その名も、まめちゃん。-虹色流星号-

日本一ダメダメ男、まめぞの日記。
...今日もトホホな一日を過ごしました。
 *旧「その名も、たぁちゃん」

入院日記28-4

2009-06-25 16:15:26 | 潰瘍性大腸炎-入院日記4-
潰瘍性大腸炎で入院28日目第4話(6/24)
-爽やか青年編-


今日は、今週から許可が降りたシャワーの日だ。シャワーを浴びる時も夜間同様に点滴を止める。

管を途中から切り離し、透明な液体を入れる。20mlぐらいだろうか、それが腕から勢いよく体に入るのがどうしても好きになれないが仕方ない。


腕のに残った点滴セットをまとめて腕に固定し、濡れないようにラップでくるむ。


「ほら…、肘に近いところだから、ラップを固定した強力なテープで肘が曲がらないやん」(`o´)

右腕が棒のように硬直したままシャワーを浴びる。顔を洗い、髭も剃って、髪を洗い、体を洗い…全てにおいて、右手が使えないのはホント大変だ。

頭の先からつま先、ナニもかもサッパリンコになって、洗面所でドライヤーを使う。うん、縮毛矯正による偽サラサラが復活っ!!

俺って今、爽やか青年だぜぃ。


シャワーの間止めていた分、点滴の終了予定時間は押せ押せになった。

嗚呼、点滴、鬱也。


「右腕の肘を満足に曲げれなきゃナニも満足にできねぇおぉぉぉ!」

病室のベッドの中心で哀を叫んでみても仕方ないので、音楽を聴くことにした。

よし、ラルクだ。L'Arc~en~Cielに決めた。hydeのちょいワルな歌いかたが好きだ。テレビで歌っている姿にキュン!としたことがある。(ぃゃ、えっと、そういうんじゃないです、はい。)

最近の活動に関してはあまり知らないんだけど、解散はしてないみたいだ。ラルクはkenもtetsuもhydeもみんなみんなそれぞれがカッチョいい曲を書くから、ソロでも十分やっていけるんだよね。でもグループでやって欲しいな。


ラルクを聴きながら、僕は爽やか青年からちょいワル青年に変化していった…。


【つづく】

入院日記28-3

2009-06-25 15:06:59 | 潰瘍性大腸炎-入院日記4-
潰瘍性大腸炎で入院28日目第3話(6/24)
-嵐を呼ぶ女編-


最近、新入りナース率高いな、おい。毎回何かしらでがっくりさせられる。今日も何かやらかすかもしれないな。

そんな不吉な空模様だ。重たい雲に、もう一重黒い雲が重なっている。しかも真っ黒なのは病院の上だけだ。

新入りナースめ、嵐を呼ぶ女か…。


それにしても点滴と左腕の相性が悪い。すぐにパンパンに膨れてイタイイタイになっていまう。

今日から右腕に挿し替え。

「なんでそこ選ぶかなぁ(>_<)」

この研修医は、とにかく楽なところに入れたがる。この病室内だけでも、うまく入らず失敗したり、助けを呼びにいったりするのを何度も見ているし、僕自信も何度も食らっているから、自信がないのは分かるけど。

手首よりも肘よりというか、曲げる真下辺り。ここだと肘曲げたときに点滴が落ちて来ないじゃない。それが右腕だけになにぶん不便でならない。

携帯をいじるにも、本をいじるにも、ナニをいじるにも…不便っ!不便っ!不便っ!

嗚呼、黄金(ではないが)の右腕が…。


造血剤と3本の点滴。消灯までに終わるのか。昼間点滴を落とすスピードを調節するのは、今日の担当看護師、つまり新入りナースだ。

「絶対遅いよ…」と勝手にスピード上げても、また見に来たときに速度を落としていく。「最後の点滴が終わるのが消灯時間を回ったら面倒臭いんだぞ、僕が。」

点滴が1本減ったことで、夜間は点滴を止めることになっている。

点滴を止めるというのは、点滴の管を途中から切り離し、腕に残った管に血が固まらないための液体を注入する。

これが消灯後なら、僕はこのためだけに起こされることになる。最悪だ。

やはり今日も新入りナースにはめられるのか…


【つづく】

入院日記28-2

2009-06-25 12:38:23 | 潰瘍性大腸炎-入院日記4-
潰瘍性大腸炎で入院28日目第2話(6/24)
-薬の叩き売り編-


ほらねっ、お薬がちゃんと来た。ラコールもきちんと21本。

ラコールは24本入りのダンボールからか3本抜かれ、ダンボールのまま小さいテーブルにドーンと置かれた。

ペンタサ注腸の薬もテーブルの上で威張っている。(便宜上、写真では外箱を切ってある)

