民俗学では、柳田国男や、南方熊楠、宮本 常一などが有名なところですが、それらを総括しながら、民俗学の勉強の仕方を解説しています。
まずは、各カテゴリーの見方を解説し、アンケート結果を公表、おすすめ書籍の紹介という順でかかれていました。
こうしてみると、民俗学とは、自ら歩いて事例を集める学問なのだなと思いました。しかし、その事例は数値化するのが容易ではなく、そこは人の感性にゆだねられる学問らしからぬところもあります。
記述されたものは、ある程度地位のある特別な人が記したものであるため、特殊な出来事の記録でしかないと言います。例えば、地主が記した記録は、飢饉で年貢が収められなかったとか、一揆が起こってたいへんだったとか、いつもと違うことが書かれます。であるから、飢饉に困窮し、一揆に荒れ狂う農民像が出来上がってしまうのです。
しかし、普段の農村の暮らしは、そうではありませんでした。何十年に一度の飢饉や一揆が農民の姿ではないのです。
いつもどのような暮らしをしていたのか、それが民俗学の研究対象となるのです。