NK知識人連帯などが行動を起こす
前回の18代国会議員選挙では比例代表への出馬を目指すも挫折
来年の国会議員選挙出馬者は大幅に増える見通し
専門家ら「統一に備えるためにも必要」
「韓国に居住する脱北者の数は2万人を超えた。今やわれわれの主張を代弁する人物が必要だ」
最近、脱北者団体などから「脱北者出身の国会議員が必要」との声が高まっている。今後、政府が脱北者の定着支援をさらに拡大し、対北朝鮮政策を取りまとめる際などに脱北者が参加する機会が増える、というのがその理由だ。
前回の第18代国会議員選挙では、北朝鮮関連のコンサルティング会社を経営する脱北者ユン・スンギルさん(42)が、ソウル市江西区乙選挙区から与党ハンナラ党の比例代表候補として出馬を目指したが、党内での公認争いで敗れた。また、脱北女性として初めて博士学位を取得した敬仁女子大学のイ・エラン兼任教授も、国民失郷安保党から比例代表で出馬したが落選した。しかし来年の第19代国会議員選挙では、さらに多くの脱北者出身の候補者が名乗りを上げるものとみられる。
脱北者が国会議員になったケースは今のところない。しかし脱北者の間からは「われわれの中から脱北者関連の法律制定に関与する国会議員を輩出すべきだ」という声が相次いでいる。
脱北者でNK知識人連帯を率いるキム・フングァン代表は「脱北者の社会参加が徐々に増えている。そのため、脱北者問題を脱北者自らが解決できるよう、政界にも必ずや進出しなければならない」と述べた。
また、専門家らからも「統一に備えるため、脱北者の中から国会議員を選出する必要がある」との意見が相次いでいる。
東国大学北朝鮮学科のキム・ヨンヒョン教授は「北朝鮮の事情について詳しい脱北者の中から国会議員が選出され、社会への貢献度を高めれば、統一に向けた今後の動きの中で、北朝鮮住民を取り巻くさまざまな問題や対立を解消するのに大きくプラスに作用するはずだ」と述べた。
脱北者で世界北朝鮮研究センターのアン・チャンイル所長は「これまで政府による脱北者政策は、“いかに定着させるか”に重点を置いて進められてきた。しかし今後は2万人以上の脱北者を、“統一に向けての働き手”として活用していく必要があり、この課題の重要性を決して見過ごしてはならない」と述べた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます