ソウル市松坡区蚕室に住む会社員Aさんは先月末、ソウル南部市外バスターミナルのウェブサイトにアクセスし、慶尚南道晋州市行きのバスの乗車券を購入しようとしたところ「市外バスは往復乗車券を購入することはできない」と告げられた。Aさんは「高速バスは全国のほとんどの地域が、インターネットで往復乗車券を購入できるのに、市外バスはなぜそれができないのか」と尋ねた。その理由は単純なものだった。ターミナルごとにインターネットによる発券システムは構築されているが、これがほかのターミナルと連結されていないというわけだ。
政府は2010年、全国の市外バスターミナルの統合オンラインシステムの構築を発表した。この事業にはSKブロードバンドなどの大企業や中小企業が事業者として参入した。しかし、それから2年がたった現在、十分な成果は出ていない。全国337カ所の市外バスターミナルのうち、インターネットでの予約が可能なターミナルは77カ所(22.8%)にすぎず、このうち往復乗車券の購入が可能なターミナルは22カ所(6.5%)にとどまっている。
問題は、市外バスを運行する「バス事業者」と、ターミナルを運営する「ターミナル事業者」がそれぞれ別個にオンラインシステムを運用しているという点だ。これまでに、ターミナル連合会は139カ所、バス連合会は73カ所のターミナルを結ぶ統合オンラインシステムを構築したが、乗客の出発地と到着地が別個のオンラインシステムに接続している場合、往復乗車券の購入どころか、インターネットでの予約もできないという。オンラインシステムの構築を担当した業者の関係者は「市外バス事業者が、利用者の利便性を図るためデータベースを共有しようという取り組みが不十分、というのが最大の問題だ」と話す。
一方、高速バスは京釜線と湖南線で別個のオンラインシステムを運用しているが、データベースを共有し、ウェブサイトをリンクさせているため、往復乗車券の発券やインターネットでの予約が全て可能だ。市外バスの統合オンラインシステムの構築事業に参入したSKブロードバンドの関係者は「バスやターミナルの事業者が、手数料を策定する方式もいまだに決められないため、事業費の回収が遅れている。近日中にサービスを中断することも検討している」と語った。
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