定ちゃんの部屋

音楽大好き人間の定ちゃんのページです
(from 2006.1.18)

JOURNEY

2010年11月28日 | 私的ロックの名盤 J
JOURNEYとの出会いは、1986年の「RAISED ON RADIO」。
当時、レンタルレコード店で洋楽アルバムを貪るように借りまくった時で、このアルバムは衝撃だった。
ちょうど「ハードロック」に目覚めつつも、元々ポップな音楽が好きだった僕にはこの「ハード+ポップ」の調和は、正にドンピシャの音楽だった。
このレコードを借りたのを機に、金の無い高校生だった僕は、全て輸入盤でペリー加入以降のアルバムを全て買い揃えた。
当時、ヴァン・ヘイレンやモトリー・クルーなんかと並んで大好きバンドだった彼らのアルバムを紹介。(2009.2.6)



宇宙への旅立ち (1975)

メロディアス・ハード、産業ロックの帝王、ジャーニーのデビュー作。
デビュー時のメンバーは、
 GREGG ROLIE - KEY,LEAD VO
 NEAL SCHON - LEAD G,VO    
 AYNSLEY DUNBAR -DR
 GEORGE TICKNER - RHYTHM G
  ROSS VALORY - BA
で、グレッグ・ローリーとニール・ショーンがヴォーカル。
スティーブ・ペリーが加入してからは「歌モノバンド」になってけれど、このアルバムで聴ける音はそんなもの微塵も感じさせないインスト中心のプログレッシブなもの。
ニール・ショーンはサンタナ譲りのギターワークで弾きまくってるが気持ちよい。
今のジャーニーとは全く別物と言ってもいいかもしれない。


INFINITY (1978)

ジャーニー中期3部作の第1弾である4作目。
超絶ハイトーン、ハスキーヴォイスの持ち主であるスティーヴ・ペリーが初参加したアルバムで、ハロウィンにマイケル・キスクが入って劇的にグレードアップしたように、ペリーが入ってグッと聴き易く、ヴォーカルパートが強力にパワーアップ。バンドは完全に生まれ変わり、別のバンドになった。これでBOSTONのブラッド・デルプ、KANSASのスティーヴ・ウォルシュのように、スーパーなヴォーカルが入ったことで、彼らと同じく「売れる」バンドの仲間入りを果たすことになった。
まだまだ音に古臭い感じがするし、まだまだ洗練されていない部分も残るハードポップアルバムで、冒頭の「LIGHTS」のようなほのぼの、まったりとしたAOR的で西海岸の光景が浮かぶような雰囲気が大好きなアルバム。
代表曲「ANYTIME」「WHEEL IN THE SKY」も収録された名作。
で、僕が1番のお気に入りの曲は上記有名3曲ではなく、2曲目の「FEELING THAT WAY」なのです。「愛と青春の旅だち」のようなイントロの切ないピアノと、十八番のコーラスワークが冴え渡る名曲やと思うんやけどね。


EVOLUTION (1979)

5作目。ペリー加入2作目。前作に続いて、全米第20位とヒットしました。ドラマーがスティーヴ・スミスに交代して、徐々に黄金メンバーが揃いつつあります。
アルバムの大半をスティーヴ・ペリーが作曲しているのを反映してか、かなりペリーの趣向が前面に出た内容。コテコテのブルースである③LOVIN' TOUCHIN' SQUEEZIN'はこれまでのジャーニーでは考えられなかった曲で、アルバムの中でも異色の輝きを放つ。
ペリーのバンドでの位置づけが既に中心になっているのを感じさせるとともに、前作以上に「歌モノ」バンドになっている。ややAOR的な感じがするので、ハードな音がもう少し欲しい!と思ってしまうのも事実。アルバム最大のヒットが③「LOVIN’~」ということからも分かるように、歌モノアルバムなのです。


DEPARTURE (1980)

6作目。次作での「大爆発」を十分に感じさせる内容で、3部作の最終作として、これまでの集大成的なアルバム。売り上げチャートでも全米第8位と躍進。
アルバムはいきなりのコーラスパートで始める①ANYWAY YOU WANT ITで幕を開ける。
この超ポップ且つドライヴ感満点の曲からは、前2作には無かった魅力を感じる。
前作に足りなかったのは、ROCKバンドらしい躍動感。そのもどかしさは、この1曲で解決された。他にも⑤PRECIOUS TIME ⑥WHERE WERE YOU、⑧LIFE OF FIREといったスピード感のある曲が多くなってるのは、更なる進化と言える。そのお陰で、これまで路線のしっとりバラード、ミディアム系の曲とのバランスが良くなって、アルバム内でメリハリが出た。佳曲揃いの素晴らしい内容だと思うけど、この3部作は「同じようなアルバム」感は否めない。
もし、メンバーチェンジが無かったら、次作は「DEPARTUREその2」みたいなアルバムになってたと思うけど・・・
 

ESCAPE (1981)

バンド後期3部作の第一弾7thアルバム。アメリカンハードポップ、アメリカンロック最高の1枚!!当然、全米NO.1獲得。
キーボードがジョナサン・ケインにチェンジしたのが全て。これまでのグレッグ・ローリーの泥臭いオルガンサウンドから、洗練されたピアノ、煌びやかなシンセサイザーの音に進化すると同時に、更にポップでお洒落な方向に踏み込んだ。
ペリーと同じレベルのキャッチーな曲や、マライア・キャリーも歌いたくなるほどの甘~いバラードが書けるジョナサンが加入したからこそ、更に一皮向け、アメリカンNO.1バンドの地位に辿り着くことが出来たと思う。
80年代の音楽界ではネガティヴな意味で語られることが多い「産業ロック」という売れ線サウンドは、ジャーニーのこのアルバムが代表格。所謂「メロディアス・ハード」というジャンルの指針となったのも、間違いなくこのアルバム。色んな意味で歴史的な作品だと言える。
捨て曲は当然無し、ハードな曲とバラードとのバランスも良く、すべての曲がメロディアスで素晴らしく、アルバム全体の完成度を考えると、「産業ロック」だろうが何だろうが、奇跡的とも言えるこのアルバムを前にして、ただ平伏すしかない。
アルバムタイトルソングはスペーシーな感じがして、アルバムジャケットのイメージを凄くうまく表してると思う。ちなみに、BOSTON、TOTOといったこの頃大活躍の所謂「アメリカン・プログレバンド」は、皆「宇宙」をテーマにしたアートワーク、サウンドというのが共通点。
もうひとつ、ペリー参加後3部作よりも、ニールのギターが更に前面に出てるというのも特筆。歌モノとハードロックとのバランスが絶妙なのです。
これはどれくらい聴いたかわからんくらい聴いた。あまりにも聴き過ぎて飽きてしまった・・冒頭から最後まで、アルバム1枚まるごと頭の中で完全再生できます(笑)


FRONTIERS (1983)

前作の世界的ヒットを受けて発表された同じく代表作。全米第2位。
このアルバムは前半と後半が大きく違う。A面はキャッチーな曲が並び、B面はちょっとダークでとっつきにくい感じの曲が並んでます。
その理由は、A面はペリー+ジョナサンの作品で、B面はそこにニール・ショーンが加わる。言うなれば、「ジョナサンのポップサイド」、ニールの「ハードサイド」という感じ。僕は断然A面が好きなんやけど。
このアルバムのハイライトはいきなりの1曲目「SEPARATE WAYS」。ヴァン・ヘイレンのJUMPと並んで80年代を代表する超有名なキーボードのイントロから始まり、Eコードをザクザク刻むリフ、哀愁の歌メロ、泣きのギターソロ、すべてが完璧な名曲です。間違いなくジャーニーNO.1Songでしょう。
しかし、②SEND HER MY LOVE、③CHAIN REACTION、④AFTER THE FALL、⑤FAITHFULLYと続く怒涛の名曲の流れは圧巻。この流れのまま後半も続いていたなら、更なる売れ線産業Rock第二弾が出来上がったと思うけど、若干音楽性をプログレッシヴにシフトさせているのが、「プログレ・ハード」と呼ばれる所以か。
 

RAISED ON RADIO (1986)

これは中学生時リアルタイムで聴いたので凄くインパクトが強いアルバムです。
思い入れが強い分、巷の評価よりも僕は圧倒的にこのアルバムが好きなのです。
「FRONTIERS」に比べて楽曲がかなりソフトでポップでコンパクトになったけど、メロディの良さは変わらずで、特にお気に入り「Suzanne」はサビの唄メロが泣きまくってて最高だし、「Be Good To Yourself」、「Raised On Radio」といったハードな曲もドライブ感のある名曲だと思う。
「Why Can't This Night Go On Forever」という得意のバラードもかなりイイです。「ポップになった」「ハードではない」という烙印を押されがちなアルバム・・内容は完全に「ペリーのアルバム」と言っても過言ではない。しかし、ここにある極上のメロディラインはそんじょそこらのバンドでは味わえません。
5曲ものシングルヒットを飛ばし、アルバム自体も全米第4位とヒット。これまた名作。


TRIAL BY FIRE (1996)  

10年ぶりの復活作。全米チャート第3位獲得。
メンバーは、スティーヴ・ペリー、ニール・ショーン、ロス・ヴァロリー、ジョナサン・ケイン、スティーヴ・スミスという正にベストなメンバー。
中学生の時にジャーニーと出会ってから、すっかり社会人になってました。
僕は、まず「復活」ということだけで十分嬉しかった。今となっては、スティーヴ・ペリー最後のアルバムになってしまったけど・・。
まず「Separate Ways PART2」とも言えるドライヴナンバー「MESSEE TO LOVE」で幕開け。この曲で彼らの魅力は存分に発揮されている。
10年振りのペリーのヴォーカルは、高音がややキツく、ハスキーになっている。
復活前と比べて、さらにバラード系の曲の占める割合が高く、すっかり落ち着いてしまった内容のアルバムやけど、そのバラード群の出来栄えは相変わらず素晴らしい!
ハスキーさを増したペリーの熱唱が余計に大人な良い味を出してる。
「AORポップ」とも言える前作から10年・・さらにAOR度に磨きがかかったけど、取って付けたようなポップはここにはない。ROCKとのバランスを取り戻した堂々の復活作!・・といきたいところやけど、ちょっとバラードに内容が偏り過ぎてバランスが悪いな…


ARRIVAL (2000)  

ついにヴォーカリストがスティーヴ・ペリーからスティーヴ・オウジェリーにチェンジ。
当時、ニールとジョナサンがいれば音の変化はなくとも、「ペリーがいなくなってジャーニー大丈夫?」というのが正直なところだった。
CDをセットして、スピーカーから聴こえてきた声は、ペリーに非常に近いハスキーな声質で、これなら「違和感は無い!」とまずは安心。
挨拶代わりのRockナンバーの①「HIGHER PLACE」に続くお得意のバラード②「ALL THE WAY」は、過去とは違うパターンの素晴らしいバラードである。
相変わらずバラードの出来が良く、⑧「WITH YOUR LOVE」のサビも大概の泣きっぷり。
このアルバムは、前作ほどのバランスの悪さを感じない。確かに、バラード系の曲は多いけど、聴き終わった後の偏り過ぎという印象はない。ペリーが作曲に携わってないという影響があるのかもしれないけど、脱AOR路線の吹っ切れた感のある充実の傑作です。


PREMIATA FORNERIA MARCONI 

2010年11月27日 | 私的ロックの名盤 P
イタリアン・プログレの代表格「PFM」の紹介です。
イタリアン・プログレを聴き始める際には、まずこのバンドからスタート、というべきバンドです。
ちなみに、長ったらしいバンド名の意味は「賞を受けたパン屋」だそうです。
ここに紹介する初期のアルバムはどれもがプログレを代表する名盤!!興味のある方は3作目の「幻の映像」からどうぞ。(2006.2.26)


友よ (1972)

2作目。世界デビュー作の「幻の映像」のベースとなっているのがこのアルバム。
(全5曲全てがリニューアルされて幻の映像に収録されてます。)
当然、歌詞もイタリア語だけど、本来はイタリア語の曲なのでこちらの方がしっくりくるのかもしれません。
「人生は川のようなもの」の原曲①「ほんの少しだけ」は、イントロからメロトロンが鳴り響き、叙情的な泣きメロのクラシックギターとフルートがそれに続く。
これだけドラマティックなイントロもそうそう無いと思う。掴みはOK!って感じです。
このアルバムは、「幻の映像」のようにメジャー感が漂ってなく、このバンド特有の「儚さ」が味わえる。聴き比べて見る価値は十分にあります。
 

幻の映像 (1973)

イタリアン・プログレはこのアルバムから始まりました。
世界進出を目論んだアルバムで、1st・2ndからのベストの選曲に加え、イタリア語ではなくて、英語の歌詞を付けてるので聴きやすく、ハイテクニックな演奏による文句の付けようがない圧巻の出来栄えとなっております。
幻想的なイントロから始まる名曲①「人生は川のようなもの」が気に入らなければ、イタリアン・プログレには向いてないかもしれません。逆にこれが気に入れば、一気にPFMワールドに引き込まれるでしょう。
続く②「セレブレイション」(終盤のキメフレーズをDTがパクってる?)はうって変わって弾けるようなポップな曲。こいういうのもアリなんや・・・って思ってしまった。とにかく、名曲だらけの屈指の名盤。プログレ好きなら聴くしかない!って感じです。

 
甦る世界 (1974)

これはジャケが2種類あって、ここに紹介するのは英語版「THE WORLD BECAME THE WORLD」です。(イタリア版はジャケが緑色です。)
このアルバムも前作に引き続き傑作で、静と動の切り替えが激しい大作①「THE MOUNTAIN」から幻想的なPFMプログレワールド全開。
②「通りすぎる人々」は仄々とした音に包み込まれた哀愁のメロディラインが美しいフォーキーな名曲。テクニカルな楽器隊によるカラフルな音色の怒涛の波状攻撃から始まる④「原始の回帰」は曲展開も激しく、同じメロディラインが徐々にスピードアップしていく様は素晴らしいです。この2曲がこのアルバムではお気に入り。
叙情味と全体の音使いは、イタリアのバンドならでは、だと思う。


CHOCOLATE KINGS (1975)  

5作目。これまでのアルバムとは少し雰囲気が変わって、楽曲に躍動感が出てきて、曲調が明るい内容になってます。しかもヴォーカルが変わっており、この歌い方、声がピーター・ガブリエルそっくりなんです。
インストパートは更に磨きがかかって、音数の多い非常に濃密でテクニカルなものになってます。音全体に元気があるので、これまでの「儚さ」みないなものは減退したけど、如何にも「プログレ!!」という複雑な曲展開と音は文句無しの傑作。

RIP

2010年11月25日 | 日記
今日もいつものように〆切に追われて慌ただしい日だった。

お昼前。
そこに一つの悲しいお知らせが舞い込んだ。
協議中だったけど、早々に切り上げてその情報を確認した。

間違いなかった。

余りにも突然だったので、頭が真っ白になった。

午後。
仕事に全く集中出来ない。

頭の中には目の前の仕事の事ではなく、先輩との色んな思い出が浮かび上がる。

仕事中もふとした拍子に涙が出そうになった...

とにかく寂しくて悲しい...

