はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

ミル(2)

2011-06-05 01:30:59 | マンガ
ミル 2 (ビッグコミックス)
クリエーター情報なし
小学館


「ミル(2)」手原和憲

 見た目は女子高生なのに、中身は猫でばあちゃん。86歳の化け猫・ミルとの同居生活にも慣れたアキの前に、新たな化け猫が現れた。彼女の名はハナ。通称鼻ピンク。ミルと違って見た目も中身も15歳だけど、そのぶん経験が足りず、野生っ気が抜けない。アキの通う大学構内で人気者だった(猫時代に)彼女がもう猫の姿に戻らない理由とは? アキも所属する猫好きサークル「CCC」の操作網を、彼女は逃れられるのか? 

 佐賀弁ばりばりの化け猫・ミルが可愛いシリーズ第2弾。
 携帯電話を買いに行ったり、アキと2人で学祭を回ったり、アキの家でサークルメンバーとハナと共に鍋をつついたり……ミルがいるそれらの風景が、そんなに長く続くものではないと知っているから、とても面白くて悲しかった。失うことばかり考えてないで、今を楽しもうというミルとハナの会話もいじましくて切ない。彼女らの生活が楽しそうなだけに、そのあとのことばかり考えてしまう。だってなあ……ミルはあの外見のまま歳をとらないわけだもんな。アキが良くても、周囲の目があるし、なら同じ場所には10年以上住めないし、サークルメンバーの前にだって、いつかミルが姿を見せるわけにはいかなくなる。アキだって、仕事とかどうするんだ? そう考えると、暗い未来予想図にぞっとせざるを得ない。
 ともあれ、面白かった。中高年には共感され、若者達にリスペクトされるミルの価値観と生活能力と対人スキルが、外見とのギャップで効いている。こういうおばあちゃんっぽい娘が現実にいたら「ほお~」と感心して眺めてほっこりしてしまうと思うもんなあ。うん、ミルいいよね。
 ラストの引きも良かった。実家に帰省したアキの前に転がり込むトラブルと切なさとミルの嫉妬。早く3巻出ないかなあ。でも月刊誌だからな……本誌購入するか、うーん……。 

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