J's日誌

中小企業診断士、経営管理修士(MBA)、事業再生士補、AFP。某NPO法人フットサル連盟副理事長。

通過された瞬間

2010-08-24 23:59:59 | Weblog


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留萌管内の観光は、一般に
「通過型観光」と呼ばれている。

要は、札幌から稚内へ行く途中、
通過するだけ。せいぜい昼メシを
食べたり、トイレ休憩するだけで、
泊まってもらうだけの魅力に乏しい。


それがこの地域全体の課題であり、
どうやって滞在につなげていくか、
さらにいえば泊まってもらうか、が
観光面でのポイントといわれている。



今夜、21時過ぎのこと。

某宿泊施設のフロントに、いかにも
ライダーという感じの、革ジャン上下を
着た若者3人が向かっていくのが見えた。

「スイマセン、今から泊まれますか」

どうみても予約なんかしてない雰囲気、
だが、空きはありそうだし何とかなるだろう。



ところが、だ。
フロントはライダー3人にこういったのだ。

「今からじゃ、無理だね」

今からじゃ?明日の朝メシの材料の問題か?
素泊まりじゃダメなのか?本当に満室なのか?

理由は分からないが、とにかくフロントは断った。
遠巻きにしていた自分も気になって耳ダンボ状態。



3人は、困った顔をして相談していた。

「泊まれないってさ。しょうがないね」
「羽幌(注:留萌から50kmほど)まで行くか?」
「いっそ宗谷岬(注:留萌から185kmほど)まで行っちゃう?」


自分が、えーと近くにライダーハウスなかったっけ、とか
宿泊施設の載っているガイドブックはどこかになかったか、
とフロント近辺でいろいろ情報を調べている間に彼らの話は
まとまったようで、気がつくと外でバイクのエンジン音がした。

「兄さん、ちょっと。」と声をかけようとした瞬間、
道外ナンバーのバイク3台は北に向けて走り出していた。



遠くから来てせっかくこの街で泊まろうとしてくれる
お客さんを、どうしてこう簡単に逃がしてしまうのか。

他の宿泊施設を紹介するまでのことはしなくても、
ガイドブックをフロントに常備して見せるだけでも、
彼らの宿泊の選択肢は格段に増えていたのではないか。


夜遅く到着した街で困っているときに、温かい対応を
してもらえた、ということがどれだけ彼らの記憶に残るか。

フロントの対応はともかくとして、この街に住んでいる
一人の人間として、自分も彼らに何の手助けも出来なかった。


今夜の酒は、ちょっと苦い。





なかのひと


こういうことだから通過される(-_-;
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