PINK FLOYD

2010年11月24日 | 私的ロックの名盤 P
プログレバンドの中では特にお気に入りなのがピンク・フロイド。
初体験は、中学生の時に聴いた「狂気」。だけど、その時はポップス大好き少年だったので、小難しいフロイドの音楽は響かなかった。
それから高校生になってリアルタイムで聞いた「鬱」。
彼らのキャリアの中では最高傑作の部類には入らないアルバムやけど、かなり愛聴した。
そして、決定打となったのが、遡って聴いた「THE WALL」。
これぞ究極の名作と言えるアルバムで、2枚組の大作なのに1曲目から聴き始めると、最後まで通して聴きたくなってしまうという逸品。
彼らのアルバムにはYESのような派手なテクニックや、GENESISのようなキャッチーなメロディはないけれど、ギルモアのギターを始め、じっくりと鑑賞するに値する。(2004.8.14)


「THE PIPER AT THE GATES OF DAWN」(夜明けの口笛吹き) (1967)

記念すべきピンク・フロイドのデビュー作。
当然、ギターはデイブ・ギルモアではなくてシド・バレット。
シドが殆どの曲を手がけた唯一のアルバムで、正にサイケデリック・ロックの名作。
精神分裂症になって引退してしまってからはロジャー、ギルモアのフロイドになってしまうので、「シドのフロイド」を楽しむならこのアルバムしかない。
不気味なアレンジが巧みな①「ASTRONOMY DOMINE(天の支配)」、サビメロがポップな②「LICIFER SAM」・・・と冒頭でいきなり彼らの世界へ引きずりこまれてしまいます。
絶妙なポップ感覚と何とも言えない奇妙な雰囲気が同居した唯一無二のオリジナリティを放っているアルバム。


「ATOM HEART MOTHER」(原子心母) (1970)
            
印象的な牛のジャケで有名なプログレロックの超名盤・・
と言われてますが、ロックとクラシックの融合と言われる1曲目の壮大なシンフォニックインスト大作「原子心母」を何度も聴いてるけど、僕にはその超名曲の意味が未だに理解できないでいます。まだまだ甘チャンなのです。
同時期に出たプログレ作品の同じく1曲目のクリムゾンの「21世紀の精神異常者」の方がスゲ~っと思ったけどね。
2、3、4曲目はフォーキーで叙情的な雰囲気のまあ普通の曲。
5曲目は水道の音、コーヒーを飲み干す音、卵はハムを焼く音・・といったSEを聴いてると、本当に情景が浮かんでくるような感じ。正に「朝食」です。
しっかし「フランケン風・脳の朝食」って何やねん!爽やかな音に乗せて「脳をよく洗い皮をむく?」そんなもん食べれるかいな(笑)


「MEDDLE」(おせっかい) (1971)
           
小学生の時よくTVで見たプロレス。当時大人気の黒人太っちょスター「アブドーラ・ザ・ブッチャー」が入場する時凄くダークで印象的なテーマソングが流れる。
僕は子供心にその曲は「ブッチャーの曲」だと思っていた。
数年後、高校生になってたまたまこのアルバムをレンタルで借りて1曲目の「吹けよ風、呼べよ嵐」を聴いてビックリ!そう。その「ブッチャーの曲」やないですか!こんな所に隠れていたなんて。ヘヴィなベース主体に独特の音象のこの曲は聴いてるとなぜかゾクゾクする。こんな曲を作れるのはフロイドしかいない。
そしてラストの大作「ECHOES」。トリップ感満点のこんな曲を作れるのはフロイドしかない!


「THE DARK SIDE OF THE MOON」(狂気) (1973)
            
長期ロングセラーで世界で売れに売れまくったギネスもののフロイドの代表作。
様々なSEを多用し、正に「プログレッシブ」というアルバム。アルバム全体の雰囲気がとても叙情的で、女性コーラスを導入したり、ピアノが入ったりする④「THE GREAT GIG IN THE SKY」なんかは「夜の雰囲気」満点。
③「TIME」の冒頭の様々な時計の音は目覚まし代わりになりますね。ボ~っとCD聴いててこの部分で「ビクッ」とした人は僕だけじゃないハズです。
レジスターとお金の音のSEが印象的な⑤「MONEY」だけのアルバムじゃありません。
ただ、無茶区茶売れた割りには「コレ!!」という曲が見当たらないように思うんやけど、個人的には8曲目。「I’LL SEE THE DAEK SIDE OF THE MOON」の歌の後のSEの笑い声が不気味・・・


「WISH YOU WERE HERE」(炎あなたがここにいてほしい)(1975)
            
このアルバムは「Shine On You Crazy Diamond」のイントロのデイブ・ギルモアのギターに尽きます。
正にストラトキャスターというトーンに、ブルージーなフレーズ、絶妙のチョーキング、最高です!「ストラトの名盤10選」というコーナーがあれば必ず選ばれるアルバムです。
そして、元メンバーのシド・バレットに捧げるアコースティックギターがほのぼのした雰囲気の「WISH YOU WERE HERE」も名曲。
全世界で売れまくった「狂気」よりもこっちの方が好きだし、このアルバムはフロイドの中では「WALL」に次ぐ傑作だと思う。


PINK FLOYD 「ANIMALS」 (1977)

確か、中2の時に友人にカセットを借りて僕がフロイドで2番目に聴いたアルバム(初フロイドは「狂気」)。
コレ、聴いた時は全く受け入れられなかった。というのも、メロディが分かりにくくて、インスト部分が異様に長い。まだ洋楽初心者にはこのアルバムは早かったのです。それから、歳をとる毎にたびたび引っ張り出して聴いて、ようやくこのアルバムの全体像が掴める様になった。今聴くと、②「DOGS」なんかギルモアのギター全開で素晴らしいし、③「PIGS(THREE DIFFERENT ONES)」は歌メロがキャッチーで、20年前に受けた難解さはそれ程感じない。
犬をインテリ、豚を資本家、羊を労働者に例え痛烈に社会・時代批判をする濃い内容のアルバムで、実在の工場に豚の気球を飛ばしたジャケも凄く印象的。
音も然る事ながら、フロイドは歌詞を読んで2倍楽しめます。
ちなみに、アルバム最後の歌詞が
「誰だって知ってるだろう?犬には翼のある空飛ぶ豚から身を隠す安全な我が家が必要だってことを・・・」


「THE WALL」 (1979)
            
ピンク・フロイド究極の超名盤。僕は何回聴いたことか分からないくらい聴きまくった最高の一品。
1曲を単品で聴くより通しで聴いた方がなお最高。(というか、頭から聴くと通して聴きたくなるアルバム。)
ロジャー・ウォーターズの才能が全面開花といった感じで、全米大ヒットした皆さんご存知のDISK1の⑤ANOTHER BRICK IN THE WALL(PARTⅡ) 、切ない歌メロが一度聴くと頭から離れられないDISK2の①「HEY YOU」、ギルモアのギターワークが神の領域にまで達した事を実感するDISK2の⑥「COMFORTABLY NUMB」、SEと曲が同化したオペラチックなDISK2の⑫「THE TRIAL」 ・・・と、1曲1曲の出来も当然良いけれど、アルバムを通しての曲の流れ・構成が絶品です。
2枚組というのを忘れさせてくれるくらい何度も聴くにつれどんどんハマってしまうというコンセプトアルバムで、正に「聴く映画」とはこのアルバムを指す。最後の壁の崩壊までのドラマの盛り上げ方、テーマメロディの使い方、SEの使い方どれも完璧!!これはロックの究極盤です。


「A MOMENTARY LAPSE OF REASON」(鬱) (1987)
            
中心人物のロジャー・ウォーターズ抜きで作られたデイブ・ギルモアのアルバムと言えるでしょう。
ブレインがロジャーでなくデイブでも十分フロイドしてるし、逆によりフォーキーな感ジが薄くなりメタリックな感じがします。⑩「SORROW(時のない世界)」のイントロのギターの音色はそこら辺のメタルバンドよりも歪んでるんとちゃう?
凝った音作り、ダークな雰囲気、まさに「フロイド」です。
インストの①「SIGNS OF LIFE(生命の動向)」からストラトの光沢のある音色のギルモア節が炸裂。
アルバムタイトルが歌詞に出てくるポップでノリの良い④「ONE SLIP(理性喪失)」、メロディが素晴らしい叙情的なバラードの⑤「ON THE TURNING(現実との差異)」も素晴らしい。
巷では評価が真っ二つに分かれてるようですが、僕は当然、「賛」の方です。まあ、ロジャーとギルモアのツインヴォーカルじゃなくなって、ギルモアの渋い声が沢山聴けるというのも僕は嬉しいし。
これも高校生の時分に擦り切れる程聴いた愛聴盤。


「THE DIVISION BELL」(対) (1994)

今の所の最新アルバム。と言っても、もう9年前なんやね。今フロイドは何をしてるのでしょうか。
久々にラックから引っ張り出して聴き直したけど、このアルバムは凄く良い!
インスト①「CLUSTER ONE」から圧倒されます。素晴らしいストラトのトーンはロック界最高の1つ。
②「WHAT DO YOU WANT FROM ME」のイントロの「キュイーン」というギルモアのギターのチョーキング1音でKOされますね。
前作「鬱」も素晴らしかったけど、叙情的なメロディではこっちの方が勝ってます。ロジャーがいなくなって、ギルモアのバンドになったけど、このオジサンは声も良いし、ギターも上手い。
大人の叙情ロックの名作といったところでしょうか。③「POLES APART(極)」、⑤「A GREAT DAY FOR FREEDOM(壁が崩壊した日…)」、⑧「COMING BACK TO LIFE(転生)」とか聴いてると、その優しいメロディとヴォーカルになんだか癒されます。


山を越えて

2010年11月22日 | 日記
今日は本当にバタバタで、色んなことが1日に集中。
この日のために、今まで頑張ってきたと言っても過言ではない。

11時~会議
14時~会議
16時~打ち合わせ

11時の会議はお偉いさんばかりの会議で、緊張感溢れるもの。この会議資料を完成させるのにどれだけ神経を使ったか...
14時の会議は、3年に一度の会議で、遠くの方々を呼ぶものなので、これまた段取りに神経を使う。
16時からの打ち合わせには参加できなかったけど、4月から取り組んできた8カ月間の成果が問われるもの。

取りあえず、全て順調に終わったので、本当にホッとした。


がしかし、せっかく納品された来週から始まるメインイベントの書類に間違いがあってやり直し。

全てが上手くいくというのは難しい......

ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA

2010年11月20日 | 私的ロックの名盤 E
ELECTRIC LIGHT ORCHESTRAの紙ジャケが発売されることになりました。
ということで、E.L.O.特集です。
僕とE.L.O.との出会いは、かれこれ20数年前のXANADU。厳密に言うと、これはE.L.O.ではないのかもしれない。
でも、その独特の煌びやかなストリングス・サウンドはオリビアのソロでは聴く事ができないもの。
この曲でオリビアに引き込まれ、はたまたE.L.O.に興味を持ったという1曲で2度美味しい名曲。
その後、決定打となったのがこれまたFMから流れてきた「TWILIGHT」。
ポップス大好きな少年にとっては十分過ぎるインパクトでした。一気にE.L.O.を買い揃えに走ったのは言うまでもありません。
どのアルバムも屈指のTOP40ヒットメイカーバンドに名に恥じない名盤ばかりです。
ビートルズの後継者はやはりジェフ・リンやね。(2006.9.8)


ELDORADO (1974)

ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA(略してELO)のアメリカ進出のきっかけとなったコンセプトアルバムである4作目。
ここから②「見果てぬ想い」のシングルヒットが出ました。
既に親しみやすい哀愁のポップなメロディは健在で、コンセプトアルバムらしい流れるような構成が素晴らしく、冒頭の①「エルドラド=序曲」と結びの⑩「エルドラド=終曲」で聴くことの出来るストリングス隊によるスリリングな演奏がアルバムをよりドラマティックに仕立ててます。

 

FACE THE MUSIC (1975)  

幻想的なアートワークが印象的なELOにしては「電気椅子」というダークなジャケの5作目。これも大ヒットしました。
いきなりエネルギッシュなインストの①「FIRE ON HIGH」でスタート。一瞬「え?」っと思うけど、②「滝」からはいつものまったりELOポップワールドが展開。
このアルバムからは③「EVIL WOMAN」、⑥「不思議な魔術」がシングルヒット。
これまた中期ELOの重要なアルバム。



A NEW WORLD RECORD (1976)

バンド史上最も売れた6作目(邦題:オーロラの救世主)。
全米第5位。
このアルバムから怒涛のシングルヒットバンドに変貌。
まったりとした哀愁が堪らない名曲②「TELEPHONE LINE」、異色のロックンロールナンバー③「哀愁のロッカリア」、いかにもELOらしいポップな⑥「オーロラの救世主」、サビがキャッチーな⑧「DO YA」と名曲、ヒット曲が目白押しの文句無しの名作。
正にシングルヒットの固まりのようなアルバム。
 


OUT OF THE BLUE (1977)

バンドの最高傑作の一つである2枚組み7作目。
全米第4位。
弾けるようなポップなメロディの①「TURN TO STONE」からELOの哀愁のメロディックワールドが展開。②「哀愁の果て」③「SWEET TALKIN’WOMAN」・・とどれもが一発で耳に残るメロディを持ち合わせていて、全17曲という大作だけど、メロディの質は全く衰えることなく、最後まで聴き手を掴んで離しません。
しかし、これだけ良質の哀メロを連射されれば、誰もがノックアウトされるのではないでようか。これまた究極の名盤!



DISCOVERY (1979)  
 
傑作だらけのE.L.O.で「最高傑作」を選ぶならこれ。
全米第5位。
ポップで素晴らしいメロディが満載で、このアルバムがサウンドも1番「らしい」。
そのE.L.O.サウンド全開の①「SHINE A LITTLE LOVE」から始まって、②「CONFUSION」のヴァースなんて胸にジ~ンとくる切ないメロディだし、バラード⑥「MIDNIGHT BLUE」も全編哀愁漂うメロディで構築されてます。
時代を反映してか、ディスコのノリの⑤「LAST TRAIN TO LONDON」なんて曲も収録。
もはや無敵のポップアルバム。



XANADU (1980)

エレクトリック・ライト・オーケストラと歌姫オリビア・ニュートン・ジョンという僕にとっては夢の組み合わせの最強アルバム。
全米第4位。
中学生の時にFMラジオから流れた「XANADU」を聴いて僕はオリビアの虜になったのです。この曲は個人的には超名曲!20年以上愛聴し続けてる愛しの逸品♪
A面はE.L.O.、B面はオリビアが歌ってますが、特にA面はサウンドトラックと言えど、E.L.O.のアルバムに入っていてもおかしくない名曲がズラリの超傑作!!
ちなみに、日本で1番売れたE.L.O.のアルバムはコレだそうで。



TIME (1981)

その昔、ラジオから②「TWILIGHT」が流れた時感激したのなんの!ポップ度120%の素晴らしい曲です。もう堪りません♪
バンドの「売り」だったストリングスからシンセサウンドを前面に押し出した末期の傑作アルバム。サウンドがシンセに移行したことで、「80年代」という香が漂う。
その②以外にもほのぼの哀愁のメロディが染み渡る⑦「RAIN IS FALLING」など名曲盛りだくさん。
過去のアルバムに比べて、曲調が風変わり?なのも収録されてるけど、どれもE.L.O.流に上手く料理され、違和感なく聴くことができる。個人的に最高傑作ではないけど、これまでの傑作群を聴いた後で聴くべきアルバムか。


 
ZOOM (2001)  

15年ぶりとなる復活13作目。
5年前かなりへヴィ・ローテだったアルバムです。
僕にとっては「TIME」以来なので、まずサウンドの中心がこれまでのストリングス~シンセからギターに変わったのに驚き。
で、肝心の楽曲・メロディは、往年の輝きそのままにジェフ・リンの枯れることのない才能が炸裂。E.L.O.の看板でもあるコーラスワークも聴くことが出来るし大満足の出来。
②「MOMENT IN PARADISE」、④「JUST FOR LKOVE」あたりのメロディラインの質感はもう流石!!という感じ。結成30周年にして傑作再び・・

NIGHT RANGER

2010年11月13日 | 私的ロックの名盤 N Q U
実は、ヴァン・ヘイレンよりもナイトレの方が聴くタイミングは早かった。
とにかく、僕にとってこのバンドは「SING ME AWAY」が全ての始まり。この曲は本当に思い出深い。
「アメリカン・ハードロック」と呼べるギリギリのラインの音・・否、メロディアス・ポップと言ってもいいかもしれん。
ブラッド・ギルスとジェフ・ワトソンという二人のリードギタリストとジャック・ブレイズという稀代のメロディ・メイカ-を擁する本当に良いバンドです。
テクニカルなギターと爽やかでポップなアメリカン・HRを堪能するならこのバンド!!(2009.1.17)


DAWN PATROL (1983)

いきなりデビュー作にして傑作。バンド代表作と言われることも多いアルバム。
中学生の時にFMラジオで聴いた超爽やかポップな名曲「Sing Me Away」で一気にファンになってしまった。
それぞれメンバーが才能豊かな人ばかりで、特に「トレモロアームのブラッド・ギルス」、「ライトハンドのジェフ・ワトソン」というタイプの違うスーパーギタリスト2枚看板は他のバンドにはない武器だった。さらには、ケリー・ケイギー、ジャック・ブレイズのツインヴォーカルという形態。
バンドの代表曲の「Don't Tell Me You Love Me」は当時、日本のアイドルグループ「シブガキ隊」がイントロをまんまパクったのは有名。Sing Me Awayと同じレベルの爽快感が得られる「Young Girl In Love」もアルバムの中で良いフックになっている。
今聴くと、音に古臭さを感じるけど、佳曲がズラリと並び、デビュー作にして非常に完成度が高い。
ただ、衝撃のデビュー作の1曲目が、結局最後までバンドの代表曲だったということが、将来のバンドの衰退を招いたという気がする。

 

MIDNIGHT MADNESS (1983)

2作目。僕にとってこれが最高傑作です。
何で、これが最高傑作?と問われれば、「(You Can Still) Rock in America」「Sister Christian」「When You Close Your Eyes」のバンド3大名曲を含んでるから。
Rock in Americaは、アメリカンハードポップ史上、5本の指に入るであろう名曲。当然、ブラッドのアーム奏法も凄いし、メロディもノリやすく最高なんやけど、何と言ってもハイライトはジェフの「8フィンガー奏法」。シンセで弾いてるかのような滑らかな音階の流れは聴いていて気持ち良くなってきます。(実際、本当に8本の指を使って弾いてます。このフレーズ昔練習したことがあるんやけど、とても無理。まあ、ある種サーカス技です。)
そして「Sister Christian」は大ヒットした名バラード。このバラードのお陰でポップな「バラードバンド」というレッテルを貼られてしまいました・・。
「When You Close Your Eyes」はサビの哀愁満点なメロディが堪らない逸品。
ギターの見せ場があって、サビもキャッチーというのがこのバンドの本質。
とにかくアメリカンROCK史に残る名盤。

 

7 WISHES (1985)

3作目。前作のヒットにより、このアルバムの頃がバンドの絶頂期だったような気がする。
「Sister Christian」のヒットのお陰で、更にアルバムはポップな方向に進み、このアルバムからも「Sentimental Street」というバラードがシングル第1弾となる。
TOPバンドのキャリアとしては、実質このアルバムまでで、実際トータル完成度という点でも、このアルバムが1番かもしれない。
必殺バラードの「Sister~」、そしてラストの「GOODBYE」の2曲以外というのは、躍動感に溢れたROCKナンバーが多く、バラードバンドではなくて、ハードロックバンド、ツインギターバンドとしてのバランスは十分保っている。Don't Tell Me~、Rock in Americaに続くべき「THIS BOY NEEDS TO ROCK」がその2曲ほどの出来、評価じゃないというのがマイナスか。
バラードヒットの2曲に加え、この曲もヒットしてれば、バンドの方向性もまた違ったものになってたかもしれない。

 

BIG LIFE (1987)

「バラード」ばかりが目立ち、もはや「HRバンド」では無くなるのでは?という疑念を振り払うのか、そのままの路線のまま進むのか・・・という中で発表された4作目。
この4作目からバンドの人気が下降してしまうことになる。
発表当時も何故か評価が低かったけど、結局、売り上げの方も結果を出せなかった。
ギターよりもキーボードを前面に押し出し、メロディはさらにポップに・・という象徴的な曲がマイケル・J・フォックス主演の映画の主題歌⑤THE SECRET OF MY SUCCESS。曲調があまりにポップ過ぎてアルバム内でモロに浮いてるのが何とも言えないけど、僕はこの曲は結構好き。
結果が出なかったから「駄作か?」というわけじゃなく、②COLOR OF YOUR SMILEといった彼ららしい初期路線のメロディックで爽快な楽曲は健在。
ただ、前作、前々作にあった必殺の「バラード」のヒットが無かったというだけ。
スルーすべきアルバムじゃない。ポップで何が悪い!これも傑作!!

 

MAN IN MOTION (1988)  

前作はあまり売れなかったので、ナイトレ勝負作と言える5作目。
シンセのアランが脱退し、当然の如く前作のシンセキラキラのモロポップ路線から、ギター主導のHR路線に切り替え。
これが良い結果に繋がり、この後バンドは解散するので、暫くは「ラストバルバム」だったけど、ラストには惜しい程の出来栄え!
「Restless Kind」といったお約束バラードなんかもしっかり収められてるし、僕がこのアルバムで1番好きな哀愁のメロディックチューン「Reason To Be」、ハードポップな「Don’t Start Thinking」、イントロから両手タッピング炸裂のヘヴィな「Halfway To The Sun」と楽曲のバランスも良いです。
最後の最後でハードへの回帰。しかし、結果は「解散」・・・



REATEST HITS (1989)

本来、ここで「ベスト盤」を紹介するのはどうかな?と思うけど、このバンドの場合、このベスト盤がお勧め。
なぜなら、ナイトレの場合、各アルバムに名曲が散らばってるので、このようにまとめてくれると、実は手っ取り早かったりする。
このバンドは本当に名曲が多いというのをつくづく実感する・・
実は、このCDが1番のヘヴィロテだったりする。
 


NEVERLAND (1997)

このアルバムの前に出た「FEEDING OFF THE MOJO」はフルメンバーではないのと、アルバム評が余りにも低かったので、買わなかった。
で、「真の復活作」と言えるのがこのアルバム。メンバーもジャック、ブラッド、ジェフ、ケリー、アランという黄金の5人。この5人が揃えば悪いアルバムになる筈がない。
僕にとっての前作「MAN IN MOTION」を聴いた時は高校生。すっかり社会人になって聴く約10年ぶりのナイトレの音に凄く感動したのを覚えている。②「AS ALWAYS I REMAIN」のサビメロには思わずハっとするし、タイトルトラックのように、明るい曲はとことん明るくてポップ。
結局、ブランクはあっても、バンドの本質は何も変わってなかった。アルバム内でバラードが目立つのは仕方ないのかもしれないけど、ギターのエッジは失われていない。
ハード、ソフト、両方のバランスの取れたバンドの隠れた名作だと思う。

 

ROCK IN JAPAN ’97 (1997)

復活アルバム「NEVERLAND」を引っさげて行った日本ツアーの模様を収録したライブアルバム。
オープニングの「NEVERLAND」からラストの「ROCK IN AMERICA」まで、過去の名曲と新作の曲をバランス良く堪能することが出来る。
おまけに、ジェフとブラッドのギターソロTIMEも併せて楽しめる。ちなみに、ブラッドのソロは、エディ・ヴァン・ヘイレンのパクリ・・・という感じがするので、僕は好きじゃないけど、ジェフのソロは至高の高速タッピングSHOW!!ということで、こんなの彼しか出来ない。
 


SEVEN (1998)

「FEEDING OFF THE MOJO」を過去のラインナップから無視するかのように、「通算7作目」ともいうべき、その名も「SEVEN」。
オープニングの①「SIGN OF THE TIMES」は彼ららしい躍動感溢れるアメリカン・ROCKで、いつになくブラッドとジェフがギター弾きまくり(笑)
「NEVERLAND」に続く復活作第2弾としては凄く自然な流れのアルバムで、基本的な部分は変わらないけど、曲調が拡散する方向に。ヴォーカルメロディ、ギターリフにも、オルタナティブを感じさせる部分もあって、アルバム全体の雰囲気としては、90年以降のモダンなイメージを与えてしまう。けど、そこはナイトレ!彼ららしいポップなメロディは健在なので、アメリカンのバンドらしいカラっとした爽快感は味わえる。
実際、過去の名作群と比べると、どうしても聴き劣りしてしまうのは事実やけど、当時、僕は結構愛聴したCDなのです。

 

風邪

2010年11月12日 | 日記
今週は、色々と作業が重なり残業の日々。

火曜日、残業の後、外に出るとむっちゃ寒い
スーツの上に羽織るものを持ってなくて、そのままチャリンコで帰ったけど、寒くて寒くて・・・

翌朝。
喉が痛くて咳が止まらない。
ゲホゲホと周りに不快感を与えながらも?、なんとか苦しい1日を終えた。

木曜は、定時に仕事を切り上げて、速攻で帰ったけど寒気がする・・・
布団に入ってブルブル震えてると、案の定今度は熱が出てきた

今週はとても休めない、というか、暫く休めないので、薬を飲んで即寝。

今朝。
熱は下がったけど、喉の痛みと鼻水は止まらない。

仕事は休めないので出勤。
ボ~っと回らない脳みそで何とか作業を終えて無事に今週クリアーできた。

体調万全じゃないと良い仕事は出来へんな....

2010年 最新CDレビュー(その1)

2010年11月08日 | 最新CDレビュー
最新CDレビュー(計17枚)
(★は満足度で5つが満点)

TERRA NOVA 『COME ALIVE』

オランダが誇るメロディアス・ハードバンドの5年振りとなる新作。
①COME ALIVEの歌いだしの「FIRE IT UP FIRE」というメロディが、かの名曲「LIVIN' IT UP」の出だしと全く同じなのに思わず笑ってしまった。
如何にもメロハーというこの爽快Songを皮切りに、冒頭3曲に躍動感溢れる曲を並べるあたり、復活の意気込みを感じた。
ただ、アルバム中盤以降はこういった疾走曲が影を潜め、疾走曲と言えるのは⑨のみなので、アルバムの構成に疑問を感じる。
しかも、感動のバラード⑩「THE FINAL CURTAIN」は、ところどころJOURNEYの「Why Can't This Night Go On Forever」に聞こえてしまって・・・
復活してもデビュー作を超えてはないようです。
★★★★(11.8)

PRETTY MAIDS 『PANDEMONIUM』

僕の中ではすっかり「過去のバンド」になっていたデンマークのメタルバンドの11作目。 
どうも2000年以降もコンスタントにアルバムを出してたみたいやけど、最後に聴いたのが97年の「SPOOKED」やから13年振りとなる。
そのSPOOKEDは名作だったけど、久々に聴いた彼らの音は、全盛時と同様の正統派ヘヴィメタル。
タイトルトラックであるオープニングの躍動感溢れるメタルナンバーを聴くと「FUTURE WOELD」を初めて聴いた時を思い出した。ベテランになってもヘヴィメタルのを良く分かってらっしゃる(笑)
昔取った杵柄で勢いに任せることなく、純粋にメロディの良さで勝負出来る③Little Drops Of Heavenという名曲を生み出せるとは・・・
疾走曲良し、ミディアムテンポ良し、バラード良しのキャリア集大成と言える出来栄え。
★★★★☆(11.8)


AVENGED SEVENFOLD 『NIGHTMARE』

ドラマーが亡くなり、代わりに叩いてるのがマイク・ポートノイという新作。
マイクが叩いてるからと言って、けしてDTになっていないのでファンはご安心を。
毎回傑作を出してくれるけど、今回も期待どおりのアルバムになってます。
過去のアルバムよりも疾走感、爆走感は控えめに、メロウなメロディをじっくり聴かせる曲が増えていて、「悪夢」というアルバムタイトルどおりのダークな雰囲気に包まれている。
バラード⑩のイントロのピアノの音階は、不気味ながらも美しくてドキっとさせられた。
哀愁の歌メロといい、アレンジといい、彼らの音楽センスの高さに感服する。
★★★★☆(11.8)


VINCE NEIL 『TATTOOS & TEQUILA』

久々のソロアルバム。
彼ののソロと言えば、スティーヴン・スティーヴンスを迎えての「Exposed」が頭に浮かぶけど、このアルバムはカヴァー曲メインということで趣が異なる。
カヴァー曲は、エアロスミス、スウィート、セックス・ピストルズ、プレスリーなどヴィンスのルーツが伺える選曲になっていて、また、オリジナリティ抜群のヴォーカリストだけに、曲だけ聴くと「モトリー・クルー?」と思ってしまう。
知らない曲も多いので、純粋に「新作」として楽しめました。
★★★★(11.8)


JEFF BECK 『EMOTION & COMMOTION』

ジェフ・ベックの7年振りの新作は、まさに「ギターが歌う」アルバムとなっている。ALLインストに終始することなく、女性ヴォーカリストを迎えてのヴォーカル曲もアルバム内では良いアクセントになっている。
ピックが弦にアタックする音が生々しく響き、その絶妙なトーンは正に至高の達人と言えるもの。前に書いたけど、「虹の彼方に」の情感たっぷりのプレイには耳が釘付けになった。
ROCKギタリストらしく攻撃的に弾きまくる場面は皆無なので、そこをどう評価するかやけど、こういったアルバムもアリかなと・・。
アルバム全体が「ゆったり&まったり&マイルド」なので、攻撃性を期待する人には全くもって「退屈」なのかもしれないという異色作。
★★★☆(11.8)


OZZY OSBOURNE 『SCREAM』

オジーの新作の目玉は、ギタリストがガス・Gになったということ。
彼は色々なバンドでギターを弾いてるけど、どうも彼の「スタイル」というのが見えてこない。
どんなジャンルでも弾きこなせる器用なギタリストだと思うけど、結局は没個性になってしまう。このアルバムを聴く限り、ガスはかなりザック・ワイルドを意識していると思う。ダウンチューニング、リフ、フレーズ、どれを取ってもザックの面影が漂う。
曲調が重くヘヴィなものが中心なので余計そうなのかもしれないけど、彼の魅力はこういうもんなんやろか。唯一のアップテンポナンバーの②「LET ME HEAR YOU SCREAM」はオジーらしいナンバーやけど、アルバムの中では妙に浮いている。「ヘヴィメタル」という1本筋の通った内容ではないので、どうも散漫なイメージが付きまとう。
★★★(9.21)


ASIA 『OMEGA』  

まさかのオリジナルメンバーでの再結成作「PHOENIX」から2年。
同じメンバーで再びエイジアがアルバムを出した。前作も驚きの傑作だったけど、今作も前作と同様の傑作に仕上がっている。
裏ジャケの写真を見る限り、プログレ界の大御所達もすっかりお爺ちゃん。なのにこれだけの音楽をやってのける。本当に凄いことです。
1982年のデビュー作のオープニング曲だと言われても違和感のない①「FINGER ON THE TRIGGER」を聴いた瞬間に「4分間ポップス」は永遠に不滅やと思った。
★★★★(9.21)


