大韓帝国⇒併合時代⇒大韓民国の歴史などなかったことに・・・・
1985年に発売された小室直樹さんの『韓国の悲劇』という本におもしろい記述があります。
まだ「謙韓」という言葉もなかった頃、客観的な視点で分析された韓国関連の書籍です。
ポツダム宣言のあと、日本の朝鮮総督府は、統治権を移譲するプロセスに入りました。
しかし、独立運動のリーダーだった二人が喧嘩を始めます(※『韓国の悲劇』58~59ページからの引用。)
「呂運亭は、日本がせっかく統治権をくれるというのだからもらおうじゃないか。
平和に独立ができるのだから、こんなけっこうな話はあるまい、という違憲である。これに宋鎮兎は猛反対した。
日帝からもらった統治権で『独立政府』など作ったりしたら、その政権は、朝鮮総督府の後継者になってしまう。
国民からは、日帝の傀儡政権だと思われるだろう。
日帝の朝鮮統治の正統性を認めたことのもなる。
絶対反対だ。金九主席の『大韓民国政府』こそ韓国の正統政府だから、これを重慶からむかえて、独立韓国の政府とすべきである」
ここでいう「大韓民国政府」というのが、臨時政府のことです(「大韓民国」は、臨時政府の国号でした)。
臨時政府は、自分達が1919年3月1日に設立したと主張しています。別の政府を新しく作ると、朝鮮半島の統治権は<大韓帝国(~1910年)⇒日本(~1945年)⇒日本から統治権を継承する大韓民国の新しい政府>になるため、日帝の正統性を認める(日帝から受け継ぐ)ことになるから、絶対反対だというのです。
それでは、「民族正統性」が断絶されるからです。
だから、臨時政府を政府として迎え入れるべきだ、すなわち、<大韓民国(~1910年)⇒臨時政府(1919年~)⇒臨時政府を継承する大韓民国政府>にすべきだ、ということです。(9年間の誤差がありますが、なぜかだれも指摘しません)。
簡単に言うと、大韓帝国⇒臨時政府⇒大韓民国が「正しい」から、こちらを正統性にしよう。
間違っても併合時代など認めてはならない。
そういう意味です。
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