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潟上市マイタウンバス

2021-05-11 23:55:37 | 秋田のいろいろ
少しだけ触れていた、3月下旬の潟上市マイタウンバスのことをざっと記録。※利用の際は最新の公式情報を確認してください。
秋田県潟上(かたがみ)市は、秋田市の北、八郎潟残存湖の南に位置する。2005年に飯田川町、昭和町、天王町が合併して発足。市の形も、そこを通る幹線道路も鉄道もY字型。
JRは奥羽本線と男鹿線が通り、駅も多いが、Yの左上から右上、男鹿線・天王駅~追分駅乗り換え~奥羽本線・羽後飯塚駅だと、420円かかる。

一般路線バスは、秋田中央交通が秋田駅西口発新国道経由の、五城目線と追分線(市内の天王グリーンランド行き)を運行。
ほかに市内完結の「潟上市マイタウンバス」が複数路線運行。たいていの町のコミュニティーバスと同じく、鉄道駅・病院・商業施設と集落を結ぶ路線網ではあるが、潟上市では鉄道や一般路線バスと並行する路線もあるのが特徴。※旧道や集落内に入るなど、一般路線と経路は異なる。
さらに、Y字の上側をショートカットする路線も設定されている。
そして、それら路線どうしの乗り継ぎも比較的良好。

マイタウンバスの運賃は1乗車に付き大人100円の定額(降車時支払い)。中央交通一般路線と同じ、各種回数券で支払うことも可能。
なお、五城目線と追分線は、手続きをした市民・通勤者が現金払いする場合に限り、市内区間が100円になる。よそ者には関係ない。

したがって、JRでは最大420円かかる区間が、潟上市マイタウンバスを使えば100~200円で移動できる。
時間的にも、列車が1時間以上空く時間帯、追分での接続が良くない時間帯もあるし、ショートカットして距離が短いために、意外にかからない。
2010年放送の路線バス乗り継ぎ旅では、男鹿方面から日本海側を南下する一行が、マイタウンバスを2度乗り継いで(現在とは路線が違うかもしれない)天王グリーンランドへ行き、さらに追分線に乗り換えて、比較的スムーズに秋田へ向かっていた。

日曜祝日は全便運休(土曜は運行)なのと、本数が多くはないことは要注意だが、なかなか便利。よそ者がバスの旅を楽しむのにもいいでしょう。


潟上市マイタウンバスの運行業務は、中央交通の子会社・秋田中央トランスポートに委託されており、同社五城目営業所管轄。
車両は、潟上市が購入したのか、ほぼ真っ白いボディの専用車と、中央交通系列一般塗装の緑色のバスが混在して使われている。
緑色のバスは、行き先表示がLEDでない方向幕の車ばかりのようで、同じく同営業所が担当する八郎潟町・五城目町・大潟村の「南秋地域広域マイタウンバス」でも使われるようだ。南秋広域では、LED表示の車もあり、それは潟上市には入らないのか。
新国道経由五城目線を担当するのは、中央交通本体の五城目営業所(場所は同じで、業務はトランスポートが受託しているそうだけど)なので、車両は別。

白塗装も緑塗装も、小型車と中型車がある。どう使い分けているかは不明。
専用車の三菱エアロミディ。ワンステップの中古車
ナンバープレートが14-79だから、最近、2020年の登録。中ドアガラスの注意書きからして、京成グループの中古。白塗装だとLED表示。
中央交通本体では、最近の中古車はいすゞか日野ばかりだが、トランスポートには三菱と日産ディーゼルが多い傾向。
専用車の日野ポンチョ214
ノンステップの小型バスも。2016年新車導入。ショートボディなので1ドア。秋田市のぐるる用(ロングボディ2ドア)の1つ前モデルの末期製のようで、マニュアルトランスミッション。

