![]() | 神明解ろーどぐらす4 (MF文庫 J ひ 3-10) |
比嘉 智康 | |
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「おれはよ。千歳も丹下も、ついでにさきっぽも、おれの女だと思ってんだ」
「神明解ろーどぐらす(4)」比嘉智康
下校マニアの十勝。超絶後ろ向きな美少女・千歳。巨乳ギャル・まりも。美少女写真マニアのさきっぽ。4人の楽しい下校の日々は、ある夏祭りの夜に終わりを告げた。十勝に想いを告げた千歳が、直後自分の脳の中に住む三石留萌に乗っ取られ、十勝に無理矢理キスをして、自分とつき合え、さもなくば千歳の体を使って他の名も知らぬような男とつきあうと脅したのだ。しかもその光景を、まりもが目撃していたのだ。
というカオスな3巻を経て、4巻はもっとカオスになっていた。衝撃のシーンに心を痛めたまりも宅を訪れた十勝とまりもの胸の痛くなるような失恋トーク。千歳の意識が寝ている夜中に十勝を呼び出し、深夜の下校デートを重ねる留萌。留萌のことをまりもとさきっぽに明かし、留萌探しを求める千歳を責めまくるまりも。
そして、留萌という存在の謎……。
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おう………………。
これは衝撃だった。留萌が意外と可愛いかったこと。その出自の壮絶さ。千歳に嫉妬するまりも。ボロボロになったまりもを慰めるさきっぽ。そして、すべての女の子に対する十勝の真摯さ。やっぱいい奴だ、こいつわ。
楽しい下校シーンはあまりなくて、このシリーズに対する期待としては叶えられていないのだけど、それでもけっこうじーんとくるいい話だった。事の元凶のゲスぶりには怒りを覚えた。そこの部分はあまりにもいらっときすぎて、流し読みした。4人の楽しい日々をぶち壊しにしたあいつとの直接対決の第5巻が待ち遠しい。