韓国の代表的な歴史書『三国遺事』の版本の中で最も古い時期のものとなる、朝鮮王朝時代初期の『三国遺事』が公開された。延世大学は15日、旧石器時代を研究する考古学者で同大学博物館長も務めた故・孫宝基(ソン・ボギ)教授の遺族が最近、孫教授が所蔵していた『三国遺事』木版印刷本1冊を寄贈したと発表した。孫教授が所蔵していた『三国遺事』は、新羅・高句麗・百済・伽耶の歴代国王の族譜を記録した「王暦」と、三国時代の特異な物語を収めた「紀異」巻一・巻二からなっている。
延世大学によると、この『三国遺事』は、朝鮮王朝時代初期に刊行され宝物第419?2号に指定されている誠庵古書博物館所蔵の『三国遺事』と同じ版本で、落丁もなく完全な状態だ。『三国遺事』は、禅僧の一然が1281年ごろに五巻組で編さんした歴史書で、1512年(中宗7年)に慶州で刊行された木版本「中宗壬申本」が、完全な形で伝存している最も古い版本だ。国宝第306?2号に指定されているソウル大学奎章閣所蔵の『三国遺事』は、この中宗壬申本だ。
これより古い朝鮮王朝時代初期の版本は、誠庵古書博物館の所蔵本や釜山・梵魚寺のもの、個人の所蔵本などによって部分的に伝えられているものの、「王暦」は抜け落ちていた。学界では、今回の寄贈本で、脱字部分が多かった中宗壬申本の「王暦」の誤りを修正することができると期待している。
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