドから
徐々にROCK色を強め、アルバム毎に成長、音楽性を変えていき、「ホテル・カリフォルニア」で全米を制覇する。
たったの6枚しかアルバムを出していない(ベスト、ライブ除く)ので、この際、全て買い揃えてみては?
EAGLES (1972)
デビュー作。まだこの頃はフォーキーでカントリー色の強いROCKをやってました。
並のカントリーバンドと違うのは、曲の良さとやはりヴォーカルの爽やかさ。
ジャクソン・ブラウンとグレン・フライの共作の①「TAKE IT EASY」は未だにラジオから流れるけど、青空がピッタリと似合う爽快この上ないこの曲のためにこのアルバムを買っても損はしない、と僕は思ってます。
このアルバムから3曲のシングルがヒットしたけど、1番ヒットしたのが②「魔女のささやき」というのが意外な気がする。やはり⑨「PEACEFUL EASY FEELING」が良いなあ。
メンバー持ち寄りの曲で構成されてるので、統一感は感じられないけど、メンバー全員のヴォーカル、コーラスパフォーマンスは既に最高レベル。
ならず者 (1973)
2ndアルバム。ジャケからも分かるように、アメリカ西部開拓時代をテーマにしたコンセプトアルバム。デビュー作では殆ど作曲クレジットに名前が無かったドン・ヘンリーがここでは大躍進。やっぱイーグルスのメンバーの中ではドンのヴォーカルが1番素晴らしい。それが堪能出来る名バラード⑤「DESPERADO」(ならず者)の哀愁のサビメロとドンのヴォーカルが組み合わさった瞬間、胸が締め付けられるような感じがする。(ちなみに、僕がイーグルスの中で1番好きな曲がコレ。)
シングルヒットの④「TEQUILA SUNRISE」とこの2曲がアルバムの山場だと思うけど、アルバムラストにも「ならず者(リプライズ)」が収録。ここでのドンの歌いっぷりは正に反則技です(笑)
②「21才」③「OUT OF CONTROL」といったデビュー作路線の軽快なカントリー、ロックンロールSONGとのバランスも良く、コンセプトアルバムらしい構成と、カントリー風味の味付けが絶妙な個人的には大好きな初期の名作。
ON THE BORDER (1974)
3作目。初の全米NO.1シングルとなったほんわかバラードの⑩「我が愛の至上」収録。
前作よりもカントリー色が薄くなって、初期の爽やかな音楽性、哀愁のメロディラインというイーグルスのイメージにもっとも近いのがこのアルバムかもしれない。
それぞれのメンバー持ち寄りの楽曲はバラエティに富んでいて、様々な音楽性が楽しめる。ロックンロール、カントリーとこれだけバラバラなジャンルが同居してるのに、アルバム通しで聴くと「イーグルス」というバンドの音なのが面白い。
「TAKE IT EASY」風の爽快SONG①「過ぎた事」からもう掴みはOK。強力な名曲はないけれど、肩肘張らずにほのぼのとしたカリフォルニアの情景が浮かぶような曲が矢継ぎ早に繰り出される。
ドン・ヘンリーとグレン・フライの2枚看板が交互にリード・ヴォーカルをとるトム・ウェイツ作の⑦「懐かしき55年」がこのアルバムのハイライト?
呪われた夜 (1975)
名作の誉れ高い5作目。まるでアース・ウィンド&ファイアーの曲か?と錯覚してしまいそうな全米NO.1ヒットのファンキーな名曲①「ONE OF THESE DAYS」(呪われた夜)でスタート。僕はこのアルバム、正直あまり好きじゃない。⑤「いつわりの瞳」、⑥「TAKE IT TO THE LIMIT」といった如何にもイーグルス、という曲もあるけど、このアルバムで脱退してしまうカントリーRock畑のギタリストであるバーニー・リードン作の④「魔術師の旅」が象徴するように、アルバム全体の統一感があまり感じられない。ま、名作の布石というべきアルバムかもしれないけど、個人的には、個々の楽曲が良いだけに全体のバラツキ、バランスの悪さはどうなんやろ?という煮え切らなさが残るアルバム。
HOTEL CALIFORNIA (1976)
問答無用の世紀の名盤!