RHAPSODY OF FIRE 『THE FROZEN TEARS OF ANGELS』 

ラプソディのアルバムを買うのは「SYMPHONY OF ENCHANTED LANDS Ⅱ」 以来久しぶり。   
知らん間にバンド名の後ろに「OF FIRE」って付いたんやね...
さて、既に見切っていたこのバンド。前評判の良さから聴いてみたけど、疾走感に溢れ、シンフォニックでドラマティックなヘヴィメタルが復活してます。ルカのギターも相変わらずギュルルン・ギュルルンとスウィープしまくってます(笑)
デビューの頃からファンだったけど、これなら納得の出来栄えです。
やはり「攻撃性+分かりやすいクサメロ+民謡音楽」というのがラプソの肝。これは原点回帰の快作です。
「POWER OF THE DRAGONFLAME」以来手に汗握りながらイタリアン・メタルワールドに浸ることができた。
★★★★(7.6)


TOBIAS SAMMET’S AVANTASIA 『ANGEL OF BABYLON』 

さて、こちらの方も同じく9分を超える「STARGAZERS」で幕開け。おそらくこの曲が2枚の中でハイライトと思われる内容で、もっともメタル・オペラの様相を呈している。
トビアス、ヨルン・ランデ、ラッセル・アレン、マイケル・キスクというスーパーなヴォーカリストが参加しているけど、メロディが今一歩という出来で惜しいなあ。
4曲目の不気味な曲はジョン・オリヴァが歌っている。ジョンが歌うとSAVATAGEにしか聞こえないけど、良い味出してるなあ。
ミドルテンポ主体の「WICKED~」に対して、こちらの方はメロディが明快な疾走曲が多く、個人的には軍配が上がる。2作セットなので、どちらがどうってのはないけど、やはりメロディックに疾走する曲は聴いていて心地よい。
今回2枚聴いてみて、初期の頃の「ファンタジックなジャーマンメタル」という魅力が薄れ、徐々に本家EDGUYとの差が無くなってきているような気がする。
★★★☆(7.6)


TOBIAS SAMMET’S AVANTASIA 『WICKED SYMPHONY』

トビアスのメタル・オペラプロジェクト。今回はボリュームたっぷりに2部作ということで、2枚同時に発売。
メンバーはお馴染のマイケル・キスク始め、錚々たるヴォーカリストが揃っている。
このプロジェクトは、1作目、2作目はかなり聴き込んだけど、前作で作風が変わってしまって聴き込み度が減ってしまった。その要因は、ファンタジックで分かりやすい古き良きジャーマンメタルではなくなってしまったから。1曲目は9分を超える大作やけど、「The Seven Angels」には遠く及ばない。
2曲目「WASTELANDS」はキスクとトビアスが交互にリードを取るお約束のハロウィン系疾走メタル。こういう分かりやすい典型的なジャーマンメタルは非常に魅力的やけど、キスクが歌って無かったらここまで興奮する曲ではないのかもしれない。KEEPERなマイケル・キスクの歌が聴ける...そういう意味ではこのプロジェクトはこれからも続けて欲しい。
★★★(7.6)


RATT 『INFESTATION』

まさかラットが2010年という時にこんなアルバムを出してくれるとは思わなかった。
いきなり疾走感あふれるHRナンバーで始まるのも嬉しいけど、ブログにも書いたように、2曲目の「BEST OF ME」のイントロを聴いた時に鳥肌が立った。このリフの質感はまるで「ROUND AND ROUND」のよう。まさにラットというか、「ウォーレンが帰ってきた!」と凄く懐かしい気分になった。ツインギターの相方はロビンではなくて、カルロス・カヴァーゾ。この生粋のメタルギタリストが加入したことによって、さらにメタリック度が増したかのよう。
これという名曲はないけれど、どの曲もRATT’N ROLLと言えるか佳曲ばかり。
80年代に出たアルバムと言っても違和感がない。これぞ復活作。
★★★★★(7.6)


SCORPIONS 『STING IN THE TAIL』

邦題「蠍団とどめの一撃」。このアルバムがラストアルバムになる模様。
90年以降もそれなりのアルバムを出してくれたし、晩年になって衰えたという印象はなかった。
そして、このアルバムは、最後に相応しいまるで80年代の頃のような若さに溢れた良質のHRとなっている。
個人的に最高傑作だと思っている「LOVE AT FIRST STING」に迫るというのは言い過ぎかもしれんけど、それに近い雰囲気を持っている。
哀愁のメロディを纏いながらドライブする曲と、慟哭のバラードというのが彼らの2本の柱やけど、このアルバムでも当然に踏襲されている。
まさに集大成と言えるアルバム。
★★★★☆(7.6)


SLASH 『SLASH』 

スラッシュのソロアルバム。
オジー・オズボーン、ファーギー、クリス・コーネル、レミー、そして稲葉浩志・・・とメジャーなのかマイナーなのか微妙なヴォーカリストを15曲それぞれに迎えたのが面白い。
スラッシュのギターはヘタウマで、センスの良さで勝負するタイプやけど、どの曲にも流石のセンスが伺える。ガンズ時代のようにアルバム1本筋の通ったモノは感じられないけど、歌い手が異なるので、オムニバスアルバムのような形で楽しめる。
正直、このアルバムには「おおっ!」というキラーチューンはないけど、個人的にはファーギーをゲストヴォーカルに迎えた③「BEAUTIFUL DANGEROUS」が曲にアクがあって、1番良いと思った。
★★★(5.29)


BREAKING BENJAMIN 『DEAR AGONY』 

ヘヴィロックバンドの4作目。
ここには明るくポップなメロディは殆どなく、支配するのは泣きとダークネス。
時にデスヴォイスを交えながらも朗々と歌い上げるそのメロディは独特のもので、マイナー調の陰鬱な雰囲気に非常にマッチしている。
ヘヴィロックバンドに有りがちなギターの重厚感に頼ることなく、あくまで「歌」を大切にしている。どの曲にも胸キュンな切ないメロディが配されていて、聴き終えた後に残るのは爽快感ではなく、絶望感。
メロディック・デスメタルがギターで慟哭のメロディを奏でるなら、このバンドは慟哭のメロディを歌い上げる。初めて聴いたけど、なかなか味わい深い。
9曲目のタイトルトラックを聴いて痺れた。
★★★☆(5.29)


AIRBOURNE 『NO GUTS.NO GLORY』 

2作目。
笑ってしまうほどAC/DC。
地元も同じオーストラリア同志。
どこを切ってもAC/DC。
ギターリフ、曲構成、雰囲気・・・
まんまAC/DC。
どちらも全く知らない人に両方聴かせたら、「どっちも同じ」という回答が確実に帰ってくると思う。
とにかく、頭から最後までストレートなロックンロールが一杯。ここまで本家の色を出さずに、オリジナリティが欲しいけど、AC/DCがいなくなっても彼らが居ればこのジャンルは安泰やね。
★★☆(5.29)


WIG WAM 『NON STOP ROCK’N’ROLL』

ノルウェーなのに、やってる音楽は80’SなアメリカンHRというバンドの3作目。
ブログに書いたけど、「これはどこかで聴いた」という風に粗さがしをすればキリがない。
そういうのを抜きにして、これだけ分かりやすいメロディックなHRをやってくれたら、僕のような80年代アメリカン大好きな人間にとっては存分に満足できる。
ギタリストが、そこかしこにエディ・ヴァン・ヘイレンなフレーズを繰り出すのもおつなもの。
(フレーズだけじゃなくて、まんまヴァン・ヘイレンのオマージュのような曲もあるけど...)
期待どおりの傑作アルバムです。
★★★★☆(5.29)


ORIANTHI 『BELIEVE』

マイケル・ジャクソンバンド、「最後のリード・ギタリスト」のソロアルバム。
マイケルは過去に、エディ・ヴァン・ヘイレン、スラッシュ等超一流どころと共演している。
彼女は言わば、彼らと同じくキング・オブ・ポップに認められたギタリストということ。
CDの方は、「ギターアルバム」というとそうではなくてあくまで歌中心のガールズ・ROCK。一言で言えば、「アヴリル・ラヴィーン+テクニカルギター」。
そのギターの方は、①「According To You」で言うと、ソロ終盤の高速タッピングよりも曲間のオブリガードにメロディセンスを感じた。
堪らないのが、ソロ導入部のチョーキング・ヴィブラート。1音だけで3拍引っ張る潔さ、その泣きっぷりに、この若さで既に神マイケル・シェンカーに近づいたか..
アップテンポなROCKチューンよりも、バラード系の方が味わい深いアルバム。
★★★★(5.29)

復活

2010年11月07日 | 日記
ようやく「定ちゃんの部屋」にUPしていた「最新CDレビュー」を全てこのブログに再掲載した。
前は、1つのファイルで1年間のCDを網羅出来たけど、ブログの場合は字数制限があって、分割しないといけない。
しかも、目次のファイルも無いので、かなり見難くなってしまった・・・。

まだ、「私的ロックの名盤」と亀本先輩の「USAライブレポート」(一部UP済)も残っている。
これから徐々にUPしていくつもりです。



2009 最新CDレビュー(その2)

2010年11月07日 | 最新CDレビュー
(計32枚)

(★は満足度で5つが満点)

HEATHEN 「THE EVOLUTION OF CHAOS」

2009年最後のレビューは、これまた懐かしのヒーゼン。
おそらく、最近のリスナーはこのバンドの事を知らないと思う。僕はアラフォーなので、初期の2枚は持ってるけど、既に「終わって」いたと思ってたので、本当に驚いた。
復活に驚いただけじゃなく、音を実際に聴いて更に驚いた。歳を取って後退するどころか、ますます音に磨きがかかり、問答無用の鋼鉄スラッシュメタルアルバムとなっております。
ギターの2本は、オリエンタルな旋律を武器に、メガデスの最新作ばりにピロピロ~と弾きまくっていて、僕のようなギタリストの端くれも思う存分満足出来る内容になってます。
スレイヤー、メガデスといったスラッシュの大御所も顔負けの80年代そのまんまのアルバム。
★★★★☆(1/19)


STRYPER 「MURDER BY PRIDE」

第2弾は、ストライパー。
既に復活しているので、懐かしい!というわけじゃないけど、復活作「REBORN」はちょいとダークでイマイチな内容だったので新作に期待していた。けど、外れるとイヤなので、安い輸入盤をかいました。(故に、ジャケは輸入盤となっております。)
正直、前作よりは格段に良くなっている!荘厳なコーラス・ワークを駆使した甘いメロディ復活!で、80年代のアルバムと比べても殆ど違和感のない内容。必殺のバラードも泣きまくりで基本的に文句の付けようがない内容。これで必殺のキラーチューンがあれば満点なんやけど、CD通して聴いた時、BOSTONのカヴァー「Peace Of Mind」が1番良いと思ってしまったのが何とも・・・(苦笑)
★★★★☆(1/19)


WINGER 「KARMA」

2009年ラストレビュー3枚は、怒涛の懐かしいバンド3連発です。
まず、第一弾はウインガー。このバンドのデビュー作をリアルタイムで聴いて、当時はかなり興奮したもんです。聴くのは3作目の「PULL」以来で16年ぶりとなる。さて内容の方は、序盤のアップテンポの曲を聴くと「おお!」と思ってしまうけど、アルバムを支配してるのは、デビューの頃の華やかでポップなLAメタルではなくて、若干モダンでダークなHR。
完全なダーク路線ではなく、レブが弾きまくり状態なのが嬉しい。
曲のパターンは「まるでグレイト・ホワイトか?」というブルージーなバラードから、プログレ風味な曲までバラエティに富んでいて飽きさせない内容となっていて、彼らならではの奇妙なメロディラインが堪能できる。大人のHRと言った趣で味わい深いけど、レブのギター以外に派手さがほしいなあ。
★★★★(1/19)


SUSAN BOYLE 「I DREAMED A DREAM」

話題の女性シンガー。売れまくっているようなので、もはや説明は不要のCDだと思う。
アルバム構成は、有名カヴァーで占められていて、曲の良し悪しを判別するのではなく、いかに彼女のヴォーカルが素晴らしいか、どのように往年の名曲を料理するか、に尽きると思う。
そりゃあ、見た目を無視して耳だけ傾ければ素晴らしいヴォーカルワークに殆どの人は圧倒されるとことでしょう。
人の曲を歌うのではなく、スーザン・ボイルというシンガーがオリジナルでどのような曲調の歌を歌うのか、今後楽しみです。
★★★★(1/11)


NORAH JONES 「THE FALL」

4作目。過去の3枚に比べて、ジャズ色を薄めて、よりノーマルなポップス・ロックになった。
ジャズ路線も良かったけど、こういうナチュラルな曲調もかなり良い。
元々声が魅力的で、癒し度抜群なんやけど、さらに曲も磨きがかかり、最強の女性シンガーソングライターになったような気がする。気がつけば、買ってからドライブのお伴にひたすらリピート状態になっていた。
個人的には、70年代のウエストコースト・サウンドの雰囲気が堪らない。
★★★★★(1/11)


MARIAH CAREY 「MEMOIRS OF AN IMPERFECT ANGEL」

マライアのCDを久々に買った。ブログにも書いたけど、買ったきっかけは、フォリナーの名曲カヴァーが収録されているからという単純な理由。
ダンス系の音楽が苦手な僕は、マライアを途中から見限っていた・・・。けど、「I Want To Know What Love Is」を選曲したということは、初期の路線に戻ったのか??と期待していた。その期待には十分に応えてくれた・・という内容じゃなかったのが残念。
もっと90年代の頃の純ポップス路線に振って欲しかったけど、なかなかの充実作と言えると思う。
★★★(1/11)


WHITNEY HOUSTON  「I LOOK TO YOU」

久しぶりのニューアルバム。
「よそ風の贈り物」をリアルタイムで聴いてるので、このCDを聴いた時、正直なところ「さすがのホイットニーも歳と共に衰えたか・・・」と思ってしまった。
ここにはデビューの頃の圧倒的な歌唱力・声の張りはない。曲も、捨て曲無しのデビュー作と比べれば、そのレベルには達していない。
25年前と比べる方がおかしいのかもしれないけど、声はともかくせめて楽曲レベルを上げて欲しかったなあ・・
★★★☆(1/11)


GOTTHARD 「NEED TO BELIEVE」
 
スイスが誇る正統派HRバンドの記念すべき10作目。
このバンドのCDを聴くと、いつも思うのは「毎回毎回これだけ高水準な内容をよく維持できるな~」ということ。
普通、10作目ともなるとネタ切れが発生し、どこかで音楽性を変化させたり、音の方向性を変えたりするもの。このバンドにはそれがなく、正統派HRという枠の中で毎回楽曲のレベルのみで勝負してくる。その勝負球が、これまた外れないから見事なもの!
このバンドの作曲能力には「枯れる」ということはないんかな?これまでのゴットハードを知ってる人なら、これまた買って間違い無しの充実の傑作アルバムとなっております。
★★★★☆(12/26)


THE BLACK CROWES 「BEFORE THE FROST」

アメリカンROCKです。ここには、古き良き時代のアメリカンな音がギッシリ詰まっている。
派手なプレイもなけりゃ、キャッチーなメロディが飛び出すわけでもない。
ブルースを基本とした何の変哲もないROCK。これはツマラん人には全くツマラない音楽やろうし、これが渋い!と思う人には何度でも聴きたくなるアルバムだと思う。
音楽性は、前作と大して変わりはなく、一発録りのライブ録音なのか、1曲毎にらしく観客の拍手が入る。(個人的に、この拍手・喝采は不要かな?)
この生々しい音を聴いてると、アメリカンROCK、サザンROCKの素晴らしさに気付くと思う。
CDの盤面もアナログレコード仕様なのがまた良いじゃないですか!
★★★★(12/26)


