５万ウォン札はいずこへ？ 流通業界で姿少なく

　23日に流通が始まった5万ウォン（約3700円）札だが、流通業界ではあまり見かけられず、背景に関心が集まっている。

　ロッテ百貨店が26日に明らかにしたところによると、本店で23日に商品代金として受け取った5万ウォン札は7枚にすぎなかった。翌24日には52枚に増えたが、25日は午後4時までで30枚余りだった。1日平均40億ウォンに達する本店の売り上げ規模に比べると極めて少ない水準だ。ソウルを含む首都圏14店舗で顧客から受け取った5万ウォン札は、23日が60枚、24日が233枚で、1店舗当たり平均17枚程度にとどまった。

　ほかの百貨店も同様の状況で、新世界百貨店本店は23日が6枚、24日が112枚、25日午後4時までが40数枚だった。現代百貨店本店は23日に280枚、24日に350枚が回収され、他店に比べ流通が活発だったが、期待には満たなかったとしている。

　5万ウォン札の流通促進に向け百貨店が企画したイベントでも、5万ウォン札はあまり使われなかった。ロッテ百貨店蚕室店が22～25日に行った「5万ウォン企画商品展」では、約800万ウォンの売り上げを記録したが、5万ウォン札で決済された金額は非常に少なかったという。

　一方、百貨店で5万ウォン札に両替した顧客は相対的に多かった。5万ウォン札両替サービスを実施したロッテ百貨店永登浦店では23日に150枚、蚕室店では24日に204枚を両替した。

　こうした現象について業界関係者らは、クレジットカードによる決済が定着し、現金での支払いが多くない状況で、5万ウォン札を使うよりは保管しようという心理が作用したためとみている。ある百貨店関係者は「5万ウォン札自体がまだ広く出回っておらず、消費者が手に入れていないケースも多いようだ。広く流通するには時間がかかるだろう」と話した。