アメリカ建国200年に対する痛切なメッセージSONG(カリフォルニアに実在するビバリー・ヒルズ・ホテルの事を歌ったノー天気な歌ではないのです・・)であるタイトルトラックは、歌詞も深いけど、ドン・ヘンリーの歌うメロディ、ドン・フェルダーとジョー・ウォルシュの二人によるギターソロが絶品。これぞ70年代を代表する1曲と言えます。ご存知ホール&オーツの事を歌った②「NEW KID IN TOWN」も「俺達の役目は終わった・・」という裏のメッセージを無視すれば、アルバム1メロディックでポップな秀曲で、純粋にメロディの冴えが味わえる。ジョー・ウォルシュが加入してなければ生まれなかったアグレッシブな③「駆け足の人生」、この冒頭の3曲は強烈。このヒット曲3連発でこのアルバムが名盤だということが約束されたようなもの。
これだけじゃなく、正に捨て曲なしの傑作で、ラストには哀愁のバラード⑨「THE LAST RESORT」でトドメを刺す。これは全音楽ファン必聴です。
THE LONG RUN (1979)
ラストアルバム。前作が余りにもヒットしてしまって、すごくプレッシャーがかかったのか、2年半というインターバルを置いて登場。
前作とは打って変わって、ジャケは真っ黒で、「重く、暗い」と言われるけど、それは一部の楽曲による評価で、全体的にはやはりイーグルス以外の何者でもない哀愁のカリフォルニア・サウンドを聞かせてくれます。さすがに6作目ということで、楽曲も作り込まれた印象で、新加入のシュミットの歌う②「言い出せなくて」をはじめ、ミディアムテンポの落ち着いた曲が並んでいて、ラストの⑩「THE SAD CAFE」のサックスが叙情風味たっぷりにバンドの最後を締め括る。イーグルスの正に正真正銘、最後の名作。
暑い夏には爽快なカリフォルニア・サウンドがピッタリ!ということで、今月はイーグルス特集です。
このバンドの魅力は、メンバー全員リードヴォーカルがとれて、それぞれ曲が作れるということ。
こんなバンドは他にはないのでは?
ちなみに、カリフォルニア・サウンドの代名詞のように言われてるけど、その中心人物の二人、その歌いっぷりから
「陽のグレン・フライ」、「陰のドン・ヘンリー」の二人は、実はカリフォルニア出身じゃないのです。
メンバーチェンジを重ねる毎に、出入りしたメンバーの音楽性を上手く融合させ、初期の爽快カントリーROCKバンドから
徐々にROCK色を強め、アルバム毎に成長、音楽性を変えていき、「ホテル・カリフォルニア」で全米を制覇する。
たったの6枚しかアルバムを出していない(ベスト、ライブ除く)ので、この際、全て買い揃えてみては?
EAGLES (1972)
デビュー作。まだこの頃はフォーキーでカントリー色の強いROCKをやってました。
並のカントリーバンドと違うのは、曲の良さとやはりヴォーカルの爽やかさ。
ジャクソン・ブラウンとグレン・フライの共作の①「TAKE IT EASY」は未だにラジオから流れるけど、青空がピッタリと似合う爽快この上ないこの曲のためにこのアルバムを買っても損はしない、と僕は思ってます。
このアルバムから3曲のシングルがヒットしたけど、1番ヒットしたのが②「魔女のささやき」というのが意外な気がする。やはり⑨「PEACEFUL EASY FEELING」が良いなあ。
メンバー持ち寄りの曲で構成されてるので、統一感は感じられないけど、メンバー全員のヴォーカル、コーラスパフォーマンスは既に最高レベル。
ならず者 (1973)
2ndアルバム。ジャケからも分かるように、アメリカ西部開拓時代をテーマにしたコンセプトアルバム。デビュー作では殆ど作曲クレジットに名前が無かったドン・ヘンリーがここでは大躍進。やっぱイーグルスのメンバーの中ではドンのヴォーカルが1番素晴らしい。それが堪能出来る名バラード⑤「DESPERADO」(ならず者)の哀愁のサビメロとドンのヴォーカルが組み合わさった瞬間、胸が締め付けられるような感じがする。(ちなみに、僕がイーグルスの中で1番好きな曲がコレ。)
