広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

西にある東入口

2024-07-28 23:43:44 | 秋田の地理
2024年9月いっぱいで廃止されることが決まったらしい、秋田中央交通のバス路線「南大通り経由 日赤病院線」。牛島小学校経由と城南中学校経由があり、現在は牛小経由が下り(秋田駅西口→日赤病院前のみ)、城南中経由が上りのみ、平日午後に片道1本ずつという、あまり存在意義がないのが実態。※本路線単独区間では、通勤通学通院には使いようがないダイヤという意味。牛島小学校付近では二ツ屋福島線と重複するので、合わせるとそれなりの便数があり、利用者はいる。

2026年にも始まるという、秋田市のバス路線網再編案では、牛島小学校経由が、羽後牛島駅発着に変更(秋田駅方面からは乗り継ぎ)されて、相当の便数がある「幹線」に格上げされるらしかった。
牛島小学校経由は復活したとしても、城南中学校経由は、あと2か月で、永遠になくなってしまうのだろう。
その区間にあり、路線とともに廃止されるであろうバス停に、命名が謎というかおかしいものがあった。秋田駅に向かって、金照閣踏切の手前にあるバス停。


「金照寺山公園東入口」
太平川・奥羽本線・羽越本線にはさまれた金照寺山公園は、今では存在感が薄れて、そもそも正式な「公園」なのか分からないが、昔はけっこうな行楽地だったらしい(2014年に「にっぽん縦断こころ旅」の目的地になった)。今は、単に「金照寺山(きんしょうじやま)」と呼ぶほうが一般的だろう。城南中学校のある丘。
ちなみに、奥羽本線をはさんで東隣の丘が、一ツ森公園。

北側から。緑の木々が金照寺山
↑下りがあった当時は、向かい側角の白と黒の建物の所にバス停があった。上りは数十メートル先。
なにがおかしいって、「東入口」。
立地を考えれば、どう考えてもおかしい。
地理院地図に加筆。赤い線がバス路線、★がバス停
地形図なので、上が北、左は西。
バス停は、金照寺山の左ふもとにあるのだから、「西」に位置する。これで「東入口」ってことがあり得るのだろうか。
羽越本線ができる前、明治時代の地形図を見ても、金照寺山の形はほぼ同じであって、昔はここが東だったということでもなさそう。

2014年のこころ旅の時に気付いて、記事にしていたのだが、バス停名に表記揺れがあった。
2014年時点では、路線図やホームページの時刻表検索では「~東入口」であったが、現地の表示板は「金照寺山公園」であった。
2019年9月 下り側
Googleマップストリートビューでさかのぼれる最古、2012年9月の画像でもそうだったし、表示板のフォントがJTCウインRであることを踏まえると、このタイプの表示板が設置されていた、秋田市交通局(秋田市営バス)からの路線移管直後=2000年代前半~中頃から、そうだったと考えられる。

その前、市営バス末期の表示板がどうであったか知りたいところだが、知る術はない。
当ブログで時々登場する、全バス停名記載の1988年の冊子時刻表では、
「金照寺山公園」
この時も、冊子と現地で表記が違った可能性も否定できないけれど。

ここでこの路線の変遷について。
もともとは「上北手線」という路線名で、南大通りではなく、他の牛島経由各路線と同じく、広小路/中央通りを経由し、上北手古野(この)まで行っていた。
1988年の時刻表
1998年に日赤病院が現在地に移転すると立ち寄るようになった。2001年に中央交通へ移管。2010年には、不採算路線廃止の一環で末端部が秋田市マイタウン・バス化され、日赤病院止まりとなり、牛島経由日赤病院線に。2013年から南大通り経由に変更され、減便を経て、現在に至る。1992年の連続テレビ小説「ひらり」に映りこんだこともあった


現地の表示も東入口となったのは、つい最近、2019年9月から2022年10月の間。現行仕様の太いスーラの立派な表示板だが、表示板のみの交換で、支柱はサビサビ。
なお、2022年10月改正で、片道運行になっている。

近隣のバス停は、
「城南中学校前」

「石塚谷地」
いずれも、JTCウインRの表示板。色あせていて、交換されてもおかしくない状態なのに。
東入口だけ表示板を交換したことになる。倒れるなどして破損した可能性もあるが、表記が揺れているのを直す(つじつまを合わせる)ために、交換した可能性もなくはない。路線図、サイト、(以下未確認だか)車内放送、運賃表示器を更新するよりも、表示板1枚を替えたほうが安上がりだろうから。(憶測です)


どうして「東」となったのか(間違ったのか)、想像すらつかない。その謎を残したまま、消えていく金照寺山公園東入口。
秋田市内では、ほかにも旭北前勝平二丁目、古城苑二丁目といった、由来がよく分からないバス停がある。
コメント
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