飲み薬も11種類が賑やかにテーブルを彩る(いや、白一色だな)

俺って病人みたいだ…って笑えてくる。このままお薬の叩き売りしちゃいたいくらいだ。

「へ~い!プレドニンいかがっすか~?」

せっかくなので写真をパチリ。


久しぶりにコンタクト入れてみると、明らかに度があってない。弱い。
コンタクトは2週間使い捨てタイプだが、買ったばかりであと5枚残っている。

嗚呼、面倒臭がらず視力検査して、度数を上げてもらえば良かったぁ(汗)

今使っている眼鏡は、イオンレイクタウンのmori棟2階にある「style eyes」というメガネ屋で作った。踏んづけて眼鏡を大破したために、入院前に急遽作ったものだ。度数は今の僕に合っている。

コンタクト、まだ残ってるけど微妙だなぁ。捨てるのももったいないし。


【つづく】

入院日記28-1

2009-06-25 09:17:42 | 潰瘍性大腸炎-入院日記4-
潰瘍性大腸炎で入院28日目第1話(6/24)
-手堅く薬オーダー編-


暴れたなぁ。

1日のトイレ回数はそうでもなかったが、消灯後によく暴れてくれた。
やはりラコールの飲む量が増えたことが起因しているのだろうか。

まぁ、良くなっていることは事実、辛抱辛抱だ。


今日は薬を頼まねばならない日だ。普段は昼間に頼むのだが、忘れないうちにと朝の検温に来た看護師さんに頼んだ。何となく手堅そうな看護師だ。

薬の処方にも毎回不備がある。だから、手堅そうなっていうの重要だ。

先週はアクトネルが処方されなかった。更に前は14本必要なラコールが7本しか来なかった。せっかくなのでついでに言うと、要らないと言ったペンタサ注腸はなぜか届いたりした。


今回はラコールが途中から増えたために、1週間に21本必要だ。14本ではなくきちんと来るだろうか。アクトネルもきちんと処方されるだろうか。

一応アクトネルの件は伝えて、先生に確認してもらうことにした。ラコールは14本でも何とかなるので、あえて指示しなかった。さて、きちんとくるかな?

薬を出すのは先生だ。「先週と同じでっ」と先生がきちんと見ていないと、途中で変更になった薬が間違えて届くわけだ。

朝の検温の看護師さんは、しっかりしていて、バッチリメモをして、きっちり理解してくれた。うん、最近はいつも新入りナースに薬を頼んで酷い目に遭ってるから、ホッとした。


朝8時から日勤の看護師に担当が変わる。

この病室はの担当は…マジかよ、新入りナース!!

嗚呼、薬を朝のうちに頼んでおいて良かった…。

【つづく】

入院日記27-4

2009-06-24 19:02:20 | 潰瘍性大腸炎-入院日記4-
潰瘍性大腸炎で入院27日目第4話(6/23)
-マリッジブルー編-


ああ、6月の憂鬱って感じ。マリッジブルーみたいな?

あ~ぁ。結婚かぁ…。

正月買った「えんむすび」の御守りは、こうして病室にも持ってきてるけどさぁ。

「どうなんですか、御守りさんっ!!」


久しぶりに無気力な感じ…。
夜まで何してたんだろう、覚えてないなぁ。

ということであっという間に夜が来た。何となくでX JAPANのライブ見て、病室のベッドで地味に縦ノリしてみた。

少しはテンションが上がった?

血圧は上がった!


消灯まで時間が中途半端に余ったので、「ぱにぽにだっしゅ」という深夜やっていたアニメ(全26話)の第1話を見ることにした。

わけがわからんアニメだ。ストーリーも展開も登場人物も何もかもデタラメだ。ムダなカットインも多いし、結局何だったのかわからないまま第1話終了。

以前、テレビで何話か見たことがあって「わけわからん」といつも思っていた。だから、第1話から見ればわかるかと思ったが、サッパリである。

いったい何なんだろう、このアニメ。理解するには残りの25話を見なければならないようだ。

このわけのわかんなさの向こうに、僕を変えるナニかがあるかも知れない。


因みに主題歌がいろいろ使われているんだけど、作曲趣味の僕を刺激する衝撃的な曲が多く、そのせいでこの「ぱにぽにだっしゅ」は忘れられない気になるアニメだった。

僕はアニメなんか見ないんだけどね。ここ10年でまともに見たのって唯一エヴァンゲリオンだけだし。(しかも今年初めて)

萌え~とかよくわからないけど、「ぱにぽにだっしゅ」のキャラクターたちは萌えキャラなんだろうな~。

萌え~は、も~え~ゎ。

…キレがない、でも終了っ


【27日目終了】

入院日記27-3

2009-06-24 15:00:52 | 潰瘍性大腸炎-入院日記4-
潰瘍性大腸炎で入院27日目第3話(6/23)
-退職!?編-


午後3時をまわって職場の人事担当が来た。土産に雑誌を2冊(SPA!と東京ウォーカー)を買ってきてくれた。母親みたいにジュノンを買ってこられたらどうしようかと袋から出すのヒヤヒヤした。

先月の給与明細、有給、契約更新、源泉徴収票の申請…と事務的な話と作業がつづく。

あぁ、面倒臭い。

続いて来月のシフトの話になった。退院の見通しも立っていないし、退院から逆算すると、8月中の復帰はおそらく無理だ。

退院する前に、流動食から食事が始まって普通の食事まで10日かかるし、1ヶ月以上絶食安静をしていればすぐ働けるような筋肉と体力なんてない。

前回の3ヶ月入院では、手すりがないと階段を上れなかったし、スーパーの前で原付を支えられずに倒し、しかも起こすことができないという恥ずかしい思いをしている。

だからすぐ働くなんて無理ぽ~。

それで8月中は無理という話をしたら、「一度退職してもらうことになるかも」と言われた。

……( ̄○ ̄;)……。

意味わからん。

同じ待遇でまた入ることができるというけど、訳わからん。

もう、知らん。

仕事については考えなきゃって思っていたし、いい起爆剤になった。

絶対に自慢できる仕事に就いてやる!!

でも、社会保険やら傷病手当てのことがあるから、いきなり退職はちょっと困るなぁ。

マジ、凹むというより苛立ちを感じた。

チクショー(≧ヘ≦)


【つづく】

入院日記27-2

2009-06-24 12:21:07 | 潰瘍性大腸炎-入院日記4-
潰瘍性大腸炎で入院27日目第2話(6/23)
-恋をしちゃうよ編-


暇な火曜日だが、午後に職場の人事担当が来る予定になっている。

なんとなく気が乗らない。

どうせならさっさと来て用済ませてくれないかなぁ。鬱蒼とした気分から早く解放されたい。


よし、河村隆一!!

今日は爽やかに(?)河村隆一を聴き倒す。決めた。

最近はやたら湿っぽい曲ばかりだけど、彼の歌う軽快なポップスは気持ちいい。彼の曲を聞けば元気が自然に湧いてくる。

「恋をして人は詩人なります♪」(『恋をしようよ』より)

ホントいいわ~この歌っ!!

よし、次に作る曲は爽やかなポップスで決定だなっ。

「恋をして僕は歌人なります♪」

そうだなタイトルは『恋をしちゃうよ』なんていかがでしょう?

はい、ボツ~×(´ω`×)


先日先生に頼んだ書類が出来上がった。特定疾患医療給付継続申請(長いっ)のために必要な潰瘍性大腸炎の臨床調査個人票のことだ。(漢字ばかりでウンザリ)


毎回何かしら不備がある。前回は記入漏れで申請が2ヶ月も遅れてしまった。(保健所にも問題があったのだが)

きちんと確かめなければ。


(-o-;)

なんだこれ!?(写真参考)

発病年月の欄「平成2年 (満21歳)」って!?俺今いくつよ(汗)

写真には写ってないけど、すぐ右の欄に初診年月日には「平成13年~」て書いてあるし、11年間放置したことになるやんけ(笑)
ったく、毎回のことながら字は汚いし、何ヵ所も修正がされてるし…。

これも本当は12年なのに1を抜かして2年になっちゃってる。雑すぎるよマジで。

はい、ボツ~×(´ω`×)


【つづく】

入院日記27-1

2009-06-24 09:15:11 | 潰瘍性大腸炎-入院日記4-
潰瘍性大腸炎で入院27日目第1話(6/23)
-手紙・隣の奥さんへ編-


「死ぬ死ぬ死ぬ~!!」

夜中聴いていたiPodのイヤホンに首を絞められて目が覚めた。危なかった…。


さて、今日から点滴の本数が減り、ラコールを飲む量を増やす。増えたラコールをどのように飲んでいくか考えなければならない。

トイレの回数も連日4回と落ち着いている。このまま落ち着いてくれれば良いのだが。

火曜日はいたって暇な曜日だ。
男性のシャワーの日は月水金、シーツ交換と部長回診が水曜日。土日前の金曜と土日明けの月曜はそれなりにバタバタ。
結局、火曜と木曜(もちろん土日も)は何もないのである。


窓の外は久しぶりにお日様が顔を出して、病室からはわからないがかなり蒸し暑いらしい。

入院日記に書きたいこと多いから、どんどん書き溜めておこう。

携帯からだと字数制限があるから、どうしても小分けになってしまう。基本的には、半角1000字から1500字(最大2000字)を目安にしているが、すぐにいっぱいになってしまう。

まぁ、おかげで短くまとめるっていう練習になっているみたいだけど。

それで、今回からはサブタイトルを付けることにした。もともとタイトルを考えるのが好きだから、書き始めた当初から付ける予定だったんだけど、どうせネタ切れするだろうなとやめちゃったのだ。

毎回「入院日記」っていうタイトルじゃ味気ないしね。

でも、早く退院しないとネタ切れになること必至だな(^_^;)頑張ろっと。


隣の患者さんの奥さんのネタ、ホントはもっともっとあるんだけど、書ききれないなぁ。またその内登場してもらおう。


-隣の奥さんへ-

僕も1ヶ月間絶食中ですよ。治療のための絶食です。だから絶食という名の薬だと思っています。治すためですから辛くないですよ。

旦那さんも治療のために絶食で頑張ってます。優しく応援してあげましょうよ。それが素敵なパートナーだと思いますよ。


【つづく】

入院日記26-6

2009-06-23 19:26:14 | 潰瘍性大腸炎-入院日記4-
潰瘍性大腸炎で入院26日目第6話(6/22)
-hang in there!編-


女神さんは今、体を張って働いている。僕は病院で安静の身。僕にできることは、ここからエールを送ることだけだ。

-hang in there!-

僕の好きな言葉。
簡単に言うと「カンバレ」という意味だが、ちょっと違う。

漠然とした「ガンバレ」ではなくて、あるひとつのこと(目標)に対して「負けるな!」「くじけるな!」という「強いガンバレ」なんだ。だからこの言葉が好きなんだ。

 君は夢に向かって羽ばたく旅人
 僕は遠くで見守る祈り人
 二人の距離を越えて届けたい
 hang in there!


絵を描いた。デッサンもどき。昔から落書きが好きだった。今でも紙とボールペンがあれば描きたくなる。

僕のデッサンもどきは、鉛筆ではなく普通ボールペンを使う。100円で売ってる油性でも水性でも何でもいい。

ボールペンはインクの出がわがままだから鉛筆よりもずっと難しい。でもそれがかえって面白い。

ボールペンは使い方によっていろんな線と色が出せる。誰に教わったでもない、長い落書きぐせのなかで体得したスキルだ。

僕はこの自分流のボールペンによるデッサンもどきに自信を持っている。きっと他にいないでしょ、ボールペンでデッサンする奴なんて。

僕だけの趣味というか、特技というか、スキルというか、これだけは自信を持てることだ。

「真っ黒でワケわかんない」ってよく言われるけど、僕だけの表現だと自負している。


…っと、熱くか語りすぎたか。

そんな僕は「hang in there!」の絵を描いた。何故かモデルは羽の付いた虫になった。どうしてそうなったのかはいつもわからない。頭と心と右手に任せると、いろんな絵が描ける。

葉っぱに「hang in there!」と書いた。
女神さんへのメッセージ。
僕自身へのメッセージとも言えるかな。

今僕にできることを、ただやってみた。それだけのことだ。


夜には映画「鉄道員(ぽっぽや)」を見て、高倉健渋くてカッチョいいわ~としびれて寝た。


【26日目終了】

入院日記26-5

2009-06-23 17:28:44 | 潰瘍性大腸炎-入院日記4-
潰瘍性大腸炎で入院26日目第5話(6/22)
-酷・隣の奥さん編-


隣の患者の奥さんの話をもうちょっと続けます。

患者さんは食べれないことを苦に思っていないし、治療だと理解している。それなのに奥さんだけがギャーすかキャーすか騒いでいるのだ。旦那さんが奥さんをシカトするときが多々ありそれが愉快でたまらない。

奥さんの酷な所は、「お腹痛いなんて言ったらダメだからねえ」「熱があっても正直に書いちゃダメだからねえ」ととんでもないことを執拗に言うことだ。もちろんアクセントは「ねえ」である。

ホントに旦那さんに良くなってもらいたいの?と不思議でならならない。

挙げ句の果てには、「あんたが食べれないから、悪いと思って美味しいもの食べに行けないんだからねえ。ホントは食べに行きたいのに!(`ヘ´)」と旦那を攻める始末。

そんなこと言わないでもいいじゃん、かわいそうに(-.-;)

「どうして良くならないの?」
「あなた○○したんじゃないの?」
「××したんじゃないの?」
「病院がいけないのかしらねえ」
…。

毎日毎日面会に来ては「酷いわよねえ」で始まり「酷いわよねえ」で終わる怒濤の文句。
僕は語尾の「ねえ」だけが耳から離れなくなるし…。

昨日も、今日も、明日もきっと…。


「奥さんがいけないんじゃないかな?」と旦那さんを救える勇気が、僕には足りない。すまねぇ。m(_ _)m


でも、みなさんどう思います?
奥さんが酷いわよねえ?


【つづく】

入院日記26-4

2009-06-23 16:25:11 | 潰瘍性大腸炎-入院日記4-
潰瘍性大腸炎で入院26日目第4話(6/22)
-絶食ヒステリック編-


金曜日に退院したミノルくんのベッドは土日を挟んだので空いたままだったが、ついに新入りが患者さんが来た。

意味なく冷えピタを貼ったり、甘えん坊だったりすることのない、いたって普通の方だ。


問題は相変わらず隣のベッドで同じく絶食中の患者だ。いや、患者さんじゃないな、問題なのはその奥さんだ。

もはやヒステリックの息に達している。毎日まだ食べれないのかと騒ぎ立てる。そして決めゼリフを吐く。語尾にアクセントを置いて「酷いわよねえ」。食べれないのは病院のせいだと思い込んでる。

「いつになったら食べさせてもらえるんですか?」

聞き方がすでにおかしい。先生を見つけるや否やすかさず聞く。

「体が良くならないと…」

だいたいこんな返答でしめくられる。


土日が明けて、二日ぶりに会う先生にまた食って掛かる。

「いつになったら食べさせてもらえるんですか?」

隣の患者の担当医は消化器科の部長であり、市立病院の副院長のS木先生だ。いつも低温の響く声で余裕の対応をする。
今日は特に饒舌だ。

「おっ、また来たかその話」と張り切った対応だった。

「ここ(たんのう炎)が良くなってくれないことにはどうしようもないですよ。ハハハ。」

「1ヶ月も食べさせてもらえないなんて、(体に)大丈夫なんですか?」

皮肉たっぷりの声で聞く。

「この点滴は高カロリーで病院で過ごす分には何不自由しない量が入ってますよ。」

患者は僕が以前からこだわっている、中心静脈に栄養を入れる「IVH」をしている。

「だからって、いつまでも…」

「ハハハ。今食べたら確実に悪くなります。当分食べれません。じゃなきゃこんなの(IVH)いれませんよ。ハハハ。」

おおっ、ちょっと強気な発言。

「試してみます?旦那さん苦しんでのたうちまわるかもしれませんよ。ハハハ。」

おおっ、さらに攻めたぞ。余裕な返答の裏にはきっとイラッてしてるに違いない。

「…。」

奥さん無言。

「まぁ、今食べさせるのは『常識はずれ』です。ハハハ。」

だめ押しの一撃炸裂っ!!