SLAYER 「WORLD PAINTED BLOOD」

記念すべき10作目。
メガデスもそうやけど、最近のスラッシュメタルバンドは元気やね。
メガデスが初期彷彿のインテレクチュアル・スラッシュに回帰すれば、帝王スレイヤーも本気モード全開でバリバリのスラッシュメタルをやってくれました。
ドラムの音が軽いものの、疾走しまくりなのは嬉しい限り。この邪悪な疾走感は、現代版「REIGN IN BLOOD」!といきたいところやけど、如何せん過去のパクリが多くて、何だか聴いたことがあるな~という感覚が拭えない。そんなの無視すれば、これほどのアルバムを今時提示するということに恐れ入る!
★★★★☆(12/26)


BON JOVI 「THE CIRCLE」

前作「LOST HIGHWAY」は、カントリー好きな僕にとっては会心の傑作だった。
して、今回のアルバムは、結論から言うと、正直満足の出来る内容ではなかった。
数曲「おっ!」と思わせる曲があるものの、それはマンネリを感じさせるものであり、全体的に歌メロ重視の地味な楽曲で構成されているので、アルバム通してこちらのテンションがなかなか上がってこない。
実績あるアーティストが、毎度のアルバムの水準をキープするのは当然難しい。そういう意味では、前作のように思い切って意表をついた音作りというのは、個人的にマンネリ打破という点からも良かった。
初期の頃の勢いを重視しなければ、ジョンの歌を堪能できるメロディックな落ち着いたアルバムという位置づけで満足できる内容かもしれんけど...
★★★★(12/7)


DANGER DANGER 「REVOLVE」
デンジャー・デンジャーはアルバムを出していたのは知ってたけど、1st、2nd以降追うこともなく既に「過去のバンド」だった。
まさかのアルバム発表ということで、個人的には1991年から実に18年ぶりとなったニューアルバム。アンディ・ティモンズはいないけど、オリジナルヴォーカリストのテッドが復帰してのアルバムは、18年ぶりに聴いても全く違和感のない出来栄え。初期のアルバムに比べて、メロディの質がウェットになっているものの、とことんキャッチーなアメリカン・ハードロックに変わりはない。ギタリストのロブ・マルセロは、アンディに負けず劣らずのテクニシャンで、この手のバンドに不可欠なテクニカルでスピーディなソロをたっぷり聴かせてくれる。これぞ「80年代アメリカンHR」と言っても過言ではない。
バラード⑤「FUGITIVE」の泣きのメロディは絶品です。
★★★★☆(12/7)


PEARL JAM 「BACKSPACER」

9作目。初期は、「グランジ」の代表格のように言われたバンド。
9作目ともなると、円熟味が増すというもの。
全11曲、トータル・タイムは僅か38分という潔さ。その40分弱の中に彼らの魅力が詰まっていて、贅肉を削ぎ落としたシンプルな音は、これぞ「ROCK!」という充実の出来栄え。
エディのヴォーカルも生々しく、バラードはまるでブルース・スプリングスティーンが歌っているかのような錯覚を覚える。
ド派手なピロピロギターのないスレートなROCKがここまで良いと思ったのは久しぶり。
聴き始めると、最後まで何度もリピートしてしまう魅力がこのアルバムにはある。
★★★★★(12/7)


ALICE IN CHANINS 「BLACK GIVES WAY TO BLUE」

まさかの復活作。
レイン・ステイリーが亡くなった時点で、このバンドは完全に終わったと思ってたけど、そうではなかった。
「暗黒のポップミュージック」「鬱のビートルズ」と言われる彼らの音楽性は変わってなくて、久々に聴いてもアリスらしい独特のメロディライン、ヘヴィな音は健在。レインがいなくなった穴を全く感じさせないと言っても過言ではない。
さらには、②「Check My Brain」のようにこれまで聴いたことがないようなキャッチーな一面も見せる。事実、過去3枚のアルバムよりもこれが1番とっつきやすいと思う。
聴けば聴くほどハマる好きな人には堪らない堂々の暗黒音楽復活!
★★★★★(12/7)


CHEAP TRICK 「THE LATEST」

16作目。失礼ながら、よくぞここまで現役バリバリでいられるものだと思う。
前作も快作だったけど、これはその前作の流れを引き継ぐアルバムで、原点回帰というか、初期のポップ・ロック路線。
アップテンポな曲はとことんラウドで元気よく、ミディアムテンポの曲はとことんしっとりと聴かせる。
端的に言えば、このアルバムにはこの2種類しかない(笑)
ミディアムテンポの曲がどの曲も「凄くビートルズ」なのもここまでくれば彼らの味か?
ここにきて、まだまだ「傑作」を作れてしまうオジサンパワーには恐れ入る。これまた名盤の仲間入り。
★★★★★(12/7)

2009 最新CDレビュー(その1)

2010年11月07日 | 最新CDレビュー
MEGADETH 「ENDGAME」

これは・・・・・紛れもなく初期の「インテレクチュアル・スラッシュメタル」ではないか!
1曲目のインストのギターバトルから既にアドレナリンが溢れ、②This Day We Fight!への雪崩れ込みで興奮度は120%。
強引なまでの曲展開も初期彷彿で、アルバムの質感は1st~3rdアルバムあたりの感じ。
④1,320の途中のドラムのフィルインからの展開なんかは鳥肌が立つほどカッコ良い。
しかも二人のギターバトルが凄まじくて、アルバム中そこかしこに弾きまくりなのが嬉しい。
マーティが居た頃のように、二人の間に明確なスタイルの違いはないけど、クリスの方がネオクラシカル風味が強く、正統派デイヴに対してよりテクニカルでスピーディ。
初期彷彿と書いたけど、デイヴの歌メロには中~後期の色合いも残っていて、初期と後期が巧くミックスされた内容となっている。正直、最高傑作とは言わなくとも、バンドのカタログの中では上位にランクされても良い程の出来!とにかく最高の逸品。
★★★★★(10/24)


DAUGHTRY  「LEAVE THIS TOWN」

ふ~ん。これが今のヴォイス・オブ・アメリカなんか・・。かつてサミー・ヘイガーが「VOA」と言われた(自身で言っていた)頃とは変わったもんや。
僕にはチョイ聴き、Nickelbackのチャド・クルーガーにしか聞こえなかった。
しかもやってる音楽もニッケルバックにかなり近い...いや、殆ど変りないかも。これが全米初登場NO.1ということは、こういう音楽がアメリカのトレンドなんか・・・。
確かに、ダイナミックで「アメリカ~ン」という爽快で雄大なROCK。声も男臭くてカッコ良いのかもしれない。けど、僕にとっては、どうも何かが物足りない。ミディアムテンポ主体でメロディをじっくり味わうタイプの音楽やけど、ニッケルバックの最新作の方が個人的には魅力的に思えた。同時期に買ったメガデスのギター陣があまりに魅力的で、余計物足りなく思えてしまったのかもしれない。買ったタイミングが悪かったかな?
★★★(10/24)


STEEL PANTHER FEEL THE STEEL

ジャケもそうだけど、内容も80年代そのまんま!という時代錯誤なバンドのデビュー作。
このCDが何故小さなCDショップに多数ディスプレイされてたのか不思議。
僕のような「アラフォー世代」が多数買い漁るというCD店の思惑があったのだろうか?
僕も店の「アラフォー世代お待ちかね!」と宣伝にヤラれたクチで、全く予備知識無しに手にとってレジに走ったわけやけど、こりゃまあ僕のような80年代からの現役アラフォーメタラーにはそれなりに満足は出来る。ただ、耳が肥えてしまってるので、「ここはボン・ジョヴィのアレやな?」とか「これはホワイトスネイクのあの曲をパクったな?」とか「このイントロリフはレッチリの曲やな?」とか、どうも耳が粗さがしの方向に向いてしまうのも事実。
ギターも巧いし、曲も中々。2009年版LAメタルに拍手喝采というところか。
今の世に、こういうバンドが出てきたことにケチを付けちゃいかんなあ。
★★★★(10/24)


COLBIE CAILLAT 「BREAKTHROUGH」

下に紹介したジィ・アーヴィのCDを買いに行ったら、隣にコルビー・キャレイのCDが置いてあった。
新作が出てることを知らなかったので、併せて買うことができた。
デビュー作は、昨年1番聴いたCDだった。それくらい気に入っていたわけやけど、この2作目も基本的な音楽性は何ら変わっていない。溌剌としたポップス全開で、聴いていて爽快な気分にさせてくれる。けど・・デビュー作よりも衝撃が少ないというか、何というか、デビュー作ほど聴く回数が多くないのは事実。前作で内容が見えてしまったからか?よくよく考えると、前作ほど南国の雰囲気が減ってしまって普遍的なポップスに聴こえるからというのが分かった。一緒に買ったアーヴィの方が個性的で魅力的に思えた。とは言っても全米NO.1獲得アルバム。さすがの出来です。
★★★★(10/18)


ZEE AVI 「ZEE AVI」

マレーシア、ボルネオ島出身という女性シンガー・ソングライターのデビュー作。
普段この手のアーティストを熱心に追いかけていないのに「何故買ったか?」というと、たまたま車で走ってる時にFMラジオから彼女の曲が流れてきて、「これは良いやん!!」と即気に入って買いに走ったという次第なのです。
声質はノラ・ジョーンズ系で、キュートでもあり、落ち着いた大人っぽくもある。アルバムの方は、南国出身ということで、ウクレレをフィーチャーしたトロピカルな曲もあるけど、基本は適度にポップで素朴なフォーク・ミュージック。秋の夜長がピッタリな非常に落ち着いた趣のある癒し系。
ラジオから流れた曲でアルバムを買ったけど、判断は間違ってなかった。温かみのある声も含めて素晴らしい音楽だと思う。
★★★★☆(10/18)


FAIR WARNING 「AURA」

6作目。
冒頭の2曲①「FIGHTING FOR YOUR LOVE」②「HERE COMES THE HEARTACHE」を聴いた時、初期の頃のフェア・ウォーニングらしいメロディックなHRでこのアルバムが傑作たる予感が漂った。バラードを挟みキャッチーでフックの効いたメロディが堪らない④「DON’T COUNT ON ME」(←アルバムで1番のお気に入り曲)を聴いた時は、予感が確信に変わった。
ところが・・・・・この後が続かない。バラード系のミディアムテンポ中心で構成された中~終盤はまったりとした流れになっていて、アルバム全体を聴いた時の尻すぼみ感は否めない。
序盤に強力な曲を集めるのは傑作「GO!」と同じ。序盤の快活な曲をバランス良くアルバム全般に配置してくれたら・・・。バラードの出来が悪いという訳じゃないんやけどね。
★★★★(10/18)


CHICKENFOOT 「CHICKENFOOT」

話題のスーパーバンドのアルバム。
メンバーは、サミー・ヘイガー、マイケル・アンソニー(VAN HALEN)、チャド・スミス(レッチリ)、ジョー・サトリアーニという正に「スーパー」なメンバーが集まった。
これはかつてのVAN HALENとデイヴ・リー・ロスバンドの図式に似ている。デイヴは本家に対抗すべくスティーヴ・ヴァイ、ビリー・シーンというスーパーな面子を集め、傑作アルバムを作った。(チャート結果は本家の勝ち)。
内容は、メンバーから予想出来るとおりの豪快なアメリカン・ハードロック。サミーのヴォーカルとマイケルのハイトーンコーラスから部分的にはVAN HALENに聴こえる。しかもサトリアーニのギターワーク、ギターリフもエディ・ヴァン・ヘイレンを彷彿させるもの。確かにこりゃ「もうひとつヴァン・ヘイレン」と言っても過言ではない。じゃ、曲の魅力は本家に勝るのか??これについては微妙。後期のVAN HALENに近い雰囲気のある楽曲群はもう少し短くコンパクトにまとめても良かったのでは?と思える部分も多くて、若干取っつき難い。サトリアーニのギターはあまりに上手すぎて不満は何一つないけど、エディが弾いていたら・・・。
ま、僕はこの手の音楽は大好きなので満足度は文句なしの満点やけど。
★★★★★(10/18)


DREAM THEATER 「BLACK CLOUDS & SILVER LININGS」

記念すべき10作目。全6曲という大作主義のアルバムになっている。
結論から言うと、ここ数作の中では断トツにリピートして聴いている。曲は長くても、歌メロが適度にポップなので非常に聴きやすい。
長い曲が多いけど、初期の頃は「予期せぬ曲展開」、言わば強引なまでの展開のお陰で、長い曲でも妙に緊張感を保ったまま長さを感じさせなかった。今作の場合は、自然な流れの構成のため、「長さ」を感じさせる作りになっていて、もう少し絞り込めた感は否めない。
過去の作品の象徴的なフレーズを使い回している曲は、これはこれで楽しめるものだが、他バンドネタを拝借してる部分が見えてしまうのはマイナス。ただ、「RUSHなんか知らねーよ!」というリスナーは数多いるわけで、そういう人達は純粋に楽しめるかと。
冒頭にも書いたように、何だかんだ言って僕はかなり気に入っている。やはりヴォーカルメロディって大事やな~とつくづく思った。
★★★★★(7/20)


HEAVEN & HELL 「THE DEVIL YOU KNOW」

「ブラック・サバス」の最新作。
そう!ロニー時代の名盤「Heaven & Hell」をバンド名にしただけの中身はブラック・サバスです。
ロニー・ジェイムズ・ディオ、トニー・アイオミ、ギーザー・バトラー・・・
未だにこの年寄メンバー(もうお爺ちゃんと呼んでもいいかも)でこれだけのアルバムを作るとは驚き。
アルバムの殆どがヘヴィ・ドゥーミーでまったりと迫る。
しかし、これがサバスの真骨頂。アップテンポな曲は不要。
アルバムジャケも大概邪悪やけど、内容もジャケ同様にとことんダーク。アイオミのギターとディオのヴォーカルを聴いてると、「メタルに歳なんて関係ねー!」と心底思った。①「ATOM & EVIL」の余りの鬼気迫る迫力とヘヴィネスに一撃KOされました。
★★★★(7/20)


MADINA LAKE 「ATTICS TO EDEN」

シカゴ出身のROCKバンドの2作目。
曲は、最近のモダンROCKバンドそのもので、ジャンル分するのが難しい。HR、ポップ、パンク・・まあ、何でもござれ状態。
ラウド&ヘヴィとは掛け離れた音なので、爽快感を聴き手に与えてくれる。当然、メロディは非常にポップで聴きやすい。流行りのROCKの象徴のような音楽だと思うけど、僕のような古き良き王道・正統派ROCKの音に馴染んでると、こういう音楽がスっと耳に馴染まなかったりする。
ヴォーカルメロディはフックがあって、キャッチーで非常に良いと思うけど、バックの音がガサガサ(色んな音が入りすぎて落ち着かないという意)しててどうも・・・(苦笑)
★★★(7/20)


MASTODON 「CRACK THE SKYE」 

「プログレッシブ・へヴィメタル」・・という言葉を聞いて真っ先に思い浮かべるバンドはDREAM THEATERだった。
プログレと言っても様々で、そのDTのように分かり易いテクニックで難解な曲を聴かせるタイプと、PINK FLOYDのようにテクニックをひけらかすのではなく、歌詞や曲構成やアルバムトータルでのプログレというタイプの二つに分かれると思う。
このバンドの場合は、どちらかと言うと後者に当たり、どの曲も「単調、明快」という言葉とは程遠いレベルの複雑でプログレッシブな展開を見せる。
VOは綺麗なハイトーンではなく、ちょい聞きオジー・オズボーンだし、ギターリフは非常にメタリックで、最近のUSへヴィROCKバンドらしい音作り。このアルバムでこのバンドを初めて聴いたけど、ここまでとは思わなかった。これからは「プログレ・メタル」=MASTODONといバンドもインプットしなければならないと思わせるほどの濃密なアルバムだと思う。
★★★★★(4/29)


