この夏の紙ジャケ再発記念!ということで、今月は禁断?の初期中森明菜特集。
僕は中森明菜よりも松田聖子の方が好きなんやけど、下に紹介するアルバムは、中学時代に友人からダビングしてもらった凄く思い入れの強いアルバムばかり。
当然、全て当時の愛聴盤でした。
シングル曲以外にも、良い曲というのは収録されてるもんなんです。
これらのアルバムは全てずっと廃盤だったので、社会人になってCDで揃えるのに非常に苦労しました(汗)
凄く音の悪いCDなので、再発紙ジャケでどうなってることやら・・・。 (2006.3.26)
プロローグ(序章) (1982)
記念すべきデビュー作。裏ジャケの写真もおぼこくて、とても中森明菜とは思えない。
当然、収録シングルは「スローモーション」。
アイドルとは思えないちょいとヤンキーがかった大人っぽい歌唱は既に健在で、いきなり非常に高い完成度を誇ります。
①「あなたのポートレイト」、⑨「ひとかけらのエメラルド」というしっとり系の曲と、②「BON VOYAGE」⑤「Tシャツ・サンセット」というポップ系、そして大人のロックと言う感じの④「条件反射」⑩「ダウンタウンすと~り~」という概ね3パターンの楽曲をさらりと歌いこなすのは流石。
バリエーション(変奏曲)(1982)
2ndアルバム。
収録シングルはヒット曲「少女A」。僕は小学生の時この曲で中森明菜を知ったんやけど、その曲調のせいか、当時のTVで見た印象はちょっと悪ぶったヤンキーネエちゃん。今聴いてもこの曲は全く色褪せてませんね~。名曲です。
シングルが大ブレイクした時のアルバムなので、楽曲の充実度は最高レベルで、②「キャンセル!」から④「哀愁魔術」⑤「咲きほこる花に・・・」⑥「ヨコハマA-KU・MA」
⑦「メルヘン・ロケーション」とシングルにしてもおかしくないレベルの楽曲がズラリと勢揃い。ラストのバラード「カタストロフィの雨傘」まで完璧。初期最高傑作はこのアルバムか。
ファンタジー (1983)
曲ではなく、いきなり明菜からの「語り」から始まる初期3部作のトリをつとめるアルバム。
収録シングルは来杉たかお作曲の超絶名バラード「セカンド・ラブ」。
この名曲以外で僕のお気に入りは、軽快なポップスの③「アバンチュール」と哀愁のメロディが印象的な⑥「目をとじて小旅行」。当時はこの2曲を集中的に聴いてました。
これら3曲以外の曲がちと弱いかな?
NEW AKINA(エトランゼ) (1983)
なぜかこのアルバムにはシングルが収録されてません。(おそらく単にベストアルバムの「メモワール」が発売されたからやと思うけど)
ジャケの写真の大人っぽいものになり、曲の方もこれまでのアイドル路線が影を潜めて大人びた曲が大半を占めます。
イントロのピアノを聴いただけで作曲「谷村新司!」と分かってしまう「感傷旅行」、暗~い歌詞を聴いただけで作詞「谷村新司!」と分かってしまうラストの「覚悟の秋」の2曲を聴いただけでも、ちょっとここまで暗くせんでも・・・と思ってしまいます。
少女Aの流れを汲むアダルトROCK「少しだけスキャンダル」といった曲も収録されてるんやけど、アルバム全体の印象はダークで、異色です。
ANNIVERSARY (1984)
前作の反省?からかこのアルバムからは曲調も明るくなって、ここから反撃が始まります。収録シングルは明菜の中でも大好きな部類に入る「北ウイング」。
以降の大人路線と、これまでのアイドル路線との丁度狭間のアルバムに当たるので、音的にも丁度中和された感じの出来になってます。
このアルバムで、僕のお気に入り曲は②「まぶしい二人で」と南国のムード漂う弾けるようなポップスの⑥「100℃バカンス」。
これまでの雰囲気からはガラっと変わった印象を与える6作目です。
POSSIBILITY (1984)
収録シングルでは僕が中森明菜で1番好きかもしれない「サザン・ウインド」(名曲だと思ったら、作曲は玉置浩二さんだったんですね・・)と「十戒」。
ラストには「北ウイング」と曲調がソックリなまさに「~北ウイングPARTⅡ~」というサブタイトルのとおりの「ドラマティック・エアポート」が控えます。
高中正義作②「秋はパステルタッチ」もなぜか異様に好きな曲で何度も繰り返し聴いた記憶があります。
来生たかお作の⑤「地平線」と⑧「白い迷い」の2曲も寂しく暗い曲調で、このアルバムは全体的に華やかさに欠け、暗いトーンでまとめられてます。
裏ジャケ写真の太モモの露出具合といい完全に脱アイドル路線を果たしたアルバムだと思います。
BITTER AND SWEET (1985)
アルバムタイトルから分かるように、A面は「BITTER」で、B面は「SWEET」という構成。
収録シングルはご存知、井上陽水作「飾りじゃないのよ涙は」。
攻撃的なタイプの曲が多いA面の中でも⑤「バビロン」はダンサブルで明菜にとっては有り得ない曲かも(苦笑)。
B面に入って角松敏生作のノリの良い必殺ポップナンバーの名曲⑥「UNSTEADY LOVE」で幕開け(ギターも当然、角松さんが弾いてます)。以下AORな雰囲気の高品質なポップスが並びます。
このアルバムでまた数段グレードアップした印象を受けます。初期の頃の青臭さは全く感じられないアートワークも色っぽい傑作アルバム。
D404ME (1985)
初期中森明菜の集大成的なこれまた傑作アルバム。
収録シングルは日本レコード大賞受賞曲である「ミ・アモーレ」。
キャリア的にピークだったのがこの頃かな?と思わせる充実の内容。
全ての曲がシングル候補と言っても過言ではなく、大貫妙子、飛鳥涼、タケカワユキヒデ、忌野清志郎といった豪華な作曲陣がバックアップしてるんやから当然かも。
A面は全体的には大人っぽいシックな内容で、壮大なバラード⑤「ピ・ア・ス」で締め括ると、B面に入ってからは、やけにポップな⑥「BLUE OCEAN」で幕を開け、摩訶不思議な雰囲気を持つ⑦「マグネティック・ラヴ」、ノリノリROCKナンバー⑧「STAR PILOT」とガラリと方向性を変えて、聴き手を飽きさせずに楽しませてくれます。
僕がアルバム単位で楽しめた最後のアルバム。