直木賞・山本周五郎賞をダブルで受賞した傑作です。
読み始めから、マタギの世界に引きずり込まれ、どっぷりとつかってしまいました。
狩りをする人間の風習は、インディアンにも通じるものがあり、うなずけるところも多々あります。
自然(神)を恐れ、恵みに感謝する心が息づくところです。
獲物は、人間が狩るのではなく山の神からの授かりものだという感覚です。
そして、舞台は鉱山へうつり、鉱山の中の堀師たちの生き様へとうつります。
ここもまたすさまじい。
鉱山から再び山へもどり、新しい狩猟組をつくりながら、最後に山の神と1対1の対決となります。
このようなエンターテイメントの演出や無駄のない登場人物の役割分担や張り巡らされた複線をすべて回収するなど、作り話っぽい部分も多々あるのですが、そこは好みの問題でしょう。
また、1章、大段落ごとに綺麗に物語りを書いているので、読みやすかったですね。
短編も読んでみたい作家です。
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