このポンチョに乗った。最後部の座席1列だけ段が高くなっているが、そこは紐で封鎖されていた。
整理券は使わないが、発行機は設置。その発行機や運賃箱、降車ボタンは、中央交通では採用していない、レシップ製【12日補足・運賃表示器だけがレシップ】。車載機器も潟上市の裁量で選定したのだろうか。【13日追記・座席の布地も、中央交通が好む柄入りではなく、日野標準の柄なし水色だった。】
その関係か、自動放送も中央交通本体とは違って、弘南バスと同じ人。
運賃表示器というより停留所案内装置は、1画面の液晶(レシップ製?)がちゃんと作動して分かりやすい。
行き先表示機は、ポンチョは不明だが、中古のエアロミディでは中央交通と同じオージ製。

そして、
一般塗装の日野リエッセ
これは、秋田市交通局として最後の購入車両の1台、1996年度導入の65号車だった車。
中央交通譲渡後も秋田市内を走っていた(関連記事)が、今はここで活躍。
元市営バスの車両としては、1988年製という異例の長命の元局番221号車も五城目配置(南秋マイタウンには使われているが、潟上市には使われないのかも)で、これらが最後の2台。

かつては大型バスも使われていたそうで、
(再掲)この車。写真は中央交通本体時代
1994年度に秋田市交通局が購入した、いすゞLVキュービックのワンステップ車(超低床バスと呼ばれた)の1台、局番128号車だった車が中央交通へ譲渡され、臨海営業所、男鹿営業所を経て、最後に五城目営業所で潟上市マイタウンバスに使われた。


今回の移動の記録。
男鹿線二田駅。海・国道101号と反対側が正面
二田駅前にもバス停があって、前の道を男鹿方向へ進むとすぐに次、
「二田駅入口」2路線が計片道10本ほど
片側にのみポール設置。「バスで行こう」タイプでフレームがオレンジ色。オレンジ色は秋田市内では小中島入口のボロっちいのくらいしかないが、秋田市外では状態のいいものがけっこうある。
二田駅入口の下に「郷土文化保存伝習館」が透けていた。大久保の秋田道のほう【14日補足・豊川地区の辺り?】にある施設で、今は経路が変わって通らないようだ。

男鹿線の踏切を渡ると、突き当りに国道101号とロードサイド店が見える。
突き当りの手前にバス停
右側にあるスーパーの名を取った「テラタ前」。テラタは能代市拠点で、この天王店が南限。

ポールはほぼ向き合って両側にあり、片側はグレーフレームのバスで行こう。テラタの駐車場に置かれたものは、市営バスタイプ表示板に日本語のみシール貼りで、頭でっかちタイプ
駐車場のバス停から、買い物帰りらしき年配女性2人とともに、国道から曲がって空で来た潟上市役所行きに乗車。線路を越えて二田駅前から男鹿線と並行する旧道を進んでいく。途中でもう1人乗ってきて、3人とも上二田駅前後で降りていった。バス停の順番を尋ねる人もいたから、乗り慣れていない人もいたようだ。

客1人となって国道へ出て、男鹿線を越えて、天王グリーンランド、潟上市役所へ。乗り継ぎはグリーンランド、市役所どちらでも可能。【13日追記・今回は、有意義に時間がつぶせそうなグリーンランドで乗り継ぎ。】
「天王グリーンランド」バス停
ここで折り返す中央交通・追分線と共用の待合室あり。

トランスポート側(そういえば「潟上市マイタウンバス」とは表示板には書いてない)は頭でっかちで、英字(GREEN LAND)入りで、カッテイングシートのようだけど、フォントは「HG丸ゴシック」?
中央交通側は、数少なくなった四角い共用タイプ(を中央交通単独区間に設置したもの)。「GURINRANDO」だから英語でなくローマ字。
マイタウンバスは4路線片方向20本
ここで20分弱待ってメルシティ潟上(飯田川。羽後飯塚駅の先)行きに乗り換えて、途中の大久保駅で降りてJRに乗り換えの行程。
ところがそれより数分前に、追分駅入口行きがあるのを見落としていた! 不慣れな土地のバスでやりがちな失敗。JRのきっぷを買っていたし、どちらでも乗り継ぎ先は同じ列車だから、そのまま大久保まで行くことにした。
元秋田市営バスのリエッセが来た追分行きには、若い人も含めて5人ほど乗っていた。
ちなみに追分駅入口とは、追分駅前の国道7号にあるようだ。そこが潟上市と秋田市の境で、追分駅自体は秋田市に所在。どうせなら駅前に入ればよさそうだけど、潟上市外には行かないことになっているのか?

