韓国が欧州連合(EU)、チリなど7カ国・地域と自由貿易協定(FTA)を結んだ後、これらの国・地域に対する自動車、石油化学製品などの輸出は大きく伸びた。
企画財政部(省に相当)によると、韓国とEUのFTAが発効した7月以降、100日間の対欧州輸出は、欧州財政危機の影響で前年同期比1.1%減少した。しかし、FTAの恩恵を受ける品目の輸出は17%増えた。例えば、自動車は110%、自動車部品は21%、石油製品は103%急増した。これら品目の輸出が全体の輸出減少をカバーした格好だ。
韓国が初めてFTAを結んだチリとの間では、2004年の発効以降、貿易量が年平均24.1%のペースで増えた。チリに対する輸出は、発効前の03年の5億2000万ドルから昨年は29億5000万ドルへと増えた。輸出の伸びは470%で、輸入の伸び(299%)を上回った。
この間、チリとの貿易収支は89億ドルの赤字となったが、これはチリから輸入する銅の価格が急騰したためだ。昨年のチリからの輸入(42億ドル)のうち、銅は68%に当たる29億ドルを占めた。
外交通商部のキム・ヨンムFTA政策局審議官は「国際的に銅価格が04年9月の1トン当たり3000ドルから今年9月時点の9000ドルへと3倍に上昇したにもかかわらず、チリに対する輸出増大で、貿易赤字はFTA発効当時の水準を維持している」と指摘した。
昨年1月のFTAの一種である包括的経済パートナーシップ協定(CEPA)が発効したインドとの貿易も大きく伸びた。船舶(147%)、ボイラー(357%)などの輸出にけん引される形で、昨年の対インド輸出は前年比42.7%増加し、輸入の伸び(37%)を上回った。
東南アジア諸国連合(ASEAN)はFTA発効による効果で、昨年時点で韓国の貿易相手先としては、中国に次ぐ2位に浮上した。
ペルーとは今年8月のFTA発効後、貿易収支が4500万ドルの赤字を記録した。韓国の工業製品の輸出が増えた一方で、鉱物資源など原材料の輸入が増えたためだ。
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