IT BITES 「THE TALL SHIPS」

IT BITESまさかの奇跡の20年ぶりの復活作!
20年前の中心人物であるフランシス・ダナリー(VO&G)不在で、代わりのメンバーはジョン・ミッチェル。フランシスこそがIT BITESの頭脳!だと思っていたので、この新作は少なからずとも音楽性に変化があると思いきや、どこを切ってもIT BITESになっている!
ポップでお洒落でプログッシヴという当時そのまんまの楽曲は文句なしに素晴らしいもの。
よくぞここまでの内容で復活してくれた。ややハスキーな声質である新メンバーのジョンの能力には、代役という言葉を使うのは失礼にあたる。ギターに関しては、フランシスのような変態フレーズはなくなったけど、それを補うほどのテクニックで聴かせてくれる。
このアルバムが気に入った人は、初期の3作も聴いてもらいたい。
★★★★☆(4/29)


U2 「NO LINE ON THE HORIZON」

5年ぶりの新作。
前作もなかなか気に入って愛聴したクチやけど、今作も発売された即買ってから既に愛聴盤となった。
冒頭の①のタイトルSONGから北欧のバンドらしい何とも言えない荒涼感が漂う。
基本アメリカな音楽を好む僕にとって、久々に聴くU2の音というだけで、新鮮な感覚だった。
独特のエフェクト処理のエッジのギターの音色とボーノの魂のヴォーカルがあれば、どんな曲をやってもU2はU2。
「これぞ!」という曲は個人的に見当たらないけど、何度聴いても飽きがこない内容で、オリジナリティ抜群の音作りは流石だと思った。スローテンポでじっくり聴かせる雰囲気の曲が大半を占める中、軽快な趣のシングル曲の「GET ON YOUR BOOTS」はアルバム内で妙に浮いてる気がした・・
★★★★(4/29)


LAMB OF GOD 「WRATH」

このバンドのことは全く知りませんでした。ただ、CD店の新作紹介で「正統派アメリカン・メタル」という非常に気になる文字を目にしたので、早速試聴してみると、怪しげなイントロのアルペジオに続いて聞こえてきたのは、SEPULTURAのARISE髣髴の強力なギターリフ(IN YOUR WORDS)でした。この1曲だけ試聴して買ったわけやけど、とにかく激烈!
こういったエクストリーム・ミュージックに触れるのは本当に久しぶり。アルバム全編とにかく凄まじい攻撃力。乾いたスネアの音が印象的なドラムもタイトで、デス声一歩手前といった感じのヴォーカルも凄まじい。部分的には完全にデスメタルといっても過言ではない。このバンドの凄いのは、直線的な勢いだけじゃなく、グルーヴ感も併せ持つということ。③「SET TO FAIL」のうねるようなリフは好きやなあ。
「正統派アメリカン・メタル」というのは、SLAYERやPANTERAなどのスラッシュメタル、モダンなヘヴィメタルのことやったんか・・と納得。コアな音楽が好きな人には堪らないCDなのかもしれない。いや~、しっかしカッコ良いヘヴィメタルや。
けど、昔ならともかく、今の僕には余りに強烈過ぎて・・・(苦笑)
★★★☆(2/22)


BRUCE SPRINGSTEEN 「WIRKING ON A DREAM」

前作「MAGIC」から間髪入れずに発表された最新作。
まず、こんな短期間の間に、アルバムを製作した意欲と作曲能力は凄いと思う。
アルバムの方は、8分という大作「OUTLAW PETE」で幕を開ける。ミディアムテンポでややダークなこのオープニングは意外だった。続くMY LUCKY DAYは、ブルースらしい勢いのあるノリの良いナンバーで溜飲を下げたけど、OUTLAW~を1曲目に持ってきたというのは、余程この曲に自信がある&アルバムの目玉なんかな?と思ってしまった。
帯には「史上最もポップな作品」とあるけれど、けしてポップかというとそうではなく、バラード、ミディアムの曲主体の構成で、名作「THE RIVER」のようなこれでもか!の明るいノリノリナンバーのオンパレードではない。しっとり落ち着いた作品なのです。
★★★☆(2/22)


H.E.A.T 「H.E.A.T」

スウェーデンのメロディアス・ハードポップバンドのデビュー作。
メンバーはギター2本、Key入りというフル装備のカッコよい若手6人組。
これが本当に「80年代」そのまんまのポップでメロディアスで耳障りの良いハードポップをやってくれてます。TNTのようなクリアーなハイトーンを軸にしたコーラス・ワークや、曲調からEUROPEといった先人バンドを想起させる部分はあるけれど、「聴いたことがあるかも」レベルで、まんまというわけじゃない。
ポップだけど、アメリカのバンドのように脳天気になり過ぎない叙情的なメロディが秀逸で、捨て曲無しの好盤を言えます。20歳そこそこの若手が、こういう音楽を作るということに驚き。
★★★★☆(2/22)


HINDER 「TAKE IT TO THE LIMIT」

2009年一発目は、このアメリカン・ROCKバンドの2ND。
輸入盤は既に昨年末に出てたけど、邦盤は2009年なので、今年のレビューにします。
デビュー作同様、どこを切っても「アメリカン・ハードロック」。しかも、あの80年代の頃のポップで分かり易いストレートなRock。
ヴォーカルの声質、演奏当たりから、エアロスミス、バックチェリーなんかの影がチラホラするけど、そんな「○○風」というのを吹き飛ばすくらい曲が良い。
あまりにも露骨でキャッチーな売れ線路線の曲の連続に、僕みたいな「80年代アメリカンHR大好き野郎」は、只黙って平伏すのみ。
この手のバンドには珍しくバラード系の曲が多いんやけど、そのバラードの出来がまた素晴らしい。モトリー・クルーに影響を受けたようやけど、その名もズバリ同名異曲の⑤「Without You」も良いけど、③「Last Kiss Goodbye」には参った。
★★★★ (1/24)

2008 最新CDレビュー(その3)

2010年11月06日 | 最新CDレビュー
(計38枚)

(★は満足度で5つが満点)

JIMI JAMISON 「CROSSROADS MOMENT」

今年最後のレビューは、このアルバム。
「ジミ・ジェイミソン+ジム・ピートリック」ということは、全盛期のサバイバー復活!
どう考えても、悪いアルバムが出来上がる訳がない。
アルバム序盤は、あまりパッとしない曲が続き不安になったけど、中盤「BEHIND THE MUSIC」辺りからは往年のサバイバー節が復活し、「コレコレ!」と納得。
本当に中盤から終盤まで一切駄曲がなく、悶絶メロディ連発。
さすがジム・ピートリックの作曲能力。本家の復活作よりも、当然ながらこちらの方が本家らしい。素晴らしいアルバムに仕上がってます。
★★★★★(1/18)


CURVED AIR 「REBORN」

B!誌で絶賛されてた、というだけで下調べもせずに購入。
大御所ブリティッシュ・プログレバンドの新曲含む過去のリメイク作品集で、僕のように初めてこのバンドの音を聴く人、オリジナル曲を知っている人もどちらも楽しめる内容になってると思います。
バンドの音の核となってるのは、女性ヴォーカルとバイオリン。バイオリンは、PFMのマウロ・パガーニのように派手に弾き倒すのではなく、じっくりと優雅に聞かせてくれる。
ヴォーカルのソーニャは、同じ英国プログレバンドであるルネッサンスのアニーほど女性的なインパクトはないけど、こちらも声からプログレを感じさせてくれます。
英国プログレは本当に音もバンドアンサンブルも深い。これぞじっくり腰を据えてゆったりした気持ちで聴くべきアルバムなんでしょう。
★★★★(1/18)


ECLIPSE 「ARE YOU READY TO ROCK」

スウェーデンのメロディアス・ハードバンドの3作目。
聴いた瞬間、「どうしたん!?」という変貌振り。前作は、良質ながらも、「まあ有りがちな北欧メロハー」という域を超えてなかった。
メンバーの半分を変え、4年振りに登場したこのアルバムは、もはや「メロハー」ではなく、「正統派ハードロック」と呼ぶべきもの。
ギターリフの質感は、完全に80年代のLAメタルそのもので、アルバム全編に渡って華やかだった良き時代(80年代)のハードロックの勢い、パワーが漲っている。
久々に「シュキーン」というピック・スクラッチの音を聴いた気がする(笑)
アルバムの大半を疾走曲が占めるのも個人的には嬉しくて、よくぞこの形に変身してくれた!文句無しの傑作アルバムの登場です。
★★★★★(1/18)


SERENITY 「FALLEN SANCTUARY」

「メロディック・パワーメタル」・・僕の中では完全に「終わった」ジャンルで、今年の僕のCD購入リストを見ても、この手のバンドは皆無。
なぜ買ったのか?というと、単にこのアルバムの評価が高かったから。まあ、僕の中では2008年のメロパワ代表作みたいなもんです。
メロパワといっても、ジャーマン・メタル系のツーバスドコドコの一本調子のメロスピじゃなく、シンフォニック且つプログレッシブに巧妙に曲が展開していく。
まあ、癖の無いハイトーンヴォーカルを含め、全体的に有りがちと言えば有りがちやし、突出した個性があるというわけではない。
ただ、ピアノの使い方や、メロディラインなど、時にハっとする場面もある。
全体的にドラマティックな内容で、非常に完成度が高いアルバムだと思う。
たまには、こういうへヴィメタルも良いな~と久々に感じた。
★★★★(1/4)


SHINEDOWN THE SOUND OF MADNESS

アメリカンROCKバンドの本邦デビュー作。全米では、初登場第8位という実績を持つアルバムです。ヴォーカルは、最近流行りの男臭いタイプで、疾走感溢れる名曲①DEVOURを聴いてると、ライナーにもあるように、まるでDisturbedのよう。
音は典型的なモダンな味付けのROCKやけど、このバンドはメロディが非常にメロディックで、ヴォーカルのお陰か、各曲を非常にエモーショナルに聞かせてくれる。
そのDisturbedとNICKELBACKを足して割った感じで、この手のバンド、音が好きな人なら確実にフィットすることでしょう。80年の頃とは、色んな面で変わってしまったけど、最近のアメリカには良いバンドが多くなったなあ~と実感する今日この頃。
★★★★☆(1/4)


GUNS N' ROSES 「CHINESE DEMOCRACY」

このアルバムについては、人それぞれの評価があると思う。
内容云々よりも、とにかく「出た」ということに対する評価、アクセル・ローズの存在感抜群のヴォーカルパフォーマンスが聴けるということに対する評価。
僕は、この二つもさることながら、やはり楽曲、内容について冷静に評価すると、「もはや従来のガンズではない。けど、個々の楽曲は良く練られている」というもの。
モダンな味付けの施された音は好みじゃないし、作り込まれた音よりも、やはり初期のような単純明快なロックンロールが彼らのイメージ。これは「Appetite for Destruction」とは別物と頭を切り替えて聴かないといけない。ハードな曲よりも、バラード系の方がメロディラインが心に染みる。世紀の悪ガキバンドも、バラードが似合う程にすっかり落ち着いてしまったようで・・・。
★★★★(12/28)


NICKELBACK 「DARK HORSE」

ニッケルバックのアルバムをここまで何度もリピートしたことは無かった。買ってから、カーステレオに入りっぱなしです。
今作は、分かり易いメロディラインの曲が多く、そしてハードな曲、スローな曲の配置バランスが良いので、なかなか飽きない。
シングル曲のGotta Be Somebodyなんて、「80年代のポップス?」と言えるくらい、ベタベタな曲なんやけど、実際良いと思えるんやから仕方ない。
ヴォーカルの歌いっぷり、声質があまりにも「男臭い」ので、僕は暑苦しく感じるけど、コレがこのバンドの売りなんやから我慢しよう(笑)
一緒に買ったガンズよりも、圧倒的にこっちの方が聴く回数が多い。ミディアムテンポの曲をここまで気持ち良く聞かせるのは、やはり「Back in Black」「Hysteria」を生み出した巨匠マット・ラングのお陰か?かなり良いアルバムだと思う。
★★★★★(12/28)


2008 最新CDレビュー(その2)

2010年11月05日 | 最新CDレビュー

HIBRIA 「THE SKULL COLLECTORS」

4年も待たせやがって・・(苦笑)
いやあ、4年ぶりの2ndやけど、これまた超鋼鉄な極上のへヴィメタルアルバムに仕上がってます。アングラを抑えて、「ブラジリアン・メタル=ヒブリア」という日が来るのではないか。
前作の方が全般的にキャッチーだったけど、こちらの方がより練られた感じがする。
1曲目の「TIGER PUNCH」、これは究極のメタル賛歌になるでしょう。イントロのベースのタッピングとテクニカルなギターリフに始まり、ユーリ・サンソンの人間離れした超絶ヴォーカルとキャッチーな歌メロ・・この曲にこのバンドの魅力が凝縮されている。
ヴォーカル良し、楽曲良し、演奏良しという文句の付けようの無いバンドだと思う。
正統派へヴィメタルバンドは沢山あるけど、本当にこのバンドは頭一つ抜けている。
「へヴィメタルとは?」の問いには、このアルバムを聴けば全てが分かります。
★★★★★(12/26)


EDGUY 「TINNITUS SANCTUS」

8作目。前作「ROCKET RIDE」はあまり好きになれず、そろそろこのバンドも見切ろうかな?なんて悩んだけど・・。
傑作「HELLFIRE CLUB」から始まった脱・王道ジャーマン・メタル路線は更に進められ、かつてのハロウィン系スピードメタルと言えるのは、③The Pride of Creationのみ。
他は王道・正統派へヴィメタルといった曲が中心で、さらに曲のタイプは拡散する方向に。
AVANTASIA、このEDGUYと次々と繰り出すトビアスの作曲能力は凄いと思う。ヴォーカルも、そのAVANTASIAの1STの頃は、マイケル・キスクと区別がつかないほどの「キスク風」だったけど、本作ではすっかり「脱キスク」といった感じで、へヴィに歌っている。
ミディアムテンポ主体の曲は悪くない。けど、③を聴くと、「やっぱこういった曲は良いなあ~」と思ってしまった。確かに、アルバム内で浮いてる感は否めないその③の意味を考えると、今時、ハロウィンの「KEEPERサウンド」を継承できるのは、トビアスしか無いと思ってしまった。この曲を上回る高揚感が、他の曲で得られるかというと・・・個人的には、この正統な「進化」は何とも微妙かな...
★★★☆(12/26)


CINDER ROAD 「SUPERHUMAN」

アメリカ、ボルチモア出身のHRバンドのデビュー作。
とにかく、このアルバムは素晴らしい。アルバム通して、「メロディアス」「哀愁」「キャッチー」という言葉がピッタリの楽曲がズラリと並ぶ。
これだけフックのある甘いメロディを持ったバンドというと、ワイルドハーツあたりを思い出すけど、このバンドほど勢い、アグレッションは無い。バックの演奏共々、ソフトになったバックチェリーという感じか。
僕のようにアメリカン・ROCKが好きな人なら、確実にハマるはず!
これだけ良い曲が書けるなら、「世界一ビッグなバンドになる」という夢も、決して遠くは無いと思う。文句無しの満点です。
★★★★★(12/26)


