政治家には理想や哲学があって当然だが、国政を担うにあたっては、常に現実的な視点が重要であることは言うまでもありません。
韓国国民の幸福度を上げるべく経済の成長を促すには、国際経済の変化に対応して行かなければなりません。
李明博時代に他のOECD諸国に先駆けて韓国経済が立ち直った背景には、デジタル化と中国をはじめとする新興国への輸出に向けた財閥系輸出企業の活動があったことは知られています。
しかし、現在の文在寅にはポピュリズム的な富の分配政策や財閥叩きはあっても、経済をどのように立て直していくのかの具体的政策はありません。
いま、韓国経済をどのような形にしていくのかというビジョンなしに財閥叩きをすれば、国家自体の活力が失われていくだろう。
だが、有権者の多くは苦しい生活を送っています。
いくら努力しても報われないという彼らの不満を背景に大統領になった文在寅は、経済を取り戻す以前から、「目先の状況をなんとかして欲しい」という国民の思いだけを受け止めてきました。
韓国経済はめざましく成長してきました。
経済成長によって、国民生活の平均値は上昇し、かってのような絶対的な貧しさは少なくなりました。
しかし、相対的な貧しさはより深まっているのが現在の韓国だといえます。
周りには相当よい生活をしている人がいるのに、なぜ自分はそうではないのか。
自分なりに努力も苦労もしているのに、なぜ報われないのか、という思いにとらわれやすい。
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