定ちゃんの部屋

音楽大好き人間の定ちゃんのページです
(from 2006.1.18)

『Thirteen』 Harem Scarem

2014年12月28日 | 最新CDレビュー
今年最後の新作CDのレビューは、カナダの誇るハードロックバンドのその名も13作目。

彼らのCDを聴くのは久しぶりで、「Rubber」に改名してからは聴かなくなったので、「Big Bang Theory」以来16年ぶり。

いや~これを聴く限り、曲は全く劣化していないし、1990年代の頃のハードでメロディアスな楽曲が満載。
リフワークはエディ・ヴァン・ヘイレン、音色はヴィト・ブラッタ、ミュート・プレイはロニー・ル・テクロという3人のスーパーギタリストを組み合わせたかのようなピート・レスペランスは流石のプレイを披露。
バラード良し、ハードポップ良し、全て良し!
「Mood Swings」に匹敵する出来!!
★★★★★

『Sonic Highways』 FOO FIGHTERS

2014年12月27日 | 最新CDレビュー
アメリカンロックバンドの8作目。
前作はグラミー賞総ナメの名作で、名曲オンパレードの稀代の逸品だった。

そして今作は、まずジャケが素晴らしい。



アメリカの各都市(シアトル、シカゴ、ニューヨーク、ロサンゼルス、ワシントンDC、オースティン、ニューオリンズ、ナッシュビル)でレコーディングされた全8曲という最近にしては曲数が少ないアルバムとなっていて、その都市の象徴する建物が組み合わさっているジャケとなっている。

80年代は、LP1枚に8~10曲というのが定番だったので、この曲数はある意味懐かしいというか、ちょうど良い。

その前作は、一発で耳に残るメロディが満載だった。
今回は、「一発で」という曲もあるけど、若干曲調が複雑になっている。

「Wasting Light」が最高傑作だと思うけど、このアルバムもけして悪くはない。
即効性が薄れた分、何度でも飽きずに聴けるし、アメリカンな雰囲気が堪らない。

今年1年間の新作で、最も聴いたのはコイツです。

★★★★★

『Rock Or Bust』 AC/DC

2014年12月20日 | 最新CDレビュー
6年ぶり16作目の新作。



新作が出るたびにCDを買ってるけど、このバンドの場合、ある意味期待を裏切らない。
逆に言えば、「ワンパターン」・「どの曲も同じ」なので、面白みも新鮮味もない。
マルコム・ヤングが不在だろうが何だろうが、このバンドの音・曲は何ら変わらない。

特段目新しいこともなく、何所を切っても「金太郎飴」なアルバムで、どれも相変わらずのAC/DCの曲です。
強いて言うなら、1曲目~4曲目までノリが良曲が並んでいるので、聴いていて気持ちが良い。
但し、バンドの代表曲になり得る名曲、例えば「Back in Black」「Whole Lotta Rosie」「You Shook Me All Night Long」「Thunderstruck」級の曲は見当たりません。

昔、マンションで爆音で「BACK IN BLACK」を流していたら、たまたま来た宅配の兄ちゃんが
「カッコ良い曲ですけど、何というバンドですか?」と尋ねてきたということがあった。

このバンドは本当に爆音がピッタリ。

★★★★



『Songs of Innocence』 U2

2014年12月13日 | 最新CDレビュー
U2の新作です。



CD店へ行くと、たくさん山積みされてるけど、このCDを買う人がどれだけいるのだろうか?
音楽ファンならご存知のとおり、iTunesで9月に無料配信されたので、僕は自動的にこの新作を聴くことが出来た。
CDという媒体はないけど、普段、スマホ・iPodで聴く分には問題ない。

