地村富貴恵(ふきえ)さん(57)拉致事件の実行犯で、北朝鮮で教育係をしていた辛光洙(シングァンス)容疑者(83)が、工作員になるために名前や生年月日を偽るよう、富貴恵さんに指導していたことが31日、分かった。被害者の支援組織「救う会」が同日開いた集会で、富貴恵さんが田口八重子さん=拉致当時(22)=の家族に送った手紙が公表され、明らかになった。
富貴恵さんと田口さんは拉致直後、同じ招待所で共同生活を送っており、田口さんの兄、飯塚繁雄さん(74)が昨年11月に「一緒にいたときの様子を知りたい」と手紙を送り、返事が届いたという。
手紙によると、富貴恵さんは田口さんと暮らす前、辛容疑者から「工作員になるには、名前、生年月日など、本当のことを言っては駄目だ」と言われた。富貴恵さんは生年月日を10日遅れにしていた。田口さんも実際とは異なる7月7日を誕生日にしていたという。氏名については2人とも朝鮮名を名乗っていた。富貴恵さんは昭和54年、拉致の目的について指導員から「祖国統一のための工作員にするため」と告げられていたことが判明している。
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