フォーブスが選ぶ「世界で最も影響力のある女性」39位となったチャン・ジンスク氏
1980年代初め、ある韓国人夫婦が米国に渡った。この夫婦は3年後の1984年、ロサンゼルスの韓国人街に39平方メートル規模の店をオープンした。夫は縫製業者を駆け回って布を仕入れ、妻は店番をしながらミシンでシャツを縫った。「いいものを安く仕入れて安く売る」という原則を守り抜いたおかげで、この夫婦が共同で創業した衣料品店は、米国全域に店舗を拡大していった。
それから27年が過ぎた今、衣料品店のミシン担当だった妻は、米国の経済専門誌『フォーブス』が選ぶ「世界で最も影響力のある女性100人」に、韓国人として初めて名を連ねた。米国のファッションブランド「フォーエバー21」の共同創業者、チャン・ジンスク氏(48)のサクセスストーリーだ。チャン氏は、フォーブスが24日(現地時間)に発表した「世界で最も影響力のある女性100人」のランキングで39位に選ばれた。
チャン氏は米国の代表的なファッションブランド、フォーエバー21のチャン・ドウォン会長の妻だ。チャン・ジンスクと夫の姓を名乗っているが、本名はキム・ジンスクだ。
フォーエバー21は現在、米国をはじめ、英国、カナダ、日本など全世界に500以上の店舗を展開している。ソウルにも2008年、明洞に1号店が、今年6月には狎鴎亭洞に2号店がオープンした。今年の全体の売上予想額は4兆5000億ウォン(約3190億1900万円)に達する。
フォーエバー21は、スウェーデンのH&M、スペインのZARA、日本のユニクロと並ぶ、米国を代表するファスト・ファッション・ブランドだ。ファストファッションとは、メーカーが製造、流通、販売まで全工程を担当し、低価格の商品を2、3週間に1度のペースで供給するシステムを備えたファッションを指す。多品目少量生産で、休む間もなく製品を出荷するため、売り場には常に新商品があふれる。米紙ロサンゼルス・タイムズの調査によると、フォーエバー21の顧客の70%が、月平均3.7回、売り場を訪れるという。
フォーブスはチャン・ジンスク氏について「米国で自力で成功した億万長者の女性6人の1人でもある」と紹介した。夫のチャン・ドウォン会長も今年3月、フォーブスが発表した米国内長者番付で187位にランクインした。今年6月、狎鴎亭洞店のオープンに合わせて韓国を訪問したチャン・ドウォン会長は「何よりも『スピード』が重要とされるファストファッション業界で、韓国の『パルリパルリ(早く早く)精神』が成功する上で大きな基礎となった」と話した。
「世界で最も影響力のある女性」の1位には、ドイツのアンゲラ・メルケル首相が選ばれた。2位はヒラリー・クリントン米国務部長官、3位にはブラジルのジルマ・ルセフ大統領が続いた。このほか、クリスティン・ラガルド国際通貨基金(IMF)総裁は9位となった。一方、昨年1位に選ばれたバラク・オバマ大統領夫人のミッシェル氏は、今年は8位に順位を下げた。
女性の最高経営責任者(CEO)では、米ペプシコのインドラ・ヌーイCEOが最も高い順位である4位に選ばれた。フェースブックのシェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)は、昨年の66位から今年は5位に急浮上し、ソーシャル・ネットワーク・サービスの急成長を実感させた。メディア部門では、ニューヨーク・タイムズ初の女性編集局長に就任したジル・エイブラムソン氏が、今年初めてランクインし、12位となった。
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