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羽後本荘 新駅舎

2022-05-07 18:52:11 | 秋田の季節・風景
秋田県由利本荘市にある、JR羽越本線・由利高原鉄道鳥海山ろく線の羽後本荘駅の駅舎改築。※2019年、旧駅舎最後の頃
工事途中2021年3月までお伝えしていたが、2021年8月5日から供用されていて、先日初めて訪れた。

旧駅舎は、昔からの市街地である西側にしか出入口がなかったが、東西自由通路ができて、東側からも利用できるようになった。以前からの西側出入口が「西口」となった。
西口正面
北前船をイメージしたデザインの建物らしいが、どうだろう… そもそも北前船ってこんな色じゃないでしょう。先代駅舎には、どことなく似ている印象がしなくもない。

新駅舎の右(南)側にあった先代駅舎【10日訂正・先代駅舎と同じ場所に新駅舎が建ったのだから、なくて当然。南側には仮駅舎があった。】仮駅舎はすっかりなくなっていた。その跡や旧ロータリーを駅前広場に整備中。バス乗り場は仮のようで、上写真の歩道部分にプレハブ待合室がある。
南側から旧駅舎跡。背後に駅前交番

新駅舎中央(正面から見て黒い部分)に、あまり広くはないドアがあって、そこが西口=自由通路&駅のドア。
西口出入口屋内側。左が駅の外、背後に階段
ドアを入って正面(上写真右)がトイレ、左(写真正面)にエレベーターとその右奥にドアがある。ドアの中は「由利本荘市観光情報発信施設」。発信施設から直接駅の外につながるドアもあるので、バス停付近からこの施設内を抜けて、自由通路・駅へ行き来することも可能。
由利本荘市観光情報発信施設内。背後が外、右ドア外がトイレ・階段
施設といっても、広くなくて「部屋」程度。この時点での由利本荘市観光情報発信施設には、椅子と机が置かれるほか、田舎町(と言っては失礼だけど)の中心駅によくある、地元特産品が並んだショーケースがあり、テレビで案内映像が流れる程度。無料Wi-Fiが使えるようだ。
椅子に座ってバスや列車を待つような人がいたが、バス停のプレハブよりずっと快適。
観光案内所の機能も持たせられる(上の写真左奥の扉がアヤシイ)ようだが、たしか費用面でできず、無人で運用するという新聞記事が出ていたはず。

なお、駅舎内に店舗はない。キオスクは旧駅舎時代にすでになくなっている。


トイレ前へ戻って、自由通路へ。
階段
踊り場で折り返す、広い階段。正面から見て右半分、ガラス張りの部分が全部階段ということになる。
2階から
昨年、外観ができ上がった状態を見た第一印象が「高い」。同じ在来線の橋上駅舎である秋田駅や弘前駅などと比べて、羽後本荘駅は、建物の背が高く見えた。
完成後を見て、中に入っても、それは変わらなかった。何より、階段の段数が多いと思う。また、そのわりには、自由通路部分の天井は低いように感じた。近年新しく橋上化された、横手駅や湯沢駅を見ていないので分からないが、これが最近のやりかたなのかもしれない。どういう意図なのか。


自由通路へ上がると、正面が、JRのきっぷ売り場。

「話せる指定席券売機」と近距離自動券売機が1台ずつ。最近は珍しくもないが、対面の窓口はなく、これだけ。
その隣が、
JR改札口。奥が東側
自由通路は愛称「ごてんまりロード」。長さ55メートル、幅4メートル。標準的で妥当だろう。
天井には、地元企業から寄贈されたごてんまり20個がぶら下がる【8日補足・1階にあるものも含む数かも】が、鉄骨や配線なども見えて、少々うるさい。

