国連総会で初めて慰安婦問題や竹島に言及、日本を強く非難＝韓国

　韓国のキム・ソンファン外交通商部長官は28日、国連総会で演説を行い、慰安婦問題や過去の歴史、竹島問題などを初めて取り上げ、日本政府を非難した。韓国メディアが相次いで報じた。

　韓国メディアは、「国連総会で慰安婦・過去・独島など初めて議論」と題し、竹島と慰安婦問題をめぐり日韓で外交の葛藤が続くなか、韓国政府が国連総会で慰安婦強制動員という戦争犯罪を行っても、謝罪と反省を拒否する日本を強く糾弾したと伝えた。

　キム長官は一般討論演説で「武力紛争下における女性への性的暴行の根絶は、国際社会が深刻に考えるべき問題だ」として、日本軍慰安婦問題を取り上げた。また「韓国政府は、国連の関連決議に基づき、国連と加盟国が武力紛争下における女性保護のための措置をとるだけでなく、被害者への効果的な救済措置や賠償を提供し、加害者の処罰を介して、これらの残虐行為を根絶するために最善の努力を尽くすことを促す」と主張した。

　韓国メディアは、この発言は戦後70年が経過するなかで、日本で政府次元の謝罪や賠償、責任者の処罰が行われないことに対する痛烈な批判であると指摘した。

　また、韓国政府は、侵略戦争と植民地支配の過ちを認めないまま竹島の領有権を主張する日本の態度も批判した。このように韓国政府が国連総会で、対日外交の敏感な懸案に対して問題を提起したのは初めてで、日本の持続する挑発に対する強力な報復と警告のメッセージとして解釈されるとした。

　韓国政府が日本との関係悪化という危険を冒してまでこれらの事案を取り上げたのは、両国間の紛争が日本の誤った歴史認識に基づくにもかかわらず、居直り式の挑発が続き、また日本社会が右傾化する傾向を座視することはできないとの判断によるものとの見方を示した。