最近、スロットのホールで働くことが多い。しかも、「吉宗」の設置してあるコースを担当することがこれまた多い。
僕はプライベートでもスロットを打つが、吉宗でいい思いをしたことがほとんどない。ハマリにハマってオバケをひいて、193Gで引き戻しもなく、、、お財布もココロも泣くばかり。スロットを打たない方には何が何だか分からないだろうが、逆に打つ方には、痛いほど分かるであろう。
そんな吉宗コーナーばかりを担当しているのだが、不思議とみんな出しているのだ。
「キーン」
これはビッグボーナス中に鳴ると、ボーナス終了後すぐにビッグボーナスを引けるという音で、誰もがこの音を聞きたいがために吉宗を打っていると言っても過言ではないだろう。
その魅惑の音を他人が鳴らしているのを聞くのはあまり快いものではない。が、「キーン」に魅せられて、自分も鳴らしたい気持ちになってしまうから困ってしまう。
そこで早番の仕事を終えて、「鳴らすぞ」と鼻息を荒くして、地元、北越谷にあるショボいパチンコ店「パリス」に足を運んだ。6の付く日は「パリスロ祭」というイベントをやっていてこの日だけはお客さんがいる。僕はバカにしていたが、なかなかあなどれないイベントということを語っているひとがいたために、チャンスを伺っていたのだ。
今日は「パリスでキーン!」だな、と意味もなくテーマを掲げて吉宗の席を取った。1G連チャンを繰り返したあとの193Gヤメの台だ。B:Rが14:1、決して高設定らしい台ではないが、「キーン」に設定など関係ないから、鳴らすことだけを願い、ぶんまわすことにした。
気付けば565Gを越え、965Gを越え、夏目さんの30人斬りをアッサリと終えた。その頃、隣で打っていた、むさいオヤジが1316Gでビッグボーナスをひいた。
「負けた…」
オヤジが1000Gをまわったあたりから操作が荒々しくなったのをきっかけに、僕の中で密かに対決をしていたのだ。
ちょっとへこんだがそのすぐあと1136Gで僕もビッグボーナスをゲットした。34人目の夏目さんがメダル貸出機に飲み込まれた直後だった。
「勝負はお預けだな。」
ところで、僕はビッグボーナスをひきたかったわけではない、鳴らしたいのだ。僕自信の戦いが始まった。
チャンスは27ゲームの子役ゲームと3回のジャックゲームだ。
爺ビッグを選びビッグボーナスを消化。何事もなくビッグボーナスは終了、もちろん1Gなんてしない。
「今日も聞くことができないのか。」
僕のボーナスが終了するや否や、隣のオヤジは193G以内にレギュラーボーナスをひいた。
「奴は天国モードにいるのか、リードされたな。」
おかげで回転数はオヤジとほぼ同じになった。競うように、MAXボタン、レバー、左、中、右、を繰り返す。メダルが入っていなくてまわらなかったり、リプレイなのにMAXボタン連打したりで、お互いに100Gを越えた。
先手をうったのはオヤジだった。なんと、「鷹狩り」に入った。「鷹狩り」とは、吉宗の演出で、ボーナスの期待が高いものだ、パチンコの海物語シリーズの魚郡のような存在だ。期待度は鷹狩りの方が遥かに高い。しかも、その演出でボーナスをひくと、次は天国モード確定、つまり、193G以内にもう一度ボーナスがひけるのだ。
「やはり、負けか。」
僕も高確演出になり、2台並んで賑やかになった。が、オヤジの鷹狩り演出がガセッたのだ。鷹狩り演出が始まった時にピンと伸びた背筋は、こんにゃくのようにだらしなくたった。
「ざまあみろ。」
僕の方もガセると思ったが、なんとビッグボーナスをひいた。
「顔には出さないが、ちょっと嬉しい。」
「今度こそは!」と爺ビッグを選び、むしろ、心を無にして消化していくと、「キーン!」。八代将軍の4文字が順に点灯した。僕は青7を狙う。ななな、なんと、2ラインで揃ったではないか。
「ニヤリッ」
メダルを大げさにドル箱に移し、調子に乗りながら打った。オヤジは193Gを敢えなく通過し、足早に帰っていった。
「ふんッ、勝ったぜ。」
結果は1G連が2回きて、193Gを素通り。そこで即ヤメだ。僕は金額的な勝ち負けよりも、自分自身との勝負と、隣のオヤジとの勝負に勝てたことが、なによりも嬉しかった。
でも、パリスも吉宗も好きになれそうもないな。
バイバイキーン!