上の写真でJR改札口の向こうに、ガラス張りの部分が見えている。それが、
待合室。その右隣が由利高原鉄道の窓口・改札口
待合室は15席。広かった旧駅舎では40席あった。
待合室内に自動販売機が3台。右側のこいのぼりは改札内通路
自販機は、セブンティーンアイスのほかは、いずれも複数ブランドの飲料が入るNeOS(ネオス。ネスレと関連あり=過去の記事)と由利高原鉄道デザイン(たしか地元ベンダー)。旧駅舎時代から変わらない面々のはず。
旧駅舎時代の羽後本荘駅では、なぜかJR東日本系のacure(JR東日本クロスステーション)の自販機がなかった。新駅舎を機に導入されるかとも考えていたが、変わらなかった。
なお、NeOSはSuica決済対応で、acureには入っていない不二家ネクターなんかも入っていた。

自由通路東側に突き当たって振り返る
東側へ下りてみる。
南方向へ一直線の階段
東側の駅舎(階段室?)は西側よりもコンパクトだが、階段自体の幅は東西同じか? 東側の階段は、途中に踊り場はあるものの、向きは変わらず一直線。高さが分かる。
もちろん東にもエレベーターはある。見落としたが、トイレもあるようだ。
ごてんまりロードの円形マーク

正面の白い建物が階段下り口。左がホーム
東口駅前広場は未整備かつ未着工。その周りは住宅街。自転車置き場はあるようで、通学が便利になった人もいるだろう。
東へ一直線に細い道
この狭い道が、東口へのメインルートのようだ。350メートルほどで国道105号の信号機のある秋田銀行本荘東支店前の交差点へつながる。
危険なので、由利本荘市は駅前広場整備とともに道路拡幅も進めている。現在の幅4メートルを9.5メートルにし、2026年度内完成予定。

これまで、羽後本荘駅からいちばん近いスーパーマーケットは、マックスバリュ本荘中央店(ジャスコ本荘店跡地)で約900メートルだった。
東口供用によりこれが変わって、国道沿いのマックスバリュ本荘店(まぎらわしいが中央が付かない)に変わった。一直線の道で国道へ出て、国道を渡って1軒北隣(駐車場内注意)、500メートルほど。近隣にはドラッグストア、ホームセンター、書店などもある。【2024年7月12日追記・マックスバリュ本荘店は、2024年7月にリニューアルして「イオンスタイル本荘」となった。】
コンビニも、西側のローソン由利本荘花畑一丁目店と、東側(秋銀の隣)のファミリーマート本荘中梵天店が同じくらいではないだろうか。



改札の中。
JR改札口 内側から。発車標は3色タイプ
自動改札機は、入場出場兼用2通路。改札口がとても小さくなってしまった感じはするが、それは物理的な幅であって、自動改札の台数は旧駅舎時代から1台(出場専用が1台あった)減っただけ。

改札内通路
左に待合室がガラス張りで見えるが、改札内からは出入り不可。
改札内にもトイレあり。以前同様、改札内では由利高原鉄道との仕切りはなく、区分されていない。

1・2番線ホーム。左は西側駅舎
ホームは以前のまま。臨時いなほ(酒田~秋田延長)は、上下とも思ったより乗車率がよかった。


最後に、これまではあまり見られなかった、高い位置からの羽後本荘駅周辺の眺め。
これは以前も見えた南方向。左奥にわずかに鳥海山

東方向
住宅地の向こうに、国道のロードサイド店の看板。左奥高い位置に、子吉川対岸の秋田県立大学本荘キャンパス。

北方向
中央奥に由利組合総合病院。その左には新緑の低山が連なり、風力発電の風車もある。新山と思われるが、駅からこう見えるとは知らなかった。手前、駅のすぐ西には、古めかしい黒い倉庫も。

西方向
見慣れた羽後本荘駅前も、この位置からだと新鮮。道路に角度が付いているのと、建物があって、カダーレも由利橋も見えない。


本荘に限らず、どこも地方都市旧市街地は寂れ、鉄道駅の利用者は減り、駅や自治体の施設は合理化され、店はなくなっている。これが現状で精一杯で適切な駅舎なのだろうけど、屋根付き跨線橋+券売機+自動改札だけとも言え、寂しくも感じた新駅舎であった。
コメント (8)
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