SIGUR ROS 「残響」

アイスランドの「癒しバンド」の5作目。原題は長いので、邦題にしました。
アートワークが印象的なこのアルバム、やはりこの独創的な音、幻想的な音楽は彼らならではと言える。
ハードな音とは対極の位置にある音で、ヴォーカル、楽器の一つ一つがリアルに響く。
アコースティックギターの音がここまで生々しく聞こえるCDを未だかつて聴いたことがない。
歌メロが美しく、ポップなので、英詩じゃなくても、スっと耳に入ってくる。
しかし、本当に「優しいアルバム」や。
聴いてると、何だか「サイモン&ガーファンクル」のCDか?なんて思ってしまったり・・。実は、コレ、発売されてから直ぐに買って何度となく聴いてるのに、レビューまでに時間がかかったのは、流しても左から右へと音がス~っと抜けていくから。
「聴いて心地良い」というのは、「退屈」とは紙一重だということをこのアルバムで知りました。僕のメインのジャンルじゃないからこの評価やけど、実際トンデモない名作なのかもしれない。
★★★★(12/26)


MSG 「IN THE MIDST OF BEAUTY」

Voゲイリー・バーデン、Keyドン・エイリー、Drサイモン・フィリップス、とメンバーを聞くと、今から28年前の世紀の名作「神~帰ってきたフライング・アロー」を彷彿させる。
どんな音が飛び出すのかと期待して①「CITY LIGHTS」を聴くと、ゲイリーのテンションの低いヴォーカルと印象薄のメロディラインがまず耳に付いた。一方、神マイケルのギターは、一聴して彼と分かるツヤのあるミッド・ブーストのトーンとフレーズで、曲中を縦横無尽に駆け巡る。
さすがに、往年の名曲に迫るような曲はこのアルバムには見当たらない。終盤に即効性のある歌メロがポップな曲を配してるけど、前半から中盤までは、ミドルテンポの似たり寄ったりの曲が並ぶので、若干退屈に思えてしまう。僕のこのアルバムの楽しみ方は、ゲイリーの歌以上に、曲中で自己主張して目立ちまくりのマイケルのギターをひたすら耳で追う。クラシカルなフレーズを駆使するのではなく、ペンタトニック主体のオーソドックスなフレーズとチョーキングで、ここまで聴き手を惹きつけられるのは彼しかいない。
ハイポジションでの「キュイ~ン」というチョーキング・ヴィブラート1音に、「神」のワザが凝縮されている。
★★★★(12/26)


BLESSED BY A BROKEN HEART 「PEDAL TO THE METAL」

「カナダ出身」「クリスチャンメタル」「派手なジャケ」「80年代」というキーワードに完全に騙されて(苦笑)買った1枚。
僕の中で、この4つのキーワードから導き出されるのは、「爽快、美しいコーラスワーク、華やか、ポップ」という音のイメージ。
CDをトレイに入れて聞こえてきたのは、僕のイメージとは程遠い「濁声」ヴォーカルとアグレッシヴな演奏・・・
この瞬間、「失敗した!」と後悔…。けど、せっかくジャケ買いしたんやから、最後までちゃんと聴こう!と。
すると、何やこのバンドの音楽性は。ダミ声かと思いきや、フレディばりの裏声ハイトーンまで飛び出すわ、妙にポップな曲もあれば、へヴィな曲もあれば、安っぽいシンセのダンス系のノリの曲まで飛び出すというチャンコ鍋状態。
バックの演奏陣は至って真面目にテクニカルに演奏しているので、各楽曲の作りは非常にしっかりしている。僕的には、LAメタル・ハードポップ系の⑥「TO BE YOUNG」系の曲が沢山あれば、もっともっと楽しめた。何とも評価し難いアルバムやけど、「楽しめるへヴィメタル」なのは間違いない。
★★★☆(12/14)


AC/DC 「BLACK ICE」

9年ぶりのアルバム。
9年経とうが、何枚アルバムを出そうが、彼らのやる音楽に変化は無い。
基本はタテノリのシンプルな「ロックンロール」。オープニングトラックの「Rock N Roll Train」がアルバム発売前から、ラジオで頻繁に流れた。久々のアルバム発表ということもあるかもしれんけど、このバンドがHRファン向けのマニアなバンドではなくて、一般的なROCKファンに対して十分アピール出来るんやと思った。(実際、この特異な声と、ハードな演奏は一般ウケするものとは到底思えんけど・・)
このバンドのアルバムを評価する場合、アルバムの出来、不出来、というよりは、アルバムに収録されてる楽曲の出来、不出来で判断する方が良いと思う。
個人的には、①Rock N Roll Train、③Big Jack、④Anything Goesと好きな曲がアルバムの序盤に集まった。疾走感やドライヴ感は控えめに、楽曲自体はバラエティに富んでるけど、15曲通しで聴くのもちと辛い部分もある。彼らのキャリアの中で最高傑作に位置付けられるアルバムではないけれど、キャリア終盤にしてこの内容なら、不満は無いと思う。
巷で酷評の「邦題」については、音とは何の関係もない部分につき、僕は何とも思わない。
★★★★(12/14)


COLBIE CAILLAT 「COCO」

ブログで、今年の裏NO.1アルバムと絶賛しました。(裏というのは、僕の主食が基本はHR・HMだから)
それほどにヘヴィローテーションなアルバムで、これほど強烈な「癒し」を発散するアルバムはそうそうない。
音はアコースティックギター中心の素朴なもので、そこにカリフォルニアはマリブ・ビーチで培ったトロピカルな南国リゾート風味が加わる。
ハワイのビーチやショッピングモールで流れてそうな雰囲気が堪りませぬ。
全くジャンルは違うけど、女性アーティストでは、「ノラ・ジョーンズ以来の衝撃!」と言えば大袈裟か。
フォーク、カントリー系のシンプルな演奏で、ヴォーカリストの歌がダイレクトに、まったりと響くような音楽が好きな人にはオススメです。
★★★★★(11/10)


BUCKCHERRY 「BLACK BUTTERFLY」

メンバーチェンジがあっても、デビューからそこそこの成功を収めてる数少ないHRバンドではないやろか。
エアロスミス、モトリー、ガンズ・・時代は変わっても、常にこういうBad BoysなRock n' Rollバンドは支持されてきた。
デビュー作のような荒々しさから比べると、楽曲、演奏がかなり洗練され、しっとりとした曲もじっくり聴かせてくれる。勢い、ノリだけじゃ何時かネタも切れてくる。
けど、⑥「Child Called "It"」、⑧「Fallout」のようなノリノリROCKをもっと聴きたい!と個人的には思ってしまう...⑥曲目で「キター!」と思っても、バラード風の⑦でかなりテンションダウン。アルバムのどこかで、この勢いを続けても良かったのでは?
逆に言えば、バラエティ豊かなバランスの取れたアルバムだと思うけどね。
★★★★(11/10)


MARCELLO-VESTRY 「MARCELLO-VESTRY」

「DANGER DANGER」のギタリストであるロバート・マルセロとフランク・ヴェストリーのプロジェクト。
これは典型的な80’SアメリカンHRで、「今から20年前のCD」と言われても全く違和感がない。ここ最近のモダンな部分は皆無で、爽快な楽曲が次々と繰り出される。
ギタープレイについては、文句の付けようのないレベルで、僕があれこれ言うのがおこがましいほどに巧い。
この手のバンドの音を聴いていて何時も思うのは、「オリジナリティの希薄さ」。
もはや80年代に楽曲、演奏面含めてやり尽くされた感があるので、今の時代に逢えてこの手の音楽を選択させるなら、余程突出した「何か」が無いと厳しい。
昨今のバンドの中でこれだけ巧いギターソロの入ったCDはそれほど無いかもやけど、20年前は、このレベルは当たり前やし、もっとオリジナリティ溢れるプレイヤーが数多いた。
じゃ、このCDのポイントは?純粋に「楽曲が良い!」これに尽きます。
★★★★★(11/10)


METALLICA 「DEATH MAGNETIC」

CDをトレイに入れてから、流れてくるクリーンアルペジオ。
続いて歪んだ音色のソリッドなギターリフが切り込んでくる。この流れは紛れもなく初期メタリカの十八番。
1曲目「That Was Just Your Life」を聴いた時、初期のメタリカを愛聴してきた者にとって、溜飲を下げるには十二分のオープニング・トラック。2曲目のギターリフを耳で追うだけでお腹一杯になってしまう「The End Of The Line」で更に満足する・・
贅肉を削ぎ落とした音作りは至ってシンプル。そのシンプルな音が、次から次へと展開していく。1曲1曲はまるでプログレバンドのように長くて、とっつき難いかもしれない。
けど、このリフの構築美・展開美を楽しめるようになると、このアルバムは病みつきになる。現に、知らぬ間についついリピートしてしまう。
「これ、どっかで聴いたメロディやなあ~」「昔聴いたリフやなあ~」という往年からのファンを懐かしい気分にさせつつ、バンドの健在ぶりを味わえるアルバム。
★★★★☆(10/12)


DRAGONFORCE 「ULTRA BEATDOWN」

ブリティッシュ・超速スピードメタルバンドの4作目。
ブログの方で、色々書いたけど、結構我慢して?繰り返し聴きました(汗)。(←実は好きなクセに(笑))。
けど、僕はもはやデビュー作のように純粋に楽しめる音楽では無くなってきたような気がする。
メロディック且つ複雑で凝った構成の楽曲と、超絶スピードプレイの楽器隊・・やってることは、本当に凄まじい。このツインリードギターなんて、「スピード」という観点からすると、ギターという楽器の限界を超えている。何度聴いても本当に「凄い」の一言しか出ない。
じゃ、「なんで楽しめないのか?」ミックスダウンに時間をかけたというけど、あまりにも音像が「ゴチャゴチャし過ぎ」で、各楽器の音の輪郭が前で出てこない。
ドラムもドタバタと大概千手観音してるのに加えて、Gソロでは高音域主体に「ピロピロピロ~」、トレモロアームで「キュイーン~キュワーン~」って、聴く人によっちゃ音楽ではなくて、TVゲームの効果音にしか聞こえないかも。
また、通してCDを聴くと、曲の中で緩急を付けたといっても、大半を占めるテンポが同一の疾走の連続に耳が疲れてしまう。「スピードが売り」のバンドやから仕方ないけどね。
①「Heroes of Our Time」と③「Reasons to Live」は気に入った。
★★★★(9/20)


EXTREME 「SAUDADES DE ROCK」

13年ぶりの復活作。
「Pornograffitti」を神盤と崇める僕にとって、前作にあたる「Waiting for the Punchline」の内容は正直あまり好きになれなかった。
このアルバムは、2ndのように、決してバリバリのファンク・メタルアルバムではないし、前作のようなちょいダークな内容でもない。適度に歌メロがキャッチーで、バンドの「売り」であるリズミカルな楽曲と、それを彩るヌーノ・ベッテンコートの切味鋭いギターワークは健在。僕のようなギタリストにとって、曲全体を聴くよりもヌーノのギターだけ抽出して聴くだけでもそれなりの満足感が得られると思う。
で、いざ楽曲に耳を向けると、バラエティに富んだ雑食HRともいうべき楽曲が並ぶけど、過去のアルバムには必ずあった一発で耳を引くキラーチューンはないし、ワザとやってるんやと思うけど、単音リフの曲がモロに「ツェッペリン」なのがどうも気になる・・・。
久々のアルバムとしては上々の出来だと思うけど、次作はもう少し歌メロとオリジナリティを強調してもらいたい。(大好きなバンドなので、コメントは辛口です)
★★★★(9/20)


JUDAS PRIEST 「NOSTRADAMUS」

ジューダス・プリースト渾身の2枚組みコンセプトアルバム。
購入してからレビューするまでに時間がかかってしまったのは、この100分という大作を聴く時間がなかなか取れなかったのと、数回聴いただけで安易にレビューするのは、この作品には失礼だと思ったから。
コンセプトアルバムらしく、ドラマティックで壮大な音世界。彼らはプログレッシヴバンドではなく、「ヘヴィメタルバンド」。コンセプト云々の前に楽曲が良くなくてはならない。
ギターの音色は最高で、このディストーションでザクザク刻まれるリフだけでもゾクゾクしてしまう。さらに、ソロになると、これまで以上にテクニカルなプレイが冴え渡り、特に本家インギーも真っ青なスウィープ・ピッキングの流麗さが耳を引く。
ロブのヴォーカルは、ハイトーンは控えめで、ミドルテンポの曲では、個人的にオジーに聞こえてしまったり。そして肝心の曲。前半は、スピード感控えめのそこそこのメタルチューン占められてるので、心地良く聴けるけど、後半は終盤の今作のハイライトである疾走タイトルトラックに向かうまでがちと重い・・。
「楽曲が良くなくては」と書いたけど、このアルバムは個々の曲をバラバラに聴くものではない。アルバム全体を聴いてこその味わいがある。個人的に名曲は見当たらないけど、何度も繰り返し一気に聴き通してこそ、このアルバムの深さが見えます。
★★★★(9/14)

2008 最新CDレビュー(その1)

2010年11月04日 | 最新CDレビュー
JOURNEY 「REVELATION」

最初聴いた時、1曲目の「Never Walk Away」の素晴らしさと新ヴォーカリストのアーネル・ピネダのスティーヴ・ペリーのソックリ度200%のヴォーカルにブログで思わず大絶賛した。
「今年のベストアルバムかも?」なんて言葉が出るほど感激したのは事実で、ここ最近のアルバムの中では良い出来だと思う。
けど、その後、かなり聴き込んだ後の冷静な評価として満点とはいかない。
まず、過去の名曲からの借りフレーズ・メロディがそこかしこに垣間見られる。
彼らの新たな代表曲になり得る「Never Walk Away」にしても、「Be Good To Yourself+ESCAPE」だし、アルバムの流れをガラリと変える2曲目の「Like A Sunshower」は「Lights」、珠玉のバラード「After All These Years」は「Faithfully」、壮大な「What I Needed」は「Mother, Father」と曲作りの「元ネタ」が分かってしまうのよね・・。
もう一つ。前半は躍動感溢れる楽曲中心の構成で、昔で言うところのA面をきっちりとしっとりバラードで締め括るのは彼らの得意パターン。
けど、後半B面の楽曲が前半に比べて明らかに弱い。前半の楽曲の充実が後半も続けば、聴き終わった後の印象はもっと良くなったかもしれない。このバンドに訳の分からんインストなんて不要だと思う。
良いアルバムだと思うけど、僕のような耳の肥えたファンは簡単には納得しませんよ~
★★★★☆(8/17)


CYNDI LAUPER 「BRING YA TO BRINK」

シンディ・ローパーの新作。
奇しくも、マドンナも同時期に新作を発表したので、実績に差はついたけど、やはり二人は永遠のライバルなのかも。
ここ最近のアルバムは、大人しく、落ち着いた内容が続き、初期のファンの僕としては、ちょっと物足りない内容が続いてたけど、新作はそういう意味では元気一杯、正に「究極ガール」なシンディが聴ける。
テーマは「リズム、ハウスミュージック」ということで、正直ダンスミュージックは僕が最も苦手なジャンル(汗)。
全編、ダンス系で占められたら、さすがのシンディファンの僕も辟易としてしまうけど、完全なダンスアルバムじゃなかったのが嬉しい。
80年代のような王道ポップスからは内容的にハズれてるけど、様々なリズムに乗って、エキセントリックなヴォーカルでキャッチーなメロディを歌い上げてくれる。
個人的に、初期髣髴の「GRAB A HOLD」のような曲がもっと収録されてれば、と思うけどね。
★★★☆(7/20)



TEATAMENT 「THE FORMATION OF DAMNATION」

9年ぶりという新作。
スラッシュメタルバンドの多くが、モダンな方向に進んだしまったけど、このバンドは全盛期と変わらない「ベイエリア・スラッシュメタル」をやってくれる。
メンバーに、名手アレックス・スコルニックが復帰し、ドラムはポール・ボスタフ!
前作がデイヴ・ロンバードやから、まんまスレイヤーの流れ。
本当にどこを切っても「スラッシュメタル!」で、デビュー作の「OVER THE WALL」のような「コレ!」という曲は無いものの、攻撃力、ヘヴィネスに満ちた高水準なアルバムだと思う。
個人的に目玉だったアレックスのギターワークは、期待していた程じゃない・・もっとオリエンタルで変態的な独創的な音使いが聴けると思ったんやけど・・・。
忙しいギタリストやからこんなもんかな?
★★★★(7/20)


