19台は担保、3台は入手の経緯不明
【李錫雨(イ・ソクウ)記者/孫振碩(ソン・ジンソク)記者】 680億ウォン(約49億4750万円)以上の不正融資や乱脈経営などの容疑で、今年5月に逮捕・起訴された江原道民貯蓄銀行のチェ・ギュチョル頭取(61)が所有する京畿道河南市の倉庫には、これまでに知られている高級外車19台のほか、入手した経緯が分からない外車3台があることが、29日までに分かった。そのうち1台は、人気タレントYさん(33)所有のポルシェで、1年前に盗まれた。
京畿道盆唐警察署や金融業界の関係者によると、チェ頭取の倉庫には22台の外車が保管されているという。このうち19台は、江原道民貯蓄銀行が融資の際に担保として受け取った車だ。担保権を設定し融資を行った際の書類が残っているが、実際の所有者や融資の対象者に対する事情聴取はまだ行われていない。ドイツ製スーパーカー「ブガッティ・ヴェイロン」(車種により25億‐40億ウォン=約1億8200万‐2億9100万円)、スウェーデン製スーパーカー「ケーニッグゼグ」(17億ウォン〈約1億2400万円〉‐25億ウォン)、イタリア製スーパーカー「ランボルギーニ」(3億ウォン〈約2200万円〉‐17億ウォン)、イギリス製スーパーカー「ベントレー」(3億ウォン前後)などが保管されており、全車種の価格は時価100億ウォン(約7億2800万円)以上に上ると推定される。
だが、Yさんが何者かに盗まれたポルシェなど3台は、所有権がはっきりしておらず、融資に関する書類も見つかっていない。これらの車はいかにして問題の倉庫に保管されるようになったのだろうか。検察と警察はこの疑問を解くため、捜査に全力を挙げている。チェ頭取側が、まず高級外車を受け取った上で融資を行うという、違法な営業をしていたとの証言も出ている。
警察によると、Yさんがポルシェを購入したのは2009年6月だったという。Lキャピタル社を通じ、リース(長期賃貸)方式で購入したとのことだ。この方式で車を購入した場合、所有者は金融会社となるが、ユーザーは金融会社に毎月一定額のリース料金を支払うことにより、自分の車と同じように利用できる。リース料金を2‐3年間にわたって支払い、満額に達すれば、ユーザーは自分の車として登録することもできる。Yさんはリース料金を全額支払い、自分の車として登録しようとしたが、車が故障したため、昨年6月にソウル市江南区駅三洞の外車専門修理工場へ預けたところ、何者かによって盗まれた。
Yさんは車を盗まれてから1年後の今月19日、警察に盗難届を提出した。Yさんは事情聴取で「車を盗まれたことを届け出れば、メディアを通じて世間に知られる可能性があったため、時間がたってから届け出た」と話したという。
警察は現在、Yさんが車を修理に出した外車専門修理工場のK社長(35)の行方を追っている。K社長は、Yさんから車の修理を依頼されたのと同じ昨年6月、突然香港へ渡航した後、現在まで帰国していない。警察の関係者は「K社長は現在、カナダに滞在していることを把握している」と話した。
経営に問題がある金融機関として、政府から指定を受けた江原道民貯蓄銀行の管理を担当している預金保険公社は、Yさんのポルシェを含め、チェ頭取の倉庫に保管されている22台の外車について、所有関係の調査を行う方針だ。同公社の関係者は「書類上の所有者と、実際の所有者が一致しているかを把握してこそ、これらの車がなぜ、京畿道内の倉庫に保管されているかについても知ることができる」と話した。
検察も来週から、チェ頭取に対し、河南市の倉庫に保管されている外車22台と関連した融資について、集中的に捜査を行う方針だ。
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