ある種のファンタジーでありますが、一つだけ不思議なものがあり、あとはリアルの世界という徹底ぶりで面白く仕上がっています。たった一つのファンタジーは、美青年ドリアン・グレイを描いた肖像画でした。
純粋な輝く若さの美しい青年ドリアン・グレイに惚れ込んで描かれた肖像画です。
ドリアンは、自分が年を取って醜くなっていくのに肖像画は美しいままになるのは耐えられない、逆なら良いのにと祈ってしまいます。
ドリアンが快楽に溺れ、堕落していくのに合わせて肖像画の方が変貌していき、ドリアンは若く美しいままの姿を維持し続けていくという筋書きです。
ドリアンはその肖像画を誰にも見られないように隠しつづけますが、醜くゆがんでいく内面がやがて取り返しのつかない犯罪へと導いていきます。
しかし、強運が重なり、ドリアンには罪から逃れる道が開かれていくのです。
そして、最期にドリアンは自分がどうしようも無い醜い存在になってしまったことに気がつくのです。
西ドイツが開発して2010年に退役した対空自走砲です。
警戒レーダーと追尾レーダーを備えていて、強力な車両だったのですが、対戦車ヘリコプターの対戦車ミサイルの発達により、主砲の射程外から攻撃されてしまうということで退役に追い込まれたのです。
しかし、ロシアのウクライナ侵攻により、予備兵器の倉庫ウクライナ軍へ送られることになりました。
役に立つのかな? と疑問が残りますが、調べてみると、なんと2020年にカタールに輸出が決まり、2022年のワールドカップにドローン(テロ)を警戒するために使用されるということでした。
陳腐化したと思われていた兵器が、最新兵器のドローンに対抗するため復活するというのもロマンがあります。
ということで、タミヤのキットをアマゾンで購入しました。
古いキットなので1,600円と安価で買うことができました。
けっこう、ずっしりと重くて、部品がビッシリです。
途中まで組み立てましたが、結構、細かく可動部も多いので思ったより時間がかかっています。
西ドイツ時代の古い兵器ですが、SF兵器っぽいスタイルで、面白い形をしています。
『戦争における「人殺し」の心理学』を読んだときに、フロイトの2大欲動論が出てきたので、確か学生時代によく読んでいた本に出てきたと懐かしく思えて、その手の本を読んでみました。
本書は、アインシュタイン(相対性理論の人)が、人類が戦争の災厄から逃れられる方法は無いか精神分析学からのアプローチを望んだ書簡への返答からはじまります。
人が自己破壊的な戦争に走るのは、人間には元々、自己を破壊しようとする欲動があるのではないかと言うのがフロイトの考えです。
人間(その他の生物も含む)は、元に戻ろうとする欲動(怪我や病気の状態から健康な状態へ戻ろうとする欲動)が確かにあります。生きようとする欲動です。
それがあるなら、さらに元に戻ろうとする欲動もあるのではないでしょうか。
つまり、有機物である我々には、無機物に戻ろうとする欲動が無意識の底の底にあるはずなのです。
つまり、それが死の欲動であると言うのです。
人間は、死の欲動と生の欲動とのバランスの上で、正常に生きていられるわけで、何らかの自体でバランスが崩れると死へ向かって行こうとするのです。
この死の欲動の存在を否定する心理学者も多くいますが、存在を肯定することで助かる人々もいることも確かなのです。
そうなると、戦争の災厄から逃れる術はないように感じますが、人の知恵とそこから育まれる教育に一部の望みを託すしかないのかもしれません。
これは、未だ答えの出ない問いであり、人類の産んだ物理学と精神分析学の2大天才がタッグしても、抽象的な概念から抜け出せない難しい課題でもあるのです。