今年の産業界では不況が影を落とす中でも輝くヒット商品が数多く生まれた。過去最高の販売実績を上げた商品もあった。ユニークな個性と品質で消費者の心をつかんだことが要因だった。
今年のIT業界はスマートフォン抜きには語れない。6月に韓国で発売されたサムスン電子の「ギャラクシーS3」はこれまでに国内だけで400万台近くが売れた。単一モデルとしては過去最多だ。全世界では3500万台以上が売れ、世界のスマートフォン市場でも今年最高のヒット商品となった。
パズルゲームの「アニパン」などスマートフォンを使ったモバイル・メッセンジャー・ゲームも人気を集めた。アニパンはサービス開始から3カ月で2000万人がダウンロードし、毎日のユーザーが900万人に迫った。第4世代(4G)移動通信のLTEに対する関心も高かった。LTEのサービスは昨年7月にLGユープラスとSKテレコムが先行して開始し、今年1月にKTも参入したことで契約者が急速に増えた。
一方、パソコン市場はスマートフォンやタブレット端末などモバイル機器の普及で不振だった。業界では今年のパソコン販売台数が580万台にとどまると予想している。前年実績(670万台)に比べ10%以上の落ち込みだ。
流通業界ではカフェイン含有量の高い栄養ドリンクの売り上げが伸びた。ロッテ七星の栄養ドリンク売上高は、2010年が70億ウォン(約5億6000万円)、昨年が100億ウォン(約8億円)だったが、今年は600億ウォン(約48億円)に達する見通しだ。業界関係者は「男性が飲めるようなドリンクに適当なものがなかったが、栄養ドリンクがその市場に食い込んだ」と分析した。しかし、2009年から茶飲料を抑えて急成長したビタミン飲料は、今年の販売の伸びが前年の半分に落ち込んだ。
若者の間では日本式の立ち飲み屋が人気を集め、清酒の輸入量が前年を70%上回った。マッコリ(韓国式濁り酒)の人気は停滞した。今年のマッコリ販売量は2008年のマッコリブーム開始以来初めて減少に転じる見通しだ。
インターネット販売、テレビショッピングの売り上げも目立ち、昨年に続き10%前後の販売増となった。業界1位のGSホームショッピングは1?9月の売上高が前年同期比で17%増えた。不況とさまざまな規制で販売が伸び悩んだ百貨店や大型スーパーとは好対照だった。
不動産市場では「オフィステル」(事務所としても使える住宅)が特に注目を集めた。賃貸収入が得られるという期待感から購入希望者が増え、物件供給量も急増した。現代建設、ポスコ建設など大手建設会社もオフィステル専用ブランドで市場に参入した。
ソウル江南地区の再開発マンションは住宅景気の低迷で売れ行きが停滞した。投機目的の購入が多く、景気による影響をもろに受けた格好だ。江南地区の再開発マンションの価格は1坪(3.3平方メートル)当たり2687万ウォン(約215万円)で4年前の世界的な金融危機当時よりも下落した。
自動車業界では輸入ディーゼル車の伸びが目立った。騒音や震動で消費者に不人気だったディーゼル車は、優れた体感燃費と商品性で今年の自動車市場を左右した。
韓国輸入自動車協会によると、1?11月の輸入車販売台数は12万195台で、うち51%に相当する6万1134台がディーゼル車だった。前年同期比の伸び率はガソリン車が10.2%だったのに対し、ディーゼル車は78.3%に達した。メーカー別の販売台数のうち、フォルクスワーゲンで90%、BMWで70%、アウディで60%がディーゼル車だった。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます