韓国を訪れる中国人観光客の数は、まだまだ多いものの、「満足度」で問題があるとのニュースもよく目にします。
旅行だけの話でもありませんが、「パッケージ商品」というものがあります。
いろいろな要素、観光コースや宿泊施設、食事などをあらかじめ一つのセットでまとめ、少しでも価格を安くするシステムです。
訪韓する日本人観光客の場合は九割以上が個人旅行ですが、中国人の場合はパッケージ商品を利用する人もかなり多いようです。
旅行関係者たちの話によると、普通ならお金をもらうことで商売が成立するはずの旅行会社が、お金を与えながら中国人観光客を韓国に連れてくる奇異な商売が頻繁に行われているとのことです。
でも、世の中、それではビジネスになりません。
観光客からそれ以上のお金を吸い取るしかありません。
そうなると、必然的に、旅行会社のパッケージ商品は、ショッピング中心に旅行日程を組み、前もって契約した店々に、客を引きずり回すことになります。
ここで、観光客たちが「旅行会社の契約した店」以外の店で買い物をしたら困ります。
ショッピングしやすいソウルの中心地で観光客たちを宿泊させるわけにはいきません。
ソウルの中心地のホテルなら、彼らがホテルから出て、自分の足で買い物できるので、それができないように、ガイドが紹介する店だけに行けるように、足を縛っておく必要があります。
だから、仁川、平澤、華城、議政府など、ソウル周辺の安い宿に観光客たちを入れます。
旅行会社としては、観光客の個人行動を防ぐことができるうえ、宿泊費まで手頃な最適ホテルってわけです。
パッケージ商品のコストは、航空運賃、宿泊費、陸上交通費、食事代などが全部入っています。
旅行会社は、可能な限り支出を減らさなければなりません。
明洞の宿泊費の料金は10万ウォンを超えるから、もっと安い郊外地域の宿に中国人観光客を送ります。
旅行会社はお金に必死すぎで・・・・・・肉もついていない安物の参鶏湯などを食事として出したりします。
非常に問題が多いようです。
このようなパッケージ商品は、良いサービスができるはずもなく、中国人観光客たちも良い思い出を残せるはずはありません。
問題の根本は、「安物競争でとりあえず数を揃える」という愚かな選択です。
観光客の数が一千万人だろうと二千万人だろうと、大事なのは何人が「またここに来たい」と思ってくれたか、です。
その数はリピーターの潜在数でもあります。
「爆買い」という言葉をよく耳にしますし、たしかに大事なことではあります。
ただ、観光は買い物だけではありません。
買い物の喜びなど、観光の極めて一部でしかありません。
日本には、「買い物」以外の観光の楽しさがいくらでもあります。
日本は、爆買いとか観光客の数とかを必要以上に意識することなく、バランスの取れた「オモテナシ」のスピリッツをもつ日本は韓国と同じようになってはいけません。
日本が好きな外国人が求めていることは、日本が日本らしくありつづけることが、日本の一番の魅力なのです。