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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

唐突に横向き設置

2021-11-21 23:11:36 | 秋田のいろいろ
秋田市の卸団地のど真ん中、卸町三丁目と四丁目の間にある、信号機付きの十字路交差点。簡易郵便局が入る「秋田卸センター」の建物やコクヨが角にある。
西側から
片側1車線だが幅が広い市道どうしが交わる。卸団地内のメイン道路の位置付けであるとともに、北側は国道13号「卸団地入口」交差点(コジマの角)、西側はもう1本市道を越えると県道56号のハローワークの交差点に、それぞれつながっているため、茨島~古川添両交差点を通らずに幹線道路間を行き来できるルートを構成している。東側は、かつては実質行き止まりだったが、2019年に猿田川を渡って羽後牛島駅前方面につながる市道が開通した。そんな環境でも、交通量はそれほど多くはない交差点。

この交差点の信号機は、各方向に車両用信号機が2台ずつ(両面設置×4)、4本の横断歩道に歩行者用信号機が設置されている。4つの角に1本ずつ柱が立てられ(南東角だけ電力柱、他は専用の信号柱)、それぞれがまとめて取り付けられる。
ここの信号機更新工事が発注され、10月末~11月初めに、そのうち半分だけ施工された。
東から

南から
卸町四丁目側、南西角と南東角の柱に取り付けられた信号機だけ、歩車とも交換。南東角は電力柱、南西角の信号柱は交換なし。
車両用歩行者用とも、以前と同じ台数が、低コストタイプのLED式に交換された。いずれもコイト電工製なので、車両用はフラット型。
 
歩行者用は、近年秋田県警が標準化した、四角い棒から吊り下げる設置。2方向を1本の棒にまとめられそうなのに、別々の棒。

車両用。秋田市にフラット型が初設置されたのが2012年10月なので、もう9年経ち、すっかり見慣れた。しかし、ここは、極めて特異なことに、横向き(横型)での設置。
秋田では珍しい設置方法
積雪地秋田では、全域で車両用信号機が縦向きに設置されている。秋田市内では1985年頃から縦になっており、今では横型はかなりレア。なぜかすべて横型の池永小路・中通小学校裏、標識ゲートを再利用した旧脳研前など【23日追記・あと下新城の横山金足線にもすべて横の交差点あり】【28日訂正・中通小裏は南北方向のみ(片面設置×2)横型LED。東西方向=池永小路は、以前は横型樹脂製電球、2010年代前半に縦型LED(たぶん中古)に交換】。

フラット型信号機は、それ自体が着雪しづらい構造であるため、従来型では縦だった青森県津軽地方では、フラット型は横向き設置に変更している。秋田県でも、これからは横型にするのか?
今回は、秋田市内複数箇所の信号機交換がまとめて発注されているが、その中でここだけが横型で指定されていた。また、これより後の発注分も縦型。というわけで、横型移行ではない。
かといって、ここだけ横型にすべき理由はなさそう。中通のような謎の横向き。

そういう場合、可能性としてあるのは試験的設置。
秋田県警も、青森のように横向きに変えることを検討中なのかも。例えばこの冬の様子を見て、来年度から…などと。ここは、交通量がさほど多くないので、万一トラブルがあっても混乱しづらい、道幅が幹線道路並みに広い上、北~西方向が開けているので、吹雪による着雪状況が評価しやすい、といった理由で適地かもしれない。
半分だけ交換して半月以上そのままなのは、この状態で比較するためかもしれないが、従来型・電球式と比較しても意味がない。どうして止まっているのでしょう。



交換前の信号機について。
基本的には日本信号、平成3(1991)年7月製。ボディは車両用は樹脂(ポリカーボネート)製で銘板は横型の位置、歩行者用は金属(アルミ)製。※卸団地はもっと古くから存在したが、これ以前は信号機がない交差点だったのかもしれない。
しかし、車両用のうち2台だけは、小糸工業(現・コイト電工)製のアルミ製のいくぶん新しいもの。東進側と西進側それぞれで、左正面に見る信号機(主灯器)、写真ではボディがベージュ(樹脂が経年で変色)でなくグレーのもの。
左側がコイト製
実は以前にもここで試験と思われる設置がされていて、その名残りだと思われる。【22日補足・このことからも、ここが再度試験地とされた可能性はあるのでは。】
現在の東進側