「そういうことです」と言って他の病室へ消えていった。

すっかり言い負かされた奥さんは黙っていたが、先生がいなくなってすかさず口を開いた。


「酷いわよねえ」

アクセントはそう、後ろにおいて。

【つづく】

入院日記26-3

2009-06-23 14:07:47 | 潰瘍性大腸炎-入院日記4-
潰瘍性大腸炎で入院26日目第3話(6/22)
-治療進展!新たな始まり編-


激動の月曜日。治療にも大きな変化が訪れた。

副作用が強く小さいくせに驚愕の苦味をもち、僕が毒薬と称するステロイド剤「プレドニン」を減らすことが決まった。

減らすのは6/25から。最大投与量の40mgにしてから予定通りの2週間だ。

最大量だった40mgから35mgに減る。粒でいうと一粒分だ。半粒ずつ(2.5mg)減らすか悩んでいたが、大腸の様子が良くなっているので、1粒減らすことになったのだ。
この減量の選択は、退院の時期に大きく影響を及ぼすので、このまま5mgずつ減らしていけたらいいのだが。あとは暴れん坊将軍の大腸さんのご機嫌次第だ。


さらに。

嬉しいことに、シャワーの許可が出た。いつもタオルで体を拭くだけだったが遂に!遂に!遂に!

看護師さん、いつもタオルくれなかったし…(グチグチ)


さらにさらに。

午後には、点滴を減らすことも決まった。1日4本だったのを明日から3本へ。これによって24時間繋ぎっぱなしだった点滴から夜中は解放される。

気楽になるのはもちろん、夜中のトイレも軽くなる可能性がある。僕の大腸さんは夜泣きが激しいから、そうなってくれると大変助かるのだが。

点滴を減らす代わりにラコールを1本増やす。これで1日3本(計600ml)飲むことになる。

ラコールとは簡単に言うとプロテインドリンクみたいなものだ。ドロッとしていて乳製品の甘くクセの強い味がする。苦手な方も多いようだが、僕は大好きだ。

ラコールがたくさん飲める。なんとも嬉しいことだ。

ただ不安なのは、口から入れるラコールが増えることで、大腸さんの機嫌を損ねる結果にならないかどうかだ。


採血の結果がでた。やはり貧血が進んでいた。毎朝の出血はまだ続いている。ヘモグロビンの値が10を切ったため、再び造血剤の点滴が追加されることも決まった。

2年近く続く貧血、そろそろ脱したいものよのぅ。

【つづく】

入院日記26-2

2009-06-23 11:49:44 | 潰瘍性大腸炎-入院日記4-
潰瘍性大腸炎で入院26日目第2話(6/22)
-希望の朝編-


……。

もう日記すら書く気が失せてきた…。憂鬱だ。でも、ここでやめたらホントにうつ病になりかねない。

憂鬱なのに、書くのは昨日の外出時の楽しい話。更に憂鬱になる。

はぁ…。

はぁあ!?

8時ちょっと前、メールが届いた。律儀に毎朝8時にメールをよこすスロット店にしてはちょっと早い。

おっ!

おおっ!!

おおおおおっ!!!

女神さんだぁぁぁぁぁ!!

先日みた映画風に書くと「女神Haaaan!!!」っ感じ?いや、イメージが崩れるからボツだな。

茨城でお世話になっている所は、電波が届かないらしい。

ああ、今僕のテンションはバリ3からもう1本立っちゃいそうなのに…

ぅぅキュイーンヽ(≧γ≦)ゞ


-希望の朝-

 あた~らし~い あ~さがきた~♪
 きぼ~うの あ~さ~だ~♪

僕の頭の中でエンドレスリピートしているのは「ラジオ体操の歌」だ。

長い夜が明けた。
長い闇が明けた。

希望の朝だ。


「私も会いたい」って言ってくれた。優しい人だ。ほら、また涙溢れてる。


希望の朝はまだ始まったばかり、そこへ主治医のN先生がやって来た。


【つづく】(喜)

入院日記26-1

2009-06-23 07:45:03 | 潰瘍性大腸炎-入院日記4-
潰瘍性大腸炎で入院26日目第1話(6/22)-絶望の朝編-


メールが来た!!