「勝手にスマホにダウンロードされるので迷惑だ!」という人も多いようだけど、これだけクオリティの高い音楽をタダで聴けるとは非常に有難い。

冒頭から、非常にメロディにフックがある①The Miracle (Of Joey Ramone)
アルバムでも屈指の出来の②Every Breaking Wave
爽快な③California (There Is No End To Love)
と畳みかけるように名曲が並び、
曲調は違えど、名作『Joshua Tree』の①「Where The Streets Have No Name」、②「 I Still Haven't Found What I'm Looking For」、③「With Or Without You」にひけを取らない。

この数カ月、ず~っとヘビロテで、ここ最近のU2のアルバムの中でも1番のお気に入り。
中古屋でCDが売りに出されたら、買うつもりです。
★★★★★

『World on Fire』 SALSH

2014年11月30日 | 最新CDレビュー
スラッシュの新作です。



好きなギタリストは、エディやヌーノなどのテクニカル系なので、スラッシュは特別に好きなギタリストじゃないけど、アルバムが出ればいつも買ってしまう。

それは、ガンズの再来を願ってる訳じゃなくて、
今時こんな「ハード・ロックンロール」をやっているのは知っている限りスラッシュだけではないかと。

そして、このアルバムも聴いてみれば、1曲目から「うぉ~カッコいい!」と思わず唸ってしまう。
スラッシュのギターはテクニカルではないけど、独特のカッコ良さと味がある。
オリジナリディもあるし、本当に良いギタリストだと思う。

全17曲というボリューム感なので、通しで聴くとちょっとしんどくなってくるので、もう少し曲数を絞っても良かったと・・

アルペジオのクリーンな音色を聴くと、あの頃を思い出した。

★★★★


『Blind Rage』 ACCEPT

2014年11月29日 | 最新CDレビュー
再結成後の3作目。

前作は名盤と言える傑作だった。



そして今作。
実は、最初は買うつもりはなかったけど、たまたま「Stampede」のPVを見て、そのあまりのカッコ良さに感動してCDを買った。

この曲はウルフ・ホフマンの長~いメロディアスなギターソロが堪らない。
超名曲ではないけど、ヘヴィメタル、アクセプトというバンドの魅力が全て詰まった名曲。

アルバムは、聴きようによっては、AC/DCと聴きちがえる程ソックリなマークの男クサイ歌声が暑苦しく炸裂する漢メタルのオンパレード。

前作と同様、今作も傑作です。

★★★★☆

『永遠(TOWA) 』 PINK FLOYD

2014年11月22日 | 最新CDレビュー
フロイドが20年ぶりにアルバムを出すというのは、かなり前からチェック済だった。

まず、予約するのに悩んだ。

1 限定のブルーレイディスク付きは6,500円
2 限定のDVD付きは5,500円
3 通常盤は2,400円

フロイドは、プログレバンドの中では1番好きなので、ここでケチって後で後悔しても・・・と2番目のDVD付きのを予約注文。

 

そして約一カ月経過。
ようやく届いてみたブツを見てまず思ったのは「デカイ!!」
これじゃCDラックに並べられへん。
箱を開けてブックレットやフォトカードなどの特典を取りだし、ようやく最深部に格納されたCDとDVDに辿り着く。

そして聴いてみた。

全18曲。
1~17曲目までがインスト。
ヴォーカル入りは最後の曲だけ。

まずコレってどうよっ!

そのインストも、過去の使い回しのフレーズや音使いが多々あり、楽曲としても幻想的で静かなものばかりで、音は確かにフロイド以外の何物でもないけど、おおよそ退屈というか、眠気を誘う・・。
「吹けよ風、呼べよ嵐」のようなインストは期待しないけど、どうもねえ~
夜寝る前のBGMとしては最高レベルなのかもしれないけど。

「鬱」、「対」のギルモア・フロイドも結構好きだったので、この内容には正直ガッカリ。
渋いギルモアの歌モノがもっと欲しかった。

★★★



『贖罪の化身』  JUDAS PRIEST

2014年09月06日 | 最新CDレビュー
久々に、本来のブログのメインである音楽ネタです。
日々音楽は聴いてますし、CDも昔に比べて枚数は減ったけど、月1枚は買ってます。
ただし、メインで聴くのは、新作ではなくて、80年代あたりの古いアルバムばかり聴いているという次第です。

紹介するのは、メタルファンなら誰しもが知っているメタル・ゴッドこと、ジューダス・プリーストの17作目。



僕は、生粋のアメリカン・ROCK好きなので、ブリティッシュであるジューダスのファンではありません。
ただ、ヘヴィメタル好きとして、彼らをスルーする訳にはいきません。

すっかりお爺ちゃんになったけど、やってる音楽は相変わらずの正統派メタルで、キラーチューンこそないものの、充実の内容となっております。
ロブも全盛期程の声は出てませんし、時にはオジー・オズボーンのように聴こえる時も。
ヘタウマの典型だったグレンとK・K・のからグレンとリッチーに変わったけど、ギターについては変わった感はありません。

何度か聴いてみると、一つ気になることが。

まず、2曲目の「Redeemer Of Souls」が「Hell Patrol」なのはさておき、本作のハイライト曲であろう③「Halls Of Valhalla」と⑫「Battle Cry」のメインリフが、「Painkiller」と同じパターンだということ。
これだけリフを編み出せば、ネタ切れなのかもしれないけど、結局「良いな~」と思える曲が過去ネタというのは少し残念かも。

★★★★

『HIGH ROAD』 NIGHT RANGER

2014年06月15日 | 最新CDレビュー
記念すべき10作目。


メンバーは傑作だった前作と一緒。

1曲目のアルバムタイトルSongは、お約束ともいえる爽快アメリカンHR。
出来としては、まあ普通。
「Growin' Up In California」の弾けっぷりに比べると、まだまだ大人しい。

あとは・・・得意のバラードや、ちょっと風変わりな曲もあるけど、どうもしっくりこない。

買ってから何度となく聴き込んだ(というか、最近このCDしか買っていない)けど、イマイチという評価しか出てこない。
何とか、1曲目が彼ららしさを保ってるという感じ。

やはりナイトレと言えば、明るくポップで分かり易いメロディが肝。
今回はそのメロディが印象的じゃない。

中学生の時から、かれこれ30年間ずっと聞き続けてる非常に愛着のあるバンドなので、余計耳が肥えてるのかもしれないけど、そもそも彼らにハマった曲は、「Don't Tell Me You Love Me」ではなくて「Sing Me Away」。

時代錯誤と言われようが、これくらポップで分かり易いアメリカンHRをやってくれるのは彼らしかないので...
★★★

BABYMETAL

2014年03月12日 | 最新CDレビュー
週末。
大阪のとある大型CD店にて、新作CDをあても無く物色していた。

いつものように、洋楽コーナーのAからZまで一通り見て、特に欲しいCDも無かったので店を出ようとすると、J-POPのコーナーから、あり得ない強烈なDEATH METALなイントロが流れてきた。
店内で流れるほど日本にもメジャーなデスメタルバンドがあったんか・・・と踵を返して音の主であるモニターに行くと、何と!画面には可愛い女の子3人組みが。

バックの演奏はそんじょそこらの生温いヘヴィメタルも真っ青の本気の激烈メタル。
そしてその3人組みが歌い出すとブッたまげた。
可愛い声で「ずっきゅん」「どっきゅん」って・・・・・・

これは新ジャンルか?デスメタルとアイドルの融合??

思わず最後までビデオを見てしまい、さらにはDVD付きのCDも買ってしまった(汗)

「40過ぎのオッサンがアイドルのCDを買うのではない。クリーンな女性ヴォーカルのデスメタル・プロジェクトのCDを買うのだ」と心の中で言い聞かせながら...