2002年4月撮影の東進側
少なくとも2001年春頃~2022年4月の時点では、LED式信号機が設置されていた。小糸工業製?【下の追記参照】 それが取り外され、電球式に戻っている(ストリートビュー最古の2012年9月では、もう今と同じ電球式)。
秋田県でLED式信号機が本格採用されたのは、2002~2003年頃から。
それより早くの設置だったので、おそらく初めて見たLED信号がここだったかもしれない。物珍しくて撮影していたが、当時は、今よりも信号機への興味が低い時期で、これしか撮影しないでしまったのが悔やまれる。

愛好家のサイトでは、秋田県のLED信号は、県庁・秋田市役所前にあったもの(交換済み)が最初期とされ、卸町への言及はない。実際には、卸町も県庁前と同時かやや早い設置ではないだろうか。
県庁前のものは、LEDながらちょっと変わった方式であるものの、その後長期間(2010年代前半頃まで)使用された。
卸町のほうは、現在もよくあるLEDの粒がそのまま見えるものだが、粒が細かくて多いのが初期の特徴。位置的に、西日と吹雪に対する視認性確認と(東向きで)その対照用だったのではないだろうか。なぜ外されてしまったのかは分からない。
【12月5日コメントをいただき追記】このLED式は、京三製作所もしくは松下通信工業による1998年前後製造ではないかとのこと。となれば、はやり秋田県最初期のLED信号だったのかも。


平成初期の秋田の標準的な構成の信号機だった交差点が、横型化。これが令和の秋田の標準になるかは、この冬の状況次第かもしれない。そもそも、本当に試験なのか不明ですが。

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5 コメント

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国際基準 (FMEN)
2021-11-22 21:33:28
止まれがSTOP(秋田は消極的な感も)みたいに、国際基準では横が普通だし、縦は特注でお金もかかるという話しもあります。
外国人ならず太平洋側の人がわかりにくいとか。
さらに、既存の横を横をにしたら
ようやく最後の一軒がなくなった河辺のバイパスなど、横を使っていたり、どんどん横は増えるかと思います。
フラットでなくても、サーモなどを使えば冬季対策は十分になりえそうで、開発されたら一気に行くのでは…
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横向き (sats)
2021-11-23 01:34:20
横山金足線の下新城に一ヶ所だけ横向き信号の交差点があり、他は縦なのにどうしてここだけ横なのかと通る度にいつも違和感があります。
県外に行って信号がみんな横型なのも、秋田の縦に見慣れていると変な感じがします。
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コメントありがとうございます (taic02)
2021-11-23 19:01:55
>FMENさん
国際基準は知りませんが、現状の実際としては、欧米はじめ多くの国で縦型が主流だと思いますが…
青森県では、高校生や県の研究所が、雪が付きにくいLED信号機を研究している(形状や素材)という話がありましたが、近年は音沙汰なし。停滞してしまったのか、現状でいちおう解決とされているのか。
完全移行は、横から縦が20年以上、LED化も20年かかっているわけなので、縦から横型へ転換するにしても相当時間はかかると思います。

>satsさん
そこにもありましたね。設置時期は中通小学校裏とだいたい同じと考えられ、周りが田んぼですから、やはり風雪への試験ではなでしょうか。かなり長期の試験になってしまっていますが…
すっかり縦に慣れてしまいましたが、その慣れは10年後の秋田でどうなっているか、卸町のその後に注目です。
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試験設置されていたのか、、 (takakoara)
2021-12-04 20:19:17
こんばんは。2週間くらい前の記事にコメントして申し訳ないです。
卸町の東進側に試験的に設置されていたとされる初期LED灯器は京三製作所製(OEMで松下製の可能性もあり)のセパレート型のもので、平成10年前後に製造されたと思います。私が知っている限りでは県内で他の設置例は無いですね。それにしても設置から撤去まで短いですねぇ(笑)、、、当時は相当高価だったとは思いますが。
勝手な考察ですがここが試験地とされているとしたら、電球式のものも意図的に残している可能性があります。謎が深まるばかりです。。
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こんばんは (taic02)
2021-12-05 00:00:20
情報ありがとうございます。
そんなに早い時期の製造なのですか。京三、松下いずれも秋田市内では少数派ですから、その意味でも試験の感じがしますね。
実はここは、2001年当時通っていた、自動車教習所の路上教習コースになっていて、存在を知った次第です。そうでなければ通らない場所で、その前もその後もよく分からないのが悔やまれます。

横型の今後は、いずれ追記していきます。
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