LEONA LEWIS 「SPIRIT」

「20年に1度の奇跡-新たなる真の世界的スーパースターの誕生」。
これがこのCDの帯の謳い文句です。
20年に1度と言われるだけの、圧倒的な歌唱力は疑いのないところ。
ブログに書いたけど、マライア・キャリーに声、歌い方とも非常に似ていて、それにホイットイニー・ヒューストンのソウルフルさが加わったという感じでしょうか。
曲もミディアムテンポのバラード中心に、アップテンポなダンサブルなナンバーもあり、偏ることなくバランスの良い作りのアルバムとなってます。
けど、個人的に、今からちょうど18年前にマライアの「Vision of Love」を初めて聴いた時の衝撃があるかというと、そうでもない。
確かに、歌は上手くて良い曲が並ぶ・・けど、まだマライアの類型の範囲内のような気がする。全英・米のチャートを制覇した「Bleeding Love」を超えるモノを期待します。
★★★★(7/5)


MOTLEY CRUE 「SAINTS OF LOS ANGELES」

ドッケンにモトリー・・何時までたっても80’Sな僕にとってはこういうバンドがアルバムを出してくれるのは嬉しい限り。
結論から書くと、このアルバムはファンの期待を全く裏切らない傑作となっております。
歌メロはポップで、音とヴィンスのヴォーカルには毒性とアクがタップリというモトリーらしいBAD BOYS ROCKは健在で、90年代以降の特段悪くはないんやけど、どうもスッキリしないという一連のアルバムよりグっと80年代に立ち返った印象。
その全盛期だった80年代を最も想起させるのが、アルバムタイトルトラックの⑤「SAINTS OF LOS ANGELES」。ヴァースの歌メロに過去の代表曲の香りが漂うけど、こういう妖しい曲にはモトリーらしさが詰まってる。
アルバム全体として、曲に似たり寄ったり感があるので、「Same Ol' Situation」のように超ポップな曲や、「You're All I Need」のようなしっとりバラードがあればなあ~というのは、これだけの充実した内容を提示されているのに贅沢な悩みか・・。
ボートラの「Kickstart My Heart」に迫る名曲はないけど、佳曲がズラリと並ぶ会心のアルバム。
★★★★☆(6/22)


DOKKEN 「LIGHTNING STRIKES AGAIN」

1曲目を聴いてまず思ったこと。
ギターリフの作り、フレージング、独特のタメ具合のチョーキング、音色・・まんまジョージ・リンチやん!!!
今作は、ジョン・レヴィンというギタリストが弾いてるんやけど、彼の本来のスタイルは知らないけど、ここまでジョージを研究し、ここまで完璧に再現するとは!これならジョージじゃなくても、往年のファンもギターについては納得すると思う。
曲?「BACK FOR THE ATTACK」以降のアルバムの中では1番良いんじゃないでしょうか。
DOKKENというバンドは、元々全盛期の頃もミディアムテンポの曲を得意としていたけど、やはりこのアルバムも同じようなミディアム~スローテンポの曲が多くて、曲間のメリハリがついてないような気がするし、マイナー調の曲を朗々と歌うドンのヴォーカルも今一ガツンと心に響かないけど、ジョージと同じジャックオフ・ヴィブラートかと思うくらいの熱い音の揺れと、曲頭から頻繁に切り込まれるオブリガードとスリリングなGソロとLAメタルそのまんまなギターリフで僕は十分に満足してます。
モダンな方向に進む前の全盛期の「ジョージ・リンチの姿」をココに見た!(苦笑)
★★★★(6/8)


FIREFLIGHT 「UNBREAKBLE」

US産ロックバンドの2nd。
「透明感のある女性ヴォーカル」というだけで、ゴシック系バンドかと思ってしまうけど、実際、そういう雰囲気はあるものの、これはEvanescenceのようにモロにゴスではない。
ギターの弾きっぷりは、ここ最近のUSへヴィロックバンド特有の「へヴィ&Gソロ抜き」を踏襲していて、ソロが無いのは残念やけど、ザクザクと刻まれるリズムGは気持ちよい。
VOは、クセの無いの綺麗な声質なんやけど、抑揚が無く一本調子に聞こえてしまう。
個人的に、このVoの平坦な歌唱がマイナスなんやけど、アルバムの大半の曲が3分台半ばなので、コンパクトで聞きやすく、沈み込むことのない非常にキャッチーな歌メロが好印象。特に、②YOU GAVE ME A PROMISE、③BRAND NEY DAYあたりのサビメロは良いんじゃないでしょうか。とても聴きやすいヘヴィROCK作です。
★★★(6/1)


ASIA 「PHOENIX」

オリジナルメンバーでのこちらは25年ぶりというアルバム。
Voはキング・クリムゾン、GとKeyはイエス、DrはEL&Pという超スーパープログレな面子によるポップな作品で、僕のようなヘヴィメタルもプログレもポップスも好きという輩には堪らない逸品。
初期と同様、ちょい聴き非常に取っ付きやすい曲で、よ~く聴くと達人による巧みのワザが光る。バックで嫌味なくピロピロと弾くハウのエスニックなギター、ジェフの万華鏡のようなカラフルなKey、これら特徴的な演奏陣よりも耳を引くのがジョン・ウェットンのウォームで優しいヴォーカル。嬉しいのが、単なる「4分間ポップス」で終わってないこと。ポップな曲はとことんポップで、バラードはどれも強力な癒しレベルをキープしつつ、「ASIA」、「ALPHA」よりもプログレを感じさせてくれる8分を越える大作が収録されてる。
これだけのハイレベルな楽曲と演奏、アルバム全体の曲バランス・・ここに来て最強レベルのアルバムを提示してくれたことに恐れ入る。よくここまで「演歌」とも言える日本人好みの優しいクサメロが作れるもんや(苦笑)拍手喝采モノの傑作。
★★★★★(6/1)


WHITE LION 「RETURN OF THE PRIDE」

何と、17年ぶりという復活アルバム!
復活といっても、ギタリストには名手ヴィト・ブラッタではなく、ジェイミー・ロウ。ギターはヴィトのような派手さはなくとも、アメリカンHRに忠実なギタースタイルで、特段不満は無い。
アルバムはいきなり9分弱という大作で幕を開けるけど、冗長なイメージはなく、ドラマティックな曲展開は意表を突く立ち上がりと言える。
続く2曲目のDREAMはバラード風で重い感じがするけど、メロディがホワイト・ライオンらしい哀愁&キャッチーなので、ここで早くも往年のファンは溜飲を下げるのでは?
3曲目でようやく?シンプルなハード・ロックンロール曲が出てくるけど、アルバム前半の重い雰囲気は、後半に進むにつれ薄れていく。
アルバムを支配するのは、乾いたギターの音色とメロディックなヴォーカルメロディ。
メロディの質はさすが!と思わせるけど、肝心のマイク・トランプの声がしゃがれてダミ声風なのはちょっと・・。時に、スティーヴン・タイラーに聴こえてしまったり。
珠玉のバラード「NEVER LET YOU GO」にググっと来た。上々の復活作です。
★★★★(5/31)


DEF LEPPARD 「SONGS FROM THE SPARKLE LOUNGE」

デフレパの最新アルバム。
ダークな1曲目を聴いた瞬間、「こりゃ、ダメかな?」と思っていたら、2曲目から「らしさ復活」で以降の楽曲は純粋に楽しむことが出来た。
正直、前作「X」は余り好きじゃなかったけど、このアルバムには満足している。
彼らならではのキャッチーなメロディ、分厚いコーラスワークは健在で、変に力むことなくリラックスしながらサラサラ~っと作り上げた印象で、曲も爽快なロックンロールからしんみりバラードまでバラエティに富んでいる。
音自体は、もはや「ハードロック」と呼べるギリギリの所まで来てるのかもしれないけど、そもそも、そんなハードロックやのへヴィメタルやのジャンル分けをする必要のないバンドなのかもしれない。
「Hysteria」は傑作で、未だ愛聴している。けど、このアルバムを聴くと、その細部に渡る作り込み故の「疲れ」が残る。このアルバムを聴いた後には「疲れ」が残らない。肩肘張ることなく聴くことが出来るROCKの名盤だと思う。
★★★★☆(5/17)


THE BLACK CROWS 「WARPAINT」

アメリカンROCKバンドの7年ぶりのニューアルバム。
シングル①「Goodbye Daughters of the Revolution」こそ往年のカッコ良いロックンロールやけど、②「Walk Believer Walk」でゆったりまったりのブルースSong。
①のようなタイプの流れで押すのではなく、アルバム全編通じて基軸となってるのが、こういったブルースであり、カントリー、フォーク、R&B。
スライドギター、ピアノ、ハーモニカ等を駆使した典型的な南部の香りのするRockで今作は非常に泥臭い!こういった音楽は日本では余り受け入れられないのかもしれないけど、僕にとっては非常に心地よい音で、かなりの好感触。
「やはりアメリカンROCKは素晴らしい!」と思わせる傑作に仕上がってます。
★★★★(5/10)


WHITESNAKE 「GOOD TO BE BAD」

ホワイトスネイク久々の新作!
ギターは、ダグ・アルドリッチとレブ・ビーチ。ざっと聴いた感じでは、どこをどちらが弾いてるのかは分からない。
けど、主に曲を作ったのが、ダグをいうことで、ギターリフはダグが弾いてるのかな?
そのダグがデイヴィッドと共同で作ったという曲は、はっきり言うと「地味」。
得意の16ビートのグルーヴィな曲が多く、ノリは良くてもメロディに華が無い。
二人のGプレイは文句無しに上手く、聴けば聴くほどそのプレイのスーパーぶりに溜息が出るんやけど、ジョン・サイクスやスティーヴ・ヴァイのような派手さはない。
「サーペンス~」や「スリップ~」の頃とは時代も変わったし、デイヴィッドも年齢を重ね、トム・ウェイツのように声がしゃがれていく・・・
こういった落ち着きのある大人なハードロックアルバムを僕は求めて無かったんやけど、しゃあないか。
★★★☆(5/1)


SHERYL CROW 「DETOURS」

シェリル・クロウの最新作。今や数少ない女性シンガー・ソングライターやけど、久々に彼女のアルバムを買ってみて、純粋に「良いなあ」と思った。
音作りも至ってシンプルで、煌びやかで音数の多い音楽が多い昨今、これほどまでにアコースティック・ギターと歌声がダイレクトに響くアルバムも珍しいのでは?
これだけシンプルにまとめ上げるなら、聴き手への勝負所は、楽曲と歌に絞られる。
その楽曲は、適度に耳に馴染むメロディが配され、力強くも女性らしいシェリルのヴォーカルがそれを歌い上げ、どちらも十二分に魅力的。
全14曲。アルバム構成も絶妙で、例えば、ささやくような弾き語りの①「God Bless This Mess」で幕開け、ダイナミックなROCK②「Shine Over Babylon」への流れはドキっとさせられる。この辺りが巧みで、飽きることなくCD1枚何度でも一気に聴き通せる。

原点回帰とも言えるカントリーな雰囲気が堪らんです。
★★★★(4/21)


ACTION 「ACTION」

ボストン出身のメロディアスハードロックバンドの本邦デビュー作。
聴いた瞬間、あまりの素晴らしさにブログで絶賛してしまったけど、それから聴き込みを重ね、約一月経った今でもこのアルバムが素晴らしいということに変わりない。
全曲めちゃんこキャッチーでポップなうえ、コーラスワークは爽やか、ギターもライトハンド、トレモロアーム奏法をメインに往年のアメリカン・テクニカルギタリスト直系で、もはや文句の付けようがないアルバム。
ここ10年で聴いたどのメロハーアルバムよりも素晴らしい!
中学生の時、ジャーニーやサバイバーのアルバムを初めて聴いた時と同じくらい感動した。
新鮮味な無い音楽やけど、80年代から登場したのポップなアメリカンHRバンドの良い部分を抽出したようなアルバム。
これぞ傑作!既に今年のNO.1アルバム確定~♪
★★★★★(4/12)


THE MARS VOLTA 「THE BEDLAM IN GOLIATH」

4作目。
このバンドの音は本当に凄い・・・。プリンス系の爬虫類ヴォイスで、訳の分からん曲を歌われた日にゃ・・気持ち悪くなってきます(苦笑)。
元々、パンク、ハードコア上がりのバンドだけに、音にはそういう部分が残ってるんやけど、そういうのが一体となった混沌。この摩訶不思議な曲展開、構成、音・・どういう精神状態で作ってるんでしょうか。
この音と真っ向から対峙すると苦しくなるので、聞き流す方が良いのかも。
とはいえ、安易に聞き流せる音楽でもないし。
①「ABERINKULA」のような、ストレートな曲展開とは程遠い突拍子もない先の読めない展開が好きなんやけど。(個人的にこの曲は名曲)この混沌としたインプロ・・・この雰囲気は正に「イタリアン・プログレやん!」
★★★☆(3/16)



TOBIAS SAMMET’S AVANTASIA 「THE SCARECROW」

「AVANTASIA」シリーズ3作目。
今作は、シンフォニック且つファンタジックだった過去2作とちょっと趣が違って、音の作りもよりストレート、ダイレクトで、「メタルオペラ」という感じではなくなってます。
と言っても、マイケル・キスク、アリス・クーパー、ボブ・カトレイ、ヨルン・ランデといった個性的な声を持つROCK界のスター達がこれだけ揃うプロジェクトは聴き応え抜群で、他のアルバムでは聴くことができません。
EDGUYの疾走曲を彷彿させる③「SHELTER FROM THE RAIN」、⑥「ANOTHER ANGEL DOWN」などを除いて、しっとりとしたバラード風の曲の印象が強く、中には普通のROCKやポップスのような曲もあって、トビアスの幅広な作曲能力を堪能できます。
良いアルバムとは思うけど、僕がこのプロジェクトに求めていたオペラティックな方向性とはちょっと違うかも。多数のゲストが歌うバラードが増えたEDGUYといったイメージなんかなあ。EDGUYの最新作よりは何倍も良いと思ったけど。
★★★☆(2/16)


BULLET FOR MY VALENTINE 「SCREAM AIM FIRE」

話題のUK産新世代ヘヴィメタルバンドの2nd。CD店へ行った時、このアルバムの曲が店内ガンガン流れていて、店内にいながらナチュラル試聴状態でした。
まず①、②と聴いて、ヴォーカルの歌い回し、スラッシーなギターリフなどから、メタリカ系か?と思ったら、③で突如ポップなメロコアバンドに変身。コイツらは一体どちらを向いている?その後を聴くと、③が確変だったことに気付く。
音は硬派で正統派。曲はメロディックなツインリードが絡むスラッシーなヘヴィメタルで、全般的にアグレッシヴ・・なんやけど、基本はディストーションヴォイスによるジェイムズ・ヘットフィールドな唱法、しかし、そこかしこにノーマルヴォイスでの聴きやすいポップな歌メロが登場するという一本筋が通っていない奇妙な音楽性・・こんな感じでしょうか。
けど、僕は、アルバムの中で③「HEARTS BURST INTO FIRE」が1番気に入ってるという、おそらく彼らの本質とは違う趣向の持ち主なので、今回のこのアルバムの評価は未だ微妙。
★★★(2/16)