夜中未定、女神さんからメールが届いた。長い長いメールだ。「全然気にしてないよ」といった内容で、優しい言葉が続いていた。

最後には写真付きで台風情報まで載せている。日本地図に気圧配置まで事細かに書いてある。更に今後どう移動するかも記されていて、僕の住む埼玉県は台風の移動軌道から外れたことを喜んでいた。

ホント優しい人だ(*^o^*)

…。

……。


-絶望の目覚め-

…夢か。

夢から覚めたことが悪夢だ…。

まだ薄暗い部屋、どしゃ降りの汗をかいていた。

「今何時だ。」

携帯を見る。時間より先に、メールが来ていないことが分かる。
何度も何度も、こうして無駄に起きてメールチェックしている。さっき確認したときから大して時間が動いていない。

どんな幸せな夢もしょせん短い夢か。

朝までが長い。もう一度女神さんの夢が見たい。次は大雪警報でもいい。

すっかり意気消沈した僕は無理やり寝ようとしたが、頭が冴えてしまい眠れなかった。

朝になれば女神さんから「おはよう」、「疲れて寝ちゃった」みたいなメールが来るかもしれない。


-絶望の朝-

月曜の朝は騒がしい。大半の患者さんが採血だ。土日は先生がいないからこの月曜にいつも大きな動きがある。

僕も月曜恒例の採血。体は思いの外調子がいい。大腸の暴れん坊も大分おとなしくなった。トイレの回数がついに1日4回と更に進展した。快挙だ。

それなのに、全くテンションが上がらない。

もう女神さんの起きている時間だ。携帯はうんともすんともかんともちんともいわない。確かにサイレントマナーモードにしているが、そういうことじゃない。

女神が消えた絶望の朝だ…。


【つづく】

入院日記25-6

2009-06-22 19:28:49 | 潰瘍性大腸炎-入院日記4-
潰瘍性大腸炎で入院25日目第6話(6/21)-さらば!?女神編-


カバンには読みたい本たちと、ライブDVD、作曲に必要なオーディオインターフェースとマウスも詰め込む。

入院前にも探したがニンテンドーDSの充電器は今回も見つからなかった…。きっとごみ箱に保管してしまったのだろう。

さらにちょっとしたこだわりでミッキーの写真立ても持ってきた。写真はない。自分の落書きを飾るためだ。今は昨日書いた女神さんと僕のてるてる坊主の絵を飾っている。

白いベッドの上、急に暇になった。ちょっぴり疲れたのかも知れない。点滴を1本飛ばしているのでエネルギー切れかも知れない。なんとなく虚無を感じた。

あ~ぁ、なんだかなぁ。(´⌒`)


そんなときメールが来た。女神さんからだった。無事に茨城に到着したとのことだった。良かったぁ。

夢見る旅人は新しい始まりに一歩踏み出し、僕は入院生活後半戦へ一歩踏み出した。

…。

「今一番会いたい人」だと書いたら、メールが途絶えた…。

これから仕事先の人と会うって言っていたから、メールができなくてなったのかも。

だけど…。

不安…。

何度も何度も携帯を確認。携帯から離れられなくなっている悲しい自分。

消えてしまった…。


暇つぶしをたくさん持ってきたのに、なんにも手がつかない。いや、胸騒ぎで忙しい。

まさか、新しい地で事件に巻き込まれたのでは??

いや、単純に嫌われたんだろう。

はぁ…。

消灯の時間になってもメールはこなかった。


「退院したらコッソリ会いに行こう」なんて最後に書いたのがイケなかった。

調子に乗りすぎた…。
女神さんの優しさに欲張りになりすぎた…。

後悔ばかりが頭をよぎる。入院してずっと前向きだった僕が初めて凹んでる。一番暗い夜だ。

消灯後の静まり返ったベッドの上、僕は布団に潜り込んでメールを打った。

「消えないで欲しい」

僕のわがままだけど、女神さんは今僕を一番支えてくれる人、励ましてくれる人、勇気をくれる人。

だから、だから…。


夜中気になって何度も目が覚めた。何度も携帯の画面を確認した。


女神さんからの返信は、来なかった…。


【25日目終了】(涙)