 

彼女達のことは全く知らなかったけど、活動は随分と前からのようで、これが初のアルバム。
アニメSONGとヘヴィメタルの融合が「アニメタル」なら、アイドルとヘヴィメタルの融合は「Babyメタル」ということか。
僕が一瞬にして耳を奪われたビデオクリップは、「ギミチョコ!!」という曲で、奇想天外な歌を抜けば間違いなく真正デスメタル。

他の曲はというと、正統派スピードメタルや、スラッシュメタルやら色々で、楽曲のベースは紛れもなく「ヘヴィメタル」。
僕のようなメタルファンなら気付くと思うけど、往年のヘヴィメタルバンドへのオマージュもアルバム内に散りばめられている。
例えば、
⑧「4の歌」のメインギターリフは、まんまMETALLICAの「Master Of Puppets」だし、
⑬「イジメ、ダメ、ゼッタイ」のイントロの「ア~」というシャウトとギターリフはHELLOWEENの「Ride the Sky」。(もっと聴き込めば他にも気付くかもしれないけど)
もっと言うと、ジャケの色調は、スイスのゴシックメタルバンド、Lacrimosaを彷彿させる。

歌詞が奇抜というのと、クリーンなアイドルVoということで、バックはヘヴィながらも歌だけ聴けばアイドルちっくで、バックの音は爆音という今までこの組み合わせはあるようで無かったので斬新。

お気に入りは、IN FLAMESなバックの演奏とコミカルな歌のギャップが堪らない③「ギミチョコ!!」と和のテイストが陰陽座ちっくな②「メギツネ」。

これはアイドルではなくて、新たな「ヘヴィメタル」なので、普通の音楽を好む人が聴けば、絶対「喧しい音楽」だと思うでしょう。
実際、コアなメタル好きでもなけりゃ、「ギミチョコ!!」のイントロを20秒も聴けないと思います。

★★★★☆

Red Dragon Cartel

2014年02月26日 | 最新CDレビュー
2014年になって、初めて買ったCD。(とは言っても、発売されたのは年末です)

『レッド・ドラゴン・カーテル』とう見知らぬバンド名だけど、ジェイク・E・リーとくれば、分かる人も多いハズ。

そう、かつてオジー・オズボーンのギタリストだったジェイクの復活作なのです。



1曲目の「Deceived」のイントロを聴いた瞬間、「おっ!」と思った人は、僕と同じアラフォーのメタルオジサン。
オジーの「月に吠える」とほぼ全く同じギターリフは、僕のようなOldメタルファンとしては、少々やりすぎかなと思った・・・
HR史に残る名曲・名リフを少々アレンジして同じようなカッコ良い曲を簡単に作りましたという感じ。

そして、3曲目「Feeder」。ボーナストラックにアコースティックVer.も収録されているくらい力が入ってる曲だろうけど、ヴォーカルの歌い回しも含め、これまたどこを切っても「オジー・オズボーンの曲」にしか聴こえない。
試しに、オジーの直近の「LET ME HEAR YOU SCREAM」と聴き比べれば面白いかも。

後半に入り、特筆すべきは8曲目の「War Machine」。
これまた、どこを切っても「ブラック・サバス」。

このパクリ3曲のお陰で、アルバムの印象は良くないけど、他の曲はHRの王道のような曲ばかりで、けして悪くない。

歴代オジーバンドのギタリストの中でも、テクニック的にはNo.1のジェイクが弾いているというだけで、ギター弾きなら十分満足するんやけど。

内容としては、オジーの『月に吠える』と『罪と罰』の中間に発売された「オジー・オズボーン」のアルバムと言われてもおかしくない。

何だかんだ言って(今年コレしか買ってないというのもあるけど)、2か月近くヘヴィロテCDになっているほどお気に入りなんやけどね。

やっぱ、「バカだもーん」のギターリフはカッコええなあ

★★★★☆



『LIFE, LOVE & HOPE』 BOSTON

2014年01月03日 | 最新CDレビュー
あけましておめでとうございます。


今年もよろしくお願いします。

このブログも更新回数はめっきり減りましたが、細々と書き綴っていきます。


さて、以前お知らせしたとおり、BOSTONの新作が11年振りに出ました。

 