シングルヒットの④「TEQUILA SUNRISE」とこの2曲がアルバムの山場だと思うけど、アルバムラストにも「ならず者(リプライズ)」が収録。ここでのドンの歌いっぷりは正に反則技です(笑)
②「21才」③「OUT OF CONTROL」といったデビュー作路線の軽快なカントリー、ロックンロールSONGとのバランスも良く、コンセプトアルバムらしい構成と、カントリー風味の味付けが絶妙な個人的には大好きな初期の名作。
ON THE BORDER (1974)
3作目。初の全米NO.1シングルとなったほんわかバラードの⑩「我が愛の至上」収録。
前作よりもカントリー色が薄くなって、初期の爽やかな音楽性、哀愁のメロディラインというイーグルスのイメージにもっとも近いのがこのアルバムかもしれない。
それぞれのメンバー持ち寄りの楽曲はバラエティに富んでいて、様々な音楽性が楽しめる。ロックンロール、カントリーとこれだけバラバラなジャンルが同居してるのに、アルバム通しで聴くと「イーグルス」というバンドの音なのが面白い。
「TAKE IT EASY」風の爽快SONG①「過ぎた事」からもう掴みはOK。強力な名曲はないけれど、肩肘張らずにほのぼのとしたカリフォルニアの情景が浮かぶような曲が矢継ぎ早に繰り出される。
ドン・ヘンリーとグレン・フライの2枚看板が交互にリード・ヴォーカルをとるトム・ウェイツ作の⑦「懐かしき55年」がこのアルバムのハイライト?
呪われた夜 (1975)
名作の誉れ高い5作目。まるでアース・ウィンド&ファイアーの曲か?と錯覚してしまいそうな全米NO.1ヒットのファンキーな名曲①「ONE OF THESE DAYS」(呪われた夜)でスタート。僕はこのアルバム、正直あまり好きじゃない。⑤「いつわりの瞳」、⑥「TAKE IT TO THE LIMIT」といった如何にもイーグルス、という曲もあるけど、このアルバムで脱退してしまうカントリーRock畑のギタリストであるバーニー・リードン作の④「魔術師の旅」が象徴するように、アルバム全体の統一感があまり感じられない。ま、名作の布石というべきアルバムかもしれないけど、個人的には、個々の楽曲が良いだけに全体のバラツキ、バランスの悪さはどうなんやろ?という煮え切らなさが残るアルバム。
HOTEL CALIFORNIA (1976)
問答無用の世紀の名盤!
アメリカ建国200年に対する痛切なメッセージSONG(カリフォルニアに実在するビバリー・ヒルズ・ホテルの事を歌ったノー天気な歌ではないのです・・)であるタイトルトラックは、歌詞も深いけど、ドン・ヘンリーの歌うメロディ、ドン・フェルダーとジョー・ウォルシュの二人によるギターソロが絶品。これぞ70年代を代表する1曲と言えます。ご存知ホール&オーツの事を歌った②「NEW KID IN TOWN」も「俺達の役目は終わった・・」という裏のメッセージを無視すれば、アルバム1メロディックでポップな秀曲で、純粋にメロディの冴えが味わえる。ジョー・ウォルシュが加入してなければ生まれなかったアグレッシブな③「駆け足の人生」、この冒頭の3曲は強烈。このヒット曲3連発でこのアルバムが名盤だということが約束されたようなもの。
これだけじゃなく、正に捨て曲なしの傑作で、ラストには哀愁のバラード⑨「THE LAST RESORT」でトドメを刺す。これは全音楽ファン必聴です。
THE LONG RUN (1979)
ラストアルバム。前作が余りにもヒットしてしまって、すごくプレッシャーがかかったのか、2年半というインターバルを置いて登場。
前作とは打って変わって、ジャケは真っ黒で、「重く、暗い」と言われるけど、それは一部の楽曲による評価で、全体的にはやはりイーグルス以外の何者でもない哀愁のカリフォルニア・サウンドを聞かせてくれます。さすがに6作目ということで、楽曲も作り込まれた印象で、新加入のシュミットの歌う②「言い出せなくて」をはじめ、ミディアムテンポの落ち着いた曲が並んでいて、ラストの⑩「THE SAD CAFE」のサックスが叙情風味たっぷりにバンドの最後を締め括る。イーグルスの正に正真正銘、最後の名作。