TAMO2ちんのお気持ち

リベラルもすなるお気持ち表明を、激派のおいらもしてみむとてするなり。

読書メモ:『「世界征服」は可能か?』

2007-09-29 16:40:42 | 読書
『「世界征服」は可能か?』(岡田斗司夫著、筑摩書房)

 男の子の多くは大抵夢想する「世界征服」。姿形を変え、その妄想は一生を呪縛する。社長になりたい、総理大臣になりたいとか、そういうモノだけじゃなく、好きな分野でのオンリーワンとか。ここではとっても分かり易いショッカーなんかによる世界征服から話が始まる。大坂仰山党という悪の結社を領導している(ことになっている)小生としても気になる話だ。

 さて、ショッカーなどの偉大なる先輩諸組織が失敗した理由。それは、作戦の拙さ(これは、ガキでも分かる話だ)のみならず、目的の明確化の失敗にもあるということだ。世界征服して何をしたいのか?と。目的と手段の弁証法的関係を捉えられないと、革命組織を含むあらゆる組織は失敗するということだ。

 また、征服の事前のイメージも大切だ。鶏20匹飼っていても、鶏を支配しているとは言わない。実際に支配しているのだが。支配とは、同等(もしくはそれ以上)の人間を支配してこそ、言えることなのだ。同等ではなく、それ未満だと、それは只のお世話なのだ。さて、征服をしても、そのことを誰も知らず、一人で「ふっ、愚民どもめ、大衆は豚だ! グワッハッハッハッ(『男組』を思い出して)」とホザいたところで、空しい。同等もしくはそれ以上の人間どもが「さようでございます!」と言ってこそ。茶坊主という支配階級が必要なのだ。で、人間の恐ろしいところは茶坊主がいつまでもそれを演じてくれるとは限らない。人心が離反することがあれば、寝首をかかれる。また、齟齬があったりなんかすると、自分の意思とは違うことをされるかも知れない。茶坊主に不審感が強まると、自分で何もかもしなくてはならない心理となり、ローマの皇帝のように過労死する。物凄く誠実で、親身になれ、人々に慕われ、判断能力に優れ、立派な立派な人物でないと世界征服を維持することは出来ないのだ。そんな人物なら、世界征服という浪漫よりも会社経営でもしておいたほうがいい。そういう映画もあるらしい(笑)。

 また、ちょっと別の話。かつて世界征服が可能と思われたのは、つまるところ情報が流通せず、特権的に情報を握り、面白いことを自分たち(支配階級)だけ知り、享受する関係にあったからだ。自由主義経済でかつての王侯貴族の贅沢は庶民の知るところとなり、それに留まらず必死こいて自由主義経済の下、大衆は様々な娯楽や享楽をウケ狙いで(??)つくりまくり、安価で大量に流通させた。はっきり言って、かつての階級社会よりも今の労働者のほうが贅沢だ。こういう状況では、贅沢は銭金の多さの問題に帰着する。「階級」は崩壊し、「階層」だけが存在する。労働者階級はエスカイアのクラブのことなど、想像できないのが階級社会なのだ。エスカイアに出入り出来るのはお金の問題になった今、「階級」社会とは言えない。茶坊主を醸成できないのだ。情報の遮断を利用した、支配は不可能なのだ。

 世界征服は基本的に不可能、というのがとりあえずの結論。しかし、その自由で民主的でPCな世の中(今の世の中)が住み良いかというと、これまた別の話。自由経済は貧富の差を生む。無階級社会の極北では畜群化レベルでのフラット化が進み、規律/訓練に支えられたインテリの極北としての重みと厚みのある教養は廃れ、オルテガが暴いた「大衆の反逆」の社会となり、種々のファシズムを誘発する。これはこれで生きにくく、状況次第では「革命」を誘発するのではないか? 「革命」を防衛できる唯一のシステムは、独裁であり、それは世界征服への野望を秘めることであろう。共産主義がそうであったように。著者の結論めいたことを引用しよう。(p185)大坂仰山党は、世界征服を目指したい。同志・岡田とともに。

 世界征服を目指す人とは、現状を否定する人のことです。(TAMO2註:悪人のこと)
 人に優しく、環境に優しく。良識と教養ある世界を目指すことによって、「悪」の栄える世界を目指しましょう。
 「いいものを、より安く」ではなく「人を出し抜いて得するのはやめよう」。
 「トレンドに敏感に」「自分のしたいことを探そう」ではなく「お年寄りを大切に」「ちゃんと学校で勉強しよう」
 いま現在の「幸福」と「平和」にノーを言うこと。
 新しい「幸福」と「平和」を世界に宣言すること。
 これが新時代の、世界征服への合言葉なのです。


 読み進めるにしたがって物凄く真面目な社会・政治学の本になっている。悪の結社・大坂仰山党の党員諸君には是非とも読んでいただきたい。
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力の行使のとき

2007-09-29 13:58:28 | ノンジャンル
 2ちゃんねるあたりでは、高知FD問題で色々な揶揄含みの正論がある。よろしい。諸君らは実に正しい。だが、ワシは キョーサントー的に「正しさに別のヨリ正しさを対置」する歳は過ぎてしまったのだ。行為でもって自分の思いを表現するだけだ。この問題については金だ。

 経営者にも不信感がないとは言わない。ある。だけど、彼らも彼らなりにリーグ存続のために身を粉にしていると感じる。募金箱前で札を出すという恥ずかしいことは出来ない。銭金でサメ[トするには、銀行振り込みが良い。これだと逆に、小銭は馬鹿らしくてカンパできない。

 以下、高知新聞のサイトから無断転載。
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高知新聞:2007年9月27日付朝刊

 有志が「高知FD残そう会」設立 独自の募金開始へ


 存続が危ぶまれている四国アイランドリーグの高知ファイティングドッグ
スを救おうと二十六日、県民有志が「高知ファイティングドッグスを残そう
会」(会長=山本良喜・はりまや橋商店街振興組合事務局長)を立ち上げた。
発足会は高知市はりまや町一丁目のはりまや橋商店街にぎわい広場で行われ、
会主催の募金活動を行うことを決めた。

 会場は、発起人の応援団会長やチアリーディング代表、県庁職員のほか
球団存続を願うファンや報道陣ら約百人でごった返した。山本会長が
「シーズンを戦っている選手のためにも、どんな形ででもチームを残して
いこう」とあいさつし、早速意見交換。「球団を残せなければ高知の恥」
「最大のピンチをチャンスに変えよう」と熱い思いをぶつけ合った。

 高知FDの公式応援歌「よさこいランナー」をつくったファンキー末吉
さんも加わり、「県民がチームの株を一人一万円で一万株買えば、運営費
の一億円が捻出(ねんしゅつ)できる」と提案した。

 約一時間半話し合ったが、募金活動以外の具体的な活動についての結論は
出なかった。次回開催は未定だが、山本会長は「公募締め切りの十月中旬
まで時間がない。早急に開けるよう調整したい」と話した。

 街頭募金のほか、振り込みによる募金も二十七日から受け付ける。振込先
は口座名「高知ファイティングドッグスを残そう会代表山本良喜」、四国
銀行本店、普通預金、口座番号1707571。



コメント (2)
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勝負は続くよこれからも

2007-09-29 13:41:20 | 野球
2007年9月28日
愛媛0≠P香川(サーパススタジアム;高松)

 確かに塚本投手はいい投手だ。だが、防御率0点台ってどうよ? 打てる雰囲気のある人は3人くらいだった。さらに、ネット裏から見ていると、結構ボール球に手を出していた。今、草野球を含め、アンダーハンドが殆どいないからかなあ。でも、高知は塚本投手を打ち込んでいた記憶がある。それから、先日新居浜で二塁打を打っていた長崎選手がスタメンにいなかったのも謎。新居浜の軟式にアンダーハンド(ややサイド)の化け物がいる。彼を練習に招くとか。あるいは、MPナインは早朝のソフトに混ぜてもらうとか。ここまで来たら奇想天外でもいいから打開策を望む。妻は「頑張れベアーズ戦法」を言っていた。バントばっかりする奴。恥も外聞もなく。チャンピオンシップが心配だ。試合はこれからも続くからだ。

 とはいえ、試合そのものはまた、素晴らしい試合だった。浦川投手は立ち上がりから球が高く浮き、そこを香川に打たれた。3回までに7被安打。しかし、しかし、失点後、三輪君のサードへの強いライナーを素晴らしい反応でナイスキャッチした桧垣君をはじめ、良い守備が随所に見られ引き締まった緊迫感のある試合だった。香川もヒット性の当たりを良く動いて内野ゴロに仕留めていた。

 こういう試合は、わずかなことがきっかけで点数になる。今日、思ったこと。先日の試合で松坂選手のャWショニングを褒めた。
http://red.ap.teacup.com/tamo2/541.html
・初回裏、三輪選手の強い打球を、三遊間で守っていた松坂が処理。非常に良いところに守っていた。香川だけじゃないのね。投手の球威とコントロールを信頼しているが故のプレーかな。

 さて、今日、2回1死1塁。足のある町田君がランナー。打者は生山君(天王寺高校って、凄いね。ブーマー(仮)の後輩やん)。打球の方向として三遊間が多い。当然、ショートは三遊間に寄ると思っていたら、ベースカバーが気になるのか
・堂上の盗塁時、ショートカバーが遅れてタッチできず、アウトをセーフにしてしまっていた。この辺が、香川との差の一つか。
いつもよりもベース寄りで動きが固定していた。やばい!と思ったら案の定、三遊間へのボテボテが内野安打に。ピンチが広がってしまい、失点へと繋がった。レベルが上がり、投手が良いと、こういうプレーがモノを言ってしまうの典型であった。

 これからシビアな試合は続く。前後期香川に優勝を奪われたとはいえ、物凄く素晴らしい追い込みをかけてくれた愛媛の諸君は胸を張ってチャンピオンシップに出る資格があると小生は考える。プレーの細かい所への反省、様々な対策、確認、様々あろうが、備えを万全にして是非とも勝利し、そして独立リーグ王者決定戦(というのかな?)に出場、勝利して欲しい。勿論、フェニックスリーグでの活躍も期待する。NPBへ向けた勝負はこれからも続くのだ。

 さて、以下、思いつくまま。
・丈武君はドアスイング気味。泳がされて終わりというイメージ。
・町田君、ネット裏でスイングをじっくり見ていたら、腰が据わったどっしりした感じでいい。願わくは、上に比べて貧弱に見える下半身を走り込みで大きくして欲しい。体の大きい人は、それなりに練習も大きくしなくてはならない(と、昔、言われた)。
・最終回、桧垣君、比嘉君は自分のできることを精一杯していた。結果には結びつかなかったけど、タフな精神なんだな、と思った。

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