その名も、まめちゃん。-虹色流星号-

日本一ダメダメ男、まめぞの日記。
...今日もトホホな一日を過ごしました。
 *旧「その名も、たぁちゃん」

入院日記23-6

2009-06-20 20:49:05 | 潰瘍性大腸炎-入院日記4-
潰瘍性大腸炎で入院23日目第6話(6/19)


N先生とじっくり話したのは久しぶりだった。とっても、充実した時間だった。母親も帰り、よし、これでパズルに着手出来るぞ!と思った矢先、突然の訪問者だ。

職場の仲間、先日とは違う男女2人だ。

年の差、実に10歳。
女、バツイチ、男、大学生。

それ以上の関係は、ない。

と思う。

「すももちゃんが、無かったから、お土産なしねっ」

すももちゃんとは、駄菓子屋で売ってる「すももの酢漬け」のことで、それに関する爆笑トホホネタは、今までにいくつも書いてきた。

「すももちゃんのおシルが、僕の下半身を濡らして、嗚呼…」

最初の話は、エロスを盛り込んだそんな内容だったかな。


なんでこんな遅くにと思うと、パチンコを打ってきたそうだ。ホントはもう一人来るはずだが「準備したら向かいます」と言ったきり一切連絡が取れないらしい。

仕事では遅刻魔で、最終勧告を何度も食らっているK村君だ。僕が退院するまでにクビになっていなければ良いのだが…。

面会終了の20時ギリギリまで騒いでいった。はぁ、うちの職場のやつらはどうしてこんなにやかましいんだろうか、ここは病院です(汗)

もう20時過ぎかぁ、注腸もしなきゃいけないし、ああ忙し忙し。パズルはまた明日だな。


女神さんは今日も優しい。病気、手術、仕事、何でも不安を取り除いてくれる。

ありがとう。

入院日記とは違うアナザーストーリーが、僕の胸に生まれてきたかも知れない…。


【23日目終了】

入院日記23-5

2009-06-20 18:00:10 | 潰瘍性大腸炎-入院日記4-
潰瘍性大腸炎で入院23日目第5話(6/19)


【主治医N先生が現れた。】

◇たたかう
◇まほう
◆みまもる
◇にげる


母と僕は戦いも逃げもせず見守る作戦に出た。

やはり先制攻撃はN先生だ。母親がいるここぞとばかりに話し出した。

これまでの経過、薬増量の経緯、それに伴う弊害、将来を考えた上でのこれからの治療、手術の可能性。

ときおり魔法も唱えながらの連続攻撃。

プレドニンを減らせても、完全にやめることはできないかも知れない。すると、どんどん蓄積されてしまう。今は若いからいいが、年をとるといろんな弊害が出て、しかも薬を飲んでいるので治せないといったことも起こりうる。

手術は、プレドニンの量を減らした状態でないとできない。切った所がくっつかないのだ。プレドニンは一気に減らすことは出来ないので手術までに時間がかかり、減らしていく段階で次第に病変が良くなることが多い。

もちろん手術は直腸を残して大腸全摘出になる。

最初は抵抗があるが、やったらやったで将来的には楽かも知れない。薬もずっと減らせるし、残っているのは直腸だけだから、悪くなっても治療が楽とのこと。

プレドニンを増やしても効果がなかったり、何度も繰り返すようなら、手術も視野に入れないといけない。今プレドニンを最大量にして一週間経過し、もう一週間様子見だ。

話した内容はだいたいこんなところか。

【主治医N先生は逃げ出した…。】

お金は得られなかったが、経験値を幾ばくか手に入れた。


今までは先生の話を聞く度に凹んでいた。それは母親も一緒だった。でも今回は二人とも凹んでない。母も僕も強くなった。前向きな話ができるようになった。

地味にレベルも上がっているのだ。

だからこそ、頑張れる。今回は病気に気持ちが負けてない。僕が勝つ。

少なくとも隣の患者の奥さんのように「酷いわよねえ」なんて言わない。


僕は勝つ。

正義は勝つ。

僕の名前は「義勝」。

そういうことだ。

ん!?どういうことだ?