このブログでもちょくちょく出てくるように、僕はこのバンドが大大大好きなのです。

ブラッド・デルプはいないけど、トムが居る限り、BOSTON健在!というところを聴かせて欲しい。
何はともあれ、あのメロディを聴きたい!という思いで、予約してまで楽しみにしてました。

CDをセットして流れたきた①Heaven On Earthは、かつてのオープニング・ナンバー「More Than A Feeling」、「Don't Look Back」、「Amanda」には劣るけど、一聴してBOSTONと判る「らしい曲」で、「本当に帰ってきたんやな~」と感激。

そして、インストやブラッドが歌う曲を挟み、このアルバムのハイライトが⑤「Life, Love & Hope」。
「Peace Of Mind」と「Still In Love」をミックスしたようなイントロのギターフレーズだけでKOされた。
こういうウェストコーストの香りのする爽やかさは、他のバンドでは味わえない。
更に驚いたのが、てっきりブラッドが歌ってると思ってクレジットを見ると、ブラッドではなくトミー・デカーロということ。
この声質なら、ブラッド亡き後も何の違和感もなくBOSTONらしさは出る。

この2曲だけ特出ししたけど、正直アルバム全体の出来は、かつての名盤には劣る。
ヴォーカルが混在しているのが、アルバムの統一感の無さに繋がってるのか?とも思うけど、ブラッド不在でも「WALK ON」という名盤を発表したので、曲のクオリティが下がったと言わざるを得ない。

不満を言いだせばキリがないけど、超コダワリ派のトムが仕上げた音楽なので、悪いハズがない。
少なくとも、「Corporate America」よりは良くできていると思う。

かつての名曲への想いを抜きにして、アルバム単品で聴いてみると、こんな美しくも重厚なギターハーモニーを聴かせるバンドは他には見当たらず、上質なアメリカン・ROCKに違いない。

アルバムのそこかしこに聴くことができる宇宙船が飛び立つイメージの「キュ~~ン」というピック・スクラッチの変わらぬ音がホントに懐かしい。

個人的な思い入れもあって、満足度は当然
★★★★★




『NO MORE HELL TO PAY』 STRYPER

2013年12月01日 | 最新CDレビュー
80年代は、クリスチャン・メタルバンドとして、一時代を築いたストライパーの新作。



ジャケは、同時期に発売のマイケル・キスク擁するPLACE VENDOMEとソックリ。
裏ジャケの黄色と黒のストライプに身を包んだメンバーショットは、顔がおじちゃんになった以外は80年代そのもの。

音のほうも80年代していて、リヴァーブをカットしたエッジの効いたディストーションたっぷりのギターの音色は、悪く言えば古臭いけど、良く言えば伝統の80年代メタルを踏襲したもの。
ギターソロもアメリカン・HRの王道まっしぐらのプレイ満載。

この手のHRバンドのアルバムの1曲目は、勢いのある曲を持ってきて聴き手のハートをガッチリ掴むのがお約束だけど、期待の1曲目がモッサリしていて、?マークが付く。
そして2曲目のタイトル曲。
こういったメロディックなミドルテンポの曲こそ、かつての「Calling On You」「Always There for You」を生み出したバンドの真骨頂。
しかし、その名曲レベルには達してないけど、マイケル・スウィートの歌メロに往年の感じが出ていてちょっと安心。

この重い展開に、「これも過去の復活作と同様、これまたダーク路線か?」と思ったところで、3曲目にして手数の多いギターリフ、マイケルのシャウトと共に疾走する。

アルバム全体を通じて、完全に全盛期に戻りきったか?と言うとそうではなく、往年の音、メロディを垣間見ることが出来るという程度。
そりゃ、今更全盛時のアルバムを作れ!というのが無理なのは分かるけど、メロディの質がもう少し・・・という感じ。
⑨「Sticks & Stones」はもう少しメロディを煮つめれば・・