僕はプライベートでもスロットを打つが、吉宗でいい思いをしたことがほとんどない。ハマリにハマってオバケをひいて、193Gで引き戻しもなく、、、お財布もココロも泣くばかり。スロットを打たない方には何が何だか分からないだろうが、逆に打つ方には、痛いほど分かるであろう。
そんな吉宗コーナーばかりを担当しているのだが、不思議とみんな出しているのだ。
「キーン」
これはビッグボーナス中に鳴ると、ボーナス終了後すぐにビッグボーナスを引けるという音で、誰もがこの音を聞きたいがために吉宗を打っていると言っても過言ではないだろう。
その魅惑の音を他人が鳴らしているのを聞くのはあまり快いものではない。が、「キーン」に魅せられて、自分も鳴らしたい気持ちになってしまうから困ってしまう。
そこで早番の仕事を終えて、「鳴らすぞ」と鼻息を荒くして、地元、北越谷にあるショボいパチンコ店「パリス」に足を運んだ。6の付く日は「パリスロ祭」というイベントをやっていてこの日だけはお客さんがいる。僕はバカにしていたが、なかなかあなどれないイベントということを語っているひとがいたために、チャンスを伺っていたのだ。
今日は「パリスでキーン!」だな、と意味もなくテーマを掲げて吉宗の席を取った。1G連チャンを繰り返したあとの193Gヤメの台だ。B:Rが14:1、決して高設定らしい台ではないが、「キーン」に設定など関係ないから、鳴らすことだけを願い、ぶんまわすことにした。
気付けば565Gを越え、965Gを越え、夏目さんの30人斬りをアッサリと終えた。その頃、隣で打っていた、むさいオヤジが1316Gでビッグボーナスをひいた。
「負けた…」
オヤジが1000Gをまわったあたりから操作が荒々しくなったのをきっかけに、僕の中で密かに対決をしていたのだ。
ちょっとへこんだがそのすぐあと1136Gで僕もビッグボーナスをゲットした。34人目の夏目さんがメダル貸出機に飲み込まれた直後だった。
「勝負はお預けだな。」
ところで、僕はビッグボーナスをひきたかったわけではない、鳴らしたいのだ。僕自信の戦いが始まった。
チャンスは27ゲームの子役ゲームと3回のジャックゲームだ。
爺ビッグを選びビッグボーナスを消化。何事もなくビッグボーナスは終了、もちろん1Gなんてしない。
「今日も聞くことができないのか。」
僕のボーナスが終了するや否や、隣のオヤジは193G以内にレギュラーボーナスをひいた。
「奴は天国モードにいるのか、リードされたな。」
おかげで回転数はオヤジとほぼ同じになった。競うように、MAXボタン、レバー、左、中、右、を繰り返す。メダルが入っていなくてまわらなかったり、リプレイなのにMAXボタン連打したりで、お互いに100Gを越えた。
先手をうったのはオヤジだった。なんと、「鷹狩り」に入った。「鷹狩り」とは、吉宗の演出で、ボーナスの期待が高いものだ、パチンコの海物語シリーズの魚郡のような存在だ。期待度は鷹狩りの方が遥かに高い。しかも、その演出でボーナスをひくと、次は天国モード確定、つまり、193G以内にもう一度ボーナスがひけるのだ。
「やはり、負けか。」
僕も高確演出になり、2台並んで賑やかになった。が、オヤジの鷹狩り演出がガセッたのだ。鷹狩り演出が始まった時にピンと伸びた背筋は、こんにゃくのようにだらしなくたった。
「ざまあみろ。」
僕の方もガセると思ったが、なんとビッグボーナスをひいた。
「顔には出さないが、ちょっと嬉しい。」
「今度こそは!」と爺ビッグを選び、むしろ、心を無にして消化していくと、「キーン!」。八代将軍の4文字が順に点灯した。僕は青7を狙う。ななな、なんと、2ラインで揃ったではないか。
「ニヤリッ」
メダルを大げさにドル箱に移し、調子に乗りながら打った。オヤジは193Gを敢えなく通過し、足早に帰っていった。
「ふんッ、勝ったぜ。」
結果は1G連が2回きて、193Gを素通り。そこで即ヤメだ。僕は金額的な勝ち負けよりも、自分自身との勝負と、隣のオヤジとの勝負に勝てたことが、なによりも嬉しかった。
でも、パリスも吉宗も好きになれそうもないな。
バイバイキーン!