【つづく】

入院日記23-4

2009-06-20 15:52:04 | 潰瘍性大腸炎-入院日記4-
潰瘍性大腸炎で入院23日目第4話(6/19)


「あなたは死なないわ、私が守るもの。」
その声は…?レイ!?

アイツが呼んでいる。

先日職場の仲間が持ってきてくれたエヴァンゲリオンのジグソーパズルだ。包帯を巻いているレイを選択したセンスには甚だ疑問も残るが、「あなたは死なないわ、私が守るもの。」の名言を残しているから、縁起がいいのかもしれない。

「遊んだら返して、オレが欲しい。」と冗談ではなくマジで訴えていたので、レイの顔の部分のピースだけ抜いて返そうと思っている。


ジグソーパズルなんてガキの頃以来だ。パネルに入れたことなんてない。いわゆる知能パズルみたいなもので、何度も何度も繰り返し揃えた記憶しかない。

「へぇ、のり付けって、表面に塗るんだぁ。」

ずっと疑問だったんだよね。どうやって台紙に貼るんだろうって。後ろ向きにパズルを揃えるわけないし、のりを塗った台紙に1ピースずつ直接貼ったら、間違えていたとき大変だし、パズルを完成してからじゃどうやって台紙に乗っけるんだろう。「せーの」ってやったら崩れちゃうだろうし…。

ほうほう、台紙の上でピースを揃えて上からのり付けなのかぁ、スゲースゲー。たぁちゃん感激っ!

とりあえずまわりを固めて、赤いところを揃えて…。

夢中になるとうっかり肘を曲げすぎてしまい、点滴が随分遅れてしまった。最近平和な点滴、鬱なり。

今日中に完成させる気満々で挑んでいたが、いつもより早くに母親が見えた。

恒例の、お留守番しているキャロル(猫)の話に加え、昨日話したバイキングの話をした。

「お父さんがあまりにも可哀想じゃない?」


そこに硬い足音が近づいてきた。

こ、この足音は!?
…あの男に違いない。


【つづく】

入院日記23-3

2009-06-20 13:29:32 | 潰瘍性大腸炎-入院日記4-
潰瘍性大腸炎で入院23日目第3話(6/19)


顔の肌荒れが酷い。プレドニンという強い薬を増やして顕著に現れた副作用だろう。小さな吹き出物が出来ては消え出来ては消えを繰り返しているし、ほっぺも少し膨らんできたようだ。

先日一気に髭を抜いてサッパリだった顔は無精髭で汚れている。また抜くのも大変だし、肌の状態を考えても抜かない方がいいだろう。そうこうして1週間近く放置していたら、急に剃りたくなった。

肌荒れ酷いけどソフトに剃れば平気かな。
洗面所に久しぶりにカミソリとシェイビングクリームを持っていった。カミソリ負けしないよう顔にたっぷりと泡をぬりだくる。

サンタクロースみたいな真っ白なふわふわ髭が生えた。そして僕の胸元に溢れ落ちる。

ちとやり過ぎたな。

カミソリを右のほほに優しく当てて、ゆっくりと下へ滑らす。

うひゃ~痛えぇ(ρ_;)

こんなに慎重にやっても痛いのかぁ、めげるなぁ、うぅ。

かといって、やめるわけにはいかない。右ほほに一直線髭がない、そんな顔じゃ「なめとんのか、われ?」と他の患者に絡まれちゃうかもしれないし、いや、単純におかしいでしょ、恥ずかしい。

意を決して、全体的に剃る。所々から血がにじみ出してきた。顔中がヒリヒリ。「こうなったら一緒だ、どうにでもなれ!」と剃りまくった。どうしても剃れなかったところはあるが、まぁそれなりに満足した。
一応サッパリ?で気分も良くなったのでアイツに手を出す事にした。