さっきのポンチョが入ったメルシティ行きはまた空。もうお1人とともに乗車。途中でもう1人乗ってきて計3人。大久保で2人下車。
土地勘のないルートを進む。さっきよりは農村地帯の趣が強い。
田園を進む。秋田市とは違うシルエットの太平山も
国道7号とは逆側から、大久保地区へ。「小玉医院」の中に入って、踏切を渡って、大久保駅前に入った。
「大久保駅前」6方向に22本
サビ気味のオレンジフレームバスで行こう。
表示板の取り付け方が違うのか、ネジが見えず、のっぺりしたバスで行こう。裏は、
見慣れた感じ?
この「バスで行こう」は、秋田市内や二田のとは少し違う。「バスで行こう」が手書きでなく活字。モリサワ「新ゴ」かな。
飯田川、井川辺りにかけてこのタイプが多い感じ。フレームはサビているけれど、表示板としては新しいのか。

中央交通五城目線は、駅の前の県道104号を通り、「大久保駅入口」バス停がある。上下ともシルバーフレームのバスで行こう。
2015年に建て替えられた大久保駅舎。バス停は右側

中央線と山陽本線と奥羽本線、全国に3駅ある大久保駅の1つ。
テレビ朝日「さすらい刑事旅情編」の後継として、1シーズンだけ放送された「風の刑事・東京発!」という、鉄道警察隊のドラマがあった。【13日補足・さすらい刑事も風の刑事も、「デカ」でなく「けいじ」と読む。】
その8話、1995年12月6日放送「20年目の再会!名前のない男」は、大久保駅が3つあることをからめて、秋田の大久保駅が舞台になった。主演の柴田恭兵が大久保駅ホームにいるシーンもあって、まだ新しかった701系電車と共演していた。
今のホーム。701系の帯色が濃くなったほかは、あまり変わっていない?

初めて乗った潟上市マイタウンバス。車窓のほか、中央交通本体とは違う点もあって、隣の市なのにちょっとした旅行気分を楽しむことができた。

隣の井川町のコミュニティーバスやバス停について

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2 コメント

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さすが潟上 (FMEN)
2021-05-12 00:11:22
昔、秋田市営バスのほかに公営路線バスを走らせていた天王町のDNAがありますね。
潟上市になり系統がさらに複雑に増えましたが生え抜きな天王線はまだあるはず。
天王町から中央交通に移管され、再び公営化された路線。
マイタウンとは名ばかりで丸投げばかりして齟齬をきたしてるどっかの市も見習うべき!
駅の三点移動とか柔軟じゃないですか!

追分は自分が研究した内容や教えてくれた内容にもかぶりますが、堀内の方に行くバスは下り線天王町だったし、あのサイズなら追分駅に入ることも許してくれたらと。
確か井川まで行く系統や、井川町のマイタウンバスは潟上や八郎潟まで走っていたはず。
そもそも堀内だけなぜ市営だったのか?っていうのが最近の疑問、研究予定テーマになりつつあります。
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うらやましい路線網 (taic02)
2021-05-12 22:19:32
利用者がもう少しいてもいいと思ってしまいますが、秋田県内では有数のうらやましい路線網でしょう。
車庫が五城目なのが、ちょっと大変そうですが、中央交通グループとしてもお得意先なのか。
秋田市は、市街地はなまじ一般路線がなんとなく成立してしまっているので、市街地/郊外ですみわけた格好ですが、泉外旭川周辺の住宅地などでもできるかもしれません。

隣の市町村まで行くコミバスもわりとありますね。バス旅番組でそれが救世主になる場合もあって。
追分駅乗り入れもできなくはないはず。JRの客を奪いすぎないよう、JRへ遠慮でもしているのか。
たしかに金足高岡線は突き出した市営路線でしたね。
昭和29年の運行開始だそうで、金足村が秋田市(と天王町)と合併する前年です。その経緯は、外旭川村と神田線と同じ関係で同じ年。合併のメリットとして、バス運行を秋田市側が提示したとかでしょうかね…
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