嬉しいのは、中~終盤に掛けて魅力的なスピーディなHRチューンが配置されているということ。
たまたま代表曲がミドルチューンだったということで、ついそういうものを期待してしまうけど、本来こういった手数の多いギターリフの疾走曲こそがハードロックの醍醐味。
ベテランになってもこういう曲をやってくれるのは、美しいコーラスワーク、名曲の欠如の穴を埋めるには十分。

ただ、リアルタイムで『In God We Trust』を聴いてきた者としては、やっぱり「Always There for You」級の目玉曲があればなあ~と思ってしまう。

今は2013年。
25年前のように、HRバンドがキャッチーなコーラスで歌謡曲のようなポップなメロディを歌う時代ではないか...

★★★★

『SAVAGES』 GLAMOUR OF THE KILL

2013年11月23日 | 最新CDレビュー
大型CD販売店に久しぶりに行った時に、HR・HMコーナーで山積みになっていた。

若手HRバンドの2ndアルバムで、『恐ろしくキャッチーなヴォーカルメロディ』という帯の文句が気になり、全く予備知識なしに買った。



このバンドは、僕の主食とする「アメリカンHR」ではなくて、英国産。
英国のHRというと、様式美、湿り気のあるメロディ、パンキッシュなサウンドというイメージ。

実際聴いてみると、アメリカのバンドようなカラリとした爽やかさや明るさはなく、ブリティッシュ特有の抒情的なメロディを聴かせてくれる。
しかも音の方がかなり攻撃的で、特に②「Second Chance」はアイアン・メイデン顔負けのスピーディなギャロップリズムに乗ったメロディアス・メタルナンバーで、なかなかの名曲だと思う。

バラードの類のものはなく、強いて言えば⑩「Tears Of The Sun」がそうなのかもしれないけど、アルバム通して勢いのある曲が中心。

ヴォーカル(声質)が個人的にメタルを感じさせないし、コーラスを含めてのアレンジが「今風」というか「メロコア」で、伝統的なHR・HMとは乖離している部分も多いけど、今のヘヴィメタルはこれだ!と思えば、僕のようなOldメタル・ファンには逆に新鮮に感じる。
こういう若手のHRバンドにしてはかなりの出来のアルバムだと思う。

繰り返すけど、②は名曲だし、⑧「Leave It All Behind」のイントロなど、メタル耳でもハッとする瞬間が多い。
★★★★☆

『Vengeance Falls』 TRIVIUM

2013年11月17日 | 最新CDレビュー
米国産の新世代ヘヴィメタルと言われているバンドの2年振りの6作目。



僕が聴くのは、2006年の『The Crusade』以来。
最近、濃い音楽を聴くことがめっきり少なくなったので、久々に喧しいヘヴィメタルを聴いた気がする。

前作がどうとか、過去との比較云々ぬきで聴いてみると、実に良くできた堂々のメタル作品だと思う。
何せこのバンドはサウンドが素晴らしい!
ギター、ドラム、ベースが一体となる音は、ヘヴィメタルそのもの。
山口県生まれのキイチのヴォーカルも、デス声は控えめに、ノーマルヴォイスも貫禄が出てきて、ジェイムズ・ヘットフィールドにさらに近付いた。

最早、デス・スラッシュ臭さはかなり消えていて(ギターリフに未だメロディック・デスっぽいところはあるけど)、しっかりとメロディラインを歌うヴォーカルも含め、正統派な音楽に近づきつつあるという印象。

ただ、「Detonation」のような分かり易いクサメロを愛するものとしては、そういう部分がなくなったのは寂しい限り。
最近、こういったスラッシーなHMから遠ざかりつつあるので、個人的な満足度としては、★は少なめ。
★★★☆