【つづく】

入院日記23-2

2009-06-20 11:21:19 | 潰瘍性大腸炎-入院日記4-
潰瘍性大腸炎で入院23日目第2話(6/19)


▼▲▼▲▼▲▼




くん、退院。

▲▼▲▼▲▼▲

あの甘えん坊ミノルくんが退院した。今日も朝から何度も何度も熱を計っている。いつものことだ。おそらく熱が高くないと気に入らないみたいで、熱があることで同情を引きたいようなのだ。もはやトレードマークとして定着した、冷えピタを貼る口実を作っているのだろう。

数日前から退院の話が出ていたが、甘え足りないのか、あまり乗り気ではなくグズっていた。誤解を招きそうなので一応書くけど、ミノルくんの推定年齢は50歳、列記とした大人だ。

「どうせすぐ戻ってくるよ。」

「いい加減にしなさい!」

夫婦漫才を最後にミノルくんは退院した。

少し静かになった部屋で「入院日記21-5」を書き始めた。不妊症の彼女が猫の去勢手術に苦悩する話。

当時の記憶がリアルに蘇ってきて、悲しくなった。考えれば考えるほど涙腺が緩んで涙が止まらなくなった。拭いても拭いても大粒の涙が溢れる。確かに涙もろいけど、入院してより感傷的になっているようだ。気持ちが押さえきれず、気づけばヒクヒクって泣いていた。

静かな病室で声を殺して泣いている。

きっと回りの患者さんはミノルくんが退院して寂しくなっちゃったのかなと思っているかもしれない。


自分と同じく子供を産めない体にしまう事への罪悪感、人間の都合で猫本来の生き方(親になって子育てをする)を奪う事への罪悪感。


僕の部屋で飼っているキャロル(♀)だって、本当は素敵な猫ちゃんと家族を築いていたかもしれない。それを考えると切なくなる。しかも今、僕は長期入院。寂しい思いをさせてごめんな。


日曜日、とっておきの缶詰めあげるね。


【つづく】

入院日記23-1

2009-06-20 09:06:59 | 潰瘍性大腸炎-入院日記4-
潰瘍性大腸炎で入院23日目第1話(6/19)


入院日記の展開が「電車男」みたいになってきたなぁ。

せっかくだからタイトル決めるか?

「入院男」?
「病院男」?
「病室男」?

うわぁぁぁ、どれも暗くてネガティブゥゥ(-.-;)

「潰瘍男」じゃまるでホラーだし、「利男」は父親の名前だし…。もっと楽しそうなのないかなぁ。


そんな感じで、23日目スタート。

窓の外は朝から霧が深く、幻想的な朝陽が病室を照らしてる。「これから晴れるのかな。」

天候に期待しつつ、佳境に入ってきた「クリスマスイヴ」を読み始める。ついに事件が発生!!まだ結末を知りたくないような、知りたいような。と言いつつものすごいスピードで読み終えてしまった。

「くっそぉ、またまんまと騙された。」

小説を読み慣れていないからこそ、作者の思惑通りに騙される。最後のどんでん返し、悔しかったなぁ。でも、その「ヤられた!」って瞬間がたまらない。

僕は、疑うことを知らないピュアなハートの持ち主、ということでいかがでしょう。

日曜日の外出の時に古本屋で面白そうな小説を仕入れてこなくちゃ。


はっ!?
新入りナースめっ!
またタオルもって来ないし、自己申告制かここは。
点滴交換時に止めてもらい、体を拭いて着替えを済ます。


う~、サッパリンコ。

湯上がりではないが「湯上がりの一杯」とマグカップに残っているお茶を…

うわっ!?

手が滑り、着替えたばかりの僕に向かってマグカップが飛んできた。

僕の、大事なトコロを中心に、びしょびしょ。

う~、ガックリンコ。

どれもこれも新入りナースのせいだぁぁぁ!


写真;愛用のマグカップ

【つづく】